ゲーム用語/アップデート

Last-modified: 2024-04-29 (月) 21:40:56

英語では"update"と書き、意味は直訳すると「更新」。
「アプデ」と略されることもある。

概要

  • ゲームに限らずコンピューター全般で使われる用語で、システムの状態を更新することを言う。
    似た言葉としてアップグレードバージョンアップが存在する。
  • ゲームにおいては更新データを配信し、バグの修正やコンテンツの追加などを行う事を意味する。
    この更新データ自体を「パッチ」と呼ぶこともあるが、
    本来パッチはバグの修正を中心とした更新データに対して使う言葉である。
  • 完成し、発売されるゲームは基本的にバージョン(ver)1.0.0である。
    しかし、マスターアップしてから発売までの作業によって新たなバグが見つかった、
    あるいはマスターアップまでに反映しきれなかったバグ修正や細かい調整などを後から発売日に合わせて配信する、
    通称「デイワンパッチ」も今日ではメジャーな存在となっている。
    これが反映されていると、発売日でもバージョンが1.0.2などになっていたりする。
    • ダウンロードで購入すると、大抵はゲームのダウンロードと同時に最新の更新データもインストールされるが、
      パッケージで買った場合はオンラインに接続しないことでver.1.0.0をプレイすることができる。
      デイワンパッチによって修正されたバグや没データなどが残っていたり、
      またゲームバランスがパッチ適用後と全く違ったりなど、独特の趣があるとか何とか。
  • CS業界でオンラインで更新データを配信するのが当たり前になってからは
    ゲームバランスが大きく変動するような調整も積極的に行われるようになっているため、
    予めプレイヤーに更新内容を知らせる、通称「パッチノート」がアップデート前に公開される事が多い。
    ただ、実際に更新される内容の全てがそこに書かれているとは限らず、
    書かれていない更新内容はユーザーからは「サイレントアプデ」等と呼ばれる。
    このようなものは細かすぎて書かなかった、または単に書き忘れたなどの原因が考えられるが、
    「ユーザーに知られると不満が出るのでわざと書かなかったんだろう」などと邪推されることも。
  • 前述のようにアップデートにはゲームバランスが大きく変わったり、
    あるいはキャラクターの挙動が変わったりするようなものも含まれるので、
    もしマルチプレイでアプデ適用者と非適用者がマッチングすると致命的な不具合が発生する可能性がある。
    そのため、最新バージョンを適用していなければマルチプレイが不可能になるのが普通である。
    もしマルチプレイが可能な新しいゲームを購入したらアップデートを適用するのを忘れずに。
  • オンラインアップデートが行えなかった時代はアップデートが無かったのかというと、そうでもない。
    一度ゲームを発売し、また次のROMを生産して出荷するまでには間があるので、
    その間にバグ修正や調整などを行い、そのデータで新しいROMを生産して出荷することがあった。
    これにより、見た目は全く同じパッケージなのに一部のバグが起きなくなっているということがある。
    • この場合、最初のバージョン(で生産されたROM)を「初期ロット」などと言うことがあり、
      カセットやディスクに刻まれたシリアルナンバーの違いによって判別できる。
    • また、ゲームが簡単に詰んでしまうようなあまりに重大な不具合が見つかった場合は、
      メーカー自らがゲームを回収し、アップデートした新しいゲームを渡すと言ったことも行われていた。
  • ちなみに、バージョン表記には一応ルールが存在する。
    「Ver.11.0.3」*1を例にすると、
    • 最初の「11」はメジャーバージョンと言い、ほぼ別物と言える程の大規模な変更を行った場合に更新する。
      この数字を更新したら、後ろの数字は全てリセットして0にするのが通例。
    • 中間の「0」はマイナーバージョンと言い、細かな仕様変更、あるいは機能追加などを行った場合に更新する。
    • 最後の「3」はパッチバージョンと言い、バグの修正を行った場合に更新する。
      • 場合によってはパッチバージョンの後ろに更に小文字のアルファベットなどが付くこともある。
        これは、非常に細かい修正などが行われる場合に付属される。
    4桁ある場合、例えば「Ver.11.0.1.3」だと、
    3桁目の「1」はマイナーマイナーバージョンとなり、パッチバージョンは4桁目に繰り下げられる。
    このバージョンはマイナーバージョンより比較的小規模な仕様変更や追加を行った場合に更新する。
    ただしMHRiseのSteam版は、どちらかと言うとビルドメタデータとしての使い方である様子。

