うどんげの年表

Last-modified: 2023-09-09 (土) 16:39:37

うどんげの設定を時系列順にして整理するページです*1

 

【前提:玉兎通信は「会話」なのか】

そんなある満月の夜、月の兎同士が使うという兎の波動を鈴仙が受信した。
これは、どんなに離れていてもその大きな耳で会話が出来るという月の兎の特殊能力である。
(永テキスト)

鈴仙は部屋を出て満月へ向かって話しかけ始めた。一見危ない人のようだが、月の兎はああやって
遠く放れた兎同士会話が出来るのである。(小説一話)

レイセン、もうすぐ月は戦場となる。誇り高き我々と一緒に戦ってくれないだろうか。
そして、一緒に居ると思われる地上人に伝えてくれ。
次の満月の夜にレイセンを迎えに行く。抵抗しても無駄だ。」、と。
鈴仙はそろそろ月に帰らなければいけないと、輝夜達に伝えた。(永テキスト)

うどんげが月に向かって「話しかけて」おり、永での通信でも「レイセン」と名指しにしており、
レイセン2号の説明より、玉兎通信は無線のような仕組みと考えられる。但し、

月の兎同士、どんなに離れていても簡単な意思疎通なら出来るのだ。大きな耳は別の兎の念を受信する為にあるのである。勿論、正確な会話が出来る訳ではなく、どちらかと言うとみんなが普段考えていることが風の噂で耳に入ってくる、というレベルであるが。
(小説六話 P135-136)

といった記述もある。レイセン2号の心理描写であるため嘘は有り得ない筈である。しかし風の噂といったレベルではレイセン2号自身が行った以下の月の仲間との通信も困難と思われる。

レイセン2号:豊姫様 今 依姫様の元にいる仲間から連絡がありました
豊姫:貴方たちはいつでも連絡が取れて楽ね
レイセン2号:どうやら侵入者は全て倒したそうです そいつらを地上に送り返すために豊姫様の力が必要だと
豊姫:了解 こちらも全て終わったと報告してね 忍び込んだ形跡があった不浄な者はすべてつかまえたと
(漫画 底P112)

とりあえず対象を限定する等なんらかの条件により風の噂から会話に切り替えることが出来ると仮定して整理するものとする。

永夜抄前

立ち位置

豊「今日から貴方のことをレイセンと呼ぶわ。これは昔地上に逃げたペットの名前」(漫画七話)

依「昔のレイセンの方が才能有ったのだけど……今はどこで何をしてるのか」(小説三話)

月の使者に所属し、かつ綿月姉妹のペットだった。評価も高かったらしい。

逃走

レイセンとは先の戦争が始まる前に逃げ出した兎である。
レイセンは能力的には高かった。簡単に姿を消し、人の心を乱すことが出来た。
だが、性格は臆病で自分勝手であった。その性格は戦闘時は致命的であると予想は出来たが、
矯正は出来なかった。結果、協調性は低く、
実戦の前に任務を放棄し地上に逃げてしまったのだ。(小説三話)

レイセンを探し出し月に連れ戻す事も私達の仕事ではあるのだが、アレから四十年以上経ってしまい時効とするしか他に無かった。レイセンは地上で人間に捉えられ鍋にされたか、穢れにまみれて月に連れ戻すには適さないと判断した。(小説三話)

月の使者担当兎は、素行に問題がある者が強制連行されてきているため
うどんげも例に洩れず性格に問題があった。

そして、臆病さと自分勝手さから、戦争が始まる前に逃げ出した。
ちなみに、この戦争が誰との、どういう戦争だったのかは未だに分からない。
地上人なら表の月に来るだけで、裏の月(月の都)にいる月人とは関係がないからだ。

ただし、観光ロケットを囮に酒を盗む程度でも本人が戦争と言ってれば月面戦争なので、
地上人が勝手に旗を立てるのも戦争になり得る。

豊姫の回想を儚月抄を発表時期に準じて2007年頃とするならば40年以上前ということで1967年かそれ以前の事となる。これはアポロ11号(1969年)より前。永夜抄において永遠亭到着時のうどんげは旗に対する知識を持っていた。(1)逃走後に知った (2)非公開の月着陸があった (3)40年以上前というのは記憶違い、等のケースが考えられるが、不明。

「人の心を乱すことが出来た。」とあるが(1)アポロ11号(もしくは12・14・15・16・17号)の飛行士の心を乱した (2)非公開の飛行士の心を乱した (3)月人の心を乱した、といったケースが考えられ、月人の場合、(1)月人の心を乱すという非行をやらかしたため月の使者送りになった (2)月の使者になってからの戦闘訓練で月人の心を乱してみせた、といったケースが考えられるがこれも不明。うどんげ自身は永夜抄において地上の宇宙飛行士の心を乱したと言っている。

豊姫の地上のうどんげについての推測が月人ジョークで無いならば、うどんげの能力は人間に捕まって鍋にされうる程度のものと見られている(同時に地上人はうどんげを鍋にしかねない存在であると見られている)。また地上で穢れに塗れて生きていくことも可能と見ている。

