プチ作品集51

Last-modified: 2010-09-30 (木) 14:22:10
蓮子と眼鏡  岩山更夜氏

【作品集】プチ51
【作品】蓮子と眼鏡
【作者】岩山更夜氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_p/?mode=read&key=1254911509&log=51
【あらすじ】
蓮子が眼鏡をかけてきた
【感想】
蓮子が眼鏡をかけてきたことによって始まった短編。
大きな山場などはないやおい話だが、会話のテンポや地の分などが非常に読みやすい。
非常に良い雰囲気の作品であり、是非とも読んで欲しい。

オアチュリー・ノーレッジ  紳士的ロリコン氏

紳士的ロリコン氏 『オアチュリー・ノーレッジ』★★★★★
紅魔館のある日を咲夜の視点から描いた話。
文章の一行、一句から可笑しさがにじみ出ていて言葉の面白みを堪能できる作品。特に咲夜の軽妙な言い回しは必見。
短いながらもそれぞれのキャラクターが十分に活かされていて、物語にも抜群のスピード感と切れ味がある。
万人におすすめできるシュールな良作。

姫様にも解けない難題  超空気作家まるきゅー氏

超空気作家まるきゅー氏 『姫様にも解けない難題』★★★★☆
暇を持て余した輝夜は悩み相談の真似事を始めるのだが……という話。
良作とも思えるが、二次創作として考えるとやや大雑把な印象を受ける。氏の話は旨みのあるものが多いのだが、ときどきキャラクターの必要性を感じられない話もあり、この話はその例だと言える。
内容は、無自覚な殺人もの。
動機が明らかになったときのやるせなさや虚脱感を、話の持ち味として捉えられるかどうかによって評価が分かれるように思う。
現実にも当てはまるホラーとも読み取れる。

仲良くしませんか?  寒々氏

寒々氏 『仲良くしませんか?』★★★★★
アリスの家に突然押しかけて料理を始めた咲夜だが……という話。
咲夜とアリスの絶妙な距離感が持ち味となっている作品。
咲夜のとぼけた言い回しやスマートな告白が実に愉快。また、相手に振り回されて必死なアリスの描写が上手いと思える。
必要以上にべたべたしていないのに、どうしてこんなにも仲の良さがわかるのだろうか。
程よい甘さに抑えられた、ほのぼのストーリー。万人におすすめできる。

翼をください  豆柴氏

【プチ】51
【タイトル】翼をください
【書いた人】豆柴氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_p/?mode=read&key=1255584757&log=51
【あらすじ】
へべれけになった天子はミスティアに言う。

「なんれあんたは羽があってあたしはないんらよ!」

【感想】
短いながらもミスティアの屋台の空気がうまく出ている作品。
翼を欲しがる天子も女将さんなミスティアもかわいいですが、何より衣玖さんのお姉さんっぷりが最高でした。

【五段階評価】
★★★★☆

世界で一番強い奴の友達にお世話になるハナシ  豆柴氏

【タイトル】
世界で一番強い奴の友達にお世話になるハナシ
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_p/?mode=read&key=1255009682&log=51
【作者】
豆柴氏
【あらすじ】
霊夢ん家にアレが出た。
【感想】
バ○サン的なものにいぶりだされてきた諸々に淡々と対応する霊夢が小気味良い。
淡白ながらコミカルでテンポもよく、読みやすい掌編。お勧めです。

円谷マジ外道  すこぶる氏

【プチ】51
【タイトル】円谷マジ外道
【書いた人】すこぶる氏
【URL】
 ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_p/?mode=read&key=1255708537&log=51
【あらすじ】
 魔理沙がいつものように持ってきたガラクタの中から、霖之助は一つの奇妙な人形を手に取った。
 次の日、霊夢も似たような人形を持ってきて…

【感想】
 あとがきの通りわかる人にはピンとくるオチですが、逆にオチを想定しながら読むのも面白いものです。
 いつまでも少年の心を忘れないあなたへ
【五段階評価】
 構成★★☆☆☆
 文章★★☆☆☆
 外道★★★★★
 総合★★★☆☆

無意識の選択  サバトラさん
妹のために様々なお菓子を瓶に入れているさとり。

【作品集】プチ51
【作品】無意識の選択
【作者】サバトラさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_p/?mode=read&key=1256563021&log=51
【あらすじ】
妹のために様々なお菓子を瓶に入れているさとり。こいしが好きなものはクッキーのはずなのに、レーズンが明らかに量が減っているのを不思議に思うのであった。
【感想】
姉妹愛がうまく描かれているのですが、その姉妹愛を把握するためのオチが一度読んだだけでは理解しづらいのが難点です。
特にこのような短編では、何度か読んでようやく理解できるという描写の場合、すぐに読み終わるだけに「よく分からないな?」の感想だけ抱くことになりかねません。そういう意味で惜しいです。

