一般に、他のユーザに自分の足を引っ張られるのを許せず、
自己の効率のために他者に対して自分勝手な発言・装備の強要をする者。
特にオンライン上で問題になる人々のことを指す。
厨(厨房)とは中坊(中学生坊主)をわざと誤変換したものであり、簡単に言えば幼稚な言動をする者に対する蔑称である。
また中毒という意味の蔑称でもあり、この場合両方を含めた意味で言われている。
目次
概要
- 効率厨は自身、あるいはその時々における最大派閥の「効率的なプレイスタイル」を他者に強要する。
プレイスタイルというものは、プレイヤーの数だけ存在する千差万別のものであり、利用規約に触れたり
寄生やチートなど他人に迷惑をかけるものでない限り
どんなものでも当然「あり」であり、個々人の哲学や価値観は尊重されなければならない。
しかし効率厨と呼ばれる存在は他人のプレイスタイルなどお構いなしに自身の「効率」を強要する。
「武器が弱い」「必須スキルがついていない」などという難癖を付け、
強制的に装備を変えさせる、極端な場合にはキックするなどの行為に出る。
その為MHシリーズでも、他のゲームと同様、嫌悪される存在である。
とはいえ、特に高難度のクエストでは知識やプレイスキルが基準に満たない一人の為に
クエストクリアが困難になる場合もあるため、線引きの難しい面もある。 - 間違えてはいけないのは、効率重視を強要する人が効率厨であるという事。
そしてプレイスタイルは個人の範囲内であれば個人の自由という事。
相手に強要しない限り、効率重視は単なる効率重視でしかなく、決して侮蔑の対象ではない。
その為、単に効率重視の募集や装備をしているからと言って、そのプレイヤーが効率厨であるとは限らない。
自助努力で凄まじい効率プレイに対応できるプレイヤーはシリーズを問わず多いが、
だからと言ってそのプレイヤーは絶対に効率厨である、とは断言できないのである。
また、他者に要求しているからと言って自分にもそれを要求しているとは限らない。
つまり、寄生が効率厨を併発してる可能性もあるということである。
そもそも、過度な注文を他者に強要する姿勢自体が寄生と本質的に変わらないと言えるだろう。- いわゆる指定募集についても、それ自体は効率厨の行いとはなり得ない。
指定は言わば同好の士を集める、つまり自分と同じプレイスタイルの人を集める行為に過ぎないからである。
ただし後述するが、棲み分け不可能になったことで指定募集が実質的なプレイスタイルの強制となる、
ということはありうる。
- いわゆる指定募集についても、それ自体は効率厨の行いとはなり得ない。
- 効率を求める行為と最低限のマナーを求める行為は全く異なるものである。
例えば、狩りをほったらかして爆弾で遊んでいることを注意され、
それに対し「効率厨だ!」と批判するのは大間違いである。
クエスト成功を目指すのはパーティに参加するうえであくまで最低限のマナーであり、
それを求める行為は決して効率厨の考えではない
(というより、全員がクエスト達成を放棄してしまえばクリアできないのだから当然の行為であると言えよう)。
また、攻略に有用なアドバイスを贈るというような行為も効率厨的な思考とは到底言いがたい。- また、特定の武器種やスキルの装備を必須とする部屋の場合も、
それに従わない場合はキックされても仕方がない面があるだろう。 - ただしこれらは言い方にもよる事を忘れてはいけない。
例えばいきなり暴言を吐いて是正させようとしたり、アドバイスではなく強制させるような言い方の場合、
性格地雷との謗りを受けてしまう可能性は極めて高いものとなるだろう。
- また、特定の武器種やスキルの装備を必須とする部屋の場合も、
- モンハンは同じモンスターと何度も戦い素材を得て装備を作る、
というネットゲームを土台としたゲームデザインとなっているため、
効率を正義とする考えが生まれやすく、そしてその考えが肯定されやすい土壌はどのシリーズにも存在している。
とは言え他者のプレイスタイルを完全否定する効率厨は、
