【レオーネ】

Last-modified: 2023-09-23 (土) 19:08:16

概要

神話時代の人物で、初代【盟友】。ゼドラ族の族長の子として生まれた初代【勇者】にして【神聖ゼドラ王国】の建国王、【アシュレイ】の双子の弟。兄からは「レオ」と呼ばれている。
【トランブル将軍】は義兄。幼い頃に【巫女クラメ】の神託でレビュール族の族長に預けられ、レビュール族族長の子として養育された。
担当声優は岡本信彦*1
なお、ゲーム内の名前表記は盟友や勇者などの肩書はなく、アシュレイと同じくそのまま「レオーネ」。
 
ちなみに、彼らの活躍を記したと思われる『グランゼドーラ王家の始まり』には、双子である勇者と盟友が世界を脅かす魔と戦い、その後兄が国をおこし、弟は人知れずいずこかへ旅立ったことになっている。

Ver.5.3

悔恨の園と哀惜の砂漠のうつしよの境界地にいる【謎の亡霊】たちから彼の生い立ちについて聞くことができる。
いわく、魔界からの侵略が本格化した頃に初代巫女が「ゼドラ族の女が勇者を産む」との予言を賜り、勇者として【大魔王】を倒す運命を背負いアシュレイとともに生まれた。
しかし、そのことでゼドラ族の発言力が日に日に増し、もう一方の有力部族であるレビュール族との仲が険悪となってしまう。
侵略の危機に直面しながらゼドラ族とレビュール族は結束しきれない最中、巫女は更に双子の勇者のどちらかをレビュール族に出すべきとの預言を賜るが、高齢な巫女はこの預言の日に亡くなってしまう。
 
その後、レビュール族を率いる立場の男に養育され、レビュール族の男として立派に育て上げられ兄と2代目巫女【ダフィア】、師である【剣聖ガーニハン】とともに【大魔王ゴダ】と戦い、討伐を果たす。
しかしゴダに断末魔と共に【石化】の呪いを放たれることになる。
母本人である謎の亡霊曰く、「解呪すべくあらゆる手を尽くした」がついに願いは叶わなかった。
なお、現代では呪いによる石化を解く手段として【天使の涙】が知られている。

また本人が明確に盟友と呼ばれている描写はない。
王家の墓やうつしよの境界地では一貫して双子の勇者と呼ばれている他、母方の祖父と見られる【謎の亡霊】【主人公】に向かって「この命の輝きは 勇者のものか!」と述べている。
また他の謎の亡霊は「おぬしの 命の輝き 双子の勇者の それに近いな。 勇者か それに近き者と お見受けした。」と発言している。
 
生まれてすぐに里子に出され、そして大魔王討伐の際に犠牲になるという悲運だらけの人生だったといえる。
レビュール族に引き渡された際、養育者が族の発言力を高めるための駒としてではなく父としてレオーネを育てたことが唯一の救いと言うべきか。
なお、この養育者は立場上大魔王討伐に同行できず、それを強く後悔している。
 

【天星の英雄たち】(Ver.6.0ストーリー)

そしてVer.6.0で兄のアシュレイとともに登場した。
熱血漢である兄とは対照的に冷静な性格で、兄の行動をたしなめたり状況を見極めたり等サポートにまわる傾向がある。
本ストーリーに登場するレオーネは魂から復元された仮初の肉体であるため、やはり死亡していたようだ。また、本人の口から盟友であることが明言された。
一方で【神代の遺構】入口前でアシュレイと再会した際、アシュレイの思い出話と合わせたセリフには「お前たちは勇者なのだから(と教え込まれた)」とも言っている。
転生前の生い立ちもあってか、どことなく影を含んだ発言が目立つ。
 
浄罪の泉の汚染を取り除くための材料である【破邪の黒曜石】?を採取して【神都フォーリオン】に帰還したところで登場する。
アシュレイとは別々の時期に魂から復元されたらしく、【四天の星巡り】もアシュレイが先行して挑戦していたためにまだ再会できていなかったらしい。
この時にアシュレイを驚かせるために自分がいることは内緒にしようと【主人公】に頼み込んで、レオーネは聖天舎へと向かうために別れる。
 
次に登場するのは【神代の遺構】に入る直前で、ここでアシュレイと再会する。
遺構に入る直前にアシュレイからは魔物が出るから注意するように言われるが、それに「大魔王より格下、死にはしない」と返し、更に「もうヘマはしない」と述べアシュレイが苦々しい表情を浮かべていた。
遺構の最奥の「ルティアナの清泉」では【汚染源ヘドロヌーバ】から盟友の守りで水をくみ上げるポンプを守り、その間にアシュレイと主人公でへドロヌーバを倒すことになる。
 