実に気持ちのいいフィニッシングストロークものだった。

サバトラ氏 『無意識の選択』★★★★☆
こいしの好みがわからず色々なお菓子を用意しているさとりだが、ふとあるお菓子の瓶だけ減りが早いことに気づき……という話。
内容は無自覚な恋愛譚。だが、読み手からすればその好意が意識でき、そこが面白みにつながっている。
実に気持ちのいいフィニッシングストロークものだった。
気になったのはわかりやすいラスト。解釈しやすいようにと書き直したようだが、こういった形式の話はラストをわかりづらくぼかして書いた方が面白いように思う。

魔法使い、想い人に星空への思いを語る事  蛍石氏

蛍石氏 『魔法使い、想い人に星空への思いを語る事』★★★☆☆
ずっと星になりたかったとアリスに語る魔理沙だが……という話。
余分な文を一切削ったコンパクトさが魅力的な作品。この短さが話の見せ場となっているラストに面白みを持たせたと思う。
魔理沙の星に対する想いをだらだらと続けず、しかし物足りなく感じさせない程度に書ききった手際が見事。
さっと読める、息抜きにふさわしい物語。

テトラポッドに座って  岩山更夜氏

岩山更夜氏 『テトラポッドに座って』★★★★☆
自動車免許を取得した蓮子はメリーをドライブに誘うのだが……という話。
子供から大人になってしまうことの焦燥感や、永遠に続く友情の憧憬を描いた作品。しかし、ラストではちゃっかり甘い雰囲気にしているので、この話一つで様々な物語を味わうことができるように思える。
二人のやり取りからも、程よい距離感を出せている。
これぞ秘封倶楽部と言える、二人の魅力を堪能したい人におすすめしたい。

手の鳴る方へ  タツアキ氏

タツアキ氏 『手の鳴る方へ』★★★☆☆
久しぶりに帰宅したこいしに会ったさとりは……という話。
後書きに書かれている氏の狙いは見事に達成できていると思える。この危うさは一つの魅力。
どこか懐かしい姉妹仲を感じさせるが、この物語で描かれているノスタルジーは内向き。読み手が共感できないと楽しめないかもしれない。
こいしとさとりのどこかちぐはぐな距離感が味わえる作品。

ユカーリン  TAM氏

TAM氏 『ユカーリン』★★★☆☆
時代はカタカナだと思い立った紫は自身の名をユカーリンに改名するのだが……という話。
ほのぼのとしたコミカルストーリー。誰かが思いつきから騒動を巻き起こし、最後にはしっぺ返しをくらうという王道的な構図がいい。
紫とナズーリンが主役のようだが、他の「~りん」である人物たちのエピソードも面白い。
読んでいて楽しくなってくる愉快な短編。

USA  らすぼす氏

らすぼす氏 『USA』★★★☆☆
外の世界でUSAという国が台頭していることを聞いたてゐは、今こそ兎が天下を取るべきだと立ち上がるが……という話。
ただのコメディかと思っていたが、ラストでまさかそういった方向に持ってくるとは思わなかった。秀逸なオチが見事な作品と言える。
話の面白みをラストだけに頼りきらず、それまでの内容にも気を配っている。
短いながらも冒頭から勢いをつけてそのまま突っ走った雰囲気が見事。

レミリア伝記  ワレモノ中尉氏

ワレモノ中尉氏 『レミリア伝記』★★★☆☆
伝記を出したいと言い出したレミリアに、咲夜は早速執筆を始めるのだが……という話。
読み始めて、何のことだろうかと疑問に思いつつも最後まで進んでみると、こういうことだったのかと納得させられる。整えられた構成が活かされている作品。
内容こそカリスマに振り回されるレミリア、というありきたりなものだが、話の作り方が上手いので一味違った印象を受けた。
最後まで読まなければ物語の面白みはわからないのだなと思わせる作品だった。

雨降る夜の小さな冒険  地球人撲滅組合氏

地球人撲滅組合氏 『雨降る夜の小さな冒険』★★★★☆
リリカを見返したいと意気込むレイラは、偶然見つけた宝の地図を片手に別荘の外へと抜け出すのだが……という話。
ロマンス、ユーモア、優しさ、温かさ。肯定的な要素ばかり詰まった、いわゆるいい話。だがそれらが物語の感動に上手くつながっている。
理屈や道理よりも感情を優先する子供特有の描写が見事。読んでいて実に面白く感じられた。
プチにしては長さがあるが、物語として満足感を与えるもの。未読であれば是非とも読むことをおすすめしたい。

パロール・リハビリーテイション  つくし氏

つくし氏 『パロール・リハビリーテイション』★★★★★
物置からミルが見つかり、コーヒーを淹れるさとりだが……という話。
内容は過去への憧憬、あるいは希望への第一歩。この雰囲気は実にリリカルに思える。
本文が非常に短いが、描写の不足ではなく読み手に想像の余地を残したつくりにしている。彼女たちを取り巻く様々な物語が込められていて、文章の力を思い知らされた。
タイトルのパロールは話言葉、リハビリは状態の回復。これらは後書きからもなるほどと思わせるものだった。
姉妹愛を描く格好の素材の一つであるさとりとこいしを上手い具合に料理できた作品。

