ゲーム用語/大乱闘スマッシュブラザーズ

Last-modified: 2024-01-28 (日) 05:54:29

大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズとは、HAL研究所開発の対戦アクションゲームのシリーズ。
1999年にニンテンドウ64でいわゆる初代が発売されてから、20年近く任天堂のハードで新作が発売され続け、
2018年には最新作である『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』が
Nintendo Switch向けソフトとして発売されている。
公式・ユーザーからの主な略称は「スマブラ*1

目次

概要

  • 任天堂から発売されている、言わずと知れた人気対戦アクションゲーム。
    任天堂の看板キャラクターであるマリオリンクカービィピカチュウはもちろん、
    多種多様な人気ゲームシリーズから抜擢されたキャラクターが、
    プレイアブルキャラクター・通称『ファイター』として「参戦」している。
  • 初期作品は任天堂のゲームキャラクターのみが参戦していたため、
    タイトルに「ニンテンドウオールスター!」を冠していた。
    だが3作目『大乱闘スマッシュブラザーズX』以降は
    任天堂外のキャラクターがゲストとして参戦するようになったため、
    この副題が外され現在の「スマブラ」に至っている*2
  • 初代の総キャラクター数は12体であったが、シリーズを重ねるごとに増え続けている。
    最新作『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』(以下:スマブラSP)では、
    その数なんと有料DLC含めて計89体というクロスオーバー作品としては稀有な記録を残しており、
    正に業界屈指のお祭りゲーと言える作品である。
    • 最終的には、権利関係が最も厳しいとされるゲームシリーズ「キングダムハーツ*3」よりソラが参戦し、
      日本だけでなく世界中のゲームファンを大いに盛り上げた*4
  • 個性が強めなキャラクターも、原作の雰囲気を損なわぬよう上手い具合に調整され、
    大乱闘を楽しめるようなキャラクターになっている。
    • ディレクターの桜井政博氏は「スマブラは愉快なパーティーゲーム」と銘打っている。
      しかしオンライン環境や大会等でトップを目指す者達にとっては、
      ファイターごとの性能差や挙動の有利不利などが度々問題視されることも少なくはない。
    • ゲーム界隈では公式に「お祭り」と称されるくらいには極めて注目度が高い作品であり、
      新作発売ももちろんだがDLCの新規キャラ発表時もSNSでトレンド入りすることは茶飯事となっていた。
      ただそれほどの注目度の高さもあって、作品によってはオンラインや改造の問題に悩まされたり、
      「エンジョイ・ガチ」といった区分をゲーム界隈全体に広げてしまうという、
      必ずしもポジティブとは言い切れない影響力も持ってしまっている。
  • ファン達による、○○が参戦して欲しい!といった参戦希望が数多く寄せられているのも特徴。
    • こういった声を反映してか、第四作『大乱闘スマッシュブラザーズ for3DS/WiiU』以降では、
      本体内蔵ソフトで作るアバター「Mii」を使い
      技やコスチュームなどをカスタマイズできる『Miiファイター』が実装された。
      これにより、工夫次第で好みの人物やキャラクターを擬似的に参戦させることが可能になった。
      また、コスチュームは様々なゲームシリーズから続々と実装されており、
      モンハンもその一部に含まれている。詳しくは後述。

