用語としての「血」
- 動物の体内を常に循環している液体。血液とも言う。英語では「ブラッド(Blood)」。
主に全身の各組織に栄養や酸素を運搬し、老廃物や二酸化炭素を回収するための体液。
また、怪我を負うなどして体液が体外に流出してしまう状態になった場合、
傷口で凝固して傷を塞ぐ成分も含んでおり、動物の体液の中でも特に重要な役割を持つ。
一定量以上の血液を失うか、血液の流れが完全に滞ってしまった場合、瞬く間に動物は生命力を失い絶命する。
- 実は古来より食物としても利用されてきた。
蚊、蛭、アブ、シラミといった人間の血液を栄養とする生物も多く、
その多くが凝固作用(上述の傷口で固まる作用)を抑える化学作用を持つなど独自の進化を遂げている。
人間の方も、鉄分・ビタミン・ミネラルなどの栄養豊富なものを食材に利用しない訳がなかった。
サバイバル時の非常食や、古来ドイツでも血液をソーセージ状に固めたものもある。
また、飲み水の確保が極めて難しい密林やジャングルの中で水分を調達しなければならない場合、
ヘビなどの血液を飲み水の代わりにする事がある。- 一方、血液を生命そのものと認識し畏怖する教もある。勿論食べるなどもってのほか。
- 栄養価は高いものの、毒性のある老廃物も含むためこれが忌諱される事もある。
また劣化が激しく雑菌などもすぐ繁殖してしまうため、
生臭さを取るためにもその場で血抜きをする事はよく行われる。
医療現場では血による汚れは排泄物よりも不潔とされ、洗浄を徹底している。
- 科学の発展により成分や効能、生理的な役割は解明されたが、ゼロから人工的に作り出すには至っておらず、
献血など生きた生物から調達しなければならない。正に動物が織り成す未知の素材である。
モンハン世界における「血」
- ハンターやモンスターを問わず、攻撃を受けると血が飛び散るエフェクトが出る。
ほぼ全ての種族のモンスターの血は赤色だが、
甲虫種や鋏角種の場合緑色の、甲殻種の場合青い血が飛び散る
(ただし甲殻種のなかでもタイクンザムザだけは紅い血が流れる)。
これは後述するように現実の生物にも共通した特徴である。- ちなみに、モンスターの場合は与えたダメージに比例して大量に噴き出す。
これを利用して肉質がやわらかい部位にちゃんと当たっているかが確認できる。
しかし傷から延々と血が流れ出るような事は無い。
- また、アクラ・ヴァシムとアクラ・ジェビアは部位破壊の状況によって体液の色が変化する。
最初は黒い血だが、一か所破壊すると緑になり、二度目は青、尻尾を切断すると赤になる。
これら体液の色で行動パターンが異なり、尻尾切断後の紅色時が最も攻撃が激しく、
前傾姿勢になりながら爪を振り回して突進する攻撃は
下手すれば即死級ともなりうるダメージを負わせてくる。
- ちなみに、モンスターの場合は与えたダメージに比例して大量に噴き出す。
- MHP2G以前およびMHP3、MHXではエフェクトが派手で、大量の血が飛び散る。
しかし、MH3およびMH3G、MHWorldではエフェクトが控えめである。
また、MH3以降はエフェクトの強弱を切り替えられるようになった。- その一方で、水中ではもわっと広がるように出血する。なかなかに芸が細かい。
しかしなんだか残虐度が増した気もする。そしてややグロテスク。
これまで以前だと「このゲームには暴力シーンやグロテスクな表現が含まれています。」という
注意文の内容に一瞬首を傾げたハンターも多かったようだが、水中戦では頷けるかもしれない。
しかし肝心のMH3以降は注意文は「このゲームには過激な表現が含まれています。」に差し替えられた。
…何故だ?