主人公と【ユーライザ】【アルビデ】の調査を一旦終えて回生堂に戻った後、一対一で話すことに。
この時に同じ盟友だからか主人公に近しいものを感じると発言している。
 
翌日の【神化の儀】に際しては、最初に魂の燭台を神化の光炉に捧げることを自ら志願、しかし儀式後に異変が起こって兄や他の英雄たちと共に【悪神】化。人類を滅ぼすと宣言してアシュレイと共に天星郷から姿を消した。

【ふたりの勇者】(Ver.6.2ストーリー)

アシュレイの【悪神の心域】である【勇者の曙光】にて、レオーネがレビュール族に里子に出されてから大魔王ゴダとの戦いで石化するまでが語られる。
同じく【ゼドラ王の黄昏】では、石化した彼が勇者の称号を剥奪され盟友へと「格下げ」されたこと、ダフィアにより両部族の対立を煽る道具として使われていたことも判明する。
 
アシュレイとの戦いの中でレオーネの計画が明らかになる。
【紺碧のピラー】【黄金のピラー】からエネルギーを吸収し、両試練場の維持のためにフォーリオンからエネルギーを供給させることにより、【とこしえの神殿】の封印を解かせて【アストルティアの楯】を入手・破壊することが目的だった。
また神化の儀の際、【ヘルヴェル】には神化の光炉に悪神の火種を仕込むチャンスがなかったことから、彼が一番に名乗り出て協力していたことも判明。
 
封印の解かれたとこしえの神殿内には、彼の心域として【盟友の虚無】が出現。
3500年前の世界で2代目勇者【アジール】によって石化の呪いを解かれた彼は、アジールの盟友となる。そして共に【大魔王ヴァルザード】を討伐するも、アジールは戦死してしまう。
アジールの母親である女王【ゼーナピア】はこれを「レオーネがアジールを謀殺した」として断罪、彼は火刑に処されてしまう。
しかし、火を点けられる寸前、磔にされた彼へ天からの雷が直撃。よって、彼の死因は火刑ではなく落雷による感電死となった。
なお、ゼーナピアや観衆といった周囲の人々は雷の演出と共に消滅しており、同時に落雷で死亡したとも解釈できるようになっている。
 
そこへ導きの【天使】が現れ、彼を英雄として天星郷に導こうとする。
「生まれてこなければよかった」「もうこのまま消えたい」と絶望する彼に、天使は「なぜ兄だけが助かったのか真実を見せる」としてある光景を見せる。
それは巫女クラメとダフィアが、部族の統一のため勇者の片方を石化させて亡き者にしようと企む場面だった。
またこの天使は【ジア・クト念晶体】の手先であり、レオーネもまたジア・クトの洗礼を受けていたことが判明。人類同士の争いの歴史に終止符を打ち、新たな階梯に引き上げることを目的として天星郷に導かれていった。
ユーライザ曰く、レオーネの処刑については星導課の記録にない出来事らしく、おそらくはこの天使が隠蔽したものと思われる。
なお、落雷の原因は明示されていない。絶望しきったレオーネが勇者の雷を用いて周囲を道連れに自害したと邪推できなくもないが、天使の方がレオーネの英雄化と関係者の口封じを兼ねて放ったとも取れる。
 
神殿の奥では守りに向かった多くの天使たちが傷つき、【天使長ミトラー】が単身抵抗していたものの形勢は不利であった。
駆けつけた主人公たちに、レオーネはピラーのエネルギーを奪っていた【悪神の右手】をけしかける。これを倒すものの、アストルティアの楯は奪われ、悪神の左手に蓄えられたエネルギーによって破壊されてしまう。
そして彼がジア・クト念晶体に呼び掛けると、それを感知した念晶体の先兵【ジア・ルミナ】が船とともに現れ、これと戦うことになる。
 
ジア・ルミナとの戦いには決着がつかなかったものの、ヘルヴェルの犠牲により彼らの船を追い払うことに成功する。
レオーネはジア・クト念晶体の一部として、ジア・ルミナに導かれるままに姿を消すのであった。

【魔眼の月が昇るとき】(Ver.6.3ストーリー)

左目と左腕にジア・クトの結晶を取り込んだ姿で、【結晶の塔】にて再登場。
自身の過去を再三に渡り主人公とユーライザに見せ、盟友という同じ肩書きを持つ主人公をジア・クト側に引き込もうと試みる。
その中で、アシュレイとお揃いの羽根飾りは幼少期に二人で狩った【スターキメラ】の羽根から作ったことや、石化が解かれてからはアジールの存在が心の支えであり、ゼーナピアと同様にその死をひどく悲しんでいたことが明かされている。
しかし、それでも主人公が動じない様を見届けると勧誘を諦め、塔の頂上にてジア・ルミナと共に二人を待ち受ける。
このまま2対2になると思いきや、肉体の復元を終えたアシュレイがその場に割り込んだため、ルミナが二人の相手をする間、彼女の命で実の兄と斬り結んでいた。
 
