プチ作品集32

Last-modified: 2009-06-05 (金) 18:14:50
『がんばれゆかりさま』 ななす氏

【作品集】プチ32

【タイトル】『がんばれゆかりさま』   【書いた人】ななす氏

【あらすじ&感想】
昨今の幻想郷を襲う異変の数々。
その対応による心労から八雲紫が寝込んでしまったことを知ったバカルテットの4人は、
彼女を元気づけようと知恵を絞る。

良い意味でプチらしく、内容は至ってシンプル。
シンプルすぎて、これ以上書くとネタバレになってしまうほど。
バカルテットの気持ちと紫の反応が、どちらもストレートで清々しい。
ただ難点を言うと、この作品の半月前に投稿されたaho氏のデビュー作『お疲れババァ!』に
似てしまっている。
というか、『お疲れババァ!』を極限まで削ると『がんばれゆかりさま』になるのかもしれない。
そこを「オリジナリティに欠ける」と捉える人もいるだろうが、個人的には楽しめた。

火焔猫にも好かれいむ 監督 氏

【プチ】32
【タイトル】火焔猫にも好かれいむ 【書いた人】監督 氏
【あらすじ&感想】
地霊殿終了後、博霊神社にやってきたお燐が神社の色に染まるまでのSS。
とりあえず「猫かわいいよ、猫」と言える人はサクサク読んでいけるだろう。
そして読み終わった後、ちょっと意識を変えて読み直すと……「私にも○○が見えるぞ!」になります。

最初から二度目仕様で読めてしまう人はきっといいフィルタを持っているのでしょう。

プチの真骨頂はこういう一発芸・隠し芸だと思っているので、そういう点で上手いなぁと思います。

秋姉妹の幻想郷めぐり 脇役さん

 プチ作品集32
【タイトル】秋姉妹の幻想郷めぐり
【書いた人】脇役さん
【あらすじ】
季節が巡り、秋。
明らかに無免許な二人の神様が、どう考えても舗装されていないだろう幻想郷の獣道を
本職顔負けの徐行テクニックを見せ付けながら石焼き芋を配っていくほのぼの作品。
香ばしさに滴る涎。定番のあの音を聞いてパブロフの犬のように群がってくる者達。
(い、石焼芋なんて……でも、悔しいッ)と葛藤する者。そして最後に二人が見たものは……。

【感想】
アンパンマンの「僕の顔をお食べよ」という血迷った台詞が平然とカバ達に受け入れられるのは美味だからですよね。
それと同じくらいの魅力が石焼芋にはある!と思わされました。泣く子も黙って咀嚼する芋みたいな。
定番のキャラ達の反応が様々で、二、三のやり取りでさくっと場面が変わっていくのがテンポ良く心地も良い。
二次的要素を知っていれば含み笑いが加速するでしょう。私はあの兵器の登場の時点でげらげら笑ってましたが。
いきなりの♪表記や、句点がなかったり、三点リーダーが一つだったり、(そわそわ)といった表現など物語の外側にクセが

あるので、
そういうのが気になる人はスルーしてるのかなと思ったり。
野暮と言えば野暮ですが、そういう突っ込まれるような隙は見せない方がもっと信仰は広がると思いました。

構 成:★★★★☆(このままほのぼので終わるかと思いきやヤマもあってグッド)
ギャグ:★★★☆☆(くすっネタが多い。でも四輪駆動車が登場したしもっと崩すのもアリ?)
石焼芋:★★★★★(空腹時に読んじゃいけない。私のように苦しい思いをするので

夜雀の歌遊び(或いは謎掛け)  万葉氏

【プチ】32
【タイトル】夜雀の歌遊び(或いは謎掛け)
【書いた人】万葉氏
【あらすじ】
今夜もミスティアは八目鰻を焼いています。
今宵の来客は、紫。さてさて…………
【感想】
あとがきですら語られない、秘められた謎掛けが鮮やか。
かくいう自分も、コメントを見て初めて気づいた。これは地味にすごい。
相当考えたんだろうなあ、と作者が悩む姿を幻視。