JFK

Last-modified: 2023-12-12 (火) 12:37:18
  1. ジョン・F・ケネディ(アメリカ合衆国第35代大統領)の頭文字。
  2. 2000年代後半の阪神タイガースで活躍したリリーフ陣(ジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之の3人)の頭文字を取った呼称。

本項では2について述べる。

概要

2005年の阪神は上述の3名を勝ちパターンとして擁し、6回までにリードしている試合の勝率が9割超えという圧倒的な成績とともにリーグ優勝を果たす*1。当年の阪神の象徴として、優勝の原動力となったリリーフ陣を指す本呼称が広く知れ渡った。
明確な発祥は定かではない*2が、公の場に出現したのは7月19日。前日の対横浜戦にて同3名の継投で零封勝ちを収め、翌19日に刊行された日刊スポーツの見出しに「JFK」の文字が掲載された。以降は上述の活躍も相まって浸透していく。

以降2008年まで4年間にわたり本起用体制は継続し、当年終了時点で3人全員がいずれかのシーズンで75登板以上及び40ホールドポイント以上の経験ありという記録的な成績を残す。


年度別成績

太字はリーグ最高、赤太字はNPB記録

  • 2005年
    頭文字選手名登板防御率セーブホールド奪三振奪三振率
    2231.84288632611.75
    Jウィリアムス752.110379010.57
    F藤川801.3614613913.55
    K久保田682.122739710.82


  • 2006年
    頭文字選手名登板防御率セーブホールド奪三振奪三振率
    1571.94365822811.62
    Jウィリアムス471.90326499.32
    F藤川630.68173012213.84
    K久保田473.961625710.26
    ウィリアムス及び久保田の故障離脱により登板数が減少。チームは終盤に中日ドラゴンズを猛追するもシーズン2位に終わる。


  • 2007年
    頭文字選手名登板防御率セーブホールド奪三振奪三振率
    2211.5146942829.90
    Jウィリアムス600.96042669.09
    F藤川711.6346611512.47
    K久保田901.750461018.42
    本年から久保田がセットアッパーへ、藤川がクローザーへ配置転換。安定した成績を残すが、2人ともに70登板以上(久保田に至ってはNPB記録の90登板)を記録したため酷使を心配する声が上がった。


  • 2008年
    頭文字選手名登板防御率セーブホールド奪三振奪三振率
    1872.3343612309.94
    Jウィリアムス553.095256510.62
    F藤川630.673859012.05
    K久保田693.16031757.93
    ウィリアムス、久保田が懸念通り不調に陥る。最大13ゲーム差をひっくり返される歴史的V逸の一因となった。

終焉

久保田は2008年オフに先発転向を志願するも、酷使が祟り2009年の登板は先発1試合のみ*3。ウィリアムスも故障で思ったような成績を残せず、スコット・アッチソンにセットアッパーの座を奪われ2009年限りで退団。
JFKは事実上の解体を迎え、藤川のみがクローザーとして活躍を続けていく*4


類似例

クリックで展開

JFK以降、メディア間でリリーフ陣の頭文字を取る命名法が流行した。

ロッテ

YFK(2005~2007年)

頭文字選手名
Y薮田安彦Yabuta)
F藤田宗一(Fujita)
K小林雅英Kobayashi)

YFK(2010年)

頭文字選手名
Y薮田安彦
F古谷拓哉(Furuya)
K小林宏(Kobayashi)


オリックス

KKO(2005年)

頭文字選手名
K菊地原毅(Kikuchihara)
K加藤大輔(Katoh)
O大久保勝信(Ohkubo)

JHK(2010年)

頭文字選手名
Jジョン・レスター(Jonathan)
H平野佳寿Hirano)
K岸田護(Kishida)

NHK(2012年)

頭文字選手名
N中山慎也(Nakayama)
H平野佳寿
K岸田護


USJ / USA(2022年~)

頭文字選手名
U宇田川優希(Udagawa)
S山﨑颯一郎(Soichiro)
J/Aジェイコブ・ワゲスパック(Jacob)/阿部翔太(Abe)


横浜

クアトロK*5(2005~2007年)

頭文字選手名
K木塚敦志(Kizuka)
川村丈夫(Kawamura)
加藤武治(Katoh)
マーク・クルーンKroon)


日本ハム

HAMの方程式(2006年)

頭文字選手名
H武田久Hisashi)
A(and)
Mマイケル中村(Michael)

TOM / TIM(2006年)

