豊姫の能力について

Last-modified: 2023-07-20 (木) 12:50:17

分かりにくいと評判の豊姫の能力「海と山を繋ぐ能力」についてまとめ&解説をしました

はじめに

依姫にも言えることですが、綿月姉妹には設定テキストが存在しないため
○○程度の能力という明言がありません。作中で言われている

豊姫「私は海と山を繋ぐことができる。貴方(依姫)は神霊を呼ぶことが出来る」

から来る通称です。

描写、文章抜粋

豊姫様は海と山を同一視できる能力を持つ。その能力は月の海と地上の山を結び、
同じ場所とすることも出来るのだ。つまり大部隊を連れて一瞬にして地上に行く事が出来る
数少ない月の民である。月の使者のリーダーとして相応しい人物であった。性格はともかく。
(小説六話)

 

``量子的に物事を見た場合、起こりえる事象は必ず起こります。なぜなら量子の世界では確率的に事象が決まるのに、その情報を完全に捉える事が出来ないからです。結果を求められない確率で起こる事象とは、いかなる低い確率であろうと0ではない限り存在する事象なのです。この世は量子から出来ている以上、地上から着きに生き物が偶然紛れ込むなんて珍しいことではありません。それに私達だってそうやって地上から月に移り住んだのですから``私はいち早く八意様の教えを理解し今では地上と月を結びつけ、自由に行き来できる数少ない能力者である。(小説三話)

月の民は昔から世界が可能性で出来ている事、どんな事でも起こりえることに気付いていた。
 だからこそ、地上から月に移動することが出来たのだ。(小説三話)

 

鴉は晴れの海を越え、雨の海を越え、嵐の大洋へと飛び続けた。
(中略)鴉はスピードを一切落とさずに嵐の大洋を越えた。(小説三話)

妹に鴉の追跡を任せ、私は先回りをし鴉の行き先を操作する事にした。
月の都に辿り着く為の最後の海に罠を仕掛けるためだ。
海の上で暫く待っていると鴉は生物とは思えないほど、私の頭上に正確に飛んできた。
「穢土に生まれ、悪心に操られし穢身、お前の浄土はここではない!」
私が両手を広げると足元の海が次第に水分を失い、乾いた大地が姿を現し始めた。
草木の生えていない荒涼とした山、人間の月面探査の残骸、黒い空。そして空気のない世界。
荒涼とした表の月──これこそ地上の人間が追い求めた月の姿である。何と醜い、
寂しい世界なのだろう。大気と重力を失った鴉は、飛ぶ力を失い回転しながらゆっくり墜落し、
口から泡を吹いた。そして間もなく息絶えた。呼吸が出来ずに窒息死したのだ。
私は海と山を繋ぐ事が出来る。表の月と裏の月を結ぶ事もできる数少ない者の一人である。
鴉が完全に動かなくなった事を確認すると、再び海は水を湛え、豊かな大地が姿を現した。
(東方儚月抄 小説3話)

 

(静の海に石を投げる。すると空間に裂け目が生じ、そこに落ちる。空間が閉じる)
豊姫能力.png
「あの石が地上に落ちていったように 水に映った星から地上の生き物 
 たとえば鳥なんかが沸いて出てくるかも知れない」(漫画八話)

 

依姫様に重要な仕事を授かった私は、地上からの侵略者との戦線を離脱し、月の都の綿月の屋敷に戻った。
(中略:屋敷で永琳宛ての手紙を書く)
それを持って再び屋敷を飛び出した。今度は依姫様の元ではなく、正反対の方向へ向かった。
目的地まで大して時間は掛からないだろう。その間、地上に逃げた時の事を思い出していた。
(中略:地上での時間を回想)
巫女の味方になれば簡単に地上に遊びに行ける、そう考えた。
「――あら、もしかしてレイセン? また逃げ出してきたの?」
何か聞き覚えのある声がした。豊姫様の声だ。
「え? 豊姫様? 何処にいらっしゃいますか? いや、逃げ出したのではなくて
 依姫様に仕事を任されまして。って、あれ?」
真っ直ぐ伸びた木。辺りは暗くてよく見えないが何やら不気味な動物の鳴き声が聞こえてくる。
周りの景色に見覚えが無い。一体ここは何処だろう?
「あのー、 ここは何処ですか?」 (小説六話)

 