- その一方で、水中ではもわっと広がるように出血する。なかなかに芸が細かい。
- 狂竜化したモンスターの血や体液は、種族に関係なく毒々しい紫に変化する。
攻撃を加えるたびに不気味な色の血が吹き出る様子は軽くホラーである。
なお、出血だけでなく、体表面や尻尾の断面、バサルモスの腹なども紫に変化することから、
ウイルスの影響で全身の血液が著しく変質してしまっているようだ。
狂竜ウイルスの力とはかくもおぞましいものか…。- ちなみに、ハンターが狂竜症に陥っても血液は赤いままである。
狂竜症のハンターが暴走して操作不能になったりしないことを見ると、
狂竜ウイルスはモンスターに対して特に強い影響力を持つようだ。
- 現実でも、血液から病原菌が繁殖・全身へと感染する様相は実に多く、
マラリアやペスト…果てはAIDSなど、深刻な病が該当することも多い。
そのため、怪我人の手当てなどの際には一般的には、
他人の血液に直接触れるような行為は避けるのが望ましいとされている。- なおこの狂竜ウイルスの感染経路は「ベクター感染(水平伝播)」が最も近い。
- ちなみに、ハンターが狂竜症に陥っても血液は赤いままである。
- MHXでは、アイルーとメラルーはエフェクトを「標準」にしてあっても、
強制的に被弾時及び攻撃ヒット時の描写が「控えめ」相当の表現にされるようになった。
よって、この作品ではアイルーとメラルーは出血描写がされず、
一方でハンターや他モンスターが彼らの攻撃を受けた際も、出血の表現がされることはなくなっている。
これはオトモアイルーやニャンターであっても例外ではない。
- モンハンの世界でも呑竜パリアプリアの血を
滋養強壮の薬として飲む地方もあるらしく、
ゲーム内でもラヴィエンテ狂暴期の紅血はあらゆる状態異常を直してしまう効果があったりする。
- ちなみに、ギギネブラの卵は正確には血ではない白い液体が流れる。
素材
- 一部のモンスターからは血を採取する事が出来る。
当然、鱗や骨のように武具の素材として扱う事が出来る。
因みにアイコンは、MHP2G以前とMHFでは甲殻などと同じアイコンで色は赤い。
MH3以降では、飲料系アイテムやモンスターの体液などと同じ小瓶のアイコンである。
- 古龍には「古龍の血」という特殊な血が流れている。
古龍自体がごく一部を除いて同種どころか共通点があるのかも疑わしいほどにかけ離れた生態をしている事が多いが、
ただ一つ、血液の中にある特定の成分を共通して含んでいるという事が分かっており、
該当する成分を含んだ血液を「古龍の血」と呼んでいる。
主に古龍武具の生産に大量に使われることから、シリーズによってはプレイヤー泣かせの存在である。
MHX以降の作品では、よりグレードの高い「古龍の浄血」、「古龍の浄濃血」という素材も登場している。*1- MHXで登場した古龍のオストガロアは、モデルになったと思われるイカよろしく青い血液を流し、
他の古龍と見るからに血液の成分が違うのだが、これも古龍の血のようだ。
- MHXで登場した古龍のオストガロアは、モデルになったと思われるイカよろしく青い血液を流し、
- MHR:Sに登場する一部の傀異化モンスターからは、キュリアの影響によって変質した「傀異化した血」を得られる。
また発売後のアップデートでは、高レベルの傀異討究クエストで手に入る
「傀異化した浄血」「~浄濃血」「~凶血」「~凶浄血」が追加されている他、
一部の傀異克服古龍から手に入る血は「破傀の龍血」「~浄龍血」「~濃龍血」として区別される。
他の傀異化素材と同様、これらは装備の傀異適応や武器の傀異錬成に使える他、
傀異化した血は一部武器のレア10への強化にも必要となる。- なお、前述のようにダイミョウザザミの血は青く、見た目からしても他のモンスターの血とは明らかに異なっているが、
素材としての扱いは同じ傀異化した血を入手可能。
- なお、前述のようにダイミョウザザミの血は青く、見た目からしても他のモンスターの血とは明らかに異なっているが、
- 大巌竜の紅血は消費アイテムとしても使用でき、様々な状態異常を回復できる。
