週刊ベースボールの呪い

Last-modified: 2024-01-20 (土) 00:28:37

野球情報誌『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)に特集されたチーム及び選手が極度の不調に陥るジンクス
週刊ベースボール側も「週べの呪い」と自称している。


概要

「呪い」と称されるが、実態は上振れが終わった状態に近い(統計学の言葉を借りれば「平均への回帰」)。
主に下記2つの理由より刊行時には好調期が終わっているケースが多く、紙面との落差が際立って見える。

  1. 取材を受ける時点で好調期がある程度継続している。
  2. 取材から刊行まで期間が空く。

以上を考慮してもなお悲惨な結果が発生した場合は「呪い」が強調されやすい。


事例集

発売日(発行日) / 対象 / タイトル*1

2015年

2015年

4月29日(5月11日号) / 中日ドラゴンズ / 「下馬評を覆せ! 強竜復活
特集前4月半ばに首位に立つ。
特集後発売時点で4位に転落済み、最終的に5位でシーズンを終える。


5月27日(6月8日号) / 横浜DeNAベイスターズ / 「17年ぶりのVへ突き進め! 熱き星たちよ!!
特集前5月5日から約1ヶ月の間セ・リーグ首位をキープ。
特集後発売直後に引き分けを挟んで12連敗を喫し、交流戦歴代最低勝率の.176を記録


7月29日(8月10日号) / 横浜 / 「BAY DREAMS COME TRUE!夢を叶える星たちよ!!
特集前混戦の中を踏みとどまり、7月15日に首位に立つ。
特集後発売時点で5位に沈み、最終的に最下位フィニッシュ。NPB初の前半戦首位ターンから最下位を喫する。


9月2日(9月14日号) / 阪神タイガース / 「セ界制覇へ突き進め Vやで!タイガース
特集前8月中旬から首位をキープ。
特集後発売から9日後に首位陥落。最終的にBクラスと0.5ゲーム差の3位に終わる。


11月18日(11月30日号) / 侍ジャパン / 「強い! 侍ジャパンベスト4へ 世界一が見えた!
特集前WBSC世界野球プレミア12の予選リーグおよび準々決勝を突破。
特集後準決勝の韓国戦で敗退
2016年

2016年

7月13日(7月25日号) / 福岡ソフトバンクホークス / 「V3へまっしぐら! 無敵の若鷹軍団
特集前交流戦で13勝4敗1分と好調で、NPB史上最速のマジック点灯が現実味を帯びる。*2
特集後日本ハムに最大11.5ゲーム差をひっくり返される歴史的V逸
2017年

2017年

2月1日(2月13・20日合併号) / 侍ジャパン / 「侍戦士“世界一"宣言
特集前特に無し(第4回WBCの開幕前)
特集後第3回に続き準決勝で敗退


6月7日号(6月19日) / 阪神 / 「やっぱ好きやねん!タイガース!!
特集前首位と2ゲーム差の2位。
特集後6月17日から8連敗を喫する。


6月28日(7月10日号) / 楽天 / 「イーグルスVへの可能性を探る
特集前パ・リーグ首位*3
特集後故障者と打撃不振から失速し、8月15日の「コラレスショック」から6連敗。最終成績は3位。


8月2日(8月14日号) / 横浜 / 「夏に輝け!!熱き星たちよ GO!ベイスターズ
特集前7月中は阪神と3ゲーム差以内で2位を争う。
特集後巨人に最大7.0ゲーム差を追いつかれ4位転落。


9月20日(10月2日号) / 広島 / 「黄金時代の到来だ!広島無敵V
特集前9月18日に37年ぶりのリーグ連覇を達成。
特集後CSファイナルステージで敗退


9月27日(10月9日号) / 阪神 / 「クライマックスシリーズへの死闘 阪神タイガース
10月11日(10月23日号) / 横浜 / 「CS突破だ!ベイスターズ!!横浜旋風
特集前阪神2位、横浜3位でCS進出。
特集後両チーム:日程の関係でグラウンドコンディションが極めて悪い雨天の中、試合を強行する
阪神:レギュラーシーズンで横浜に勝ち越しながら*4CS敗退。
横浜:阪神に続き広島も破ってCS突破、日本シリーズで敗れるも呪いは回避
2018年

