【ヒャド系】

Last-modified: 2024-02-26 (月) 00:45:48

攻撃呪文の系統

【メラ系】【ギラ系】【イオ系】【バギ系】―【ヒャド系】―【デイン系】【ドルマ系】【ベタン系】【ジバリア系】【ザバ系】

概要

冷気を発生させて攻撃する魔法。
【メラ系】【ギラ系】の逆と思えば良い。つまり、冷気を操る敵には効き難いが、炎を操る敵にはよく効く……と思いきや、炎を操るのにヒャド系が効き難いという敵も結構いるので注意。
また、ゾンビ系には基本的に効き難い。
ランクが上がると範囲が広がるのも特徴。これはダメージ系攻撃呪文としては珍しい特徴である。
 
初出のDQ3では習得タイミングとコスパの両面が良好で効きやすい敵が多かったが、作品が進むにつれて効き難い敵が増えだし、特にDQ7ではそれが顕著。
その上、習得者自体がかなり限定された作品もあり、一部のヒャド系が敵専用呪文、ないし、モンスター(仲間・職業としての)専用呪文になってしまった作品さえある。冷遇の時代を経験した系統の1つである。(冷気だけに) 
炎系に比べると使用する敵が少ないが、中盤までは耐性を持つ防具も比較的少ない場合が多い。
なお、DQ9では【吹雪系】の特技と属性が統一された。
 
名前の由来は恐らく冷たいという意味の「ヒヤッと」といったところだろう。語尾の濁りについては"cold"(コールド)の「~ド」を掛けたのだろうか?

該当呪文

【ヒャド】【ヒャダルコ】【ヒャダイン】【マヒャド】【マヒャデドス】
DQ3から登場。
作品によって扱いに大分温度差がある。

該当特技

【マヒャドぎり】 
耐性を持つ敵が多い分、マヒャドぎりも他の魔法剣と比べると影が薄い。
一応、魔法戦士が扱う魔法剣の中では一番最後に覚える「取って置き」なんだけどね……
DQ10やスマブラでは漫画のように(一瞬)相手を凍らせることができるようになっている。

該当道具

【こおりのやいば】(DS版5・6・8:道具使用、DQ5:ダメージ増加、DQ6~8:追加ダメージ)、
【ふぶきのつるぎ】(DQ3:道具使用、DQ5:ダメージ増加、DQ6~8:追加ダメージ)

各作品での特徴

DQ3

初登場。
前作では攻撃呪文の【属性】がダメージ系でひとくくりになっていたのに対し、本作では系統がはっきりとわけられ、メラ系と共に新たな系統として追加されることになった。
本作のヒャド系呪文はヒャド・ヒャダルコ・ヒャダイン・マヒャドの4種。
ヒャダイン以外の3つはモンスターも使用する。
 
なお、前作ではギラ(単体)→バギ(グループ)→ベギラマ(全体)→イオナズン(全体)というふうに、ダメージ系の攻撃呪文はランクが上がるごとに効果範囲も広がるような形であったが、本作では炎系の呪文はメラ系(単体)、ギラ系(グループ)、イオ系(全体)という3属性で役割分担している。
それに対し、相反属性である氷・吹雪系はヒャド系だけであるため、ヒャド(単体)→ヒャダルコ(グループ)→ヒャダイン(全体)という形で、前作のように呪文のランクで効果範囲が広がるような形をとっているのが特徴。
相反属性のない初登場呪文のデイン系もこれと同じ特徴を持つ。
ただし、最高位のマヒャドに関しては、炎系のベギラゴンと対をなすようにダメージ幅・効果範囲が揃えられてグループ対象になっている。
なお、相反属性とのバランスのためか、ヒャド系だけは1段階多い4段階となっており、次作DQ4まではこれを踏襲した。
 
FC版ではプログラムのミスで、ヒャダインとマヒャドの覚える順が逆。混乱した人も多かっただろう。効果範囲の関係で必ずしもマヒャドの方が強いとは限らないのが救いか。
これについてはリメイク版で修正された。
ヒャド・ヒャダルコは中盤まで重宝し、ヒャダイン・マヒャドも終盤まで使える。
【ゾーマ】もマヒャドを使用するが、部下の【イオナズン】と比べると明らかにヌルい。
ちなみに本作のボスは総じて炎に強くヒャド系に弱い。
本作の耐性の仕様上、無効化される確率が低いというだけではあり、ダメージが増えたりするわけではないが、本作の魔法無効化率は弱耐性ですら30%と高いので、効き易い呪文を見極めるのはとても重要。
またザコ戦でもやはり優秀で、序盤の【カザーブ】周辺あたりから早速炎系に耐性を持ち、ヒャド系に無耐性の敵が出始める。
これ以降、「炎系に強いがヒャド・バギ系は有効」という敵はしばしば出てくるため、魔法使いは炎系が効きづらいと感じたらヒャド系を試す価値がある。
さらに習得順序の関係もあって、同じ効果範囲の炎系の呪文と比べたときのダメージがメラ<ヒャド、ベギラマ<ヒャダルコ、イオラ<ヒャダインと、一回り上いう形になっている。
特に序盤のヒャドの破壊力がメラを圧倒しており大活躍。序盤の30ダメージは感動的。
 
