【みのまもり】

Last-modified: 2024-02-05 (月) 14:21:22

概要

身の守り。パラメーターの一つ。
DQ5から登場して以降は、一部の旧作のリメイクを除いて、全ての作品に導入されている。
ちなみに、後述の通りその原型はDQ4から登場している。
キャラクターが何も装備していない状態での体の丈夫さを表す。【ちから】とは対をなす能力。
 
キャラクターの【しゅび力】に大きく関係するパラメータであり、

となる。
 
【レベル】アップ、【まもりのたね】で上げることができる。
DQ6、DQ7では就いている【職業】によって上下する他、DQ9以降では【スキル】による補強ができる。
DQ5は255、DQ6では500、DQ7以降は999が上限である。

沿革

DQ1以来、DQ4までは【すばやさ】の半分が「素の守備力」となり、これに防具の数値が加わったものがそのキャラクターの守備力となる。
特にDQ1では基本的に素早さが行動順に影響しなかったので、ほぼ守備力を意味する数値であった。
パーティ制が導入されたDQ2では、個性の一側面として【ローレシアの王子】に比べて後ろの2人の素早さが高く設定されていたが、それほど大きな差ではなく、ローレシアの王子はその圧倒的な装備の豊富さによってその素早さのビハインドを感じさせるものではなかった。
風向きが少し変わったのはDQ3で、前衛職に鈍重で重装備可能な【戦士】と軽装だが高い素早さでカバーする【武闘家】という両極端な職業が登場し、後衛職も勇者や戦士に比べて装備品のラインナップで劣るものの、素早さである程度はカバーできるようなバランスとなった。
これはこれで戦略性を広げる意味で良かったのだが、大柄で重厚なイメージの戦士が、実は「素の守備力」ではパーティで断トツの紙装甲という違和感を生むものでもあった。
 
すばやさとみのまもりが分離された理由は様々あるだろうが、その最大の要因は【仲間モンスター】の存在だろう。
そもそもモンスターの守備力はDQ1の頃から一貫してすばやさとは無関係に設定されており、仲間モンスターの素の守備力がすばやさの半分というのには違和感が大きく、これらを分離する必要が生じたと考えられる。
そして、その原型はDQ4でNPC扱い【ホイミン】【ドラン】のステータスに見ることができる。
DQ4までの守備力は、すばやさの半分が割り当てられているはずなのだが、ホイミンとドランに関しては素早さと全く無関係に守備力が設定されている。
これをさらに発展させる形で、DQ5においてみのまもりという独立したパラメータが設定された。
これにより、すばやさが低くても堅い【ゴーレム】や、逆にすばやさが高くても脆い【スライム】など、キャラ個性の表現の幅が広がった。
とはいえ、人間キャラに関しては【サンチョ】【ピピン】などの戦士系よりも妻や娘の方がみのまもりが高いというように、わずかに名残りが見受けられた。
DQ6以降では、基本的にすばやさとみのまもりは完全に分離し、現在の形に落ち着いている。
 
ただし、DQ1~DQ4のリメイク作に関しては扱いのブレが少々見られる。
まず、DQ5のシステムをほぼそのまま流用したSFC版DQ1・2でもみのまもりが導入され、その数値はすばやさのほぼ半分という形になっていた。
その後発売されたSFC版DQ3やPS版DQ4ではみのまもりは導入されなかったが、DS版DQ4では、PS版で完全な【死にステ】となっていた【たいりょく】が差し替えられる形でみのまもりが導入されるという形となった。
一方で、【性格】システムのあるリメイク版DQ3は、GB版以降でもみのまもりが導入された事が一度もない。
【ほしふるうでわ】による素早さの上昇がダイレクトに守備力に影響する仕様も一因と思われる)
以上の様に作品毎に導入背景がそれぞれ異なるために扱いが二転三転しているが、後述の通り「守備力はすばやさの半分」の旧作の名残はリメイク問わず維持されている。
 