- 「古龍の血」以外で血が固有素材として使われるものは、現在のところ以下が確認されている。
そのほとんどがMHF限定の素材となっている。- ドス黒い血(怒り喰らうイビルジョー)
- 棘竜の濃毒血(エスピナス(MHR:S))
- 灰晶蠍の血塊(アクラ・ジェビア)*2
- 呑竜の血(パリアプリア)
- 響狼の血/凍った狼血(オルガロン)
- 大巌竜の血/大巌竜の紅血/大巌竜の深黒血(ラヴィエンテ/ラヴィエンテ狂暴期/ラヴィエンテ猛狂期)
- 獰竜の血/獰竜の熱血/獰竜の餓湧血(アビオルグ)
- 氷獰竜の零血(ギアオルグ)
- 金獅子の戦血/金獅子の沸血(ラージャン(MHF))
- 黒狐竜の変血(ミ・ル)
- 喰血竜の血(バルラガル)
- 黒穿竜の鮮血(メラギナス)
- 炎角竜の血/炎角竜の灼血(ヴァルサブロス)
- 怒貌竜の熱血/怒貌竜の膨熱血(ガスラバズラ)
- 帝征龍の血(グァンゾルム)
- 獄卒の血/獄卒の炎血(ヴォージャン)
- 焔嶽龍の高熱液(ケオアルボル)
- 棘竜の毒血(辿異種エスピナス)
- アルビノの蒼血(辿異種フルフル)
- 轟竜の狂血(辿異種ティガレックス)
- 氷獰竜の沸凍血(辿異種ギアオルグ)
- 爆狼の燃焦血(辿異種ミドガロン)
- 極龍の反磁血(辿異種ルコディオラ)
- 冥雷竜の呻血(辿異種ドラギュロス)
- 怒貌竜の高熱血(辿異種ガスラバズラ)
- 暴鋸竜の凶血(辿異種アノルパティス)
- 爆霧竜の圧縮血(ボガバドルム)
- 喰血竜の混血液(辿異種バルラガル)
- 司銀龍の流紅血(辿異種ハルドメルグ)
- その他、MHFではとあるイベント武器の素材として、
ディアブロス亜種から取れる「新鮮な血」及び、
辿異種ティガレックスから取れる「とても新鮮な血」というアイテムが存在する。
汎用素材
- 種や個体に汎用素材が用意される場合が多いMHFでは、当然というべきか「血」の汎用素材も多数存在する。
大抵は「~種の血」となっており、全てMHFオリジナルの種から剥ぎ取れる。- 「飛竜種の血」系…リオレウス変種・奇種、リオレイア変種・奇種、ディアブロス変種・奇種、
フルフル変種・奇種、バサルモス変種、凄腕級リオレウス希少種、凄腕級リオレイア希少種、
ティガレックス変種、アカムトルム変種、エスピナス変種、
剛種ベルキュロス、剛種パリアプリア、剛種ドラギュロス - 「魚竜種の血」系…ドスガレオス変種、ガノトトス変種、ヴォルガノス変種・奇種
- 「古龍種の血」系…剛種ラオシャンロン、剛種ヤマツカミ、剛種オオナズチ、剛種ナナ・テスカトリ、
剛種テオ・テスカトル、剛種ルコディオラ - 「獣竜種の燃血」…剛種アビオルグ
血の場合は「~種の血」「~種の濃血」「~種の特濃血」となる
(上に挙げたモンスターの中には、落し物や部位破壊でのみ入手可能なものも含まれているので注意)。 - 「飛竜種の血」系…リオレウス変種・奇種、リオレイア変種・奇種、ディアブロス変種・奇種、
- また、覇種モンスターからは「鮮烈なる滾血」という素材が手に入る。
恐らく、覇種の汎用素材と呼べるものであろう。
- MHFのG級小型牙獣種(コンガ、ブランゴ、ブルファンゴ)からは「野獣の血」という素材が入手できる。
余談
- 人を初めとした脊椎動物に流れる血は、酸素伝達物質に鉄を主成分とする
ヘモグロビンが使われているため、赤い色をしている。
また、現実世界の甲殻類や軟体生物などに流れる血は、酸素伝達物質に銅を主成分とする
ヘモシアニンが使われているため、青い色をしている。*4
昆虫などを初めとした虫類は、細胞の酸素交換に血(というよりは体液)は使われず、
体液は栄養伝達や免疫作用が主となり、そのために色は主に食事によって得られた
栄養素や消化酵素の影響を受けることが多い。
ホヤの血にはバナジウムが用いられているため、緑色となる。
これらのことがMHの生物達に当てはまるかどうかは不明だが、
飛竜種や牙獣種が赤い血液を、甲殻種の多くが青い体液を、
そして甲虫種や鋏角種が緑の体液を流しているところから、かなり現実に近い設定となっているようである。