しかし、ルミナが敗北する姿を見た彼は、完全な存在として救いを求めたはずのジア・クトですら不完全であると悟り絶望、激しい怒りと共に彼女を背後から刺し貫き、喉元のコアを引き外して止めを刺した。
そして、彼女のコアを取り込んだことで全身がジア・クト化し【ジア・レオーネ】の姿に変身、勇者とジア・クトのチカラを持つ自らの手で人類もジア・クトも滅ぼすことを宣言する。
手始めに対峙する三人を吹き飛ばして塔から突き落とすが、ユーライザが天使のチカラで足場を作り出したことで主人公とアシュレイは救出される。
ユーライザが足場の維持に専念する中、主人公とアシュレイに対して憎悪を全開にして襲い掛かるも敗北。
戦闘後、アシュレイから大事な弟であることは変わらないが自分は勇者であり人々を守ると決めたと告げられ、レオーネがルミナに対して行ったように剣で止めを刺され、羽根飾りを残して塵となり死亡した。
 
その後、アストルティアはジア・クトの大部隊の襲撃を受け、英雄たちもその物量に苦戦を強いられるが、混乱の中レオーネの良心とチカラを僅かに残した羽根飾りは主人公に自身を掲げるよう語り掛ける。
主人公がこれに応じると、羽根飾りは強大な結界となって敵軍が作り出した次元の裂け目を塞ぎ、ジア・クトの撃退に大きく貢献した後消滅した。
ストーリー本編終了後、フォーリオンの回生堂で復活した英雄たちと会話できるが、その多くは自らも絶望に囚われた経験から彼に同情的である。
特に【ハクオウ】は「ジア・クトの手を取り討たれたのは自分だったかもしれない」と語り、【ナンナ】は「ジア・クトは心の闇につけ込んで、レオーネを(間接的に)殺害した」と憤慨している。
 
最期まで勇者や盟友という肩書が持つ運命に翻弄され、絶望して道を誤ったレオーネ。
その末路も、英雄の中では唯一【神剣レクタリス】による解呪を受けられず、敵として止めを刺されるというものであった。
もっとも、レクタリスが修復不可能に陥ったのは彼がジア・クトを呼び出し、ヘルヴェルに剣と彼女自身の犠牲を強いたからであるため、そのツケが回ったとも言える。
あるいは、レクタリスがあったとしても高純度ジア・クトを直接受け入れた彼の肉体からそれを分離し、ジア・クトを受け入れる前から絶望と悪意に染まり切っていた精神を更生させることは不可能だったかもしれない。
振り返れば、Ver.6【タイトルムービー】の最後のシーンではアシュレイだけ映りレオーネは腕しか映らず、飛び立つシーンにも居ないなどレオーネが別の道を歩むことは仄めかされており、この結末を予想していた人はいるのではないだろうか。
人間に絶望したとは言え、過去の姿と比較すると性格の歪みようには絶句しかねず、特に一度は勝手に期待しておいてその期待が外れると掌を返して切り捨てるというルミナへの態度は、かつて自身を陥れた人々と何ら変わらないものになってしまっている。
 
だが、元を辿ればこの星の民がアストルティア側と魔界側に分断され、勇者・盟友や大魔王といった存在が生まれて争う構図を作り出した原因は、ジア・クトの一員であったジャゴヌバ(ジア・グオヌバ)である。
つまりは、勇者として覚醒したその時からジア・クトによって運命を狂わされ、挙句にそのジア・クトに進んで手を貸してしまったことになる。
更にはそのジア・クトにさえ絶望して裏切った挙句に自ら人類を滅ぼそうとするわけだが、最後の最後にジア・クトの撃退に貢献したことで自分を狂わせ続けた黒幕に一矢報いたと言えるか。
なお、「元々は善人だったものの黒幕に踊らされて闇墜ちし、悪事に手を染めた末に死亡退場してしまうという弟キャラ」というポジションは、Ver.4シリーズの【クオード】やVer.5シリーズの【ナラジア】に通じるものがある。
特に前者とは、実の兄弟との時代の離別などを味わった末にかつて自身が嫌った者と同レベルまで堕落してしまったことや、最期に自らを狂わせた黒幕へ一矢報い兄弟に看取られたことなど共通点が多い。後者とは双子の片割れという点が共通する。

【第10回アストルティア・ナイト総選挙!】

予選では34位で本戦には出場できなかったものの、弟の分まで頑張ろうと奮闘するアシュレイの姿を影で見ていた。
 
なお、その後の第11回予選では悪役をやったにもかかわらず意外なことに26位と順位を上げ、兄を1つだけだが抜いている。



*1 2020年版のダイの大冒険にてノヴァを演じている