紫は最初に小さなスキマを開けて「月の賢者の住処」(綿月の屋敷のこと)の中が留守であることを確認。「ちょうど留守みたい」 と言う。この間に、3p分の会話を挟み、次に大きなスキマを開ける。
そして藍に「月の賢者の住処から、私を満足させる素敵な物を盗んでくるように」と命令。
 藍が大きな隙間を潜った後、続いてスキマをくぐる。すると何故か2人とも「月の賢者の住処」の中では
 なく「地上の竹林」に到着していた。※漫画の描写をまとめた(儚月抄 漫画17話)
賢者の住処=綿月屋敷であることの裏付け

紫「藍が私の作った切れ目に入って豊姫の能力を引きつけている間に 
  こっそりもう一つ穴を空けておいたのよ 
  二つのおとりで月の使者の家はがら空きになった 
  ''幽々子には直接指示はしなかったけど 必ずもう一つの穴を見つけて
   屋敷に忍び込んでくれる、''と」

 

レイセン「どうやら侵入者はすべて倒したそうです そいつらを地上に送り返すために
       豊姫様の力が必要だと」(漫画18話)

発動速度について

レイセンが

大部隊を連れて一瞬にして地上に行く事が出来る数少ない月の民である。(小説六話)

と言っているため、転送自体は一瞬だと言えるが転送までにかかる時間はどうなのか。
それについて解説する。

 
①小説3話から

鴉は晴れの海を越え、雨の海を越え、嵐の大洋へと飛び続けた。
(中略)鴉はスピードを一切落とさずに嵐の大洋を越えた。(小説三話)

海の上で暫く待っていると鴉は生物とは思えないほど、私の頭上に正確に飛んできた。
「穢土に生まれ、悪心に操られし穢身、お前の浄土はここではない!」
私が両手を広げると足元の海が次第に水分を失い、乾いた大地が姿を現し始めた。
草木の生えていない荒涼とした山、人間の月面探査の残骸、黒い空。そして空気のない世界。
荒涼とした表の月──これこそ地上の人間が追い求めた月の姿である。何と醜い、
寂しい世界なのだろう。大気と重力を失った鴉は、飛ぶ力を失い回転しながらゆっくり墜落し、
口から泡を吹いた。そして間もなく息絶えた。''
(東方儚月抄 小説3話)

いくつもの海を飛び越えてきた鴉を、頭上に来た段階で撃墜している。

 

②漫画から
漫画八話では小石が海に落ちる一瞬に合わせて発動しており、
漫画17話では行き先変更に対し、藍が気づけなかった。
(事前に、紫が別のスキマで綿月屋敷を覗いているので、あらかじめのトラップではない)

 

①②より、発動は非常に速いと言える。

繋げるのは「山と海」だけなのか?

豊姫の能力は

``量子的に物事を見た場合、起こりえる事象は必ず起こります。なぜなら量子の世界では確率的に
事象が決まるのに、その情報を完全に捉える事が出来ないからです。結果を求められない確率で起こる
事象とは、いかなる低い確率であろうと0ではない限り存在する事象なのです。この世は量子から出来
ている以上、地上から着きに生き物が偶然紛れ込むなんて珍しいことではありません。それに私達だっ
てそうやって地上から着きに移り住んだのですから``私はいち早く八意様の教えを理解し
今では地上と月を結びつけ、自由に行き来できる数少ない能力者である。(小説三話)

月の民は昔から世界が可能性で出来ている事、どんな事でも起こりえることに気付いていた。
 だからこそ、地上から月に移動することが出来たのだ。(小説三話)

とあるため、「量子理論の利用、応用」であり、「海と山」が関わる余地はない
が、小説五話でレイセンが

豊姫様は海と山を同一視できる能力を持つ。

とも言っており、実態がつかめない。
そこで、豊姫が能力を使用したシーンを考証し、海と山に限るのかを明らかにする。
先に言うと「海と山に関係なく発動したシーンがある」が結論である。

 
①式神鴉を殺したシーン

私が両手を広げると足元のが次第に水分を失い、乾いた大地が姿を現し始めた。
草木の生えていない荒涼とした山、人間の月面探査の残骸、黒い空。そして空気のない世界。
荒涼とした表の月──これこそ地上の人間が追い求めた月の姿である。何と醜い、
寂しい世界なのだろう。(小説三話)

山がある地帯を繋いでいる

 
②漫画八話でのシーン

静の海に石を投げる。すると空間に裂け目が生じ、そこに落ちる。空間が閉じる)
「あの石が地上に落ちていったように 水に映った星から地上の生き物 
 たとえば鳥なんかが沸いて出てくるかも知れない」(漫画八話)