たとえどれほど効率主義が蔓延っていても問題視、厄介視される存在である。- 又、「効率重視志向がMHの楽しみを潰している」という人がよくいるが、
その「MHの楽しみ」というのはそれぞれの勝手な主観でしかない。
効率重視で進めるのが「MHの楽しみ」というユーザーもいるのである。
だから″効率厨″というのは効率非重視を楽しみと捉える者が効率重視につけたレッテルでしかない
という考え方もある。
実際問題、効率厨は他人のプレイスタイルを否定して非効率なプレイスタイルを徹底排除する指向であり、
他人のプレイスタイルを否定して効率的なプレイスタイルを徹底排除する指向も十分問題視されるだろう。 - 一般的なアクションゲームにおいても、得点やクリアタイムで優劣を競うのは一般的な楽しみ方の範疇で、
クリアタイムの短縮に全力を尽くすという遊び方自体はごく普通の事である。
目的はどうあれ、過程を効率化しようという試みは決して悪いものではない。
- 又、「効率重視志向がMHの楽しみを潰している」という人がよくいるが、
- 効率厨は他のユーザに自分の足を引っ張られるのを許せないため、
足を引っ張ったプレイヤーを公然と(その場で)批判することが少なくない。
その為仮に効率厨のプレイスタイルに順応できる他のプレイヤーも、
PTの空気が悪くなることで円滑なパーティプレイが不可能となるだろう。
キックアウトのシステムがある作品であれば、募集主が効率厨で、
気に入らない人をキックし続けることで円滑なクエスト回しが不可能となることもありうる。
結果的に効率を落とすことになるので、本末転倒なのだが…
- 歴史を紐解くと、シリーズを問わずこのような問題行動を行うプレイヤーは存在していたようである。
ゲームバランス等の問題でそのようなプレイヤーが減ったとされるMH3系においても、
アルバトリオン火事場ハメ部屋(MH3)、W属性連発閃光or麻痺ハメ部屋(MHP3)などで慣らしたプレイヤーが、
そのような効率とは無関係な部屋で問題を起こすということがあったようだ。
MH4系列ではクエスト中に迷惑行為を働くいわゆる地雷と呼ばれるプレイヤーが急増し、
その結果として効率厨に自らの主張の大義名分を与えかねない風潮が生まれてしまうことになった。 - MHWorld以降においては、マルチになった途端モンスターの体力がマルチ向けに増強される仕様などがあり、
「野良マルチよりソロの方が効率が良く、野良マルチで効率云々を叫ぶこと自体が非効率」
というゲームバランスであったため、当初は問題に挙がることは少なかった。- しかし、アップデートにより追加されたマム・タロトはマルチプレイでないとクリアに相当な時間がかかってしまうため、
どうしてもマルチでやらざるを得ない戦いができてしまった。
1回でクリアしたソロの猛者もいるにはいるがはっきりいって常人には困難
そして、報酬の仕様が複数個手に入れた未鑑定武器を鑑定するという完全にガチャのシステムで、
とにかく周回の数をこなすために効率を求める声が大きくなった。
しかも、気心の知れた仲間と集まれるハンターばかりではなく、野良のハンターが集まるに任せた
野良の部屋も多く建てられ、地雷プレイヤーを目にする機会が増え、過剰な効率への声を助長する事となる。- とはいえ、全くクエストの仕様を知らないプレイヤーがただ部位破壊も考えずマム・タロトを叩き続ける、
という暴挙に出ない限りは野良で集会所を立てて戦ったとしても2~3回のクエストで十分クリアはできる。
ハンター各自に仕様への理解やある程度効率のいい手順を情報収集する必要はあるが、
入れ替えの激しい野良集会所では地雷ハンターと長く組み続けることもそうそうないため、
高効率を目指さなければある程度は問題なく戦える相手でもあった。
掲示板などの地雷に対する不満は声高に叫ぶが故にそれが蔓延しているような感じになりがちだが。
- とはいえ、全くクエストの仕様を知らないプレイヤーがただ部位破壊も考えずマム・タロトを叩き続ける、
- この後も、ベヒーモス、エンシェント・レーシェンなどのマルチ向けのモンスターが現れたが、
こちらはそもそもパーティ全員が全力を出し切って初めて勝てるような恐るべき強敵であり、