ちなみに、【モンスター】【スカウト】して戦わせるモンスターズシリーズでは、そもそも防具が存在しないため「みのまもり」の存在意義が無く、一貫して「守備力」に統一されている。
DQ8の【スカウトモンスター】も同様。

本編

パラメータが独立したために高い数値を設定できるようになり、これまでの作品より打撃攻撃に強いキャラクターが登場している。
 
しかし、上述の通り、元々が【すばやさ】の半分に対応する数値だったためか、DQ8までは【ちから】などに比べて伸びにくいパラメータとなっている。
例えば人間キャラのLv99での数値では、力や素早さがキャラによってカンストまで伸びるのに対して、身の守りはDQ5で110~170、DQ6~DQ8では全員がだいたい200前後に落ち着く。そのため、基本的に装備による差の方が大きく、キャラによる差を感じにくいパラメータとなっている。
一方で、仲間モンスターの登場する作品では【メタル系】モンスターを中心に、初期値が極端に高かったり低かったりと個性が見られる。しかし、やはり人間キャラと同じく総じて成長は鈍い傾向にある(1レベルあたり平均で0~2程度)。
初期値からカンストしているメタル系スライムを除くと、成長によってカンストまで伸びるのはごく一部の特殊な強キャラに留まる。
しかも【しゅび力】は数値の1/4がダメージに反映される(【こうげき力】に対して半分の効果)ので、数値の差に対しての実ダメージの差も小さめである。
DQ6やDQ7での職業補正でマイナスされても、実はこれ自体はそれほど大きな影響は出にくい(ただし、身の守りにマイナス補正がつく職は総じてHPにもマイナス補正がつくので、そっちの影響は大きい)。
 
ただし、DQ9でバランスが大きく見直され【戦士】が400に達するのに対し、【魔法使い】は162と職業による差が極端になった。

リメイクにあたって導入された作品

上述の通り、SFC版以降のDQ1・2、DS版以降のDQ4では、後発作品のシステムに合わせる形で導入された。
ただし、数値そのものはFC版と同様のバランスにするためか、ほぼ「素早さの半分」をなぞる値に設定されている。

DQ1・2(SFC版以降)

DQ1では、パーティメンバーは【主人公】しかいないため個性も何もない。
DQ2でも、そもそもキャラクターごとのすばやさの差がほとんどなかったため、みのまもりにも個人差はほとんど見られず、すばやさと分離した意義がほぼない。
まもりのたねを落とす敵も存在しないため、【ドーピング】できるのはいずれも【宝箱】で手に入る2個のみ。

DQ4(DS版以降)

DS版以降のDQ4では、【アリーナ】【マーニャ】【ブライ】といった「軽装で素早い」仲間ほどみのまもりが固く、【ライアン】【トルネコ】のように「重装で鈍重な」戦士は守りが薄い。
特にすばやさが最大値まで達する、アリーナ、【クリフト】、ブライ、マーニャ、【ピサロ】は127前後まで上昇する。
 
これは一見すると違和感があるが、メタ的に解釈すると、FC版から大幅にバランスが変わってしまうことを避けるという意味合いがあるのだろう。重装備が可能なキャラは装備で守備力を補えるため軽装キャラよりもみのまもりを低めに設定して守備力のバランスを取ってあるのかもしれない。
ただ、【商人】であるトルネコはまだしも、王宮戦士ライアンのみのまもりが低いのはイメージ的に少し不憫。
装備を全て剥ぐ事でのみ可視化されたFC版と違い、独立した能力になった事で顕在化してしまった不幸と言える。

しかし、みのまもりの導入に合わせる形で【ラックのたね】もまもりのたねに差し替えられているため、【トルネコの盗み】を利用する事でどのキャラも最大値の255まで上昇させる事が可能となっている。
また、すばやさとは別個の能力となった事で【すばやさのたね】1つで守備力まで増強する事はできなくなったが、まもりのたねで低いすばやさを維持したままみのまもりだけ上昇させる事が可能となっている。
行動順に影響を与えずにみのまもりだけ127を超えて強化できるのは、DS版以降ならではの利点と言える。その代わり、そこまで上げるには相当な手間も掛かるが。