『蒼穹のファフナー EXODUS』各話備忘録/皆城総士のモノローグ

Last-modified: 2016-05-11 (水) 20:19:12

作中にて挿入される総士のモノローグのまとめ。
モノローグ中に出てくる「君」が誰を差しているのかは現時点では不明。

 

第1話「来訪者」

僕の名は皆城総士。君がこれを聴く時、もう僕はこの世にいないだろう。

22世紀は人類にとって戦いの時代となった。遠い宇宙から来た未知の存在、フェストゥム。
人類の理解を越えた力を持つ彼らがこの星に現れてから40年、世界の大半が戦場と化した。

対フェストゥム専用、思考制御、体感操縦式有人兵器・ファフナー。選ばれた者にしか動かせない、僕らの切り札。
敵の一部を内蔵し、その力を人類のものとする。ファフナーがなければ、僕らはとっくに滅ぼされていただろう。
たとえ勝利には遠くても、希望を持つための時間を稼ぐ事は出来た。

長い戦いに世界が疲弊する中、もし互いの存在を理解出来たら、この戦いも終わるのではないか──そんな微かな希望が世界の片隅で生まれようとしていた。

竜宮島──戦乱で日本が消滅した後、平和という文化を残すために造られた人工の島…僕のかつての居場所だ。

多くの犠牲によって勝ち取った平和──それを失ってでも求めたものは何だったのか。
未知の希望が新たな戦いと共に訪れたその日、僕らの最後の時間が始まった。

第2話「希望の名は」

君は知るだろう──異なる希望が出会う事が平和への道とは限らないという事を。
守る事が戦う事である限り、希望もまた、争いの中にある。
全てを失う可能性を抱きながら、僕たちは未来を求めた。違う道を選ぶ事は許されなかった。

第3話「対話の代償」

それが一つ目の対話の代償だった。君は知るだろう──対話も戦いも代償は付きまとう。
それが世界の変わらぬ問いかけであり、答えは僕らの命そのものなのだという事を。

第4話「継承者たち」

君は知るだろう──一度始まってしまった争いは世代を越えて続くという事を。
何故始まり、いつ終わるか知らぬまま、今日を生きる戦いが、受け継がれた。

第5話「新世界へ」

僕らは可能性に賭けた。それは確かに希望だったが、平和への道ではなかった。
最初の犠牲者が旅立った時、島もまた希望と危機を迎えていた。

第6話「祝福のとき」

僕たちは平和のために戦ってきた。たとえどれほど短くとも、自分達の平和が全てだった。
だが、こうして未知の希望のために、僕たちは命を使う事を選んだ。

第7話「新次元戦闘」

僕らの願いは一つだった──永く続く平和──。だが、そのために僕らが手にするのは、いつでも平和とは程遠い力だった。

第8話「平和を夢見て」

僕らは夢見ただけだったろうか。平和への願いが全ての始まりだった。
それが戦いを呼び、戦火はとめどなく広がっていった…この世界を覆い尽くすほどに。

第9話「英雄二人」

手にした力を振るう理由はいつでも変わらない──命、生きる場所、人としての誇り、穏やかな生活──それらを奪われるから。ただ奪われないために、僕らは力の限り、多くのものを敵から奪い続けた。

