【大魔王】

Last-modified: 2023-11-13 (月) 13:23:35

概要

【魔界】全土の指導者となる者のこと。そのため【魔王】とは異なり、基本的に大魔王は一時代に一人しかいない。*1
またVer.5.0時点のように大魔王が空位で、魔界が統一されず群雄割拠になっている場合もあり得る。
 
歴代の大魔王の大半が【アストルティア侵攻】を試みているが、いずれも【勇者】【盟友】らに阻まれて敗死している。
大魔王と勇者&盟友は対になっており、大魔王の侵攻を切っ掛けに資質を持った者が勇者・盟友として覚醒する仕組みになっている模様。
この仕組みに対抗すべく、大魔王の侵攻とは別に先にアストルティアで誕生させられ先手を打ってレンダーシアを封印した魔王が【冥王ネルゲル】である。
なお、何度阻まれようが大魔王たち魔界の住人がアストルティア侵攻に駆り立てられる理由は長らく不明だったが、Ver.5.2において魔界の住人はある事情から半ば先天的にアストルティアへの憎悪が刷り込まれていることが判明した。
 
本作における大魔王は、どうやら国家の指導者というよりは国際組織のトップのようなもので、魔界全土の政治を取り仕切るのではなく、魔界諸国の協調を保ち、魔界全体の問題へ対処することが仕事である模様。よって魔界国家の統一は必須の条件ではない。
事実、後述するゴダは魔界に統一国家を築き、ヴァルザードは史上初めて完全な魔界統一に成功したとされているが、逆に言えばこの二人以外に魔界の全土ないし広範囲の統一を実現したとされる者は存在しない。
例えば、ネロドス没後にバルディスタが成立し、マデサゴーラの時代から現代に至るまで存続していることから、マデサゴーラは完全統一をしていないことがわかる。
 
また、過去には当時もっとも有力であった国の魔王が大魔王を兼任するケースが多かったが、少なくとも本編における大魔王選定では身分・種族・出身は問われておらず、魔王どころか魔族でも魔物でも魔界出身でもない【主人公】が即位した。
 
なお、魔界には歴代の中でもとりわけ有力とされる大魔王の顔を【大魔王顔壁】に刻むという風習があり、現時点では【大魔王ゴダ】【大魔王ヴァルザード】【不死の魔王ネロドス】【大魔王マデサゴーラ】と主人公の計5名がそれに該当している。

大魔王に即位する手順

魔王は魔界における国王を指すのに対し、大魔王は【魔仙卿】【大いなる闇の根源】こと【異界滅神ジャゴヌバ】に認められた魔界の代表者である。よって、大魔王となるプロセスは明確に定められ、魔王になるのとは全く別物となっている。
具体的な流れとしては、大魔王になる意志がある者は【大審門】に集い、その先の【デモンマウンテン】で試練を受け、さらに最深部で魔仙卿の審査を受ける。
審査の最後には闇の根源の腕が表れて候補者を見定め、魔仙卿はその意志を聞き取り合格者を決める。そして、合格者は【大魔王の覇印】という証を授かり、戴冠式を経て大魔王に即位することとなる。
 
その審査において試練を受けた者全員が認められないこともありうるし、自ら望んで審査を受けたわけでない者が認められることもある(この場合は本人が同意しなければ即位とはならない)。
ただし、資格なしとされたユシュカが実力で証明しようとして、魔仙卿がひとまず了承していることから、闇の根源が見定めた時点で審査は完全終了というわけでもないようにも見える。
完全に魔仙卿の立ち会わない方法、例えば武力により魔界全土を統一した場合に自動的に(魔仙卿の認定無しに)大魔王になれるのか、という点についてはまだ不明である。
また、当の魔仙卿本人は、魔界を見守る存在の為、大魔王の座に就任するということもできないようだ。
 