モンハンにおけるアップデート

MHXX以前

  • MHXX以前のメインシリーズではアップデートが行われた事は非常に少ない。
    オンラインのハードルが高かったPS2はともかく、
    インターネット通信が普及した3DS世代になっても下記の不具合修正の事例ぐらいしか無かった。
  • MH3Gでは誰もがやるような操作で特定の装備が入手できなくなってしまう、
    通称「ピアスバグ」という重大な不具合が発生していたが、
    後日修正パッチが配信され、バグが発生していても入手可能になった。
  • MHXXの初期では一部のイベントクエストで生産できる装備の防具合成が不可能だったが、
    後にアップデートにより解禁された。当初不可能だった理由は未だに不明。*2
  • イベントクエストなどのダウンロードコンテンツによって新しい装備の生産や強化が解禁される事があるが、
    これは既に入ってはいるが使えないデータを使用可能にするものであり、
    通称「アンロック」と呼ばれ、アップデートには含まないことが多い。
  • ちなみに、3DS作品のアップデートは現在から見ると手順が少々特殊で、
    任天堂が提供するサービスのe-shopから無料のデータを購入するという形でダウンロードしていた。

MHWorld以降

  • MHWorldから、軽微なバグ修正を含めたオンラインアップデートが積極的に行われるようになった。
    大小様々なバグや誤字のような、以前なら放置されていたようなものも修正されている。
    特に目玉は先頭の数字を1つ更新するタイトルアップデート(または大型アップデート)で、
    これによって定期的にモンスターや武器、防具、新システムなどを追加すると言った、
    オンラインゲームに近いような運営がなされている。
    ただし、オンラインゲームと違ってサービス終了まで恒久的に続ける訳ではなく、
    現在確認されている限りではタイトルアップデートは5~6回ほど行って打ち切られているが、
    その後に致命的な不具合が確認された場合は、それの修正を目的としたアップデートが行われる事がある。
    • このようなアップデートは現在でもモンハンに限らずCS界隈ではよく見られる方法で、
      オンライン接続が当たり前になってからは様々なゲームがタイトルアップデートを配信して盛り上げを計っている。
  • 以前のG級にあたる拡張版がMHWorld以降はDLCによって提供されるようになっているが、
    DLCに全てのデータを入れると、DLC購入者とそうでない者の間に致命的なデータの差異が発生し、
    マルチプレイをする際にプレイヤーの完全な分断が起こってしまう。
    それを避けるため、拡張版のデータを超大型アップデートとして配信し、
    DLCはそのアップデートで追加された新コンテンツを解禁する鍵とする手法が取られている。
    このアップデートでは全体的に非常に大規模な調整や追加が行われるので、
    バージョン数字が3~6からいきなり10以上にまで飛んだりする。
    • ちなみに、拡張版以外の重ね着やボイスと言った細かなDLCも同様にマルチプレイを可能にするため、
      非購入者にもデータ自体はタイトルアップデートで配信されている。勿論、DLCを購入しなければ使用はできない。
  • MHRiseの体験版では、後にマガイマガドを追加するための体験版のアップデートが行われた。
    また、このアップデートでは地味に一部武器の調整も行われていた。
  • また、オンラインアップデートが現実的な環境が整ったことで、
    MHWorld以降の作品ではかつてのMHFと同様に、
    リアルタイムでプレイし続けているハンターにも一定以上のやりごたえを感じさせるために、
    その時点で実装されたモンスターより手強い調整が加えられたモンスターが追加されるケースが増加している。
    その中でもとりわけ強力な存在と公式から言及がある存在である、
    歴戦王傀異克服古龍のような強化個体はHR/MRに高い制限が掛けられているものの、
    そのシリーズで後から新規追加されたモンスターは、何れも受注条件がストーリークリア後程度と緩く調整されている。
    これについては、門戸が広いことで多くのハンターがソロおよびマルチで遊ぶことができることで
    離れていたプレイヤーを復帰させ、コンテンツが盛り上がりやすくなるというメリットがある他、
    腕に自信があるプレイヤーに更なる遊びごたえ、ゲーム性を提供する形で、
    その作品を深くやり込むための選択肢を提示するという良い効果を齎している。
    他方で、特に新規参入プレイヤーに多く見られる傾向があるものとして、
    後から追加されたモンスターの強さとHR/MR制限が釣り合っておらず、
    ストーリークリア直後の装備と成熟していない実力の状態で挑んだ結果、
    一方的に嬲り殺しにされるといったケースが発生している*3他、
    不特定多数とのマルチプレイにおいては明らかに装備や、
    基本的な立ち回りがままならないプレイヤーが混じってしまうことになり、
    必然的にクリア率が低くなりやすい点が指摘され、問題視されている。