逆に、敵に使われる場合【バンパイア】が早くからヒャドを唱えてくる上、バラモス城ではマヒャドを連発する【エビルマージ】が登場。かなりの脅威となる。
 
リメイク版では敵の耐性が見直され、特に【ゾーマ】【しんりゅう】に炎系3属性が刺さるようになったため、終盤~クリア後に関しては炎系に対する有意性が緩和された形になっている。
リメイクでは全体攻撃武器などの登場により、耐性で無効化されることがある攻撃呪文は利用価値が減ったが、それでも打撃よりも高威力になることが多いため活躍の場面はある。

DQ4

【ブライ】専用の攻撃魔法。
ヒャドが初期呪文化したことで威力が下がったが、第2章のヒャド・ヒャダルコは当に攻撃の要。
リメイクではヒャダルコの威力が上がっているため、さらに強くなった。
しかし、第5章でのブライは補助役に回り易く、火力を期待するならマーニャにお呼びがかかることもあって、あまり使われない。 
リメイク版では【ピサロ】もマヒャドを覚えている。
また全体的な傾向として、メラ・ギラなどの炎系がドラゴンには効きにくいがアンデッドに強いという傾向を裏返すためか、
ヒャド系はドラゴンに強く、アンデッドに効き難いという傾向を持ち始める。
敵に使われる場合、今作では【みずのはごろも】からヒャド系耐性が無くなったため、マヒャドでダメージを受け易い。
初めてヒャド系の呪文名を冠した【マヒャドフライ】はエビルマージ同様早くからマヒャドを使うが、素早さが低くエビルマージほど強くないため地味。

DQ5

この作品にてヒャダインがマヒャドに吸収される形で統一され、マヒャドが最高威力かつ全体攻撃になり、ヒャド系も他と同じく3段階の呪文になった。
また、ヒャドが敵専用になり、味方が使えるのはヒャダルコとマヒャドのみと一気に半減。
そのため、主人公側が序盤で使用することがほぼ不可能になってしまった。  
前作までだと、習得したタイミングなら一撃で倒せる敵が多いという位置づけだったが、本作での習得タイミングではヒャダルコ・マヒャド共にそれは難しい。
特にヒャダルコについては、【イエティ】が首尾よく仲間になって、順当に育てていけば、通常攻撃のダメージが衰え始めたころに一時的に出番があるという程度。
青年時代後半で加入する【女の子】が習得するタイミングではあまりにも遅過ぎる。
効果範囲が全体化されたマヒャドの方は強力であり、他の仲間たちと連携すれば効果的に敵を減らしていけるだろう。
 
しかし、MPを使わない吹雪系の特技を味方が使用可能になり、本作以降はヒャド系はバギ系と共に効かない敵がどんどん増えていく。
特に【はげしいほのお】を集団で吐く【グレイトドラゴン】は、メラ系・イオ系が弱点でヒャド系(さらにブレスなど)を完全に無効化する。初見で効かないことに驚いた人も多いだろう。 
 
ここから、ヒャド系にとって文字通り冬の時代が訪れる。
なお、SFC版では味方が一人も使えなかったヒャドだが、リメイク版以降は女の子と【コロマージ】、DS版では【プリズニャン】が覚える。
だが、女の子とコロマージが加入するのは青年時代後半で、プリズニャンもMPが少ない上に打撃が得意なので、やはりヒャドの活躍の機会はほとんど無い。
敵が使う場合、早くから使ってくる敵もおらず、仲間モンスターにはヒャド系に耐性を持つものも多いのであまり脅威にはならない。

