天罰

Last-modified: 2024-01-24 (水) 17:33:51

東北楽天ゴールデンイーグルスの蔑称。

概要

2012年5月10日の西武戦(Kスタ宮城)が由来。

この日は楽天が3回までに6点をリード。完全なワンサイドゲームになると思われていたところで、球場には雨が降り始めた。
これに楽天の野手陣は「試合を早く成立させて雨天コールド→自軍の勝利」という展開に持ち込みたかったのか、明らかなボール球にわざとらしい空振り飛び出し牽制死などの怠慢プレーを連発。牽制死の直後にはベンチに帰ってきたランナーが周囲の選手とハイタッチをするという光景もみられた。

すると、これらのプレーが西武打線に火を付けたのか反撃され片岡易之の2ランなどで点差を縮められると、ついに試合成立後の7回には逆転を許してしまった
「天を味方につけ試合進行を早めようとした結果、6点のリードを逆転される」というまさかの展開に、「天罰だ」などと楽天を馬鹿にする書き込みが目立ち、楽天と天罰を合わせた「楽天罰」という単語まで誕生した。

 

なお、試合は西武の中継ぎの活躍で8回に楽天が再逆転。最後まで降雨コールドが宣言されることもなく、8-7で楽天が勝利している。

関連動画

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怠慢プレー以外の出来事

  • 西武先発・小石博孝、4失点と炎上し1回2/3で降板。2回から西武の中継ぎがマウンドに*1
  • 西武・木村文紀、強襲の打球を蹴りあやうく2塁ランナーを還されそうになる
  • 本塁クロスプレーで怪しい判定をした球審、直後にファウルチップが直撃
  • 楽天・内村賢介、打球に追いつくもこぼし顔面ヒット、鼻血
  • 楽天・小山伸一郎、降板時に西武ベンチにキレる
  • 西武・岡本篤志、7回は抑えるが謎の回跨ぎにより炎上し追いつかれる
  • 西武・星孝典、1・3塁でウエストを要求するも普通に走られ2・3塁に
  • 星孝典捕手、審判をどつき退場。西武はこれで捕手を使い切ってしまい星秀和外野手が急遽マスクをかぶることに*2

これだけのことが一度に起こったこの試合はこの時点で既に「2012年最大のネタ試合」の最有力候補と目されていた。しかしこの17日後、再び俺達絡みで試合後にサーバーを落とした伝説のネタ試合が発生する。


公認野球規則4・15について

ちなみに、公認野球規則4・15『フォーフィッテッドゲーム(没収試合)』については下記の通りに示されている。

一方のチームが次のことを行った場合には、相手チームに勝ちが与えられる。
(a)球審が試合開始時刻にプレイを宣告してから5分を経過してもなお競技場に出ないか、あるいは競技場に出ても試合を行うことを拒否した場合。ただし、遅延が不可避であると球審が認めた場合は、この限りではない。
(b)試合を長引かせまたは短くするために、明らかに策を用いた場合。
(c)球審が一時停止または試合の打切りを宣告しないにもかかわらず試合の続行を拒否した場合。
(d)一時停止された試合を再開するために球審がプレイを宣告してから、1分以内に競技を再開しなかった場合。
(e)審判員が警告を発したにもかかわらず、故意にまた執拗に反則行為をくり返した場合。
(f)審判員の命令で試合から除かれたプレーヤーを、適宜な時間内に退場させなかった場合。
(g)ダブルヘッダーの第二試合の際、第一試合終了後20分以内に競技場に現れなかった場合。ただし、第一試合の球審が第二試合開始までの時間を延長した場合には、この限りではない。


天罰の再来

2012年10月4日の同カード(Kスタ宮城)。
引き分け以上なら2位が確定する西武は、9回裏・同点という場面で延長戦突入を防ぐ*3ために、

  • ランディ・ウィリアムス登板
  • 2アウト取った後、投手コーチがマウンドへ
  • ゆっくりと渡辺久信監督登場、投手は涌井秀章へ交代
  • 長々と投球練習
  • 涌井が外したボール球を1球投げる
  • ここで守備交代、指名打者・中島裕之を一塁に
  • 涌井もう1球ボール
  • この時点で三時間半経過。その後は普通に勝負し、相手打者の松井稼頭央凡退でゲームセット

