【ノーセーブでクリア】

Last-modified: 2022-06-20 (月) 13:30:04

概要

冒険の書でセーブする作品全般において一切セーブを行わずクリアする事を目的とした【縛りプレイ】の一種。
特殊な場合を除き、セーブして中断することが無いRTAでは、基本的にノーセーブである。
 
RPGの中には「全滅すると直前のセーブまで戻ってしまう」作品も多く、こうした作品でノーセーブプレイを行うと1度全滅しただけで名前の入力からやり直しになってしまう。
常に最善の結果のみになるTAS動画はともかくとして、不都合な結果が出るケースもあり得るリアルタイムアタックではこのリスクは無視出来るものではなく、難度を高める要因の一つとなっている(最終的に公開する動画にはそのような結果になったプレイは含まれないであろうが、動画を完成させるまでに要する労力は遥かに違う)。
 
しかし、DQにおいては全滅してもゴールドが減るだけで、全滅直前までに貯めた経験値やアイテムは完全に持ち越されるため、ノーセーブで全滅してもリスクは少なく、ノーセーブクリアはやりやすくなっている。
それどころか、これを利用してしばしば【デスルーラ】による遠隔地移動が行われる事さえある。
 
他には「ストーリーの進行状況はセーブされないため再開後は最後のセーブ地点に戻るが、ゲームクリアのイベントフラグのみセーブされるため、ノーセーブでフラグを立てる所まで進み、フラグを遥か前の地点に持ち帰る」と言うプレイのためにノーセーブプレイが行われる事もある。
この方法はクリア時点のステータスも一緒に保存される方式となったPS版DQ4以降の作品では不可能となった。

DQ1(SFC版以降)

後述のフラグセーブや完全ノーセーブとは意味合いが異なるが、ローラ姫を抱えたままクリアというプレイがある。
本作ではセーブの方法が「ラダトーム城に戻って王と話す」しかないが、ローラ姫を救出して城に戻るとローラ姫を抱えた状態は解除されてしまう。この為、ローラ姫を抱えたままクリアするには物理的にノーセーブでのプレイを強いられる事になる。
DSのようなスリープ機能やどこでもセーブ機能がある機種ではこの縛りをする必要は薄れる。

DQ3

多くの作品同様、DQ3もラスボスを倒した後に「ラスボスを倒した」フラグのみがセーブされ、前回セーブした状況からのスタートとなる。
そして、本作ではラスボス撃破後ならば勇者をルイーダの酒場に預けることが可能になる。
 
これにより、「DQ3をノーセーブでクリアすれば、冒険開始直後でラスボス撃破済みのデータが作成でき、ストーリーを勇者抜きで最初から行えるのではないか?」という疑問が生まれた。
 
かくして、「DQ3の本編を勇者抜きで行えるか」の検証も行われたが、残念ながら冒険開始直後からは不可能であると言う事実が明らかになった。
FC版では商人を【○○○○バーク】に送り込んだ時点で自動的にセーブされるので、フラグを持ち帰るのは(正攻法では)ここまでが限界。
 

棺桶バグを利用する場合(1)