審査においてジャゴヌバの手が出現し、魔仙卿自身もジャゴヌバによる選定と呪いを受けた存在であることから、大魔王への正式な即位には上記の手順に加えてジャゴヌバとの契約が必要であると考えられる。
つまり、大魔王という肩書きには「魔界の住民や魔仙卿から認められた指導者」と「ジャゴヌバから認められた契約者」の二つの意味があることとなる。
しかし、主人公は就任式の途中で邪魔が入ったために契約を行っておらず、「魔界の住民や魔仙卿から認められた指導者」ではあるものの「ジャゴヌバから認められた契約者」ではないといえる。
Ver.5.5前期にてジャゴヌバ(ナラジア)自身が主人公を連れて行こうとした際に「本当の大魔王にしてあげるよ」と発言したことからもそれがうかがえる。
もっとも、主人公が大魔王に就任したのはアストルティアと魔界の両方を大魔瘴期、つまりはジャゴヌバから救うためであるため、契約など交わすわけにはいかないのは当然である。
ルティアナもジャゴヌバの手に絶対触れてはならないと主人公に警告しており、事実として後述するユシュカが一時的にジャゴヌバに大魔王にさせられた時には性格を改悪されている。
もし主人公が契約していたらば、アストルティア最強クラスの英雄がジャゴヌバの手駒に堕ち、かつて何度も救ってきた世界を滅ぼすという最悪の結果を迎えていたことだろう。
 
また、ユシュカが「俺が大魔王になってやる」と挑発したところ喜んで連れて行った事から、ジャゴヌバに必要なのは「ジャゴヌバから認められた契約者」という部分だけであり、彼が気に入れば魔仙卿の選定などを無視してその意味での大魔王にさせられてしまうと考えられる。
Ver.5.5後期では大魔王に選ぶ基準として、王者としての器のほか、斬新で革新的な思想、ジャゴヌバにとって未知の概念を持っていることが決め手であることが本人の口から語られる。
 
ジャゴヌバが討伐された主人公以後の世代においては、大魔王という肩書きから「ジャゴヌバから認められた契約者」という意味は無くなり、「魔界の住民や魔仙卿から認められた指導者」の称号としてのみ扱われていく事だろう。

現在明言されている大魔王

大魔王については以下の人物が明言されている。(☆印は大魔王顔壁に彫刻あり)
ここでは、主に以下の人物が大魔王として起こした大まかな出来事を記述する。

  • 【主人公】
    Ver.5.2で即位する今代の大魔王。歴代シリーズ初めての「魔王になった主人公」である。また肩書が増えてしまった。
    Ver.5.0にて大いなる闇の根源から大魔王の資質を認められ、Ver.5.2にて魔仙卿と3人の魔王達から信任を得て即位した。魔王達からは大魔瘴期の到来から魔界(とアストルティア)を救うことを期待されている。
    なお盟友であることは変わりないため、盟友と大魔王を兼任しているという異例の状態。
    アストルティアの住人なので魔界に治める国はないが、ユシュカから贈られた【大魔王城】のある【デスディオ暗黒荒原】は領地と捉えられなくもない。
  • 【大魔王ユシュカ】
    Ver.5.5後期ストーリーで戦闘する、ジャゴヌバの手によって大魔王となった【ユシュカ】
    主人公が異界滅神ジャゴヌバと契約することなく、魔仙卿の独断で即位した大魔王ならば、ユシュカはその逆で、魔仙卿を介することなくジャゴヌバと直接契約した大魔王となる。
    ただしユシュカの意思はジャゴヌバの悪意によって憎悪で染められており、かつてのユシュカが持っていた傲慢な性格を極度に顕在化させている。
    ユシュカが目指していた大魔王であるが、ユシュカの目指していた理想とは遥かに異なる大魔王にされてしまった。
     