2018年

2月14日(2月26日号) / 横浜 / 「ベイスターズ先発陣の星 最強!左腕カルテット
特集前特に無し(開幕前)
特集後今永昇太:怪我で開幕絶望。復帰後も振るわず4勝11敗*5、防御率6.80。
濱口遥大:今永と同様に怪我で開幕絶望。復帰後は押し出しグランドスラムを喫する。
石田健大:投球が安定せず先発を剥奪され、一時中継ぎに配置転換される。
東克樹:新人王を獲得。)


4月11日号(4月23日) / 巨人 / 「Gの絶対的エース菅野智之 逆襲の誓い」「Gの”上原浩治効果”に迫る 10年ぶりの古巣復帰で影響は?
特集前菅野智之:特に無し
上原浩治:4登板で無失点と好調。
特集後菅野:開幕から2試合でそれぞれ5, 4失点し防御率6.23
上原:2試合連続で3失点し敗戦投手


5月9日(5月21日号) / 西武 / 「埼玉西武ライオンズ特集 黄金の獅子
特集前GW9連戦で7勝2敗、特に対楽天6試合を計55得点で全勝。
特集後発売前日の5月8日~5月16日にかけての7試合で完封負け4回、2試合で2桁失点と投打ともに壊滅。


6月6日(6月18日号) / 大谷翔平 / 「全米驚愕 大谷翔平 MLBで巻き起こる”二刀流”センセーション
特集前MLB1年目。2刀流で4勝1敗(防御率3.10)、打率.289, 6本塁打, 20打点と投打ともに結果を残す。
特集後発売直後の8日に右肘内側側副じん帯損傷で故障者リスト入り。


9月5日(9月17日号) / 広島 / 「3連覇へ突き進む広島優勝物語
特集前2位ヤクルトを13ゲーム離しリーグを独走。
特集後発売日から5連敗。とはいえ追い上げるヤクルトとの差を埋めるには至らず26日にはリーグ優勝を決める。
2019年

2019年

3月13日(3月25日号) / 広島 / 「リーグ4連覇へ突き進め!絶対王者広島カープ大特集
特集前特に無し(開幕前)
特集後開幕10試合で3勝7敗。開幕から6カード連続勝ち越し無し4月10日の対ヤクルト戦延長戦で1イニング12失点のNPBワースト記録を喫する


5月15日号(5月27日) / 広島 / 「いくぞ4連覇! 逆襲のカープ
特集前直近1ヶ月(4月16日~5月15日)で17勝7敗と好調。
特集後交流戦で5勝12敗の最下位。交流戦直後に10連敗を喫し一時5位へ沈む。


6月5日(6月17日号) / 阪神 / 「TIGERS KEYMAN INTERVIEW 強打の司令塔 梅野隆太郎/強力中継ぎ陣の軸 P.ジョンソン」「ROOKIE CLOSE UP 虎の新スピードスター 近本光司
特集前5月から2~3位をキープ。
特集後ピアース・ジョンソン:発売直後の6月7日に登録抹消で1ヶ月ほど離脱。
近本光司:打撃不振に陥る。
梅野隆太郎:6月12日のソフトバンク戦にて明日も勝つ!を実施。*6以降6連敗を喫し交流戦10位に沈む。


6月12日(6月24日号) / 楽天 / 「GO!EAGLES 2019新生楽天に迫る
特集前首位争いに参加し、6月の半分以上を1位で過ごす。
特集後6月下旬~7月上旬にかけて10連敗を喫し、4位に転落。


7月31日(8月12日号) / 横浜 / 「セ・リーグの灯は消さない。2019横浜DeNAベイスターズ特集
特集前7月に15勝8敗と好調で、首位の巨人とのゲーム差を最大10.5から2まで詰める。
特集後発売当日の伊藤光を皮切りに、スペンサー・パットン宮崎敏郎が相次いで骨折で離脱(パットンはシーズン絶望)。
以降も8月末~9月にかけて東克樹、濱口遥大、石川雄洋筒香嘉智ら主力選手が次々と離脱(東はオフにトミー・ジョン手術を受け2年間マウンドを離れる)。離脱にこそ至らなかったもののホセ・ロペスや大和もアクシデントに見舞われている。
乙坂智文春砲井納翔一桑原将志の交通事故等、プレイ外のトラブルも立て続けに起こり、ゲーム差を0.5まで詰めるも結局首位に立てないまま最終的に巨人の優勝を許してしまう。
2020年

2020年

4月1日(4月13日号) / 阪神 / 「不屈の猛虎魂。 85周年、伝統の力 コロナに負けるな!阪神タイガース特集
特集前特に無し(開幕前)
特集後開幕直後の7月2日*7時点で2勝10敗。同日はセ・リーグの借金を独占した。