頭文字選手名
T武田久
O / I岡島秀樹(Okajima) / 伊藤剛(Itoh)
Mマイケル中村


巨人

KHT(2006年)

頭文字選手名
K久保裕也Kubo)
H林昌範Hayashi)
T豊田清(Toyoda)

TAHU(2006年)

頭文字選手名
T豊田清
A会田有志(Aida)
H林昌範
U上原浩治(Uehara)

SKY / スコット鉄太朗(2012年)

頭文字選手名
Sスコット・マシソンScott)
K西村健太朗Kentaro)
Y山口也(Yamaguchi)

USA(2018年)

頭文字選手名
U上原浩治
S澤村拓一Sawamura)
スコット・マシソン
Aアルキメデス・カミネロ(Archimedes)


ソフトバンク

SBM*6 / SBM48*7(2009~2010年)

頭文字選手名備考
S攝津正Settsu)
Bブライアン・ファルケンボーグBrian)
M馬原孝浩Mahara)
48*8甲藤啓介2010年から


中日

TAI(2010年)

頭文字選手名
T高橋聡文(Takahashi)
A浅尾拓也Asao)
I岩瀬仁紀Iwase)

大福マル(2020年)

頭文字選手名
祖父江
敬登
マルR.マルティネス


西武

TTT(2015年)

頭文字選手名
T武隈祥太(Takekuma)
T増田達至Tatsushi)
T髙橋朋己(Tomomi)


ヤクルト

ROB*9 / 14ROB(2015年)

頭文字選手名
14*10秋吉亮
Rオーランド・ロマン(Roman)
Oローガン・オンドルセクOndrusek)
Bトニー・バーネットBarnette)


阪神

PKO / PKO問題*11(1992~1993年)

頭文字選手名備考
Pジム・パチョレック(Paciorek)
K亀山努(Kameyama)1992年
郭李建夫(Kuolee*121993年
Oトーマス・オマリー(O'Malley)

SHE(2005年)

頭文字選手名
S桟原将司(Sajikihara)
H橋本健太郎(Hashimoto)
E江草仁貴Egusa)

MKD(マクド)(2017年)

頭文字選手名
Mマルコス・マテオ(Mateo)
K桑原謙太朗Kuwahara)
Dラファエル・ドリスDolis)


余談

JFKを酷使したことから当時の阪神監督である岡田彰布には一部で「中継ぎを酷使する」というイメージがついてしまっている*13が、当時の阪神先発陣は主戦投手である下柳剛を筆頭に完投能力が著しく低く*14、JFKに依存せざるを得なかったという事情がある。

関連項目

  • UNKO…こちらは蔑称として使われた救援陣の略称。JFKの「勝利の方程式」をもじって「敗北の方程式」とも呼ばれた。
  • 日刊スポーツ


    Tag: 阪神

*1 当年の阪神はJFKを始め先発・救援陣ともに三振を取れる投手が揃っており、当時のNPB記録を更新するチーム奪三振数1208個を記録した。
*2 一説では阪神公式掲示板とも。
*3 翌年以降は中継ぎに戻るも、2010年を除き目立った成績を残せず2014年引退。
*4 その藤川は途中、メジャー移籍を挟みながらも2016年に阪神復帰、最終的に2020年まで現役を続けた。
*5 「クアトロ」は「Quattro」のため誤解せぬよう注意。
*6 フトンクバイルの略称とかけている。
*7 AKB48とかけている。
*8 背番号から
*9 「(勝利を)強奪する」意
*10 背番号から
*11 当時の1軍外国人枠は2名であったため、誰を外すかが問題となる。加えて当時の日本において、国連平和維持活動(PKO)に自衛隊を派遣するか否かが議論されていたことにかけている。
*12 カタカナ表記は「クォリー・チェンフー」
*13 一例をあげると金本矢野時代にブルペンコーチを担当していた金村曉は22年オフに球団から二軍コーチのオファーを受けていたのだが、岡田が監督に就任すると聞き、「ちょっと投手陣を預かる身として心配な部分がたくさんあった。オファーが2軍コーチだったんですけど。であれば、けが人が2軍でくるのは耐えられないので『すみません』とお断りした」と退団を選択した。しかし、23年シーズンに入ってから実際の岡田のリリーフの運用を見て「話が違うじゃん。だったらやったのに」と後悔したというエピソードがある。
*14 06年までの阪神先発陣の中で完投能力が高かった井川慶と福原忍の2枚看板はそれぞれメジャー移籍と不調でローテから外れ、下柳も加齢によってイニングを食えなくなっていた。