DQ6

【ミレーユ】が序盤で覚えるヒャドは中々の火力だが、上位のヒャダルコとマヒャドはかなり不遇。
あの【メラミ】が魔法使い★1で使用可能なのに、ヒャダルコの習得は【魔法使い】★6。
魔法使い★8で習得可能な【ベギラゴン】よりも威力自体は低いのに、マヒャドの習得は【賢者】★6。
あまりにも遅過ぎる。 
メラミやベギラゴンは習得時期が早いために絶大な威力として目立っているため、ヒャド系はその陰に完全に隠れる形となっている。特にヒャダルコは悲惨の一言。
一応、全体対象であるマヒャドは、熟練度をそれなりに稼ぐスタイルであれば伝説の武具捜索の時期に間に合うので、ベギラゴンと並んで賢者の主力呪文として一時的に活躍はできる。
一方、終盤になるとドラゴン職のブレスを筆頭に無消費で大ダメージのグループ・全体攻撃ができる特技が揃ってくるため、他の攻撃呪文共々使われる機会は激減していく。
マヒャドが日の目を見るかどうかはプレイスタイル次第と言ったところだろう。
 
敵が使ってくる場合もギラ系は早くから敵が使ってきて苦労するのに対し、ヒャド系は地味である。ただ、【ドラゴンローブ】などヒャド耐性を持たない鎧は多い。

DQ7

ヒャダルコ習得が【魔法使い】★8とさらに難化。
マヒャドは【賢者】★3と早くなったが、それでも活躍できるとは言い難い。 
ヒャドはどこへ行ったのかというと、中級モンスター職の【死神きぞく】のみで習得……んなもん誰が使うか!一応マリベルがしっぺ返し状態でヒャドを喰らえばエフェクト自体はキーファがいる内に見られる。
ベギラゴンの習得が大幅に遅くなったことで、マヒャドの方が早く習得可能になったが、ほとんど意味が無い。
結局、ベギラゴンと共にどちらも使われなくなる運命だからだ。ハッキリ言って逆効果である。
また、ヒャド系に耐性のある敵がこれでもかというくらいに増えた。まさにヒャド系極寒の時代。

DQ8

【ゼシカ】がイベントでヒャド系呪文を習得する。
【ヒャド】はあまり役に立たないものの、【ヒャダルコ】の扱いは過去数作よりは遥かにマシである。
特にヒャダルコは消費MPの割にダメージが高く賢さによる上昇幅も大きいのでかなりお世話になるだろう。
しかし相変わらず敵に軽減され易い。 
【マヒャド】は覚えるイベントの次の目的地は雪山地方であり、ほぼ無力。何のイジメだ。
また、威力が低くなっており最低威力は64~83でイオラ程度になっている…というかドルマゲス戦で、【ククール】【ベホマラー】を覚えるぐらいまで成長させていると覚える段階では、ヒャダルコと同じぐらいの威力という体たらくである。
最終的には138~157まで威力が上昇するが、それでもグループ・全体が対象の最上位魔法ではもっとも威力が低い。
 例→イオナズン184~200 ベギラゴン150~170 バギクロス120~200 ギガデイン180~220
消費MPが3しか違わないイオナズンに何から何まで負けているのがお寒い限りだが、クリア後のダンジョンに出現する難敵、ヘルプラネットやベリアル、ケムンクルスなど、ヒャド系だけ無耐性という敵もいるので活躍できないことも無い。
……【ドルマゲス】の使っていたときが一番輝いている様に見えたのは気のせいだろう。きっと。

DQ9、DQ10、DQ11

【氷属性】

トルネコ2

魔法使いの呪文として登場。
ヒャド、ヒャダルコ、マヒャドは周囲8マスに攻撃、ヒャダインは部屋全体を攻撃。
ヒャダインを除き、同じ攻撃範囲のバギ系に威力が劣っているため使いづらい。
炎系モンスターに2倍ダメージ、氷系モンスターに1ダメージ。

ライバルズ

魔法使い専用の特技カードとして登場。
通常だとコストパフォーマンスが悪いが、「氷塊」という特殊なユニットと組み合わせることで性能が上がる特徴を持つ。

DQMSL

本作では氷の攻撃が属しているのは勿論、水を使った攻撃も属しており、技名に「ウェーブ」や「海」といった単語が付くものは大抵ヒャド系に分類されている。
ちなみに、かつてはヒャド系と吹雪ブレスは別の属性だったが後に統合されて現在に至る。
魔獣系に強いが、悪魔系をはじめとして自然系やゾンビ系に耐性を持つモンスターが多く、魔王系にも耐性持ちが多め。
メラ系やデイン系ほど強力な特技を使えるモンスターが多くないこともあり結構苦しい属性である。
「凍りつかせる」というイメージのためか、行動停止が付与される攻撃が多い。