10月14日(10月26日号) / 巨人 / 「どこがすごい? 原辰徳大研究
特集前2位中日を13ゲーム離しリーグを独走。
特集後故障者続出で翌日から優勝決定までの成績は2勝8敗3分。5連敗後の引き分けで優勝を決める、締まらない幕切れを迎えた。続く日本シリーズで26-4を喫する。
2021年

2021年

8月25日(9月6日号) / 阪神 / 「猛虎進化系 Vを呼ぶ阪神打線特集
特集前2位に最大8ゲーム差をつけ、4月4日から首位を堅守。*8
特集後発売直後の8月31日に首位陥落。その後一度は首位を奪還するもすぐに陥落し最終的にゲーム差無しの2位。*9


10月20日(11月1日号) / ヤクルト / 「ヤクルトVだ! 2021ペナントレース最終章
特集前9月28日に首位に立ち、その座をキープ。
特集後10月26日にセ・リーグ優勝、日本シリーズでもオリックスを破り20年ぶりの日本一。呪いを回避した例
2022年

2022年

8月31日(9月12日号) / 西武 / 「混パを勝ち抜く原動力 ライオンズ最強投手陣の秘密
特集前優れた投手陣*10を武器に7月29日に首位に立ち、その座をキープ。
特集後9月の平均失点は4.5点、2桁失点2回と投壊し一時4位まで転落。最終的に3位。
2023年

2023年


6月14日(6月26日号) / 阪神 / 「首位快走!岡田タイガースを徹底分析 猛虎が勝つ理由。
特集前5月13日に同率、5月14日に単独首位に立つ。5月末には貯金18に到達し、6月7日には2位とのゲーム差を6.5まで広げる。
特集後交流戦後半に失速し、終盤から交流戦明けを挟んで5連敗6月25日に今季初の同一カード3連敗を喫した横浜に抜かれ首位陥落。*11*12


8月30日(9月11日号) / 広島 / 「僕らはまだまだ強くなる。シン・カープ第一章
特集前首位・阪神がM21点灯中の8月29日に阪神タイガース企画展「2023年シーズン振り返りA.R.E.特集」を開始したが、その日の巨人戦で広島が勝利、阪神がDeNA戦にて敗北しマジックが消滅。*13発売当日も阪神が敗北、広島が勝利し、5ゲーム差まで迫る。
特集後翌月1日にあっさりマジックを再点灯させられ、9月7日から13日まで阪神戦被3タテを含み6連敗*14。一方の阪神は9月負けなしの11連勝を決め、そのまま優勝。阪神の優勝時点で首位阪神と2位広島は13ゲームもの差をつけられてしまった。*15


関連項目



Tag: 報道機関 フラグ・ジンクス


*1 基本は表紙を飾る文言だがその限りではない。(例外:選手の特集など)
*2 余談だが、2022年にヤクルトがNPB史上最速のマジック点灯を成し遂げている。
*3 2位のソフトバンクと1ゲーム差
*4 10勝14敗1分
*5 リーグ最多敗
*6 厳密には梅野が「明日も~」と煽り、観客が「勝つばい!!」とコール。
*7 COVID-19流行の影響で6月19日開幕
*8 ただこのときには2位とはかなりゲーム差が狭かった。
*9 優勝したヤクルトとは勝率5厘差でV逸を喫した。
*10 チーム防御率はリーグトップの2.75
*11 ただ次の中日戦では打線が爆発し11得点で大勝。対する横浜は敗れたため速攻で首位奪還となった。
*12 一方、首位奪還した横浜はバウアーが首位奪還時のヒーローインタビューの言葉悪い方向に向いたのか、次の試合から4連敗するなど失速。8月6日には自力優勝が消滅した。
*13 8回に坂本誠志郎のタイムリーなどで2点先制するも、9回に守護神岩崎優が2者連続ホームランを浴び敗戦
*14 阪神がM1で迎えた14日のヤクルト戦は阪神が巨人戦で先に勝利し優勝するまで3点ビハインドだったが、丁度阪神が優勝したタイミングの8回に4点を追加しそのまま逆転勝利。連敗を6で止めた。
*15 最終的に首位と11.5ゲーム差の2位に終わる。CSでは1stで横浜に2連勝するも、finalでは阪神に3連敗し力尽きている。