これらの討伐に関しては効率というか最善を尽くすことが当たり前という認識が強い。 - MHW:Iでも効率ならソロで求めた方がいいという風潮は変わらず。
モンスターが激しく動き回る攻撃パターンが多くなり、マルチでは今まで以上にモンスターに攻撃が当てられない状況が起きやすくなっている。
しかし、追加モンスターのムフェト・ジーヴァではまたもやマルチプレイでないとクリアが困難なものであったため、
マム・タロトと同じ問題を孕むこととなった。
今回手に入る赤龍武器は、アイテムで後付けで強化するタイプでバリエーションも少なく、
最後報告した時に担いでいる武器種の赤龍武器が最低1つは入っていることから、
周回効率をさほど上げなくても武器自体は揃うのが不幸中の幸いか。
強化に必要な龍光石は相当数必要なため、このために周回することになるわけだが……- ただ、高効率の周回を狙わない場合はこちらもマム・タロトと同じく
野良の集会所でもクリア自体は難しくない。
また同様に有志による周回手順も開発されており、効率を求めてメンバーを厳選するよりは、
とにかく人数を集めて数をこなしたほうが結果的によかったので、さほど効率の悪さが問題になることも多くない。
そもそも効率よく立ち回れる味方をガチャ探す方が難易度が高い - ただ、マム・タロトの時と若干違う厄介な事情があり、
赤龍武器を持ってクエストに参加すると成長のための数値が貰える事を知ったハンターの中には
あまり強化されていない赤龍武器で参加するという行動に出るものが出てきた。
悪意があるわけではないのかもしれないが、火力が減ると討伐までの時間がかなり延びかねないため
意図的な地雷として忌み嫌われることが多い。
また、ムフェト・ジーヴァの防具は強力な効果の代わりに攻撃のたびに自傷ダメージを負っていく
上級者向けの防具で、強いという話だけ聞いて着てくるハンターも多く、
結果HP管理を怠って乙するという事案も少なくない。
- ただ、高効率の周回を狙わない場合はこちらもマム・タロトと同じく
- しかし、アップデートにより追加されたマム・タロトはマルチプレイでないとクリアに相当な時間がかかってしまうため、
- MHWorld以降、ロビーを介さずに知らない誰かの狩猟場に参加できるマッチングシステムが採用されている。
かつ、以前のロビーを介したマッチングシステム自体も継続のため、
「誰とでもやりたい人は誰でも呼べる、誰の所にでも行ける」
「仲間を厳選したい人はロビーを作って厳選できる」環境が整った。
これにより、MH効率厨の隔離……もとい棲み分けが必要、というMH4世代の問題は大きく改善の兆しを見せた。- しかし、実際に目に見えた仕切りができたというわけではないので
ロビーを介さない出入りに関しても「確認する暇がないだけ」と、
相変わらずドレスコードに当てはめるのが当然とする効率厨も
依然として後を絶たないようである。
- しかし、実際に目に見えた仕切りができたというわけではないので
- くれぐれも間違ってはならないので2度申し上げるが、効率プレイを行うプレイヤー=効率厨ではない。
効率プレイを望まないプレイヤーに対し、自身の効率を押し付けてしまう人間が効率厨なのである。
そしてたとえ効率至上主義が蔓延る作品においても、効率厨が正当化されることは決してない。
- ただし、作品によっては効率重視のプレイスタイルと非効率的なプレイスタイルとの棲み分けができず、
両者が互いに望まない形でかち合ってしまい結果的にプレイスタイルの押し付けになってしまうケースが存在する。
例えばオンラインで指定の文面を作成できないシステム(MH4、4G)になっていたり、
それまで非効率プレイ中心に遊んでいた街に効率主義のプレイヤーがなだれ込まざるを得ない状況
(2010年~2011年頃のMHF)になったり、あまりにもモンスターが強すぎて、
効率最優先が暗黙の了解にまでなってしまう(4Gの高Lvギルドクエスト、2012年頃のMHFなど)と、
棲み分けが不可能となって両者に軋轢が生じることとなる。- MHFではこの問題に対する教訓から、「プレイスタイルの棲み分け」