星ドラ

ヒャド属性として登場。呪文の方は本作で初めて5段階全ての呪文が共演を果たした。他にも複数の敵にランダムでヒットして呪文耐性を下げる「夢幻魔凍」が存在する。
また、ダイの大冒険やロトの紋章とのコラボイベントで登場した【メドローア】マヒアロスはその仕様上、場合によってはヒャド系呪文の一つとして扱う事もできる。

ウォーク

「ヒャド属性」として登場。 
呪文ではマヒャドまで登場し、本作ではザバ系が無いため水もこの属性に含むのか「魅惑の大水球」という単体攻撃呪文も存在。
特技では、単体攻撃ではオチェアーノの剣で覚える「グランエスパーダ」ややしゃのこんで覚える「氷結らんげき」などが、全体攻撃では蒼竜のやりで覚える「凍てつく竜槍」が高威力で知られる。
攻撃として使う敵が多かったからか有効な相手が少ない不遇の属性だったが、DQ7イベント以降は有効な相手が増えだした。

ダイの大冒険

【クロコダイン】戦では【真空の斧】【ヒャダルコ】【氷結】させて隙を作ったり、【ヒドラ】戦ではブレスで炎上する【ダイ】【ヒャド】で鎮火したりと単純な攻めより冷気による凍結や冷却を狙った使用をされることが多い。
ただそのせいか序盤から戦闘に活用されて目立ったメラ系とは違い、使用者はそれなりにいるものの戦闘では目立った活躍に恵まれなかった。
さらに、一人一人違う系統の呪文を使う【ハドラー親衛騎団】にも使われないという少々不遇な立場だった。
しかし最後の最後に【黒の核晶】を凍結させる為に多数のキャラが使用、文字通りに世界を救う呪文へと大躍進を遂げた。

ドラゴンクエスト 蒼天のソウラ

主な使い手はマルチナ
本作ではほとんどの呪文が漢字にルビを振る形になっており、ヒャド系は以下のようになっている。
 
・氷針呪文(【ヒャド】
氷の針を投げつける呪文。ピンポイント攻撃の要素が強い。
モンスターの鼻にぶつけて嗅覚を奪う他、相手武器の凍結や足場の作成、隙の少ない牽制等、用途が広く頻繁に使われる。
・氷嵐呪文(【ヒャダルコ】
冷気の風を相手にぶつけて、体温を奪い氷結させる面攻撃の呪文。トドメではなく相手の手札を奪い次に繋げる為の布石として使われる。
・氷鎚呪文(【マヒャド】
相手の頭上に巨大な氷塊を並べて落下させる呪文。
氷の質量で敵を砕く、マルチナの最強呪文と思われる。
・氷獄呪文(【マヒャデドス】
魔公子イシュマリクがソウラを追いながら部下から引き離す際に使用。
マヒャドよりは小さいが、より量が多く鋭利な氷塊を雨あられと降り注げる呪文。獄の漢字をいただくだけあって、直撃した箇所は針山地獄のような有様となる。ソウラと共にいた【ガーゴイル】を救う目的で放った為、本気の威力や範囲は不明。
・氷結呪文(ヒャダム)
本作オリジナル呪文。
暴走魔法陣を足元に敷いて地面を凍結させる。
これだけだとお互いの移動を制限するだけの呪文だが、床が平らで広い場所ならばスケートリンクのようになり、さらにマルチナはヒャド系呪文で作り出したスケートブレードでアイススケートの要領で滑走し、フィギュアスケートの動きで敵を翻弄しながら呪文を乱打する独壇場を作り出す。
魔法使いの弱点である詠唱中無防備を克服したこの技のことを「乙女の一人舞台(パティノワール デ ヴィエルジェ)」と呼ぶ。
ユルールを圧倒する他、ライセンという敵将すらと単独で互角に渡りあえるマルチナの必勝スタイルと言える。
ちなみに1巻1話でのみ、ヒャドがこの表記であった。
・氷鱗呪文(マヒャリオン)
本作オリジナル呪文。
「チョイ悪おじプク アレン」という読者投稿キャラクターが15巻で唱えた呪文。マヒャド級の規模で地面から氷の逆巻く壁をいくつも生成する。それは確かに鱗のようにも、荒れた海を凍らせたようにも見える。作中ではレイダメテス尖塔兵が放った溶岩弾から自軍本拠地を守る為に使用した。
上記の内、ヒャダムとマヒャリオンは本作オリジナル呪文である。本作ではそれぞれのヒャド系呪文をかなりテクニカルに使用しており、魔法使いの創意工夫もバトルの魅力である。