作品集17

Last-modified: 2015-06-06 (土) 23:30:16
漬物戦記 うにかた氏
うにかたさんのデビュー作。

漬物戦記 うにかた氏
 
うにかたさんのデビュー作。
幽々子様より預かった大切な漬物壷を割ってしまった妖夢。挽回すべく向かった先は紅魔館であった……。
理解者との出会い。門番の奮起。
そして動かない図書館をして知らないと言わしめた異次元の存在「NUKADUKE」とは?
小気味よいテンポが気持ちいいコメディ。
さあ、君も美鈴の熱い弁舌に聴き入ろう。

漬物、とあるように、本当に妖夢が漬物を求めて放浪する話。

【作品集】17
【作品名】漬物戦記
【作者名】うにかた氏
【あらすじ】
主役はまたしても美鈴ではなく、妖夢。ではあるが、美鈴及び紅魔館メンツが物語の主軸のような気がする。
漬物、とあるように、本当に妖夢が漬物を求めて放浪する話。しかし、これが深い。一つのテーマにこれだけ
深みを持たせるのは相当の技術がいるのではあるまいか。かくして、漬物に関する情報を求めるべく
妖夢は幻想郷一と思われる大図書館を有する紅魔館を訪れた。そこに待っていたのは門番である紅美鈴。
妖夢の話を聞き、漬物に想いをはべらせる美鈴。あぁ、白い御飯を漬物で頂く口福感。美鈴はレミリアに直訴する。
あまりの美鈴の饒舌振りに気圧され、というかペースを握られたレミリアも、いつの間にかその気にさせられる。
しかし、いざ図書館を訪れるに際し、本の虫、パチュリーの意外な一言が、本件を一変させた。
【感想】
ここから感想。まず文章が上手い。本当に上手い。これを読んで自信を喪失した人はそれくらいいるのか聞きたいところ。
丁寧で、含みを持たせて、どこか脱線しつつも、その戻しがまた秀逸。何気に難しい文章にも関わらず
すらすらと読ませる面白さも伴って、なんというか、ちっくしょー! ダメだ、これを読んでいると文章なんて書けない……!
上手い人は本当に上手いんだよなぁ。ともかく、面白かった。美鈴の漬物にかける情熱は必読。

払食 司馬漬け氏

【作品集】17
【タイトル】払食   【書いた人】司馬漬け 氏
【あらすじ】
梅雨明け。何事もなく八雲紫は暇だった。
何もイベントがなくとにかく暇だった。

「どこか連れてって、ねー、連れてってー!」

というわけで白玉楼へ。
【感想】
幽々子と紫のほのぼのな日常。
仲が良い二人の掛け合いがテンポよくさくさく読める。
幽々子も紫もどちらも可愛らしい。
気分転換したい時に読めばスッキリできるかも。
【五段階評価】
〈総合評価〉★★★★☆

最殺舞台  奏空猫氏

【作品集】17
【作品】最殺舞台
【作者】奏空猫氏
【あらすじ】
「もーこーたん、あーそーぼー(ハート)」
「かーえーれ(ハート)」
【感想】
最初から惹かれてしまった。そのまま読み進めてみると、とにかく最初から最後まで、失速せずに突っ走ったギャグだった。
永遠亭でここまで暴れたギャグを初めて読みました。
【5段階評価】
文章★★☆☆☆(完全に好き嫌いわかれます)
疾走感★★★★☆(勢いがとにかく凄かったです)
妹紅不幸★★★★★(唯一のツッコミのため)
総合評価★★★☆☆(好き嫌いわかれます)

Ignition  人妖の類氏

【作品集】17
【タイトル】Ignition
【書いた人】人妖の類氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1122156733&log=17
【あらすじ】
レミリアが五歳、まだ前スカーレット当主が存命であったころ。
気弱で侍従にすら敬語を使う彼女は「腰抜け」と影で囁かれるようなただの「お嬢様」だった。
そんな折、レミリアは父親から妹ができることを告げられる。
同時に、レミリアのような「役立たず」にならぬよう父が妹の精神を縛るつもりであることを。

【感想】
序盤の小心な姿からは想像もできないようなカリスマ溢れるレミリアがかっこよかった。ギャップって大切。
ありがちな精神論で突如カリスマを身につけるって話造りじゃないところも好感触。
全体的に淡々と進んで、淡々と終わってしまった感じがするのが残念だが、この作品から時系列的に続いた話があるそうなので楽しみ。タイトルどおりまさに“発火”の物語。

【五段階評価】★★★★☆(そつなく面白い)

私の御犬様  司馬漬け氏

【作品集】17
【タイトル】私の御犬様【書いた人】司馬漬け氏
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/17/1121347591
【あらすじ&感想】
 突然に吹き始めた風に木々の頭が薙ぎ払われ、それに乗って、鳴き声は山一帯を包み込むように響き始めた。

 読んでよかった。読後にそう思える幸せで寂しい話。
 乾燥しきった話の風潮と予定調和的な世界観に哀愁と切なさを感じる。渋いねェ、まったくおたく渋いぜ。
 あ、微グロ注意な! 美しい話でしたわ。
【五段階評価】
 ★★★★★