「演技」を意味する用語。
厳密にいうと和製英語のようなもので、英語圏では「role playing」つまりロールプレイングという。
概要
- 元々は学習方法の一つであり、日本語では「役割演技」と言われる。
簡単に説明すると、ある状況・場面を想定して複数の人がそれぞれ役を演じることで、
実際に起こったときに適切に対処できるようにするというもの。
例えば学校の教育実習などは、学生が教師の役(ロール)を演じる(プレイング)というものである。
この役割演技について、日本ではロールプレイと言ったりロールプレイングと言ったり、
或いはロープレと略したりと呼び方が一定していない。
- ゲームにおいては「ロールプレイングゲーム」(RPG)が言うまでも無く有名だろう。
これはプレイヤーが各自に割り当てられたキャラクターを操作し、
架空の状況下にて与えられる試練をクリアしていくというもの。
厳密に言うと現在一般的に「RPG」と言われるのは、コンピュータRPGを指す事が多い。
- ちなみにロールプレイは直訳すると役割(role)を演じる(play)ことになるが、
ロールプレイングゲームにおけるロールプレイとは「他の誰かのふりをすること、誰かを演じること」で、
単に特定の「役割」を果たすだけのものではない*1とされる。
市販のロールプレイングゲームは、基本的にはその「他の誰かのふりをすること、誰かを演じること」
という理論を取り入れた設計になっている。
モンハンにおけるロールプレイ
- MHシリーズは一部除き基本的にアクションゲームであり、ロールプレイングゲームではない。
だがモンハンは元々MORPG*2として企画設計されたという経緯もあって、
ロールプレイが容易に可能な設計になっているアクションゲームであると言える。- 日本と海外ではRPGの定義に若干の隔たりがあり、
海外ではメインシリーズのモンハンもアクションRPGとして認知されている。
一方のストーリーズのような「日本風のRPG」のゲームジャンルは海外では「JRPG」とカテゴライズされることが多い。
- 日本と海外ではRPGの定義に若干の隔たりがあり、
- 例えばモンハンはキャラクターに好きな「名前」を付けられ、
「性別」「外見」を選択することができ、
更には「チャット」を使い文章でコミュニケーションをとることができる。
この段階で、現実の自分とはかけ離れたキャラクターを構築することが可能になる。
また武器や防具も原則として自由に選択することができるため、例えば
「大剣使いでスキンヘッドが特徴の壮年ハンター」
「ボウガンと弓を使いこなす、関西弁の女性ハンター」といった設定付けが容易である。
MHXではそれどころか「アイルー(ネコ)」になることすらできる。
もちろん素(現実)の人格や名前*3をそのまま出しているプレイヤーも非常に多いが、
そういう「誰かを演じること」が容易であることは大きな特徴と言える。
- モンハンにて比較的多く見られるケースでは、
現実の自分とは逆の性別のハンターをプレイヤーとして選ぶことや、
モンハン以外のゲームや漫画のキャラクターになりきることなどが挙げられる。- 単純に「装備のデザインがそちらの方が気に入っているから」であったり、
「オリジナルの名前が思いつかなかった」など実利面でそれらを選択し、
現実の性別や人格を隠さずプレイする人もいるが、中にはチャットの台詞にも凝って仮想の性別や、
他のゲームの登場作品を演じることを楽しむプレイヤーも存在する。
特に昨今のモンハンはゲームや漫画とのコラボレーションを行っており、
他作品のキャラクターになりきれる装備が公式に用意されているため、
そういうロールプレイは容易になった。
- 単純に「装備のデザインがそちらの方が気に入っているから」であったり、
- また、文章チャットが自由に行える作品に関しては、
チャット次第で様々な人格を演じることができるため、
例えば老人キャラや侍キャラ、不思議ちゃんなど性別以外にも演じることのできる役柄は多い。
性別や外見と組み合わせればその可能性は無限大である。- ただし現行シリーズでは頭身まで変えることはできないため、