が快適にMHFをプレイする上での最重要事項であると多くのプレイヤーに認識されている。
その棲み分けを円滑に行う為に、
貼り主・部屋主は自身のプレイスタイルを他人に伝える努力を決して怠ってはならない、
という考えが主流となっている。
例えば何も指定せずに募集し、
参加者に対し武器種や装備、戦術の選別・排斥を行う*1などはご法度とされる。
また、参加者も貼り主のプレイスタイルを尊重してPTに参加することが求められるため、
募集文が気に入らないからといって文句を言ったり、
募集要件に合わないことを咎められて反論したり居直る等の行為はもっての他である。 - また、貼り主・部屋主と参加者両方に言える事であるが、
募集文に書いてない事を他者に要求する行為もご法度で、それこそ効率厨の行為に他ならない。
特定の戦術とわかる募集で一部を省略し、暗黙の了解に任せる事もあるが、
それでも募集文に余裕があるのであれば、
暗黙の了解に任せず、しっかり明記した方が強い理由付けになる事には変わりない。 - よって、上記から起こり得る揉め事は全て、
貼り主・部屋主の努力と、参加者が募集文をしっかり把握することで、
ほぼ100%回避できる*2事であると言える。
どちら側も、最低でも募集文への認識はしっかり持ったほうが良いだろう。
そしてMHFでは、
(暗黙の了解も含めた)究極的な効率を求めるのであれば、
野良でなく信頼のある身内でPTを組むのが最適解という考えが強く、
それもあって全体的に似たプレイスタイルのプレイヤー同士で固まりやすい傾向にあり、
上記の「棲み分け」は年々進んできているといえる。- ちなみにこの「究極的な効率を求めるのであれば、
野良でなく信頼のある身内でPTを組むのが最適解」という考えは、
MHFに限らず、メインシリーズも含む大半のオンラインゲームにおいて当てはまる。
- ちなみにこの「究極的な効率を求めるのであれば、
- MHFではこの問題に対する教訓から、「プレイスタイルの棲み分け」
- また、効率厨が大手を振って行動しやすい環境というのは往々にしてゲームバランスに問題があり、
作業性が強いものとなってしまっている事が多い。
具体的には「強すぎる敵を何度も倒さなければならない」「アイテム入手率が極めて悪く救済手段もない」
「1コンテンツの消化に途方もない時間を要する」などが挙げられる。
そのような作業性の強すぎるバランスでは、
退屈な作業を少しでも早く終わらせるために効率プレイに走るようになるプレイヤーが多く現れ、結果的に
「効率プレイ必須なのだから他人も効率第一で動いて当然である」という考えが芽生えるようになってしまう。
これらはネットゲームで往々にして存在する要素であるが、ネットゲーム的な色が強いMHでも度々問題となる。- なお、一応ゲーム側を擁護するとそれらの要素はいわゆる「ボス戦」であり、
基本的にはクリアする過程そのものを楽しむコンテンツであることも多い。
一手一手悩み、それでもギリギリという状況そのものを楽しんでもらうというコンテンツである。
そのご褒美という位置づけで強いアイテムなり、高効率の経験値なりが得られるだけなのである。
そういう報酬を用意しないとそもそもなんで実装したんだ、やる価値がないといわれるし。- その一方でそもそもオンラインゲームはコンシューマのそれと異なり、
長い時間プレイしてもらう(させる)ことが前提のバランスとなっているというのもあるが。
- その一方でそもそもオンラインゲームはコンシューマのそれと異なり、
- なお、一応ゲーム側を擁護するとそれらの要素はいわゆる「ボス戦」であり、
- MHFではネットゲームという土台であることから、かつては効率こそ正義という風潮が確立していた。
無論そのような環境でも効率厨は問題行動を起こすことが多く*3度々厄介視されていたが、
「求人区」と「自由区」という思考の物理的な棲み分けが運営側の意図的な設定で不可能になってしまったり、
実装されたコンテンツが単調・作業・長時間という作業性の強いものが多かったり、
