『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』考察・補足

Last-modified: 2016-01-25 (月) 02:08:57
 

放送形態

2005年12月29日(最速放送日)に1時間弱のアニメとして放映された。
よくOVAと誤解される事が多いが、形態はTVスペシャルである。

裏設定

竜宮島の人口は元々7000人ほどだったが、風土病により2000人以下にまで減少している。
風土病というのは表向きの理由で、実際は生駒正幸のように日本攻撃の影響によるものである模様。*1

島の日常

島民の描写.png
鈴村神社を参拝する行美や、川で冷やした西瓜を引き上げる里奈広登がいる。

竜宮島中学生徒会

この時は蔵前だけでなく総士も生徒会に在籍していた。蔵前の役職は書紀で、総士も同様の役職に就いていたと思われる。

祐未「遊べなくなる事情があるんでしょ……お互いに」

祐未は父親の病気、は己の病気が二人の『事情』」となっている。
(『[冲方式]アニメ&マンガ ストーリー創作塾』P.145より)

卒業式

卒業.png
立木惇、鏑木早苗、船橋幸弘、柳瀬徹の4名が卒業。
竜宮島の教育施設は小学校と中学校しか存在せず、中学校卒業者は働くために島を出る事になっている。
……が、これは表向きの名目。

生徒会日程

白板.png

終業式タイムスケジュール(7/21)

SHR    8:30~8:50

大掃除  8:55~9:20

終業式  9:30~10:05

LHR   10:15~11:00

一斉下校 11:15     

(出校日 8月11日  お忘れなく)


終業式

・学事報告

・表彰状の伝達

・校長先生のお話

・校歌斉唱

・進路部より

・生徒指導部より

・諸連絡

プクの絵の上に「プクのエサ ロッカーにあるのでよろしく」という伝言が書かれている。
連絡先が記されている事から、管轄は狩谷

肝臓の病

肝臓の病.png
遺伝的なもので、の母親も2年前にこの病気が原因で亡くなっている。
翔子容子の実子でない事に感づいたのも、子の自分だけが発病しているため。

アルヴィスでの会議

コアごと島を奪われる事を防ぐために、ファフナー関連の全兵器の厳重ロックが決定される。
後付けではあるが、第2話にてファフナーの兵器にロックが掛けられていた事への補完描写となっている(結果的にこの決定が無印において公蔵が策に溺れる要因になってしまう)。

生駒正幸の最期

正幸の死.png
彼が何故アルヴィスに向かおうとしていたのかは作中では明かされない。
計画に参加するつもりであった事は確かであるようだが……。

正幸の葬儀

葬儀場.png
煙突がある事からすぐ近くにあるのは火葬場?

PDA

PDA_1.png
PDA_2.png
元から表示されていた画面には「content Date : 10 May 2144」「Solomon-Phase increase-when?」などの文字が見られる。

メモリージング解放

無印では明確な描写がなかったものの、子供達には催眠学習により蓄積された知識(アルヴィスや世界の状況、ファフナーフェストゥム、etc...)が解放される仕組みになっている。
15歳の誕生日が解放基準だが、個人によって時期が早まる者もいるらしい。
メモリージングによる正幸の声は「アルヴィスの内部に入る為のカードキー、バーンツヴェックでLボートの格納庫へ」。
なお、この時点で祐未が認識コード制限第三レベルに到達した事が言及されている。

シナジェティック・スーツ

シナジェティックスーツ.png
ノートゥング・モデル搭乗者のスーツと異なり、肌の露出部分やコード接続状のジャックがない。
また同化現象が深刻化し、身体表面に結晶が現れると破けてしまう。
色も白黒系で、男女でほぼ相違点はなし。しいて挙げるならばスーツの色が男が黒、女が紺系?

Lボート

Lボート.png
アルヴィス左翼にあるL区画を切り離したもの。

恵「メモリージングされた知識に従ってファフナーと一体化し、精神の変化を受け入れて下さい」

ノートゥング・モデルほど著しくないものの、ティターン・モデル搭乗者にも精神の変化が起こると思われる。

フェストゥムの性質

講義.png
『RIGHT OF LEFT』の時点では、フェストゥムは海中で存在できないとされている。
ティターン・モデルの潜航機能は、フェストゥム戦における水中への離脱を想定したもの。