もっとも、バグ技を使ってもよいなら【棺桶バグ】の応用で商人イベントをスキップすることができる。
【ランシールバグ】【電源ON/OFFバグ】(リセットバグ)はセーブしなければできないため、この場合は【ゆめみるルビー】で棺桶バグを起こす必要がある。
ルイーダの店で仲間を加えておく必要があるので全くセーブされないわけではないが、この方法なら開始直後のLv1時点まで遡れるようである。
ただしバグを実行できる場所がアッサラームのぱふぱふ宿2Fに限定されるため、狙った数値変換だけを都合よく引き出すことが難しい。
ノーセーブプレイ中に意図した変換ができないと立ち往生することになるので、事前にバグの傾向を分析しておく必要がある。
大抵は覚えたはずの呪文を忘れたり、ルーラの行き先が失われるほか、高確率でキャラクターの名前も一緒に狂ってしまうが、それでも最後までセーブしない前提ならば気にする必要はないだろう。
ノーセーブプレイ中においては二度と生き返らない死亡状態を引き起こすリスクが厄介だが、勇者であれば全滅後にその状態から復帰できるので、できるだけ勇者が自走式棺桶になる必要がある。
なお意図しないアイテム変換が起きて夢見るルビーが失われることがあるが、目的を果たす前であれば元のあった場所から再入手できる
それが面倒なら予備の夢見るルビーを偽造して預かり所に預けておくとよい。
また何度もぱふぱふ宿の棺桶バグを行うのであれば【やみのランプ】も偽造しておくと便利。
本題としては、ルーラの行き先を狂わせて直接アレフガルドへ行けるようにしたり、【にじのしずく】を偽造することで大幅にショートカットできる。
つまり船すら入手する必要が無い。
ただしルーラの行き先は思うように変わらないことも多いので、その場合は【くろこしょう】を偽造して船を早期入手したり、6色の【オーブ】を偽造して一気にバラモス城まで進めればよい。
さらに経験値を狂わせて全員Lv99にしたり、【ひかりのたま】を偽造しておくとなお手っ取り早い。
ゾーマの城にある【扉】はピラミッドの【まほうのかぎ】があれば突破できるが、魔法使いをLv99にすれば【アバカム】も使える。
というか、魔法使いがいないとゾーマの城のバリアや毒沼がけっこう鬱陶しい。
全員Lv99で、いてつく波動の合間を縫ってルカニ+バイキルトが通れば拍子抜けするほどあっさりクリアできる。
そしてエンディングでは、全く立ち寄ることのなかった城や町村が多く登場することになり、見ていて微妙な気分になるのがお約束。

棺桶バグを利用する場合(2)

さらに、冒険の書作成時の表示速度を選択したタイミングで即リセットすると、最初に16歳の誕生日に自宅で目を覚ました時点からLv0で常時死亡状態のゾンビ勇者を3人引き連れているというバグ技も知られているので、この状態から始めればルイーダの店をまったく利用せずに棺桶バグを行うことができる。
そのため16歳の誕生日の朝に主人公が目を覚ました時点で既に「勇者ロト」だった、というシチュエーションも可能。
ただしこのLv0の勇者達はバシルーラの裏技を使わない限りレベルアップしないので、ノーセーブ前提ならばまったく戦力にならず、実質【一人旅】でゾーマを倒さねばならない。
(厳密なことを言えば、この方法で作り出したLv0のバグ勇者の場合はルイーダの店を利用するたびに初期状態に戻ってしまうため、セーブしても育てることはできない。)
セーブできないので主人公のレベルアップの吟味が行えず、平凡なステータスの主人公1人でゾーマを倒すという難題に挑むことになる。
棺桶バグでドーピングアイテムを量産しようにも、本人が棺桶になるとステータスがガンガン低下していくため、Lv0の名無し勇者にやらせることになるのだが、名前が空欄の場合は「…は しんでしまった」という表示の際に長大なバグ文字列が延々と出続けるため、それほど効率はよろしくない。
しかもその間、あらくれ親父のぱふぱふを延々と続けなければならないという、拷問のような作業が待っている。
ただ、どのみちルーラの行き先を変えるにはかなりの運と根気が絡むので、必要なアイテム変換等を済ませた後は、ルーラの行き先が変わるまで延々とドーピングアイテムを量産する形になるだろう。
主人公を最後尾に避難させても、棺桶バグを続ければある程度ステータスが低下しつづけるので、それを補う意味もある。
 
現実的には、棺桶バグで【おうごんのつめ】を無理矢理装備(攻撃力+255)させ、【はんにゃのめん】を併用した狂戦士状態にするのが近道だろう。
それでも後述のようにルーラの行き先を変える作業があるので、大変なことには変わり無いのだが。
黄金の爪は【ほしふるうでわ】のアイテムIDより1つ低いので、あらかじめ星降る腕輪を装備させたうえで、【ひのきのぼう】からのアンダーフロー(桁下がり)で、装備状態の黄金の爪に変換するのが手っ取り早い。
黄金の爪を装備させた状態を維持するためには「そうび」コマンドを鎧以降に進めるわけにいかなくなるので、必要な装備はそれ以前に装備しておく必要がある。
しかし般若の面を先に装備させると移動中に道具使用できなくなるので、夢見るルビーで麻痺することもできなくなってしまう。
そのため、これを行った後は(セーブなしでの)棺桶バグができなくなることを見越しておく必要がある。
具体的な手順としては、必要なアイテム変換(および経験値変更によるLv99化や、ルーラの行き先変更)をすべて済ませた後に、主人公の道具欄で変換の起こる位置に檜の棒、その次の位置に星降る腕輪を置き、星降る腕輪を装備状態にしておく → ぱふぱふ娘にOKの返事をする → ぱふぱふ宿の直前で夢見るルビーを使用 → その後に鎧・盾・般若の面を装備 → ぱふぱふ宿に入る → 棺桶バグで黄金の爪を装備…という流れになる。
 