静の海に小石を投げ込んでいるものの、行き着く先は地上である

 
③小説六話でのシーン

依姫様に重要な仕事を授かった私は、地上からの侵略者との戦線を離脱し、月の都の綿月の屋敷に戻った。
(中略:屋敷で永琳宛ての手紙を書く)
それを持って再び屋敷を飛び出した。今度は依姫様の元ではなく、正反対の方向へ向かった。
目的地まで大して時間は掛からないだろう。その間、地上に逃げた時の事を思い出していた。
(中略:地上での時間を回想)
巫女の味方になれば簡単に地上に遊びに行ける、そう考えた。
「――あら、もしかしてレイセン? また逃げ出してきたの?」
何か聞き覚えのある声がした。豊姫様の声だ。
「え? 豊姫様? 何処にいらっしゃいますか? いや、逃げ出したのではなくて
 依姫様に仕事を任されまして。って、あれ?」
真っ直ぐ伸びた木。辺りは暗くてよく見えないが何やら不気味な動物の鳴き声が聞こえてくる。
周りの景色に見覚えが無い。一体ここは何処だろう?
「あのー、 ここは何処ですか?」 (小説六話)
加えて、この場所について

紫「建物らしき物が見あたらない暗い夜 月であまり見かけなかった竹林 穢れ多き動物の咆吼
  それに空には…満月…それも少し欠けた」
藍「ここって…幻想郷ですよね?」(漫画版17話)

レイセンがどこを走っていたのかは明言されていないが、転送された先は竹林である。

 
④漫画17話のシーン

紫「この海は──賢者の海」
藍「賢者の─だとすると」
紫「そう ここが月の賢者の住処」
(紫、小さなスキマを開けて「月の賢者の住処(綿月の屋敷のこと)」を覗き、以下の発言)
紫「ちょうど留守みたい」 
(この後、3p分の会話を挟み、次に大きなスキマを開ける)
紫「さあ! 藍 最後の命令よ 中に入って私を満足させる素敵な物を盗んできなさい!」
(藍が大きなスキマを潜った後、続いて紫もくぐる。すると何故か「地上の竹林」に到着)
(漫画17話)

漫画7話冒頭で分かるが、綿月の屋敷はハッキリと都の中にある。
紫の「賢者の海が住処」を優先しても、精々「海の近くに建っている」がギリギリ言える程度である。
よって竹林綿月屋敷を繋いだと考えられる。

 

まとめると、
①静かの海→表の月にある山周辺
②静の海→地上
③レイセンの場所(不明)→竹林
④竹林→綿月屋敷(あるいは、海辺にある綿月屋敷)
であり、海と山に限定されていないと言える。

満月時以外も、地上と月を繋げるのか?

こちらに関しては満月に限るという明言はない上に、
あきらかに満月以外で転送している描写が、二つもあるため、
確実に満月は無関係だと断言できる。

 

紫「いけない! 満月が閉じてしまう」(漫画十七話)

とあり、この時点で満月ではなくなっている。そしてこの後に

レイセン「どうやら侵入者はすべて倒したそうです そいつらを地上に送り返すために
     豊姫様の力が必要だと」(漫画第十九話)

依姫「貴方たち(霊夢以外のロケット組)はもうすぐ地上へ送り返します」

と続くため、完全に満月以外で転送を行っている。

 

加えて、霊夢も

文「貴方たち(咲夜ほか)が戻ってきてから10日近く経つというのに 
  巫女が神社に戻ってきていないのも気になりますので」(漫画第二十話)

  の会話があった直後に戻っている。
  つまり、満月が欠けてから十日後、即ち満月ではない転送である。

さらに裏付け

漫画最終話に

妖夢「そういうことだったのですか 私も同行しましたが幽々子様はなんにも説明して
   くれないので本当に困りましたよ あれから一ヶ月間も 月の都に忍びこんでい
   たのですから」
紫「幽々子を選んだ理由はそれもあるわ 
 私が再び月と地上を結ぶことができる次の満月まで 
  月の都に忍び込んでいても目立たないから」

とあるため、幽々子が幻想郷に帰るまでは満月ではないことが明らかになっている。
漫画版底巻157pで分かるが、幽々子が戻ったのは霊夢帰宅から数日後である。
よって、ロケット組及び霊夢は満月以外の転送と、断言できる。
永夜抄が通夜抄に…