アルヴィス制服

制服.png
女性の大人用制服にはスカート丈の短いタイプも存在する?
達と比較的年齢の近い者達も何名かL計画に参加していたと思われる。

挿入歌

angelaの「果て無きモノローグ」。angelaの3rdアルバム「PRHYTHM」などに収録されている。

壁の文字

壁の文字の考察.png
過去に文字の筆跡などの考察画像が上がっていた模様。
※初出、作成者等不明(おそらくファフナー過去スレ?)ですが転載させて頂きました。

追加

完全版では、僚たちが幸弘搭乗機に集まる際、「急いで!自力じゃ出られないのよ!」という祐未の台詞が追加されている。

「どうせ みんな いなくなる」

殴り書きの時期.png
残り時間のモニター画像から、作戦終了20日前の出来事と推定。

蔵前の瞳

蔵前の瞳.png
たった3回の起動実験で初期症状が現れたのは、同化耐久性の低さによるもの。
TVシリーズ第1話でも垣間見られる。

潜水艇

潜水艇表示.png
「Capacity:40people」
「Please board smoothly according to the guidelines ahead.」

ジークフリード・システムに搭乗した総士

総士_ジークフリードシステム搭乗時.png
マークツヴァイ?発進時の総士のカットは無印OP映像からの流用?

消滅地点

&ref(潜水艇消滅地点.png)
数値は概数。
X:143
Y:57
Z:114

キャラクター作画監督担当パート

※敬称略。キャラクター・デザインの平井久司氏は今回はデザイン、版権絵のみで、アニメーションには参加していない(同時期に放映された『機動戦士ガンダムSEED DESTINY Final Plus』と被っていたためか?)。

  • アバン、Aパート(冒頭~正幸死亡まで)…高見明男
  • Bパート(正幸の葬儀~プクを引き取る蔵前のモノローグまで)…堀たえ子
  • C,Dパート(L計画始動~ラスト)…山岡信一
    • ※作監・一部絵コンテの他にプクの作画監督も担当

単品DVDと完全版との違い

&ref(未公開シーン集.png)
DVD-BOX発売にあたり、スペシャル版に収録されていた未放映シーン(音声無し・台詞は字幕)を追加、新規アフレコがされている。追加シーンは以下の通り。なお、スペシャル版の字幕と完全版の新規アフレコでは台詞に若干の差異がある。
黄文字は新アフレコの際に変更となった、あるいは完全版のみの台詞。

1.父と娘(自宅で卒業式について正幸に話す祐未)

祐未「父さん…今日ね、また卒業式があったの」

正幸「そうか」

祐未「変よね…夏休みになる前に卒業が何回もあるなんて」

正幸「そうか」

祐未「何もない島だからかな。父さんが子供の頃も、卒業式ってそうだった?」

正幸「ああ」

祐未「私、卒業したらどこへ行くんだろう」

(正幸、何も言わない)

祐未「私…父さんのそばにいるよ。母さんの分まで…ずっと。どこへも、行かない」

2.生徒会室(祐未が生徒会に立候補した理由を尋ねる蔵前)

蔵前「祐未先輩って生徒会に、立候補したんですよね?」

祐未「ええ、そうよ」

蔵前「大変だとは思わなかったんですか?」

(僚、机に伏せて眠っている)

蔵前「平気で学校に犬をつれこんだり、仕事をさぼったりする、生徒会長がいて」

祐未「…そうね。面白そうかな、とは思ったわ」

蔵前「副会長の仕事が、ですか。それとも生徒会長が?」

祐未「さあ…両方かしら」

3.真実(正幸の葬儀の日にアルヴィスについて総士に尋ねる祐未/複雑な表情の僚)

僚「祐未…」

祐未「総士くん…あなたのお父さん、よく、私の父に会いに来てたわ」

総士「はい。仕事のことで助言をしてもらっていると…」

祐未「アルヴィスって…知ってる?」

総士「いいえ」

祐未「そう」

4.メモリージング(メモリージング覚醒後、アルヴィス内部を移動する祐未)

(IDカードを差し込む祐未~到着するまでの点描)

祐未「これ、知ってる。何で…?

(バーンツヴェックに乗っている祐未/到着場所にて)

祐未「なに…これ…」

(僚)「ファフナーだよ」

祐未「僚?みんな、なんで…」

僚「TSX」

祐未「TSX…?」

(祐未、PDAのデータを思い出す)

祐未「ファフナー」

(僚)「ファフナー・ティターン・モデル。俺たちの唯一の希望」

僚「卒業、おめでとう…祐未」

5.決心(病院で翔子に自分が卒業する事を告げる僚)

(翔子)「あっ、将陵先輩」

僚「やあ」

翔子「おはよう、プク」

(僚)「卒業が…決まったんだ」

翔子「えっ、いつですか?」

僚「夏休みが終われば、島を出る。大人たちと一緒に働くよ」

翔子「やっぱり将陵先輩はすごいです。私には、働くなんて…」

僚「俺に出来た事は、必ず羽佐間にも出来る」

(僚、翔子の方に向き直って)