MHF

  • オンラインゲームであるため、大型アップデートによるコンテンツ追加が本命と言っても過言ではなく、
    アップデートの頻度もメインシリーズより高く、かつ10年以上も行われていた。
    こちらはバージョン数字ではなく「シーズン○○」「フォワード○」など独特の表記をしていたのが特徴。
    これによって追加されたコンテンツはまさに数えきれない程であるため、詳細は各々の記事を参照されたし。
  • MHWorld以降の項目で触れた、アップデートで後から追加されたモンスターが手強いという設計は、
    完全なオンラインのゲームであり、コンテンツを後から積み重ねていくスタイルが前提となるMHFでは、
    ごく普通のこと、言い換えれば当たり前の世界であった。
    しかし、MHFは完全オンラインのゲームであり、プレイするにあたって物理的なハードルが存在していた事、
    そのハードルを乗り越えた層の大半は「事前に情報収集して挑む」のが常識として定着していたため、
    参入ハードルが低下し、開発側が初心者向けの装備と道標を提示するといった努力を行い、
    幅広い層が遊べるようになったMHF-GG以降に目立つ形となった。*4
    • 特に顕著なのはMHF-Z初回アップデートで追加されたゼナセリスと、
      MHF10周年記念アップデートで実装されたエルゼリオンである。
      どちらもG級昇格直後のGR1からすぐ挑めるモンスターであるが、
      ゼナセリスに関しては同アップデート最大の目玉である辿異種が注目され、
      同コンテンツのモンスター達を基準に強さを見られた結果「手応えが無い」という評価が多発、
      一方でエルゼリオンに関しては数多のアップデートを積み重ね、
      その大きな節目となる10周年記念アップデートに相応しい調整を受けた結果、
      GR1から挑めるモンスターでありながら、GR400から挑める★2辿異種と同等クラスの強さを有し、
      新規ユーザーだけでなく、MHFの環境に適応した熟練ハンター達からすら、
      「GR1から挑める存在にしては強すぎる」という評価が多発することになり、
      後に実装されたモンスターの扱いに苦心する開発陣の姿が伺える事態を招いた。

関連項目

ゲーム用語/延命
ゲーム用語/ダウンロードコンテンツ


*1 「セマンティック・バージョニング」と呼ばれる表記方法
*2 自社コラボの防具は合成可能だったので権利関係だと思われるが…
*3 初出作品や過去作品において、意図的に強大な存在として設計、登場していた特殊個体モンスター超大型モンスターの復活時によく見られる。これは、当時を知っているプレイヤーは過去作や事前情報等で「相手がどういう存在なのかを知っているので、解禁時期に惑わされずに念入りな準備を行ってから挑む」傾向があるのに対し、当時を知らない新規プレイヤーは「これから挑むことになるモンスターの詳細を知らずに挑んだ結果、一方的にボコボコにされる」という形で発生することが多い
*4 例として、MHFにおけるG級の初心者救済、兼入門装備であるエントラ・フロガダシリーズから乗り換えないプレイヤーを問題視する風潮が根強かった、等が挙げられる