事変録

Last-modified: 2010-07-18 (日) 05:27:49

事件的なものを書き綴ってみたらいいんじゃないかな
主にサービス開始当初のプレイヤーたちのオークション最高額投資記録

 
 

ロールパン伝説

Roll_bread.jpg

それは些細なことだった。一人の「」がいつものようにオークションに向かい、食料を買い占めようとした。
「」は買えるだけ買うと満足して去って行った。そして、暫くして当然のように他の者たちが上書きをしていった。
それはいつもの光景だった。
値段が安く栄養に優れた食料は、勇猛なグラディエーターの腹を満たすには実に良いものだったからだ。
そこには「」の姿があった、先程の「」とはまた別の「」だ。この「」もまた食料を買いに来た勇猛なグラディエーターの一人だった。
よい食料を求る「」は一つのものに目を付けた。『ロールパン 勝利の』それにはそう書かれていた。
気になる値段も80gold程度で実に手ごろなものだった。
しかし、このロールパンには既に別の「」が入札をしており、それが少し気がかりではあったが
他にも沢山入札しているのだから大丈夫だろうと思い僅かに高い値段で入札した。

すべてそれが始まりだった。
入札をした次の瞬間最高入札者の名前は元に戻っていた。もう一度入札してみたが、またすぐに書き換えられたのだ。
二人の「」は競い合い、すぐに相場より随分高い800gold程度まで上り詰めた。
しかし躍起になった「」達がこの程度で折れる事はなく、すぐに1000、2000、3000と値段が跳ね上がっていった。
いつしか7000ほどまで釣り上がった時片方の「」が大きく動いた。「14000!」それは人気商品と同等と言える額である。
この時同時に出品されていた人気商品である「暗殺の」装備は11000程度だった。
それを差し置いて断トツの値段となったロールパン。
値段の上昇もこれを境にピタリと止まり傍観していた多くの「」が行く末を見守る中時間が過ぎて行った。
ごく短い」誰かがそう言い放った。各々自分の欲するものを手に入れるために動きだし、数分が経ったその時事態は動いた。
15000!」動かないと思っていたロールパンの値が上がったのだ。まさかの値上がりにざわめく場内。
ふと他の良品の相場を訊ねればロールパン二つ分あればいいなどと言われる程になってしまった。
17000!」再びざわめく場内。なぜなら既にこの二人の「」は3万以上の金をロールパンに注ぎ込んでいるからだ。
引退でも賭けていなければロールパン一つにこんなに使えるはずがないと言っても過言ではない。

程なくして終了の鐘が場内に響き渡った。
ある「」は自分の買い物を放棄して行く末を見守り、またある「」は大馬鹿ものだと笑い飛ばしていた。
結果、強欲にも食料の買い占めに走った「」は敗れ、ロールパン一つに執着し続けた「」はそのロールパンの名前のように、
文字通りの勝利を手にしたのだ。
敗北した「」は素直に負けを認め、勝利した「」は「清々しい気分だ」とコメントを残すと二人は馬小屋へと消えていったと言われている。

こうしてオークション会場では今も1ロールパン=約17,000Gとして取引の単位に使われているらしい。

星になった短剣

star.JPG
オークションでの戦いは日々激化の色をたどっていた。中でも良品を巡った戦いは凄まじい値段まで跳ね上がる事がある。
急速な成長を見せる剣闘士達は日々進化して往き、より強い装備を求め今日もオークション会場に入り浸る。
「短い」その宣言がされると「」達は一斉に群がってきた。目ぼしい装備を見定めより少額で落札するための情報戦が始まる。
情報の中には目玉商品の相場など一見有用に見える情報も含まれているが、虚偽の情報も多く牽制目的のものも多い。
そんな情報の飛び交う最中一つの武器に注目を置く「」が居た。『フラボ 短剣 星の』中々の良品だ。
しかし「」からの興味はあまり高くなく、その程度の物に高額の値を付ける必要はないと言いだされる始末だった。
確かに高額になるほどの物ではないのかもしれないが、他の出品を見る限りではこの武器が優れているという事は確かだ。
そうこうしている内にも時間は経ち一通りの情報収集を終えた者たちは各々の事を優先し始めた。
暫くして一人の「」が股間を抑えて飛び出して行ったその時だった。「ごく短い」入札期限が迫っている知らせが場内に響いた。
大挙して押し寄せる「」達にのまれたのか先程の「」の姿はもうそこにはなかった。
臭いは漂っていないので狐が役にたったのかもしれない。

ともかく入札合戦が始まったのである。
全財産を投げつける者やそれをあざ笑うかのようにより高額をぶつける者
はたまた無差別に戦いを挑み金を強奪する者などまさに阿鼻叫喚の地獄絵図が広がっていた。
先程の短剣はというと、やはり良品なのだろう値段が順調に膨れ上がっていた。一万、二万と値を上げつつ徐々にタイムリミットが迫る。
このままでは落札できないかもしれない。小競り合いのままでは勝算が薄い事に不安を持ち「」は決断を下した。
100,000!」その一声に一瞬騒ぎ立っていた会場の喧騒が止まった。たちまちのことは場内を届き渡り自分の入札を放り出して見にくる者までいた。
流石にこの金額に上乗せできる者はおらず入札合戦を繰り広げていた者たちは次々と去って行った。
程なくして「」は短剣を片手に勝利を掲げたが全財産をなげうって落札したためか砥石が買えないと嘆きの言葉を漏らしていた。

かくして、大きな対価と引換えに強力な武器を手に入れた「」はモヒカンを被った男達に囲まれながらも一人の勇猛な剣闘士として輝く星に成り得たのだった。

 
 

コメント

  • すばらしいログだ・・・ -- 2009-09-27 (日) 01:15:55
  • コンマの位置がおかしいのはわざとか? -- 2009-10-11 (日) 11:36:33
  • コンマの位置は日本だと4桁で欧米だと3桁だけど海外ゲーだから3桁区切り、とか -- 2009-10-12 (月) 13:22:39
  • いや普通3桁区切りじゃないか -- もふもふ? 2009-10-12 (月) 21:59:11
  • ロールパンすげえ -- 2009-10-22 (木) 11:12:59
  • 今は500,000とかあるよね -- 2009-12-24 (木) 12:33:20
  • 50万どころか150万とかあるけど、当時を偲ぶ記事ということで -- 2009-12-25 (金) 00:17:44