作品/【Final Fantasy I・II Advance】

Last-modified: 2021-07-07 (水) 19:43:42
FF1_2-A.png

概要

2004年に発売されたFF携帯ゲーム移植の第1弾。
FF1とFF2のふたつが収録されている。お得である。
以前にPS版で同様のものが出ているので正確にはそちらの移植だろう。
また、ただの移植ではなく、
FF1には「soul of chaos」、FF2には「Soul of Re-Birth」がそれぞれ隠し要素として追加されている。
原価格はちょい高めだったが、それに見合う中身だった。
現在、「新品は」品薄で入手困難であり、「新品は」アマゾン等でプレミアム価格が付いている。 
なおGBA移植にあたり低年齢層への配慮からか、アイテムの価格やラインナップ、パラメータアップ、
果てはゲームシステム(魔法が回数制からMP制に)までテコ入れされ、大幅に難度がダウンしている。


移植の出来はかなりよく、上記のようにFF4GBA版あたりと比べると
このゲームは音楽の質は高く、目立ったバグも無い。
ただ、なぜかFF2とFF1ではカーソルの反応に差がある。

  • GBAのFFで唯一バグの無い作品…一番古いのに…。 
    • 一番古いからこそ、だと思う。
      後に出たものほど容量が大きいわけで、それだけ移植するのも手間がかかるわけだし。

個人的にFF1リメイクの中で一番BGMがいいと思う。
ゲームは凄くぬるいけど、土のカオスを倒した後にすぐ隠しダンジョンに行くと死ねます。


その後、PSP版も1・2バラ売りで発売。
PSPの画力を駆使した絵になったが、どことなくRPG制作ツールを思わせる風貌になっている。


説明書、攻略本に書かれているイラストは子供にもなじめるように、
小林元(DS版サガ2のキャラデザをしている人)氏の描いた
等身が低く可愛らしいアニメタッチである。

  • 公式サイトでは、FF1の各ジョブ(クラスチェンジ前)・FF2の4人に加え、セーラ姫・ガーランド・こうてい・ヒルダ・チョコボ等のアニメ調イラストも見ることができる。
    • 4つのカオスやSOC/SORのキャラ・モンスターの絵もある。…が、何故かFF3からのゲストモンスターの絵は無い…。
      ちなみにSOCのとこで最初にイラストが出てくるのはギルガメッシュ。

名前の自動命名機能モンスター図鑑、クリア後のサウンドテストモードがついた。


FF1・FF2ともにゲーム中のセリフはオリジナルから改変された箇所が多くある。
描写や説明が不足していた場面を手直ししたということのようだが
FF2でも、「いいじゃないか! ただ だし」が無くなったりしてちょっと寂しい。

FF1

特にFF1はレベルアップが異様に早く、
雑魚モンスターを全て倒しながら進めるとSoCのボスキャラ以外に苦戦する要素が全くない。
いくらなんでも簡単すぎだろうと思えるほど。


soul of chaosを追加してアイテム収集の楽しみが増えたのは良いが、
たたかうが強くて攻撃魔法が不要気味であったり、バランスは微妙。

  • ただし、MPが回数制から数量制になったうえに安価なMP回復アイテムの登場で気軽に連発できるようになったことや、
    知性が魔法攻撃の威力に影響するようになったこと、ホーリー強化装置の登場等、
    実はこれでも原作より魔法の強化は大幅になされていたりする。
  • 寧ろ攻撃魔法が強化され、気軽に連発出来る様になったからこそ微妙。
    • 今作からいきなり魔法が気軽に連発可能になったように思われがちだが、
      実はこれより前のPS版のイージーモードの時点で既に気軽に連発出来るようになっていたりする。
      PS版イージーモードでは回数制だが各レベル毎に回数が分かれている&レベルが高くなれば二桁に達する
      (最終的にはレベル1~4の魔法は99回、レベル8魔法でも50回使えるようになる)ため、
      下手すると単にMP回復アイテムがないだけで今作よりもっと気軽に撃てるかもしれない。

後付けで飛空艇の制作者がシドになっている。これでシドがついにナンバリング制覇。


ライトブリンガーバランスブレイカーを追加した割に
エルフの村のミスリルソードはバランス調整?のため削除されている。
あまり原作リスペクトを感じない改変である。


GBA版からの追加装備・アイテムは、能力値補正や使用時・装備時の効果からみて、
FF2~6からの輸入品が多い(オリジナル品もある)。

  • アイテムの追加は数十個に及んでいる。
    正直言って、武器など不必要に追加しすぎている印象もあるが、
    アイテム収集が楽しめるとも言えるだろう。
    ダーククレイモアとかブレイブハートとか名前はかっこいいものもあるし…。
  • 時田氏プロデュースだけあって、消費アイテムはFF4の物が比較的多い。
    ただ、戦闘中のドーピングアイテムに関してはFF5からもチラホラ。

簡単すぎてバランスが悪いと良く揶揄されるが、
実はジョブの強さも大幅に調整がかかりFC版準拠の作品であまりにも役立たずだったシーフ(ニンジャ)や黒魔術士(黒魔道士)が大幅に強くなり十分に戦っていけるような性能になった一方、
知性正常に機能するようになったために知性の低い赤魔術士(赤魔道士)の魔法が弱体化されるなど、
きちんとしたバランス調整はされている作品である。
相変わらずなのは戦士(ナイト)位のものだが、
こちらもシーフの大幅強化を受けて攻撃力が見劣りするようになるなど、よりジョブごとの役割がはっきりするようになっている。
戦士抜き・シーフありだと大幅に苦しくなったFC版とは打って変わって、
どの組み合わせでも戦っていけるようになったのは十分評価に価すると思う。それにしたって簡単になり過ぎなのは否定しないが…。

