作品集207

Last-modified: 2015-10-08 (木) 22:52:31
Like I used to  SYSTEMA氏

【作品集】207
【タイトル】Like I used to 【書いた人】SYSTEMA 氏
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/207/1438353335
【あらすじ】
梅雨冷えのある朝、レミリアが寝室から外に出ようと扉を開くと、そこは冬の海だった。
低く響く波の音。塩気を帯びた冷たい風。潮の香り。
それらはレミリアの中に眠っていた外の世界でのある古い記憶、懐かしい人物の面影を呼び覚ます。
【感想】
 古い時代の映画を観ているようなとても上品かつ情感豊かな作品。
 冬の海の情景が脳裏に浮かび、気がつけばレミリアとともに古い記憶の中を歩いている。
 そこで出会う懐かしい人は読者にとって完全に初対面のはずなのに、
 古い友人と再開したかのような強烈な郷愁を覚えさせる。 
 少し翳のある語り口は、しかし暗くなりすぎず、不思議な明るさも感じさせます。
 ちょっとビターな大人の作品という印象。 

 

【お勧め度】
 SYSTEMA氏の「冬の静かな革命」が好きな人もそうでない人にもぜひとも読んでほしい作品。
 長くない作品なのに大きな満足感がありました。

スクープ  鉄火丼氏

【作品集】207
【タイトル】スクープ   【書いた人】鉄火丼 氏
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/207/1438457050
【あらすじ&感想】
べつになんのことはないただの外出だったはずなのだ。
ただ、どうも魔理沙に関することのようだった。
どうも私が関係することのようだった。
気が付けば私のことのようだった。

 

なんだ!なんだ!なんなんだ!
あのことか!それともあっちか!はたまたこっちか!
いったいみんなはなにを知っているんだ!どのことだ!

 

ちょっとした理由で出かけたアリスがたまたま聞こえた噂話から始まる、
地獄のような疑心暗鬼の物語
けっきょくこの話の中では噂話の内容はわからずじまいだった
だけど話の内容なんてのは関係がないことで気になってしまえば際限なく気になるし、
不安になってしまえばどこまで行っても不安なままだということ

 

……こういう話にアリスが似合うと思ってるのはきっと偏見なんだろうなぁ

draw out  一二三氏

【作品集】207
【タイトル】draw out   【書いた人】一二三 氏
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/207/1437778650
【あらすじ&感想】
あちら側の世界を見てみたい。
そう何度も、幼いころから考えてきた。

 

「私、宇佐見蓮子。あなたは?」
「私?マエリベリー・ハーン」

 

そうなのか。結局、そうなのか。
ちくしょう、そんなこと、あってたまるか。

 

特別な能力を持ちながらその能力のせいで現実に縛れる続ける蓮子
その焦燥から生み出した彼女の空想の女の子
それを現実の世界で見つけた蓮子の更なる焦燥と期待
はっきり言ってこの作品の蓮子はおかしくなってると思います
だけれど本来持ちえない特別な能力のせいで現実に縛られるという矛盾した苦しみ
そんな中突如生まれたチャンスを決して逃がすわけにはいかないという思いはそこまでおかしなことなんでしょうか?

秘封倶楽部は逡巡しない  ふみ切氏

【作品集】207
【タイトル】秘封倶楽部は逡巡しない   【書いた人】ふみ切 氏
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/207/1438077075
【あらすじ&感想】
夏休み中ながらも祭りの準備で騒がしい大学内の学食で、メリーはたまたま蓮子の友人たちと食事を共にすることになる。
友人から聞く、普段自分がふれるのとは全く違う蓮子の姿。
そんな話題の中でメリーはふと気づく。

 

ひょっとして、私は私の知らないところで、随分と蓮子に守られてきたのではないかしら。

 

強い強い蓮子と、それに守られてきたかもしれないメリーのおj話
目標と手段を見据えてそれに向かって進んでいく蓮子
一方のメリーはといえば蓮子を盾に生きてきたのではないかと気づく
別にメリーのそれは杞憂じゃないかと思うし、ラストのメリーのわがままもちょっとずれてるような気もしないでもないけど、
メリーの中の悩みなんだからメリーの中で解決できるならそれが正しい解決策なのかもと思いました
でも「誰かを理由にせず自分でリスクを負う」と考えればそれほどずれてもないんだろうか
でもせっかく気づくことができたのだしこのメリーさんには今後強くあってほしいと思いました

蝶や花や、きょんちィや  火男氏

【作品集】207
【タイトル】蝶や花や、きょんちィや   【書いた人】火男 氏
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/207/1439776151
【あらすじ&感想】
お使いからの帰り道、芳香はとても腹を空かせていた。
青娥からの禁止言葉が無ければ道行く人でも食べてしまいそうな状態のところに一匹の蝶が現れる。
こちらの鼻先をひらひらと舞う蝶をぜひとも腹の足しにしようとしたところに声がかけられる。

 

「おお、何でぇ、ありゃア。きょんちィ、ってぇ奴じゃアねぇか。おおい」

 

この人里に住む江戸っ子の男曰く、蝶を食べてしまうのは粋じゃないらしい。
しかし代わりに蕎麦をおごってくれるという言葉に誘われて、
こちらという妖怪をなんだかバカにしているような男に芳香はついていくことにしたのだった。

 

ネタ、テーマとしては使い古された「妖怪と人間」というやつ
だけれどこれが芳香というちょっと頭の動きが緩やかな妖怪がメインになると少し変わってくる
普段の自分の頭の動きに苦しみ苛立ち、それについて考えながらも漠然としたものに変えてしまう腐った頭
それでもなにかをつかもうと、手に入ったのかもしれないものをどうにかしようと考える芳香に好感を覚えた
前作同様の「文学的」とでも評したくなるような文章で穏やかで気分のいい結末を迎えた
あまり深く作品を分解して精査して評してしまうのは「粋」じゃないんじゃないだろうか
そんな気分にする作品だった

たぬき  arca氏

【タイトル】 たぬき
【書いた人】arca
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/207/1441170511
【あらすじ&感想】
独特な絵本的文章が特徴な作品。読み手の沸点を的確に下げてきます。
『たった一人のわたし』を念頭に、二度読み返してみるとおいしい作品です。

クラウンピースの旅立ち  野田文七氏

【タイトル】 クラウンピースの旅立ち
【書いた人】 野田文七
【URL】 ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/207/1440243741
【あらすじ&感想】
クラウンピースとヘカーティアの血みどろな関係を描写した作品で、ちょっとゾッとするような描写も多いけども圧倒されました。
読んでる内に、その狂気っぷりが当然のような気がしてきて、作者さんの確かな筆力が感じられる作品だと思います。
最後のところの、クラウンピースが得た希望の一節が、これからのクラウンピースの未来が期待できる感じになってて良かったです。

死んでくれる?  怪人二十HN氏

【作品集】207
【タイトル】死んでくれる?
【書いた人】怪人二十HN氏
【URL】 ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/207/1438447682
【あらすじ&感想】
アリスから頼まれた物を届けた魔理沙は、お礼にある物をプレゼントされます。
そのプレゼントというものが……。

 

クッキーのように甘々じゃなく、変則?的なアリス×魔理沙(アリマリ)作品。
読んでみて、ほどよい満腹感を得られました。
蛇足になりますが、この作品の分類タグにパロディと記載されていましたが、
残念ながら、自分にはパロディ元が分かりませんでした。