ジェネリック作品集66

Last-modified: 2010-08-02 (月) 14:04:35
無題でいいよこんなん  わおん氏

【ジェネリック】66
【タイトル】無題でいいよこんなん
【書いた人】わおん氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_p/?mode=read&key=1275719680&log=66
【あらすじ】
 いつとも知れぬ時
 どことも知れぬ場所で
 誰とも知れぬ彼女は呟いた

 もう、飽きた――と

【感想】
 本作はキャラ達を象徴的な段階にとどまり続ける鏡-像-対として語ることによって本来的な生が無意味化されることへの極めて挑戦的な問題提起である。
<主体>の神話に対する言及、二次創作における参加者の態度は、創想話においてもしばしば取り上げられる話題である。
 それは自己問題が書く行為の大きな部分を占めているからであろう。
 そうなのだ。もし仮にポストモダン的議論の泥沼を多少なりとも踏み渡ったことのある者ならば、本作の背景には、主-体の形而上学をいかに解体するかという現代仏蘭西思想における反ヘーゲル的格闘が存在することを当然知っているであろう。
 だが、いかなる自己問題に関する話題もそれが自己の言及について語られるかぎり、パラドクスに陥らざるを得ない。この欠落が並行解釈の存立を可能にする境界性の発端なのである。
 選択公理の独立性が相対的な世界の集合を顕在化させたのと同様、相互に両立し得る所与から導き出される個体と確定記述の無数の差延によって、語られる彼女達は時間的空間的同一性に矛盾する形で、他-体的な活動を強要される。これは私-語の神話内部で生きる<切断>された自己-対-他者実践の欠如に他ならない。
 だが、このようにして彼女達を書き、また読むことに疑問を感じないだろうか。一方通行の解釈によって形骸化した構造に対して自己外在的な、いわばメタ視点の批評は拒絶されていて良いのか。自己の承認を求めるとともに、他者への了解を抜きにして、何が残るのか。所詮、産出される他者は自己の像ではないのか。
 そういった現代思想の動向を踏まえて言うと、本作における主-体の語られ方は、いわば<記号表現>によって空洞化され、重ね合わせた鏡のごとく無限産出される主-体意味の神話に対し、痛切な本源的批判を投げ掛けるものであがゆえに、本作はまさしく東方における脱構築――大文字の他-者に対する表象化される以前の<他-我者>との対話的企投の機会を提示する――の在り方を提示すべく問題提起したものと言えるであろう。

【五段階評価】
[難解さ]★★★★☆(完全な理解には現代的な批評の素養が必須だろう)
[深遠さ]★★★☆☆(作者の語りがいささか雰囲気を失する)
[HE力]☆☆☆☆☆(世界は残酷なまでに。救いは……)
[影響力]★★★★☆(二次創作のあり方に対し根本的な議論を呼びかける力は高い)
【総合評価】★★★☆☆(ラカン、東、福嶋、ソシュール、アラン・S達を知っていないと厳しい)

家庭教師パチュリー  喉飴氏

【ジェネリック】66
【タイトル】家庭教師パチュリー
【書いた人】喉飴氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_p/?mode=read&key=1276085881&log=66
【あらすじ】
破壊衝動を抑える術になるかもしれないと、魔力のコントロールについてパチュリーに教えを請うフランドール。
魔力を扱うために必要な「集中力」を身につけるため、パチュリーはあの手この手でフランドールを鍛えるが…

【感想】
6月9日はむきゅーの日!
喉飴氏のパッチェさんは今年も無休です。
前にN○Kの某番組で、集中力を図るために、暗算中の被験者の周りをサンバダンサーズがとり囲んで踊りまくる、というのがありました。つまるところ、そういうノリです。
小悪魔やお嬢様が強烈。そしてフランの秘密の…
集中力と忍耐力って微妙に違うんじゃないかとパチュリーに物申したくなる作品です。
ツッコミ不在の紅魔館ってこわい。

ちょっと暴走気味のパチュリーとレミリアが好きな人は是非。

コーヒー  Peko氏
Peko氏の三魔女は今日も良い雰囲気です。

【ジェネリック】66
【タイトル】コーヒー
【書いた人】Peko氏
【URL】
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_p/?mode=read&key=1276086398&log=66

