井川慶(元阪神→ヤンキース→オリックス)の蔑称の一つ。
概要
阪神時代
井川は2001年に先発ローテーションに定着し防御率2位、2002年から5年連続二桁勝利、最多奪三振3回、2003年には20勝を挙げ沢村賞獲得など、当時のNPB最高レベルの左腕とも言える成績を残していた。
2004年は大事なところで踏ん張れなかったり援護を簡単に吐き出す場面が目立つようになり、2005年には2軍落ちを経験したり33-4の戦犯の一人となるなど、この2年間は防御率が3点台後半にまで悪化していたが、2006年は防御率が2点台に回復するなど若干持ち直していた。
この勢いを背景に2006年オフ、予てより希望していたポスティングシステムでのメジャーリーグ挑戦を発表し、ヤンキースとポスティングの落札金約2600万ドル、年俸400万ドルの5年契約+出来高で契約。入団会見では「アイアムケイイガワ」とカタカナ英語で自己紹介など話題性もあった*1。
しかし、もともと井川の投球にはコマンド(狙ったスポットに投げる能力)不足という弱点が存在しており*2、果たして成功するのかどうか阪神ファンすらも危惧していた*3。
渡米後
その危惧は初年度の2007年から的中。
- 2007年は14試合で2勝3敗・防御率6.25。
- 2008年は登板2試合のみで0勝1敗・防御率13.5とさらに悪化。
- 2009年以降は一度もメジャーに昇格出来ないまま*45年契約が終了。
結局5年間でわずか16試合しか登板することができず、期待を大きく裏切る結果となってしまった。
その後の評価
そのあまりの期待外れっぷりは10年以上経った現在にも尾を引いており、2017年には米メディアによって「メジャーリーグの歴史に残る27のワーストFA契約」の13位に選出されてしまう。また、ヤンキースファンが事あるごとに「Igawa」「Kei Igawa」を引き合いに出して選手を批判したり、チームを自虐的に表現したりする様子もTwitterなどの投稿で見られるようになった。なんJでもこれらを翻訳したスレがたびたび立つようになり、特に米国時代の井川を指し「ケイ・イガワ」と呼ぶようになった*5。
一例
- 【悲報】井川慶さん、ヤンキース五大厄災になる
http://hawk.2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1502722755
- 井川がメジャーに与えた影響をまとめてみた
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1377539238/
- ヤンキースのエース格として活躍していた田中が炎上した時には「ケイ・イガワの再来」「イガワが登板した」などと書き込まれた。
- 日本ハムからポスティングでエンジェルスに入団した大谷翔平に対しTwitter上で「大谷はイガワの再来になるだろう」「大谷はイガワとニシオカを足したようなやつだ」などと書き込まれる*6*7。
- マリナーズと契約直後の菊池雄星が「先発左腕であることや渡米直前の投球内容が井川を思い出させる」という理由で「田中(田中将大)もいれば井川もいる」「ノーモアイガワ」と否定的な見方を示されていた。シーズン突入後は(シアトルの俺達の活躍もあり)成績不調に陥り、各所で「Kei Igawa II」「Kikuchi is Kei Igawa」と呼ばれる始末となってしまった*8。
- 2019年オフにニューヨークポスト紙が発表した「メジャー30球団最悪のFA補強ランキング」の特集記事でメーン写真で登場し、ヤンキース史上ワースト1位に認定された。
- 2023年オフ、オリックスの山本由伸が12年3.25億ドル(約460億円)という超大型契約でドジャースへポスティング移籍。不良債権化するのではと危惧する声もあったが、ジョエル・シャーマン記者はアナリティクスの発達を理由に挙げ、「もう日本からケイ・イガワが来ることはないだろう」と発言した。
余談
井川がチームに貢献せずに大金を得た様子から、沢村賞コピペ内では「詐欺師」扱いされている。また「井川の件は、高年俸で獲得したマイク・グリーンウェル及び、メジャーからのハズレ助っ人を掴まされた阪神の仕返しだ」といった趣旨のレスがされることもある。なおメジャー時代のグリーンウェルはレッドソックス一筋で、井川が入団したヤンキースとは全く関係がない模様。