僚「俺がいなくなっても、それだけは覚えてて」

6.すれ違い(計画参加を決めた祐未と参加を取り消すよう言う僚との確執)

(僚)「よっ、卒業が決まったから、挨拶くらいと思ってさ」

(祐未)「私も卒業するわ。父さんの計画に参加するために」

僚「なんだって?」

祐未「さっき、校長先生と話してきたところ」

僚「馬鹿!直接、敵と戦うことになるんだぞ!」

祐未「だから何?これまで何度も同じような計画が行われたって聞いたわ」

僚「そして誰も還って来なかった。今回(今日)だって…」

祐未「じゃあ、なんであなたは参加するの!?」

祐未「ねえ…。なんで、海に誘ったりしたの?」

僚「それは…」

祐未「黙っていなくなるつもりだったの…?」

(僚、答えない)

祐未「帰って!私のそばに来ないで!」

7.食ってる…(西尾商店でメロンパンを買ってくる蔵前/僚と総士の会話)

※実質未放映だったのは蔵前が西尾商店にいるカットのみ

(蔵前)「ありがとう、おばちゃん。また来るね」

(蔵前、プクを見つける)

蔵前「偉い。ちゃんと先輩のこと待ってるんだ」

蔵前「ご褒美に、先輩たちの差し入れ、分けてあげる」

(総士)「今、ノートゥングモデルの起動テスト中です」 ※完全版のみ

(僚)「噂の新型ファフナーか?」

(総士)「はい。二ヵ月後の計画終了までには間に合わせます」

(僚)「俺たちが無事だったら迎えに来てくれるってんだろ?」

総士「必ず」

蔵前「あっ、将陵先輩。この子お腹空いてるみたいですよ」

僚「食ってる…」

8.水中展望室(プクに語りかける蔵前/水中展望室について話す総士と蔵前の決意)

(蔵前)「ねぇ、なんで私のパンをあなたは食べたの?」

(蔵前)「私も、あなたと同じ、もらわれっ子なの。皆城家の…」

(総士)「ここは…昔」

(蔵前、総士に気づく)

総士「ファフナー起動実験に失敗して生じた空洞だ」

蔵前「知ってる。同化現象(ワームスフィア現象)で、全部消えたって」

(総士)「一つ間違えれば、無に呑み込まれる。それでもやるのか」

蔵前「うん。将陵先輩のことを考えれば…そんなの、怖いうちに入らないもの」

9.同化現象(外に座りフェストゥムの攻撃痕を見つめる僚のティターン・モデル)

〈モニター、『51d.03h.20s』の文字〉

※台詞、特になし。以降は単品版既出シーン。

(僚)「六度目の戦闘で…それは起こった」

〈柴田、倒れる/駆け寄る僚と祐未〉

(僚)「ファフナーに乗れば乗るほど、パイロットの肉体が結晶化する…同化現象」

(僚)「八度目の戦闘で…また一人倒れた」

(僚)「怖かった。敵ではなく、俺たちの武器であるはずのファフナーが…」

10.脱出(潜水艇脱出フェーズ/僚・祐未戦闘シーン)

(エンジニア)「第9から第17ブロック注水を開始!」

(操舵士)「第1、第2、第3隔壁開きます」

(コンピューター)「脱出フェーズ確認、Lボートフェンリル起動」

(早乙女)「フェストゥムを道連れにこの島を消滅させる気か!」

僚「でやあああっ!!」 ※完全版のみ

僚「祐未!!」

祐未「僚!!」

(ティターン・モデル、Lボート脱出)

(コンピューター)「Lボートフェンリル開放まであと5・4・3・2・1」

(フェンリル、放たれる)

11.出撃(出撃時、僚たちを連れて帰るとプクに誓う蔵前)

公蔵「出撃スタンバイだ、総士」

総士「ファフナー マークツヴァイ発進!!」

(蔵前、ブルクにプクの姿を見つける)

蔵前「待ってて。きっと、つれて帰るからね」

12.祈り(僚たちの生存を祈る蔵前)

蔵前「先輩、生きていて…お願い…」

(※以下、単品版既出シーン)

彩乃「ティターン・モデルが移動を開始。島から遠ざかっていきます」

公蔵「総士…マークツヴァイを止めろ」

(公蔵を振り返る史彦、彩乃)

公蔵「最悪の事態が起こった可能性がある」

総士「しかし…」

(公蔵)「島全体を危険にさらしてはならんのだ、総士」

総士「マークツヴァイ…止まるんだ」

シナリオ

本作のシナリオは、ハヤカワ文庫『蒼穹のファフナー ADOLESCENCE』(2013年発行)に収録されている。


*1 アニメージュ2006年1月号 XEBEC能戸プロデューサー㊙話Blu-ray BOX付属ブックレットに再録より