永夜抄

うどんげ、永遠亭へ到着

幻想郷が人間界と遮断されてから、もうすぐ百年も経とうとしていた頃だった。
輝夜はいつも通り誰とも会わずひっそりと暮らしていた。
そんなある日、一匹の妖怪兎が輝夜の元に逃げ込んできたのだ。その兎は実は月の兎だといい、
人間以外が住む幻想郷の噂を聞きつけ、なんとか入り込んできたという。
その兎が言うには、「月に敵が攻め込んで来てもう生活出来なくなった
そいつらは月に自分達の旗を立て、自分達の物だと言って好き勝手やっている」、らしい。
兎は月の民が戦っている中、仲間を見捨てて命からがら逃げてきたという事だった。
輝夜は自分が月の人だと言う事を思い出した。
人間が月に攻め入る?そんな馬鹿な事があるわけが無い。
半信半疑だったが、その兎は嘘を付いている様には見えなかった。
とにかく可哀相な兎、――名はレイセンと言う、を家に置く事にした。(永夜抄 設定テキスト)

ついているウソは以下の二つ
①月に敵が攻め込み、生活できなくなった。そいつらは好き勝手やっている(儚を読めば分かる大ウソ)
②月の民が戦っている中、逃げてきた(実際は戦争開始前に逃亡)

さらに数十年後

さらにその出来事から数十年経った。
そんなある満月の夜、月の兎同士が使うという兎の波動を鈴仙が受信した。
これは、どんなに離れていてもその大きな耳で会話が出来るという月の兎の特殊能力である。
その内容は以下の様なものだった。
「賤しき地上人は月の魔力を搾取し、月に基地を作ると言い出した。
我々月の民は、人間とどうにか共存の方向で協議していたが、もう限界である。
我々月の民は、地上人に最後の全面戦争を仕掛ける事にした。
今の状況では、戦力は我々の方が若干不利に見える。
敵の近代兵器は我々の想像をはるかに越えていたのだ。
だが臆する事は無い、我々月の民には何千年も生きてきた知恵と誇りがある。負けるはずが無い。
レイセン、もうすぐ月は戦場となる。誇り高き我々と一緒に戦ってくれないだろうか。
そして、一緒に居ると思われる地上人に伝えてくれ。
次の満月の夜にレイセンを迎えに行く。抵抗しても無駄だ。」、と。
鈴仙はそろそろ月に帰らなければいけないと、輝夜達に伝えた。(永夜抄 キャラ設定)

うどんげは戦争前に逃げているので、実際にどんな戦争だったかは知らない。
なのでこの超ド級の玉兎通信を見抜けなくてもしょうがない。
もちろん「うどんげがぜんぶでっち上げた」と言う可能性もあるが。

玉兎通信、一時断絶

月?
月が結局どうなったのかは、地上に這いつくばって暮らす民である輝夜達には知る由もなかった。
(永テキスト)

永夜抄の後、しばらくは玉兎通信をやめていたようだ。

花映塚

四季 「貴方は大きな罪を負っている。仲間を見捨て、見殺しにし、
    貴方は一人だけのほほんと暮らしている。そう、貴方は少し自分勝手過ぎる」
鈴仙 「・・・」
四季 「今のまま過去の罪を清算せずに亡くなると・・・貴方は確実に地獄に堕ちるでしょう。
   もし私が裁きを担当したとしても、貴方を地獄に落とします」
鈴仙 「地獄ですって!今は真面目に頑張っているって言うのに!」
四季 「今頑張っても、過去の罪と向き合って居なければ全く意味がないのです。
   時間だけでは罪を清算しない。罪は裁かれて初めて精算できるのです。
   その為に、私が居るのですよ」
鈴仙 「地獄には行きたくありません!何とかならないものでしょうか」
四季 「反省だけでは駄目、後悔なんて以ての外。罪を犯すとは、そんな生易しい物ではない。
    罪は裁き以外では制裁出来ないのよ。でも今からでも地獄に行かないようにする方法もあるわ。
    その為にはまずここで裁かれよ!月に置いてきた仲間の恨みと共に!」(花映塚)

合っている点:仲間を見捨た(戦争前に逃げているため)
たぶん違う点:月に置いてきた仲間の恨み(儚を読んでもそんな雰囲気ナシ、せいぜい訓練で1人あぶれる程度)
びみょうな点:仲間を『見殺し』にした(儚的には圧勝で被害ナシだが、この時点だとまだ不明)

永でのイメージを度外視して読むと、言われているほど映姫様はハズしていない。
ちょっと詐欺っぽいと言うか、大げさなだけで。
苦しむだろう思いつつ見捨てることを見殺しとも言うけど、これもちょっと大げさな物言い。