  • むやみに能力を均質化するのが上手い調整だろうか?
    戦士並に火力はあるけどザコにガンガン先手をとられるシーフとか
    方向性を見失ってるような気がする。
    モンクの魔防不足を突いてくる追加ボスとかのほうが
    ジョブの個性を殺さない調整としては上手く出来てると思う。
  • 別に均質化はされてないと思う。FF1の仕様上安定して先手を取るのは無理だし(素早さの行動順への影響は小さめ)、
    シーフは攻撃回数が高くなり柔らかめの敵に有効で、戦士は攻撃回数は劣るけど1発の攻撃力は高くなるから硬い敵にはシーフより有効になるって感じで差別化はされてる。
    もちっと逃走率への幸運の影響を大きくすればよりはっきり差別化できたとは思うのだが…。
    • 各ジョブ間のバランスが良くなっても戦闘面のバランスの悪さはいかんともしがたい。
      難易度下げるのは良いが、やっぱりやり過ぎだと思う。
      • 上記でも指摘されているが追加ダンジョンを縛れば戦闘バランスは悪くなってないし、むしろ快適な戦闘を楽しめる。
        追加アイテムも大半はファンアイテムに近く、元々佐助の刀など性能に問題のあるアイテムの上位互換な物が多いだけである。
        実際、レベルを上げにくくしたPSP版FF1の方がゲームバランスに難ありの風潮からして、
        本作は従来のFF1から「遊びやすい」という差別化を図ることでこれを遊ぶだけの価値のある作品に仕上がっている。
        現在ではVCやアーカイブもあるため、オリジナル版やPS版も遊べるため、どうしても嫌な人はそっちをやればいいという点も強くなってきた。
      • そして今作と同じ感覚でシーフor黒魔をうっかりパーティに入れてそのあまりの役立たずっぷりに絶句するまでがお約束の流れ。
  • 細かいことだが、知性は別に元々魔法の威力に関わるように設定されていたものがバグで機能しなかったわけではないので、
    「知性が『正常に』機能するようになった」という記述を変更。
    知性はあくまで今作から新たに魔法の威力に関わるようになっただけ。
    • ちなみにWSC版以前までは完全なる死にステータスだが、WSC版以降からは幸運とともに逃走成功率に関わる意味のあるステータスになっている。

戦闘難易度が下がった反面、エンカウント率が異様に高い上逃げづらくなっている点はかなりウザい。
人によってはストレスが溜まるかも知れない。

  • エンカウント率や逃走率に関してWSC版の時点でほぼ同じ仕様になっているため、GBA版になった時点で改悪されたわけではない。
    ただGBA版はレベルアップ速度と引き換えにステータスの伸びが若干鈍くなっているため、その意味では以前よりも逃走は難しくなっていると言える。
    またSOCの各ダンジョンはエンカウント率が露骨に高くなっている。

メッセージの格納IDで、使用されていない箇所には「アルマム~~ン」と表記されているらしい。時田氏監修の動かぬ証拠である。

FF2

FF2のほうもアイテムを無限に持てたり、戦闘後のステータスダウンがなくなったりと、
易しくはなっているが、重装備で進めると終盤キツくなるのは相変わらずであるため、
FF1ほど簡単ではないといえる。

  • また、10回戦闘を行うことでHPが上昇するようになった(お節介な変更?)。
    • 慣れていないプレイヤーにはありがたいが、当然ながら初期ステータスクリアを目指すプレイヤーには非常に邪魔な変更点といえる。
      また、特に鍛えることなく普通に進めていてもテツキョジンの逃走判定に引っかかるHPまでに自動的に成長してしまうという問題も。
  • 重装備重視で進めると終盤キツくなるが、オリジナル版に比べると易しくなってると言われている。
    時田が関わったGBAリメイクの中では最も良調整。

ストーリー進行上序盤に必ず訪れるフィンの町に初めて入った際にプレイヤーに注意を促すセリフ(帝国兵は危ないから近づくな的なもの)が追加されているといった親切な変更も。
ただし、スタート地点の町のアルテアの南部分等、
その時点では場違いな強さの敵が出る地域があるのはなぜかそのままなので、序盤から下手に変な場所をうろつかないよう要注意。


死亡したキャラクター達で進む裏シナリオsoul of Re-Birthは好評。
(死亡して)離脱したキャラたちの育成が無駄にならず楽しめるのが嬉しい。
ただ、本気で育成を意識するとヨーゼフにマサムネを持ち込ませるために
トードのレベルを16にして神経衰弱を裏モードにして…とか序盤から考えることになる。


WSC版で変更された顔グラだが、GBA版では唯一、セリフに応じた表情の変化がある。
また、フリオニールの顔グラはWSC版から再変更されている。


熟練度などが上がりやすくなった分、四人目育成などの余力が出来たと考えると
身も蓋もないゲームバランスとなったFF1に比べはるかに良調整と言える。

  • ちなみに、河津氏いわくバグらしいのに何故かPS版でも可能だったABキャンセルがついに不可能になった。
    もちろん、そのぶん熟練度が上がりやすくなったのだが。
  • 敵レベル前後まではわりと簡単に武器熟練度が上昇する。そのため、GBA版に限っては手持ちの中で最強の武器をとっかえひっかえといったプレイも普通に可能。
    • ちなみに、意図的にパーティーアタックや素振りをしない限り、武器カテゴリーを絞っても敵レベルを大幅に超えて熟練度を上げる事は難しい。