ゲームシステム

  • 2D視点で構成された長方形型のステージ内で戦い、相手を画面外へふっとばせば勝ちというシンプルなルールである。
    ワザやアイテムを使って相手にダメージ(%)を蓄積させて吹っ飛びやすくさせ、
    トドメに強力な必殺ワザや「スマッシュ攻撃」と呼ばれるワザなどで相手を撃墜する、という流れが主となる。
    • 一般的な格闘ゲームは相手の体力をゼロにすることが勝利条件となるが、
      「スマブラ」はそうしたシステム面で異なっている。
      これにはシステムが複雑化していた格闘ゲームへのアンチテーゼが込められているという背景があり、
      「スマブラ」は「格闘ゲーム」ではなくシンプルな「対戦アクションゲーム」であるということが、
      どの作品でも打ち出されている。
      だからこそこれまで多くのゲームファンに知られ、遊ばれているのだとも言えよう。
  • ゲームモードは複数用意されており、最新作の『スマブラSP』では
    制限時間内に最も撃墜数を稼いだプレイヤーが勝利となる「タイム制」、
    残機がゼロになると負けの「ストック制」、
    ファイターのHPをゼロにすると勝利となる「体力制」の3種類となっている。
    体力制は一般的な格闘ゲームに似たルールで遊ぶことができる*5

モンスターハンターシリーズとの関係

  • 『大乱闘スマッシュブラザーズ for3DS/WiiU』では、
    カプコンからロックマンとストリートファイターのリュウが参戦。
    同じくカプコン発のモンスターハンターシリーズからもハンターがファイターとして参戦するのでは、
    と思われていたが、残念ながら叶わなかった。
    • …が、2015年9月の有料追加コンテンツにて、
      着せ替え可能なファイターであるMiiファイターのコスチュームとして、
      ハンター装備」と「レウス装備」が登場。
      非常に再現度が高く、またMiiファイターのコスチュームの中では珍しく、
      作成時にベースとしたMiiの性別で見た目が変わるという仕様が存在する。
      見慣れた装備を着たMiiがステージをぴょんぴょん飛び回る様は、
      モンハンではなかなかお目にかかれない光景である。
      なお、Miiコスチュームは頭と身体に分かれているのだが、身体用のメイルは剣術タイプ専用。
      頭用のヘルムは格闘・射撃タイプのMiiでも使える。偶然だが剣士・ガンナー装備に似ている仕様である。
  • 次作にして最新作『スマブラSP』でも、ハンターの参戦を望む声が聞かれたが、
    今作においてはまた別のアプローチでモンハンが関わることになった。
    なんとアシストフィギュア兼ボスとして、空の王者リオレウスが参戦。
    モンハンの看板ともいえるリオレウスの参戦に多くのゲーマーが驚いた。
    詳細はこちらを参照されたし。
    また、BGMにおいても「咆哮/リオレウス」と「英雄の証 ~ 4Version」の2曲が収録。
    まさかの英雄の証が流れる大乱闘が実現してしまった。
    • 発売当初は前作のMiiファイター用コスチュームが収録されていなかったが、
      MHRise発売目前ととなる2021年3月5日から同じカプコン出身のアーサーと共に有料配信されている。
      こちらはMiiファイターの頭身が前作より上がっている影響で、見映えが更に良くなっている。
      加えて、本作では頭用の帽子としてアイルーの帽子も新たに追加された。
      デザインは頭にアイルー村系のデフォルメになったアイルーの顔を乗せたもの。
    • また、2021年4月2日~7日にはゲーム内のモード「スピリッツボード」*7
      期間限定イベント「解き放て、狩猟魂。モンスターハンターライズ」が開催。
      MHRiseからマガイマガドオトモガルクオトモアイルーの3種の新規実装スピリットがピックアップされた。
      イベントは終了したが、上記スピリット3種は2021年7月13日に通常入手が解禁されている。
      ショップにランダムで並ぶ他、スピリッツボードでも入手チャンスが発生する。バトルの特殊ルールは以下の通り。
      • マガイマガドとのバトルはジャイアント化したクッパが相手。
        鬼火強化のイメージか、定期的に攻撃・防御・スピードが上がるので注意が必要。
        スピリットはACE級アタッカー。
        腕攻撃を強化する個性がデフォルトで付いているのも
        マガイマガドのイメージに合わせたものだろう。
      • オトモガルクとのバトルは、メインファイターが犬繋がりでダックハント、
        護衛はハンター風のMiiファイター(剣術タイプ)。
        剣術Miiは、ハンター防具コスチュームを購入している場合同コスを装備して登場する
        (購入前は「しのびのぼうし」「しのびのふく」の黒カラー)。
        スピリットはHOPE級アタッカーで、投げ攻撃を強化する個性を持つ。
      • オトモアイルーとのバトルは3体のピカチュウが相手。猫繋がりでガオガエンでも良かった気が
        相手のピカチュウはボムへい、キルソード、ブーメランと
        それぞれ異なるアイテムを最初から持ち込んできているので注意。
        スピリットはNOVICE級サポーターで、胞子に触れた相手の操作を左右反転させる
        「あるくキノコ」を持ち込んだ状態でスタートするスキルを持つ。
    • 更に2021年6月30日配信のVer.12.0.0では、MHST2から破滅レウスのアタッカースピリットも追加。
      こちらはMHST2のプレイデータとの連動(体験版では不可)で入手できる他、
      同年10月19日配信のVer.13.0.0からスピリッツボード・ショップでも恒常で入手可能になった。
      • こちらのバトルは、メインファイターに破滅レウス役のリザードンが、剣術Miiがライダー役の護衛として登場。
        剣術Miiはレウス防具コスチュームを購入している場合同コスを装備して登場する
        (購入前は「しのびのぼうし」と「ノーマルスーツ」の茶色カラー)。
        一定時間ごとに相手全員の攻撃力が上がるギミックがある。
        スピリットはACE級アタッカーで、リオレウスらしく炎攻撃を強化する個性を持つ。