ハンター側の火力不足でモンスターの狩猟に時間がかかることが多くハメによる狩猟を選択せざるを得ず、
更に素材の入手率も極めて低いものが多い*4など、
運営側が効率思考を養殖させたと言われても否定のしようがない状況があり、
結果的に効率厨が大手を振るのは致し方なしとまで言われる状況が長く長く続いていた。- そのため、プレイ前に『ゲームは楽しくやるもの』という考えの人ですら、
MHFをプレイしていると最終的に効率厨になるか、ゲームを辞めるかの2択になると言われており、
「MHFは効率重視、或いは効率厨だらけのゲーム」と称されていた。
無論、効率至上主義=効率厨ではないため、
MHFのプレイヤーも多くは効率厨と呼ばれる存在ではなかったのだが、
当時は大半が効率第一であり、効率主義が半ば暗黙の了解になっていたため、
非効率のプレイスタイルではかなり遊び辛いという状況があったことは間違いない。- この状況はMHF-G1まで続いた*5のだが、
その最頂点と言えるMHF-G1でプレイヤーの大ブーイングが起こったことで、
MHF運営も「効率至上主義が蔓延るのはゲームバランスに問題があるため」ということをようやく認め、
G2以降は課金を通じた緩和ではなく大不評を受けたG1の連戦要素を大きく排除し、
全HC素材の交換やブーストモードの導入が行われ最効率にこだわらずともゲームを楽しめるようになった。
それでも当初は効率至上が優勢だったのだが、MHF-G3以降の劇的なインフレに伴い、
難点であった「効率重視でないとモンスターの狩猟に時間がかかる」件が大きく解消され、
「戦術や指定を細かく行うだけ時間の無駄」という風潮が強まった。
こちらにもあるが、現在ではガチガチの指定はごく一部に限られるようになり、
上述したように指定文での明瞭な棲み分けが浸透した現在では、
過去に蔓延っていた、他者とトラブルを起こすような効率厨は自然淘汰されてきている。
- この状況はMHF-G1まで続いた*5のだが、
- そのため、プレイ前に『ゲームは楽しくやるもの』という考えの人ですら、
- 長々と書いてきたが、良識あるハンターはTPOを弁えた柔軟な対応をする。
自分自身だけの最効率に固執せず、また効率思考のハンターを敵視することもなく、
純粋に募集内容(や打ち合わせ、強要しないタイプのお願い)に応じて動く事が多い。
- なお、何度も述べたが効率重視自体は決して憚られることはないものであるため、
例えば攻略掲示板などで効率重視のための発言をしたとしても効率厨呼ばわりされるのは筋違いであろう。
ただし非効率プレイを信条として掲げている個人のブログやSNSなどにわざわざ乗り込んで
「効率が悪い」などと指摘したり、攻略掲示板でも初心者向けのスレッドなのに、
そこで超上級者用の戦術や装備などを提示するような人は、効率厨呼ばわりは避けられない。
エンジョイ勢とガチ勢
- 効率厨という用語を語る上で引き合いに出されることが多い、
「エンジョイ勢」と「ガチ勢」についても説明する。
ゲームにおいては、「ライトゲーマー」「ヘビーゲーマー」といった区分がされることもある。
- エンジョイ(楽しむ)とガチ*6(本気)が示す通り、
ゲームに対する姿勢でプレイヤーを区分したもの。
ただし、各ゲームの内容にもよるほか、もともと自己認知や相対評価に過ぎず、
「エンジョイ勢」と「ガチ勢」を明確に区別する境界線や定義は存在しない。
そのためガチ勢=効率厨ではないし、エンジョイ勢≠効率厨とは限らないが、
プレイ姿勢に関わるものであり、ガチ勢は必然的に効率重視になるという例が多いため
効率厨と絡めた話になりやすい面がある。
- 定義が明確でなく、自分と異なるプレイスタイルを
揶揄する文脈で使われることもあるため、この表現そのものを嫌う人もいる。
実際にプレイヤー同士の罵り合いから生まれた表現とされており、
効率厨という用語同様、使い方を間違えると単なるレッテル貼りになるため、
使うとしても慎重になるべきと言える。
- エンジョイ勢、ガチ勢の区別には以下の要素が挙げられるが、