という「明らかに引き分けを狙った時間稼ぎと思われる遅延行為」を連発。その目論見通り2位確定に成功した西武だったが、その後のCSファーストステージで敗退。試合成立を早める・遅らせる行為という違いはあるものの、前述の出来事になぞらえる形で、一部では「CSの結果はこの遅延行為に対する天罰だ」といわれた。ちなみに西武はこの年以降CSで一度も勝ち抜けず4勝14敗(.222)、アドバンテージを除くと2勝14敗(.125)と凄まじい事になっている*4

同様の事例

一方、試合成立を防ぐと思われる行為が同年6月8日の交流戦・阪神対オリックス戦(甲子園)であった。

オリックス1点リードの5回表、激しい降雨による最初の中断でグラウンド整備が行われたが、終了後も阪神ナインがなかなか守備に就かなかった事にオリックス・岡田彰布監督は球審に整備の終了を改めて確認、球審が阪神側に守備へ就くよう指示した*5
なおこの試合は金本知憲の3点本塁打で阪神が逆転勝ちしたが、翌日の試合は負けた上にマット・マートン問題発言を起こしてしまった。

 

同年5月8日の巨人対DeNA戦(宇都宮清原球場)でも似た出来事が起こっている。
9回裏の時点でスコアは同点。ここまでの試合時間は3時間17分であり延長戦突入も十分考えられたが、DeNAサイドは引き分けを狙い時間稼ぎに走った。

  • 藤村大介が中前打→藤田一也石川雄洋がマウンドへ。
  • 捕手の黒羽根利規がマウンドへ向かうが、球審に促され戻る
  • 今度は友利結投手コーチがマウンドへ向かい内野陣が全員集合
  • 続く坂本勇人の打席で投手の加賀繁は3球連続牽制→1球を挟み牽制→さらに1球を挟み殆ど離塁していないにも関わらず2球続けて牽制しブーイングを浴び、結局四球
  • 球審の顔が大写しになった際はなんJ民から「目が怒ってる」との声も

結局これらの行為から試合時間は3時間30分を過ぎ、規定により引き分けで試合終了。狙い通りの結果に中畑清監督は大喜びだった。
その後、6月23日のDeNA対阪神戦(甲子園)で猛打賞をマークした阪神・マートンについて、中畑監督は「マートンは遅いな。1球、1球、打席を外して時間がかかりすぎる。あんまりいいリズムを持ってないね」と話したがDeNAは逆転負けしており、自らが行った遅延行為を棚に上げた中畑監督のコメント、そしてそれをフラグとした逆転負けは前述の試合における行為への「天罰」とも言われた。


3度目の…?

翌年9月7日の楽天対日本ハム戦(Kスタ宮城)にて、楽天は序盤に7点を先制。楽勝ムード漂う中、4回裏に強めの雨が降り出した。ここで2013年主演男優賞に選ばれた楽天・嶋基宏が、あからさまな空振り(ボールがミットに収まってから手を出す)をする。

しかし雨が止んだ直後に楽天先発・辛島航の乱調で5点を献上。「今度こそ天罰によって敗戦してしまうのか?」と思われたが、その後は長谷部康平斎藤隆と継投し、何とか楽天が勝利を収めた。


関連項目


*1 上の動画で投げているのは後の3代目総帥である。
*2 前年まで捕手登録の米野智人は炭谷銀仁朗の代打で出場したが、渡辺久信監督は米野の打順に星孝を入れた。
*3 2011・2012年に節電目的で採用された3時間半ルール(試合時間が3時間半を経過し、かつ9回まで試合が進行した場合、そのイニングをもって試合を終了させる)適用を狙った。
*4 このせいで西武は2022年現在、12球団で一番日本シリーズから遠ざかっている。
*5 実際にリードした状況で5回裏が終了すれば、試合は成立する。