しかし般若の面の影響で移動中に道具使用できないとなると【扉】を開くこともできないうえ、黄金の爪による怒涛のエンカウントラッシュもあるので、それらの対策が必要になる。
Lv0の勇者に鍵を使用させようにも、最大HPがゼロなのでゾーマの城のバリアを突破できないため、ゾーマの城のB4Fにある扉を突破できない。
パーティは勇者4人だけなので、無論トラマナも使用できない。本作には【ロトのよろい】のようなトラマナの代替手段も(基本的には)存在しない。
バリアに耐える程度のドーピングを施したところで、黄金の爪のエンカウントラッシュがあるので、扉にたどり着く以前に【不意打ち】に遭って死ぬ可能性がきわめて大きい。
むろん常時混乱中の主人公だけが生き残っても移動中に蘇生作業はできないし、戦闘中に蘇生させても高確率ですぐまた殺されるだろう。
 
この2つの問題は、【バラモス】を倒した後の凱旋状態を利用することでいっぺんに回避することができる。
あらかじめ【ラーミア】を使用できる状態にしておき、棺桶バグで事前にアレフガルド(ただし【ラダトーム】以外)の場所をルーラ登録しておく必要がある。
黄金の爪の効果でバラモスの城はエンカウントだらけとなるが、バラモスの部屋以外の地下ではエンカウントが無いのが救いか。
またLv0のバグ勇者3人はあらかじめ「生き返らない状態」を解除しておき、通常の生と死の状態を行き来できるようにしておく必要がある。
戦闘中は完全に死んでいる状態でなければ混乱中の主人公が正常に行動できないし、生きているときは普通に生きている状態でないと必要なときに死亡状態にできないため。
バラモス城に扉は無いのでバグ勇者3人は死亡状態で問題ない。バラモス討伐後に復活するので、キメラの翼を使わせて脱出することができる。
バラモス討伐後はレーベからラダトームまでの行き先が消えるが、それ以外は残るので、凱旋時のエンカウントやダメージ床の無効な最中にアレフガルドへ飛んで、そのままゾーマを倒せばよい。
ただし門番の【だいまじん】を倒すときにLv0の勇者達には死んでもらう必要があるので、大魔神討伐後はいったんリムルダールに引き返して教会で生き返す形になる。
ゾーマの城B4Fの扉を突破した後は、前座ボス3連戦で再びLv0の勇者たちには戦闘で死んでもらえばよい。と言うか、どちらも混乱中の主人公に殺される可能性が高いのだが。
周知の通り、1人だけ生き残った状態になれば、戦闘中に限り、混乱中でも問題なく行動できる。
 
黄金の爪の攻撃力+255と般若の面の守備力+255の威力はすさまじく、Lv99の主人公のHPがフル(400~500程度)であれば、前座ボスを倒すのにベホマの必要はほぼ無く、MPをまったく消費しないで勝てる。
むしろ2匹組み×2回攻撃で守備力貫通の痛恨を出してくる門番(大魔神)のほうが、一人旅には脅威だろう。
移動中の回復は【ひかりのよろい】の自動回復で済ますことができる。
さすがにゾーマ戦は一筋縄では行かないが、光の玉さえあればそれほど苦戦せずに倒せるだろう。
 