どの要素でもって判断するか自体が人によって曖昧であり、
このような「型にはめる」事こそ、議論をややこしくしているという指摘も見受けられる。
従って以下は参考程度にご覧いただきたい。
- ガチ勢
- ゲームのルールや高度な戦略・戦術をしっかり研究し、それを徹底的に自プレイに反映させる。
- タイムアタックに挑戦したり、ランキング上位、大会入賞といった具体的な高評価を目標に設定する。
- アイテムや金や経験値などを稼ぐ際には、タイムやスコア等の効率性を重視する。
- 装備やアイテムやキャラクターを実用性重視で選ぶ。キャラメイクで性能が変動するゲームなら、
いびつな外見になっても性能を取る。 - 高難度のゲームモードやクエストを好んでプレイする。
- 装備品や勲章等の収集要素でコンプリートを目指す。
- ゲームプレイに自主的な制限を設ける縛りプレイで自分の腕前を試す。MHでいえば、防具未装備やノーダメージクリアなど。
- 発売から時間が経とうが特定のゲームタイトルやシリーズをプレイし、ゲーム内の要素や攻略法の追及を続ける。
- ゲーム内容の探究や追及が目的で、腕前や進行度がアイデンティティになっている。
- エンジョイ勢
- 最低限のルールや操作方法等は把握するが、高度な戦略や戦術には拘らない。
- クリアタイムやランキングなどをあまり気にせずにプレイする。
- 実用性などはあまり気にせず、自分の好みで装備やアイテムやキャラクターを選ぶ。
- 収集要素に興味を示さない。あるいは自分の好きなもののみを集めていく。
- ゲームプレイに制限を設けて攻略することは少ない*7
- 特定のタイトルやシリーズ、ゲームジャンルをプレイし続けることには拘らない。
- あくまでも娯楽としてゲームをするのが目的で、ゲーム内容の探究には執着しない。
- 上記はあくまでも一例であり、
収集要素のコンプリートを目指しているが効率を気にせず遊んでいるプレイヤーや、
好みの装備を徹底的に研究するプレイヤー、
最高の効率を求めて研究しているがタイムアタックや縛りプレイには興味がないプレイヤー
など、両者の要素は複雑に入り混じる。
従ってプレイヤーの知識や技術とこれらの分類に直接的な関係は無く
「腕前は覚束ないがガチな姿勢の人」や、「トップクラスの腕前を持つがエンジョイ気分な人」は存在し得る。
また、エンジョイ勢を自認していれば他者に寛容で、ガチ勢は他人に厳しい、とも限らない。
極端な例だが「自分の思うエンジョイ勢的なスタイルを周囲に強要する」人や
「回りを一切気にせず自分の中だけでガチ勢的なプレイを楽しんでいる」
という人も存在する。- 例えば「非常に強力な装備」を身に着けているプレイヤーが居た場合、
「単に強くてサクサク進められる、もしくはただの好み」で装備している上で言うエンジョイ勢なのか*8、
「高難易度クリアかタイムアタックのため」に装備している上でいうガチ勢なのか、判断は付かない。
逆に実用性皆無の弱い装備を身に着けていた場合も、
縛りとして弱い物をあえて選んだのか、作れた装備を適当に使っているだけなのかは全く分からない。
また、見た目が好み、愛着がある、特殊能力が面白いなどの理由でさほど強力でない武具を使い続けているが
お気に入りの状態を維持できる範囲においてスキル構成や持ち込みアイテムは洗練されており、
戦術や行動に至ってはガチそのものという
両者の要素が同居した分類不可能なタイプのプレイヤーも決して少なくない。 - 一見すると経験の蓄積に見えるレベルや累計プレイ時間や収集要素に関しても、
優れた技術と効率化で、低レベルかつ短時間で必要最低限な装備のままストーリーをクリアしてしまう人もいれば、
気楽に、地道に時間をかけてレベルアップしていたら装備なども色々集まっていた人もいる。
- 上で挙げた「効率を最大重視」するスタイルも、
究極的な効率性を探求しているのか、或いはただ楽をしたいと思っていたらそうなったのかは、
本人以外は全く分からないし、本人にもわからないかもしれない。
特にモンハンでは素材集めのために連戦しなくてはいけない状況が往々にして存在し、