余談

  • 我らがハンター、もしくはアイルーやライダーなどファイターとして参戦できそうなモンハンのキャラはいないでもない。
    同じカプコンのキャラの存在、スマブラのシステムに落とし込めるような数々のアクションなどを理由に、
    新規ファイターの参戦予想においては度々名前が上がるのだが、
    現時点でプレイアブルキャラクターは実装されておらず、Miiファイター衣装とアシストフィギュア止まりである。
  • モンハンに限った話ではないが、
    全年齢向けの『スマブラ』では元のゲームの表現がアレンジされることも多々ある*8
    実際『スマブラSP』に登場するリオレウスは
    ファイターの攻撃によって部位破壊が可能なのだが、
    尻尾に関しては切断されるのではなく、頭部の部位破壊のように鱗が剥がれるのみとなっている。
    『スマブラ』のディレクターを務める桜井政博氏の言によると、当初は切断できるようにする予定だったが、
    ゲームレーティング機構である「CERO」に引っ掛かり断念したのだとか。
    それでも違和感なく『スマブラ』の世界観に落とし込める辺りは流石である。
    • ちなみに、同じ理由(レーティングに引っかかって不可能だった)で
      「尻尾切断を導入できなかった」コラボレーション系統作品には、FF14という前例がある。
  • 出演交渉が厳しいとされるキャラクターでさえ参戦を可能にするゲームとしても有名であることから、
    日常の変わった人物や有名人を題し「○○参戦!!」というネットミームが存在している。
    参戦という表現はスマブラを機に一般的なものへと変化しており、
    MH界隈においてもリストラモンスターが復活した際などで用いられることが多い。
  • 集大成とも言える存在となった「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」であるが、
    あのボリュームでありながら、なんとゲーム本体は16GB以内の容量に抑えられている
    あれほどのボリュームを16GB以内に圧縮し、かつデータの展開に時間をかけないようにするために、
    非常に高度な圧縮技術が用いられており、それによって今のパッケージと販売価格を実現することに成功した。
    なお、ディレクターの桜井政博氏によると、もし32GBのNintendo Switchゲームカードを採用する事になった場合、
    大乱闘スマッシュブラザーズSPECIALの販売価格は現在のそれより跳ね上がっていた可能性があったとのことである。
  • 『スマブラ』は任天堂の周辺機器「amiibo」の人気に一役買ったと言っても過言では無い。
    参戦ファイターに対応したamiiboで自分好みのファイターに育て上げるという育成要素を売りに出した結果、
    商品展開は歩みを止めず続々とファイター達が現実のフィギュアになった。
    • 2014年12月から商品展開が始まり、任天堂以外のキャラクター、男女差など容姿の異なる2Pカラー、
      Miiファイターなど数多くのキャラのamiiboが生まれ続け、
      そして2024年2月にようやく全ファイターのamiibo商品化が叶った
      約9年に渡る商品化プロジェクトはここに完遂されたのである。
    因みに、カプコンから販売されているモンスターハンターシリーズのamiiboについてだが、
    残念ながら全て『スマブラ』非対応である。
    一方でロックマンのamiiboは『スマブラ』の展開の1つとして出されたためか、
    任天堂とカプコン販売分の両方を使える。
  • モンハンに対する所謂「狩りゲー」と同じで、
    「2D視点の格ゲー風」「特定企業やジャンルのキャラが多数参戦」「各作品の小ネタが詰まったお祭りゲー」
    …等の要素を併せ持った、
    『スマブラ』を強く意識したと思われるゲームと言うものも多数存在している。
    • 有名なもので言えば、
      • ハドソン・コナミ・タカラの3社合同でのコラボレーションで誕生した
        2003年にPS2・GCで発売の『ドリームミックスTV ワールドファイターズ』
      • 「プレイステーション」シリーズのゲーム機を展開しているSCE(現:SIE)が手掛けた
        2013年にPS3・PSVで発売の『プレイステーション オールスター・バトルロイヤル』
      • ワーナーブラザーズが展開する作品のキャラクターたちが集う
        2022年に海外限定でPS5・PS4・Xbox Series X/S・Xbox One・PCで基本無料で提供の『MultiVersus』
      等が挙げられる。