儚月抄

玉兎通信、復活

さて、月を支配しようとする新たな勢力とは一体何なのだろうか。
もし、その勢力が前回の月面戦争のように外の人間であれば特に問題はない。
その昔、人間は月面に旗を立てて、月を自分たちの物だといった時代があった。
人間は自分の科学力を盲信していて、月ですら自分の物だと思ったのだろう。
しかし、蓋を開けてみると月の都の科学力とは雲泥の差であった。
月に月面をつくると豪語していた人間も、基地どころか建造物を造るような段階まで至らずに
逃げ帰ってきたのだ。人間の惨敗だった。外の世界では、月面着陸は大成功のように報道され
ているが、惨敗だったときは報道されていない。最初の月面到達以来、人間は負け続き
だったのでそれ以降月面には行っていないことになっている。
本当は、何度も月に行っては月面基地開発に失敗している事を、
月と通じている私たちは知っていた。
人間は大して成長していない。むしろ退化している位である。
再び月を侵略開始しようと、月の都にとって大した恐怖ではないだろう。(小説一話)

永では「もう月の事なんて知らない」とされていたが、儚だと「月と通じている私たちは知っていた」
に変わっている。
花映塚では月の状況を知らない反応だったため、おそらく花→儚の間で、やっぱり玉兎通信を復活させたのだと思われる。
そしてその結果、永でのトンデモ通信(月が侵略された)を正す、こちらの通信を傍受したのだろう。
つまり、永と儚とで玉兎通信の内容が180度違うのだ。
永琳はそのうち両方とも鵜呑みにしている。

玉兎通信Ⅲ

うどん「では、まず現在の月の都の状況から報告します。
    簡単に言うと、『地上からの侵略者』の痕跡が見つかって大騒ぎだそうです」
永琳「地上からの侵略者?」
私は、月の内部分裂だと思っていたのだが……また外の人間の仕業なのだろうか。
鈴仙の話によると、月の都に地上からの侵入者があったらしい。
その侵入者が目論んでいるのは、月の都を乗っ取ることだそうだ。
「そこまでは良いんですが、問題はこの後の話です」
「そんなにもったいぶらなくても良いわ」
「その侵略者に協力している月の兎がいるという噂があって、兎が次々と不当な裁判に
 かけられているらしいのです

うどん「それで私がスパイの筆頭のような扱いを受けているんだって! 地上と繋がりが深いから」
(小説一話)

「不当な裁判」については、この後まったく描写がなく、
「月の都の乗っ取り」についても、抜けた旗から侵入者を予想しているだけなので、
根も葉もない単なる噂である。
永琳はこれを鵜呑みにしてしまったため、トンチンカンなことを言ってしまった。

永琳「なるほどね。今の話で、神社にいる月の兎の正体が判明したわね」
「え?なんでですか?」
スパイ扱いされて拷問を受けていた兎か、本当にスパイ兎なのか、どっちかでしょう。」(小説一話)

玉兎通信(=月の兎がしていた噂)の実態

最近月の兎達の間で流行っている噂がある。
表の月に刺さっていた地上人の旗──我々はアポロの旗と呼んでいる旗が、
いつの間にか無くなっていたことから噂は始まったらしい。
その噂とは月の都の保安に関する物だった。「地上から誰かが攻めてくる」だとか
月の都に反逆者が居る」だとか、他愛のない物ばかりだったが、
純粋で噂好きな月の兎達はそれを信じていた。(小説三話)

永琳もそれを信じていた。

輝夜「旗を抜いたってことは、ついに始まるのかしら?」
永琳「始まるわね。月の都を我が物にしようと 増長した月の民同士の穢れなき戦い
   ────月面戦争が」(漫画一話)

私は、月の内部分裂だと思っていたのだが……(小説一話)

「旗が抜けた→月の都に反逆者が居る」という発想が玉兎と同レベルな師匠。
ついでに弟子に「他愛もない物ばかり」と、わりとキツめのダメ出しをくらっていた。

緋想天

小町 「ほう、晴れているというのに風が出てきたねぇ」
鈴仙 「?」
小町 「風は心のバランスが悪い者に現れる気質。
    相手によって態度を変えたりする幽霊だな。
    世渡りが上手ではあるが、反面心の病にも冒されやすい」
鈴仙 「何の話かしら?」
小町 「しかし、お前さんの空は晴れている。迷いは特に無いという訳か」
鈴仙 「何だか知らないけど、迷ってるんじゃないのならさっさと帰って下さい」
小町 「まあまあそういわずに・・・。少しぐらい遊んでいってもいいじゃないか」
(略)
小町 「風が弱まってきたね。もう時間切れかな?
   それにしても、お前さんは死んだら何処へ行くつもりかね」
鈴仙 「なんで死んだ後の事を考えないといけないのよ
小町 「私の仕事だからね」
鈴仙 「ま、普通に三途の河を渡ってのんびりしたいわ
小町 「へえそうかい。・・・ま、夢は持っておくんだな」(緋想天 会話)

花映塚での迷いは吹っ切れているらしい。
ただし地獄落ち確実な状態はまだ免れていない雰囲気。
後、他のキャラと違って小町が己の気質について語っていることに気付いてないようにも見える(意図的に惚けているのでなければ)。最後の小町のセリフもなんだかよくわからなかったかも?


*1 「矛盾」で片付けず、なるべく設定として一本にまとめる方針にしています。(矛盾ではなく嘘扱い)訂正、年号の詳細化など有りましたら編集お願いします