「いつもはエンジョイ勢として楽しんでいるが、今は1分1秒でも早く終わらせたい」ということもあるだろう。
- 例えば「非常に強力な装備」を身に着けているプレイヤーが居た場合、
- 自己認知の話でもあるため、ゲーム内の要素とは全く無関係に、ゲームとの向き合い方をもって
遊びの一環とは言え真摯に取り組んでいる自分はすでにガチ勢
腕前は低くても収集要素のコンプリートや縛りプレイに挑戦する自分はガチ勢
と思うプレイヤーもいれば、
妥協や遊びを許さず、理想を100パーセント実現するのがガチ。
現実的に実現不可能なレベルでもないのに、改善の余地が残されている限りエンジョイ勢
と思うプレイヤーもいる。
この『現実的に不可能なレベル』も個人の基準でしかなく、
どのラインから非現実的になるのかは価値観や生活様式、素質によって異なる。- 例えば、「毎日欠かさず6時間程度のゲームプレイを要する」何かがあったとして、
フルタイムで働く社会人がまともな睡眠時間などを確保しながらこれを手に入れるのは聊か困難*9だが、
学生など比較的時間の都合がつきやすい者からすると決して不可能なラインではなくなる。 - また、「エンジョイとガチ」の区分がもともとレッテル貼りの産物であるため
エンジョイ勢からすればガチ勢は実力があって頼りになるプレイヤーではなく
楽しく遊んでいるのに無理難題を押し付けて場の空気を乱す、目的をはき違えた勘違い野郎であり、
ガチ勢からすればエンジョイ勢はゲームを心から楽しむ愉快な奴ではなく
自分は真剣にやっているのに余計な遊びを入れて足を引っ張り、
効率を落とすどころか最悪の場合負けの要因にすらなる目障りな奴と、
悪いところが目につき、都合の良い定義を持ち出しがちになる。
こう言った事情から、互いの活動範囲を狭めたがる向きもあり
極端な部類になると『ガチ勢は隔離部屋から出て来るな』、
あるいは『エンジョイ勢はオンに出て来るな』などと考え始め、
そこを踏み越えてきたプレイヤーに鬱憤を募らせるのである。
基準となるのはモンハンで言えばハンターランクなどのシステム上判断できる部分に限られる。
しかし、ハンターランクなどは上記のようにエンジョイ勢でも客観的に見た数値はガチ勢と遜色がない者も多く、
完全な住みわけには至らないことも多い。 - 例えば、「毎日欠かさず6時間程度のゲームプレイを要する」何かがあったとして、
- モンハンで言えば、俗にいう「プロハンター(プロハン様ではない)」がガチ勢と称されるケースが多い。
ただ、彼らの中にもその腕前をもって非効率な遊びを敢行する人や、
腕があるからこそ好きな装備で高難度に挑める人、
また、上で挙げた「要素を複雑に絡めたプレイスタイルの人」も多く、
モンハンにおいてもガチ勢とエンジョイ勢の境目が明確ではない事が分かる。
- ゲームに楽しみを見いだすという点は同じでありながら、
ガチ勢とエンジョイ勢は相容れないと言われる事が多い。
これはプレイスタイルの押し付け合いになってしまうからであり、
基本的には棲み分けで共存を図るしかない。- 例えばプレイヤー同士が競う対戦格闘ゲーム等において、
技術的なガチ勢にとってエンジョイ勢は「比較的撃破しやすい楽な対戦相手」に過ぎないが
姿勢的にガチ勢な人の中にはエンジョイ勢がゲームに参加していること自体を嫌悪するような人がいたり、
逆に「ガチ勢が幅をきかせると新規プレイヤーが増えずジャンルが衰退する」
とガチ勢主導のコミュニティができるのが警戒されたりもする。
もはやゲーム上の成績などの具体的な優劣や損得の話ではないのである。
- 例えばプレイヤー同士が競う対戦格闘ゲーム等において、
- なお、「エンジョイ勢」と「ガチ勢」という用語は過去からネットスラングとして知られてはいたが、
この区分がスラングの域を超えてゲーム界隈に大きく広がる切っ掛けとなったのは、
2014年に発売された『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS・WiiU』である。
前作にあたる『大乱闘スマッシュブラザーズX』ではマッチングシステムの未成熟さゆえに様々な問題が起こり、