関連項目

ゲーム用語/コラボレーション
ゲーム用語/任天堂


*1 シリーズ第1作目の時点から、桜井政博ディレクターが立ち上げた解説Webサイト「スマブラ拳!!」などで公式に使用されている略称である
*2 厳密には2作目「大乱闘スマッシュブラザーズDX」の頃から他社ゲストが参戦する構想はあり、その時点で既に副題が外されている。
*3 スクウェア・エニックスとディズニーのコラボ作品で、ディズニーの世界で繰り広がるアクションRPG。ソラなどのオリジナルキャラクターの版権は権利問題に非常に厳しい姿勢を取ることで有名なディズニー社が保有している。
*4 ちなみにソラ参戦の際に明かされた話によると、スマブラSPの前作スマブラforで行われた参戦希望キャラクターアンケートで世界得票数の最多がソラであり、開発者もソラのニーズは把握していたのだが、上述のディズニーとの権利問題の為に当時は断念したことを明かしている。
*5 ただし、体力制は「ふっとばして倒す」というスマブラのシステムにかみ合わないことや、「格闘ゲームのアンチテーゼ」というコンセプトとの相違もあり、『スマブラSP』以前は「スペシャル乱闘」という特殊ルールの枠の扱いだった
*6 「スマブラ」に参戦しているのはFFVIIのクラウドとセフィロス(スマブラSPのダウンロード販売キャラ)であり、モンハン自体はFFVIIとコラボしたことは無い。
*7 『スマブラSP』でのコレクション要素と、一部モードでのファイターの能力カスタマイズを兼ねる「スピリッツ」を集められるモード。各キャラクターをイメージしたバトルに挑戦し、勝利後更にルーレットのようなミニゲームをクリアすれば該当スピリットを入手できる
*8 他作品のファイターの例では、『ベヨネッタ』シリーズのベヨネッタのウィケッドウィーブによる露出度減少、アトラスの『ペルソナ』シリーズのジョーカーの最後の切りふだにおける血しぶきの演出変更などがある