第10話「希望の地へ」

こうして僕らは滅びの街から旅立った。
新天地へ──希望の代償も知らず、進み行く者達を守れると信じて、何もかも犠牲にする旅が始まった。

第11話「変貌」

人としての姿、心、暮らし──戦いを望む限り、失い続けるものを、君は知るだろう。
僕らは未来を求めた──せめて失われるものが一つでも少ない未来を…。

第12話「戦場の子供たち」

誰かが危機に陥る度、誰かが立ち上がる──それが僕らの戦い方だった。
誰かが犠牲になると知りながら、誰かを守れると信じて戦う…それ以外に術はなかった。

第13話「闇の中の未来」

君は知るだろう──本当の悲劇は絶望によって生まれるのではない事を。
運命に抗う事で見出される希望──それが僕らを犠牲へと駆り立てた。

第14話「夜明けの行進」

こうして見えない敵と共に僕らは進んだ。東へ──夜明けを求めるように。
困難な道のりの中、いつしか僕らは一つになっていた。
僕らは進んだ。明日、道がある事を、今日、誰も倒れない事を祈りながら。
ほぼ毎日フェストゥムと遭遇したが、多くは敵意のない群れだった。
だが時に、敵意に満ちた群れが来た。
六度の戦闘で、犠牲は民間人18名、軍人37名、6機のファフナーを失った。
本当の敵は姿を現さず、僕達を欺き続けた。
第13キャンプは憩いの地だった。
帰る場所──それが僕達の求めるものだったのだろう。どこかにある希望と平和の場所へ、2万人が帰り道を辿った。
やがて僕らは運命の分岐点を迎えた。あの19番目のキャンプ地で。

第15話「交戦規定アルファ」

新たな道が示された朝、大勢が失望に打ちのめされた。
人類からの敵意と荒野への道を受け入れられず、安らぎを求める者もいた。命を絶つ者、来た道を戻ろうとする者……。
絶望の安らぎを拭い、希望の苦難を進ませるため、一日が費やされた。

人類軍の攻撃から2日後、僕らは再び進み始めた。冷たく暗い荒野へ向かって、最後の時を刻み始めた。

第16話「命の行方」

過ぎた時は戻らず、希望はいつでも未来にしかない。
君は知るだろう──未来を求めるには、今を生きる命を使うしかない、という事を──。

第17話「永訣の火」

このエピソードではモノローグが存在しない。

第18話「罪を重ねて」

君は知るだろう──奪われた命と分け与えられた命の違いを──。
僕らが選んだのは、命の奪い合いを避けるための道だった。
それでも殺意は追って来た。どこまでも、どちらかが倒れるまで──。

第19話「生者の誓い」

このエピソードではモノローグが存在しない。

第20話「戦士の帰還」

暗い道を僕らは進んだ──光を求めて、多くを犠牲にして。
更なる犠牲と共に、旅の終わりを迎えようとしていた。

第21話「目覚めの時」

第20キャンプでは、ザインとニヒトを起動した。
北極の決戦から5年、フェストゥムの憎悪が僕らに降り注いだ。
壁を越えて1か月、拮抗薬がなくなった。
ファフナーに乗る限り、逃れられない同化現象――その末期症状が訪れた。
パイロットが不足し、予備兵が招集され、みないなくなった。
やがて多くの者が歩みをとめた。
壁を越えて40日、8機しかない輸送機の1つが落ちたその日、冬が来た。
戦いを生き延びたはずの者たちが、飢えと寒さで力尽きていった。
眠れば、再び目覚める保証はなかった。明日生きていることをただ祈った。
壁を越えて56日、奇跡が起きた。
こうして僕らは、最果ての地に到達した。
5027名の生存者、6機の輸送機、15機のファフナー。
それが17000人もの犠牲によってたどり着いたすべてだった。

第22話「憎しみの記憶」

このエピソードではモノローグが存在しない。

第23話「理由なき力」

このエピソードではモノローグが存在しない。

第24話「第三アルヴィス」

このエピソードではモノローグが存在しない。

第25話「蒼穹作戦」

君の名を僕は知らない。
もし君がこの機体と出会うなら、それが君の運命となる。
僕の名は皆城総士。君がこれを聴く時、もう僕はこの世にいないだろう。

第26話「竜宮島」

君は知るだろう――苦しみに満ちた生でも、存在を選ぶ心。
それが僕らを出会わせるのだと。
世界の祝福とともに僕らは出会い続け、まだ見ぬ故郷へ帰り続ける、何度でも。

ドラマCD「The Follower 2」

君は知るだろう――どんな理想も、ただ受け継ぐだけでは、破れぬ殻となって世界を閉ざすということを。
新たに生き行く者こそ、託された未来そのものなのだということを。