それに対応するための棲み分けとして「エンジョイ部屋」「ガチ部屋」というものが用意された。
しかし公式に「エンジョイ」「ガチ」という定義を用意してしまったために上記のような確執が表面化し、
スマブラどころかモンハンを含む様々なゲームに「エンジョイ」「ガチ」という区分が波及する事態を引き起こしてしまった。
結果として当作のオンライン環境はかなり評価が低いものとなり、次回作『SPECIAL』ではこの区分は廃止されている。
余談
- 「遊び」を無くせば高効率である、という考え方の効率厨はMHWorld以降になっても存在し、
フィールドギミックや部位破壊、エリア内での立ち回り、武器種による部位分担などは全て無視、
とにかく火力スキルを盛ってモンスターの弱点部位に近づき殴り続けるDPS向上だけを至上とした動きや、
「火力スキルで高速討伐(捕獲)しクリアタイムを短縮するのが一番の貢献である」
「補助スキルや状態異常を使うぐらいなら火力を盛れ」といった要求・言説はシリーズの垣根を越えて根強く見られる。 - 効率に取り憑かれると「得をしないことが損だ」と感じるようになる。
そのため、もはや苦痛だと感じながらも日替わりミッションに取り組むといったプレイヤーも散見される。 - 「遊びでやってんじゃねーんだよ!!」などと言い出すレベルの
底まで落ちた高みまで登ったハンターは、
悪い意味でプロハンターをも超えた自称上級者として「プロハン様」の呼び名を賜ったりもする。
詳しくは下の関連記事を参照していただきたい。
- ゲームにおける効率厨は、様々な趣味における「カタログスペック厨」と通じる部分があるともいえる*10。
- 当wikiでも、特に装備の論評では、カテゴリー内で五本の指に入るような性能の武器に対してさえ
「好都合なスキルを完璧に揃えたと仮定した理想論上1位の装備に劣る」と言う理由だけで
「選ぶ理由がない・使う意味がない」、「趣味で使う程度」、
「使いたかったら補助スキルを積め」、「上位互換が手に入ったら倉庫で眠る」
「物理威力で上回る武器があるので、弱点属性を突けるモンスター相手にしか出番が無い」
等、無駄な物を増やすなと言わんばかりに過小評価している余計なお世話な記述は数多い。
確かに何事も程度はあるが、たとえ性能的に次点~つなぎクラスであっても強いものは問題なく強いので、
何かの下位互換だったり性能を完璧にフォローしきれていないというだけで
一概に地雷扱いされるのはあまりにも乱暴すぎる話といえる。 - 防具に関しても
「装飾品や護石で出せるスキルを、防具シリーズスキルで出そうとするのは非効率で現実的ではない*11」
「最高効率のスキルポイントor死にスキルが皆無の装備構成にするのが当然」
「匠や達人芸で斬れ味を最高効率にする防具構成が大前提」と言った、
まずはカタログスペック上の最高効率や上位互換が選ばれるのが当たり前であり、
最高効率にならない選択基準は不完全で無価値なものかのような
記述が(冗談半分の物はともかく)珍しくない。 - 上記の「プロハン様」にも通じる要素だが、
理論上は強いタイプの装備やスキルについて過剰に礼讃、推奨したり、
「上級者なら効率の良い攻撃特化を選ぶ」「生存スキル重視の装備は効率を追及できない初心者用」といったような
技量の高いハンターは当然に効率重視であるかのような言説もモンハンの装備評ではよく見られる。 - カタログスペックは数値で見える性能だけを追求するなら判りやすい基準だが、
個々のハンターの戦術思想、メンタル、プレイヤースキルにとって何が最適なのか、
簡単に言えばゲームが楽しめているかどうかとは、別の話である。
タイムアタック同然のプレイを求められる効率重視の募集部屋に進んで参加するならともかく
桁違いに与ダメージが小さいとか、被ダメージが大きいとか、
どこを斬っても弾かれる斬れ味のような代物でもない限り
どの装備でも問題ないことは肝に銘じておこう。
- 当wikiでも、特に装備の論評では、カテゴリー内で五本の指に入るような性能の武器に対してさえ