かくして16歳の誕生日にベッドで目を覚ましたときには、それまでの冒険が夢だったかのようにLv1に戻るわけだが、しっかりロトの称号だけは残っているのである。
 
もちろん最初と同じくLv0のバグ勇者を3人引き連れているわけだが、ロトの称号が無いうちは別れることのできなかったこの3人はルイーダの店で別れられるようになっており、しかも勝手に名簿から消えてくれる様子なので、その後の冒険に恐らく影響は無いと思われる。
ただし、別れる際に隊列順を変えていると主人公がLv0のバグ勇者に変化してしまう不具合があるため、ルイーダの店でセーブする前に主人公は必ず開始当初の位置(隊列の最後尾)に配置しておく必要がある。
王様から餞別をもらうときだけ主人公を先頭に配置しておき、餞別をもらったら最後尾に並べ替えると良いだろう。
なおLv0のバグ勇者は檜の棒×8本を所持しているので、別れる前に売り払っても良い。3人分で初期資金が72Gほど増える。
バグ勇者が先頭のままで王様から餞別を受け取ると、先頭キャラのアイテム欄の3番目から6番目が旅人の服・棍棒・棍棒・檜の棒に置き換えられてしまうので、元々持っていた檜の棒が失われてしまうという不具合がある。
もっとも、この状態ではルイーダの店を利用するたびに隊列最後尾以外のメンバーのデータが毎回初期化され、檜の棒×8本が何度でも復活する。
上記の、主人公がLv0のバグ勇者に化けるというのも、この仕様に起因する。
バグ勇者3人全員と別れてしまえば、この異常状態は解消する。

リメイク版

クリア後にできる事全てがバラモスを倒さないと出来ないようにされているため、早くてもバラモス討伐後からしか勇者無しは不可能となる。
 
ただしリメイク版ではバラモス討伐後ならば【隠しダンジョン】も問題なく解禁されるため、神竜を倒して死んでないはずの【オルテガ】を蘇生させることができる(ただし、よくよく見るとプロローグからラダトームまでは「火山の火口に落ちて死んだ」ことになっており、ラダトームで生存情報が出るも、さほど時間の経っていないリムルダールで「魔の島に無理に渡ろうとして海の藻屑になった」と言われるので、時系列的にどの時点でも「オルテガは死んでしまった」で実は問題なかったりする)。
この場合、オルテガが主人公の家にいるためゾーマの城でのオルテガ死亡イベントは消滅する。堀井雄二はこの事態も想定していたようだ。さすがである。
 
ガラケー版以降は現行作品同様にエンディング時の状態が反映されるようになったのでシナリオの巻き戻しは不可能になった。

DQ6

この作品では「ラスボスを倒したフラグ」によって【はぐれのさとり】が拾えるようになる。
 
入手場所である【アモール北の洞窟】自体が少し進んだところにあるため、ゲーム開始直後にとは行かないが、アモールでのイベントクリア前のセーブを最後にそれ以降ノーセーブで【デスタムーア】を倒す所まで進めると、巻き戻った後にはぐれのさとりを拾える。
そして、【ダーマ神殿】復活直後に即【はぐれメタル(職業)】に転職することが出来る。
 
またSFC版では隠しダンジョンの開放条件が各職業の熟練度のみになっているため、この方法によってはぐれのさとりを手に入れてしまえば、【デュラン】を討伐して【はざまの世界】に突入する前でも隠しダンジョンを開放する事が可能(【ドラゴンのさとり】も手に入れる必要があるため、最速で【スライム格闘場】にたどり着いた時点となる)。
また、負けバトルである憎き【ドグマ】を倒すにはこのプレイが必須。勝っても負けたことになるが…。
 
なお、この方法によって「ダークドレアムを20ターン以内に倒す」事を達成した場合、ストーリーの進行度によってダークドレアムの態度が変わる。
デュランを討伐した後であれば、はざまの世界に行ってなくてもデスタムーア撃破→ゲームクリアとなる。
デュラン討伐前だと何ターンで倒しても21ターン以上かかった時と同じ台詞になり、ゲームクリアとはならない。
マダンテ連発で2ターンキルしても「2ターンもかかるとは」等と言う。
 
ちなみに実際にデュランを倒してすぐダークドレアムを倒してエンディングを迎えてしまうと、この時点では全く面識のないどころか捕まっているはずの【マサール】【クリムト】兄弟が主人公らに呼びかけてきたり、実体を取り戻していないはずの【ファルシオン】から羽が生えて狭間の世界から脱出したりと微妙におかしな現象が起こる。
確かにデュラン撃破時点でストーリー上必ず仲間になり、エンディングに登場するキャラは全員揃うのだが……

DQ11S

3Dモードでのプレイの場合、【ヨッチ村】に行く際に強制セーブが発生する。そして最初にヨッチ村に行くイベントは強制であるため、ノーセーブでのクリアは不可能である。
2Dモードであれば強制セーブは無いので、初回エンディングまでであればノーセーブで進めることが可能。