「見た目は子供、中身は大人」などは流石にできない(逆はできるが…) - MHXX以前のキャラメイクでは女性の顔の中に老齢のものが存在しなかったため、
若者~老男性までは出来たものの、老婆のようなキャラの作成は不可能だった。
この問題はMHWorldでキャラメイクが大きく変更され、年齢による皺などが設定可能になり
女性でも老齢キャラを作れるようになったことで解決している。 - モンハンの世界には竜人族をはじめとする「人に近い別種族」というのも存在する。
彼らの身体的特徴はキャラメイクでは作れないものの、重ね着装備の一部には
竜人の特徴である尖った耳になる頭装備などがあるため、
別種族を演じることも不可能ではない。 - 逆にキャラメイクはさほど作り込まずとも、常に全身を覆う防具を身に着け
人前でいっさい脱がないようにすることで、別種族や人外の者を演じるロールプレイは割と手軽にできるとも言えるし、
目を発光させたり顔面をメタリックペイントして「ワタシアンドロイドデス」とか言い張っても良いのである。
- ただし現行シリーズでは頭身まで変えることはできないため、
- 更に、具体的にゲーム内容に踏み込んでロールプレイする人もいる。
例えば特定の武器種を愛して止まない(という設定)で特定の武器しか使わないハンターを演じたり、
いわゆるヒーラーのように「サポートに特化したハンター」になりきって
広域化アイテムやボウガンの回復弾、狩猟笛の旋律を重視する、
「前線でモンスターの攻撃を防ぎきるハンター」としてランスに挑発を付けて戦うなど、
人によって千差万別の遊び方ができる。
- MH4Gからは、設定した特定の行動時にチャットが自動的に動く「オートチャット」というシステムが登場し、
これを利用したロールプレイと言うものもよく行われるようになった。
MH4Gの頃はあまり自由度は高くなかったが、
MHXでは狩技使用時にもつぶやけるようになるなど、一気に自由度が増した。
狩場では、ハンターが他ゲームや漫画などでどこかで聞いたことのある技名を叫びながら、
狩技を発動する光景もよく見られるようになった。- MHWorldではより多くの場面で自動的に発言できるようになったが、
一方で他言語のプレイヤーには既定の内容で翻訳されるようになっている。
例えばモンスターに乗ったときに日本語でセリフなど独自のチャットを設定していても、
英語や中国語など日本語以外のプレイヤーには「モンスターに乗りました!」という旨の、
各言語のデフォルト設定の定型文が送信されることになる。
- MHWorldではより多くの場面で自動的に発言できるようになったが、
- この類例として迷惑なキャラをロールプレイするという人もいる。
有名どころではふんたーやゆうたになりきっての迷惑プレイ(「セカンドゆうた」など)だろうか。
これについてはチャット、行動面どちらでも可能であるが、
何も知らない人からすれば単なる迷惑行為であり、ロールになっていない。
理解のある身内のみに留めるか、せめて前置きするなり不快感のない内容にするなりの配慮は必要である。
- 近年の作品では今までやや希薄だったストーリーが比較的濃密に描写されるようになっており、
その影響として主人公(プレイヤーのハンター)の設定がある程度固定されている事例も増えている。
例えばMHWorldの主人公は調査団参加までは様々な任務に従事してきた精鋭とされているし、
MHRiseの主人公は出身地や人間関係などの様々な点がカムラの里に集約されている。
そのため、それらを逸脱したロールプレイをしようとすると色々と齟齬が生じてしまうことも。
もっとも、オンラインにおけるプレイヤー同士の間ではそれらを無視しても問題はないため、
各々が好きにロールプレイを楽しむ場合も少なくない。
関連項目
ゲーム用語/チャット - ロールプレイにおいて非常に重要となる要素
システム/キャラクターメイク - 同上
モンハン用語/○○使い - 実利面以外に、ロールプレイとしてこれを名乗る人も存在する。
シリーズ/モンスターハンターストーリーズ - モンハンシリーズ史上初のRPG作品。