    主人公に敗北した後は負けを認めず悪足掻きするもののジャゴヌバに見限られ、肉体を爆弾化されて殺害されそうになった(【魔剣アストロン】の魔力と内に宿る【ナジーン】の魂に助けられ無事に戻ることができたが)。
    この際に「君は負けたんだよ、魔王ユシュカ。」と大魔王の位を剥奪され、後の戦闘でNPC戦闘員として加わる時の肩書は「魔王」に戻っているため、ユシュカが大魔王であったのはこの戦闘中だけである。
    この後ジャゴヌバは主人公らに滅ぼされたため、ジャゴヌバと直接契約した最後の大魔王となった。
  • 【ゼクレス魔導国】の開祖【建国王ワラキウス】
    【アスバル】により「いにしえの大魔王」と語られる。
    書籍「アストルティア秘聞録」によれば大魔王に即位したのは約6000年前とのことで、アストルティアへの侵攻は行っていない模様。
    ゼクレス王家から大魔王を目指す者は、大審門に向かう前に自国で試練を受けるのがゼクレスの習わしである模様。
    【レイジバルス】を封印・使役したのも彼である。
  • 第十四代ゼクレス王【バルメシュケ】
    「混沌の魔術王」のふたつ名で知られ、人心を操る術を得意とした。
    「アストルティア秘聞録」によれば大魔王への就任は約2000年前で、ヴァルザードより後になる。
    魔法の実験中に事故死したらしく、こちらもアストルティアへの侵攻は行っていないとみられる。
    ゼクレス王家から大魔王となったのはワラキウスと彼の二人のみであることが明らかになっている。
  • 【大魔王ゴダ】
    魔界初の大魔王だが、名は忘れ去られたとされており、【始まりの大魔王】と呼ばれている。その名はVer.5.5後期のストーリー内で判明する。
    対応する勇者と盟友は【アシュレイ】【レオーネ】
    また正確な真偽は不明だが、魔界の統一を志すにあたってある舞を踊ったとされており、それが【しぐさ】「始まりの大魔王の舞」として登場する。
    『始まりの大魔王 五つの偉業』
    • 魔族同士が相争う戦乱の時代を終わらせ統一国家を築いた
    • アストルティアからの侵略者を魔界史上初めて撃退した
    • 【ゴダ神殿】の建立
    • 【魔仙卿】を見出し大魔王の選出を制度化した
    • 初の【アストルティア侵攻】(結果としては失敗し討伐された)
       

「アストルティア秘聞録」で判明している限りでは、戴冠時期と順序、アストルティアへの侵攻時期は以下の通り。

大魔王戴冠時期アストルティア侵攻時期
ゴダ神話時代末期神話時代末期
ワラキウス約6000年前なし
ヴァルザード約4000年前約3500年前
バルメシュケ約2000年前なし?
ネロドス約1500年前約1000年前
マデサゴーラ約400年前20年前(到達は数年後)
主人公現代(Ver.5.2)なし

ほかにも魔界には今も建国王が存命の【砂の都ファラザード】【バルディスタ要塞】を除けば過去に【ジャムール王国】【賢女の都レジャンナ】【ネクロデア王国】【ズムーラ覇王国】という4つの国が存在していたことが明らかになっている。
ジャムール王国に関しては建国が600年前なので、大魔王が出ていないことは確定だが、ほかの3国から大魔王が出たのかは今のところ明らかになっていない。
また、【ゼクレス城】【礼典の間】にある書物には「かつて魔界に君臨した 滅びと死に魅せられし 狂気の大魔王」が存在したことが記されているが、これが上記の誰かを示しているのか、それ以外の大魔王のことなのかも不明。
こうして見ると、Ver.5.0から登場する主要人物【ヴァレリア】【アスバル】【ユシュカ】(ついでに【ペペロゴーラ】も)は、歴代の大魔王に何かしら関わりのある人物達だということが分かる。
 
なお、歴代の大魔王の内、ワラキウスとヴァルザードとマデサゴーラの3名は現代まで子孫が続いている。
一方、ゴダには【ジャディン】という息子がいたが、数百年前に没しており他の子孫への言及は無い。
バルメシュケはワラキウスの子孫ではあるがアスバルとの直接的な血縁関係は明示されておらず、傍系の可能性もある。
またネロドスの子孫については一切言及されていない。
 
余談だが、ヴァルザードとネロドスについては、国の建国から大魔王戴冠、大魔王戴冠からアストルティア侵攻までが500年刻みとなっている。

余談

他にDQ10に登場した大魔王は【大魔王ゾーマ】がいるが、「DQ10の魔界」とは違う世界の者(こちらがDQ3の世界に乗り込む体になっている)のため、上記の定義には当てはまらない可能性が高い。



*1 Ver.5.5後期のメインストーリーにて主人公と大魔王ユシュカが争った例外がある