鈴  岩山更夜氏

岩山更夜氏 『鈴』★★★☆☆
猫みたいにどこかへ行ってしまうこいしに鈴でもつけようかと考えるさとりだが……という話。
こいしがとても可愛らしく描かれている作品。とにかくこいしが可愛らしい。
こいしのキャラクターに助けられているというよりは、こいしの魅力を狙って書いた物語という印象。だからこいしが可愛らしく思える。
綺麗な形で終わるラストは必見。実にお洒落な雰囲気である。

lemon peel  ねじ巻き式ウーパールーパー氏

ねじ巻き式ウーパールーパー氏 『lemon peel』★★★★★
地霊殿に帰ってきたこいしはペットたちが妙に騒がしいことに気づいて……という話。
さとりとこいしが主軸ではあるが、お燐やお空のシーンもまた味わい深い。特にお燐の心情は考えるほどに苦く感じられる。愛することがどういうことなのか、痛いほど伝わってくるように思える。
面白いのは話の結末。単純にめでたしめでたしで終わるものではなく、こいしの独り占めしたいという無自覚な悪意が読み取れた。
冒頭から登場するレモネードがさとりとこいしの仲を示唆していて、ストーリーのガジェットとして上手く機能していて話の完成度が高い。
レモネードのように切なく苦い物語。

瀟洒なメイドに愛の手を  芽八氏

芽八氏 『瀟洒なメイドに愛の手を』★★★★☆
ティータイムの一時にちんちんかもかもとは一体なんなのかと尋ねるレミリアに咲夜は……という話。
雰囲気は一貫してシュールな、コミカルストーリー。メタフィクションの要素が大分盛り込まれているので、苦手に思う人もいるかもしれない。
どこかずれたまま奔走する咲夜の様子が実に滑稽。冒頭から徹底された能天気さが話の持ち味となっている。
センスのある笑劇という印象の作品。

今年もレミリアの季節ですね!  八重結界氏

【ジェネリック】51
【タイトル】今年もレミリアの季節ですね!
【書いた人】八重結界氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_p/?mode=read&key=1256478808&log=51
【あらすじ&感想】
 レミリアを地面に埋めて、水をかけたら木が生えてきた。植物だった。

 こんなときどういう顔すればいいかわからないの、と読み終えて思った。
 読み進めるごとに奇妙な世界に引きずり込まれる、氏得意の不条理ギャグの逸品。
【五段階評価】
 ★★★★☆(個人的には4だが、短さを考慮すると3、5くらいに感じるかも)

 
【まるっと総括・プチ51】  2009/10/29

【まるっと総括・プチ51】・稼動日数 21日。
・投稿作家数60人。
・新たに9人の作家が創想話デビュー。
・それとは別に、6人の無印作家がプチデビュー。
・最多投稿者 夏星氏、岩山更夜氏、喉飴氏 [5作品]
・最長作品
『雨降る夜の小さな冒険(地球人撲滅組合氏)』 [23kB]
・多量コメ獲得作品(現在時点)
『今年もレミリアの季節ですね!(八重結界氏)』[37コメ]
『鞭振ったりもしたけれど、私は元気です(紳士的ロリコン氏)』[33コメ]
『オアチュリー・ノーレッジ(紳士的ロリコン氏)』[30コメ]

○今作品集の傾向
・怒涛のちゅっちゅ祭
『lemon peel(ねじ巻き式ウーパールーパー氏)』
『おかしをつくろう(与吉氏)』
『パロール・リハビリーテイション(つくし氏)』
・ちゅっちゅ以外にも、全体的に姉妹作品が多かった。
『妹で行こう!(ヘルツ氏)』
『雨降る夜の小さな冒険(地球人撲滅組合氏)』
『ひとこと(喉飴氏)』
・徐々に星蓮船SSも勢いが出てきたようです。
『ぬえ「なっ何そればっかじゃないの!? 死ね!」(破滅型小僧氏)』
『たぶん、キャプテンが悪い話(夏星氏)』
『Superwoman(Pumpkin氏)』
・何かが恐ろしい方向に発展して行く話。
『小毬(非共有物理対氏)』
『鞭振ったりもしたけれど、私は元気です(紳士的ロリコン氏)』
『崇めよ、祀れよ、ごめん止めて(八重結界氏)』
・上で挙がらなかったもので、個人的なオススメ
『じょうしきこわい(木製氏)』
『スカーレット・スカーレット(電気羊氏)』
『USA(らすぼす氏)』
『ユカーリン(TAM氏)』
『テトラポッドに座って(岩山更夜氏)』