【あらすじ】
パチュリーの大図書館は時々、コーヒーの匂いがする。
どうやら小悪魔が好きらしいが、今日は3人もそれに習って紅茶ではなくコーヒーにすることに。

【感想】
6月9日はむきゅーの日!
Peko氏の三魔女は今日も良い雰囲気です。
少し背伸びする魔理沙が可愛かったり、猫舌のパチュリーが可愛かったり。
そうじてとても暖かい雰囲気に落ち着いて、面白かったです。
ただ、途中にあるたった1つの誤字がこの作品を面白い方向に変えてしまったように思えます。
Pekoさんがドジっ子なのか、それともコメンテーターのノリがいいのか、これは難しい問題であろう。

いじっぱりパチュリーかわいい。

『コーヒー』ジェネ66 Peko氏
 (むきゅーの日の作品。いじっぱりパチュリーかわいい。癒された)★★★★☆

直球  まりまりさ氏

【ジェネリック】66
【タイトル】直球
【書いた人】まりまりさ氏
【URL】 ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_p/?mode=read&key=1275914673&log=66
【あらすじ】
居間でぬえが一人でぬえぬえ言っていた。
(本文より)
【感想】
まさにタイトル通りの話だった。
船長は正直者だから、思ったことは素直に言う。
だけど、素直だからこそ破壊力が高くて言われた方は驚く。
ぬえのしゃっくりを驚かせて止めるだけの話だが、
シンプルゆえに本当に剛速直球フルパワー。
打ち返せるわけないじゃない。
【五段階評価】
★★★☆☆(ムラぬえ派におすすめ)

 
【まるっと総括・ジェネリック66】  2010/06/13

【まるっと総括・ジェネリック66】

・稼動日数 13日。
・投稿作家数66人。
・新たに14人の作家が創想話デビュー。
・それとは別に、3人の無印作家がプチデビュー。
・最多投稿者 こじろー氏 [8作品]
・最長作品
『これは私と貴女の記憶(こじろー氏)』[41kB]
・多量コメ獲得作品(現在時点)
『無題でいいよこんなん(わおん氏)』[36コメ]
『「ぬえって、すっごく可愛いんですよ!」(まりまりさ氏)』[26コメ]
『コーヒー(Peko氏)』[25コメ]

○今作品集のジャンル分析(今回から項目を1つ加えてみました)
ほのぼの 33%
シリアス 7%
コメディ 15%
恋愛 21%
ホラー 2%
バトル 3%
パロディ 4%
掌編 15%

○今作品集の傾向
・作品集の10%があやれいむ、という脅威の充填率。
『炎天の森林の一角にて彼は不慮と遭遇したのだと云ふ(黒アルビノ氏)』
『たまにはこんな違う一日も(喉飴氏)』
『烏天狗と巫女のちょっと捻くれたそういう関係(夏星氏)』
・あやれいむブームに隠れてしまいましたが、アリスSSも数を伸ばしていました。
『手紙と不可侵条約(酸化水素ストリキニーネ氏)』
『アリス・マーガトロイドの受難(ライサンダーZ氏)』
『似た者同士(ほむら氏)』
・6月9日はむきゅーの日。去年に続き今年も来ていました。
『家庭教師パチュリー(喉飴氏)』
『コーヒー(Peko氏)』
『パチェぺディア(地球人撲滅組合氏)』
・連載タイプのSSが増えているような気がします。
『優しさというもの(バスと氏)』
『二人は帽子がよく似合う 序(華彩神護氏)』
『わんにゃん天界組!(トイレット氏)』
・上で挙がらなかったもので、個人的なオススメ
『これは私と貴女の記憶(こじろー氏)』
『如何に仲良し命蓮寺と言えども、誰かが大皿に盛られた鳥のから揚げに無断でレモン汁をぶっかけよう物ならばコミュニティの崩壊は避けられまい(はるか氏)』
『食べてもいい魔理沙(浅木原忍氏)』
『こいしたい(あか。氏)』
『魔法使いが質問するとは、こういうことのような気がする。(アステルパーム氏)』