作品集110

Last-modified: 2014-02-16 (日) 16:25:56
あいきゃんふらい!  文鎮 氏
早苗×リリカ。

【作品集】110
【タイトル】あいきゃんふらい!
【書いた人】文鎮氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1272095769&log=110
【あらすじ&感想】
早苗さんは梅酒をリュックに入れて博麗神社までの空中散歩を楽しむ。

早苗×リリカ。
この組み合わせだからこそ描ける作品です。
幻想郷に馴染んだ早苗さんの外の世界に対する想いを、平坦ながら綺麗な表現で素敵に描かれています。
そういえばリリカの音って「存在しない音」だったなと今さらながら思い出しました。
この作品でリリカが奏でている音は、たしかに「存在しない音」でした。

早苗さんが宴会の準備のために、守矢神社へ忘れ物を取りに戻った話

【作品集】110
【タイトル】あいきゃんふらい!
【書いた人】文鎮氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1272095769&log=110

【あらすじ】
早苗さんが宴会の準備のために、守矢神社へ忘れ物を取りに戻った話

【感想】
何気ない日常の中、ちょっと一息つく。コーヒー片手に浸りたい人へお勧め
入日から黄昏の空を背景に、しっとりと落ち着いた場面を切り取っていく展開
劇中で語られる一つ一つの思い出が丁寧に書き出されていて短さを感じさせない
後書きより「“ヨコハマ買い出し紀行”のような空気を目指してみました」とのこと
実際その目標は達成できているように思えた。こういうの大好きです
『夕凪の時代』『てろてろの時間』が好みの人は満足できるはず
そういえばアルファさんと早苗さんて髪の色が同じだな

罪と罰  twin氏
罪と罰に対しての答えを求めて。

【作品集】 110
【タイトル】 罪と罰
【書いた人】 twin氏
【URL】 ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1272180427&log=110
【あらすじ】
霖之助のもとに霊夢からの手紙が届く。罪と罰に対しての答えを求めて。

【感想】
相変わらず語彙豊かな語り口。
一部の人間が抱く妖怪に対する歪んだ差別意識という、言ってしまえばよくある題材の極端化。
でもこの作者は読者の感情を操るのがとてもうまい。冗長とも衒学的とも批判されることが多いが、
むしろそれは読者に強い印象を植え付けるのに十分な役割を果たしていると言える。

正義と悪に関する問いかけについて、一般論的な答えに終始するように見えて最初はえええええと思った。
でも、その後の「霖之助の答え」が用意してあるのが素晴らしい。ここまで読んだ人間ならば必ず同じ思いを抱くはず。
アイロニーと言うべきか、自分にはうまく表現できないけど、ここだけ取り出してみれば気持ちがいいとすら感じる。
しかし全体を見渡すとやるせなさが体を震わす。
レスする直前に思い出したけど、ドストエフスキーの同名小説をある程度下敷きにしてるのかなあ?
「あらすじで読む世界の名著」で見たことがあるだけなので詳しくは分からないけど。
霖之助の書いた内容で、さらにアメコミの(映画にもなったけど)ウォッチメンを思い出したのも付記。

濃厚な文体。読みにくいが、しっかりとこの作品に漂う陰鬱な雰囲気を助けている。

【作品集】110
【タイトル】罪と罰
【書いた人】twin氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1272180427&log=110
【あらすじ】
弱く温厚な、人里に隠れ住んでいる妖狐の一族は、今、妖怪を疎む人の手によって滅ぼされようとしていた。
【感想・考察】
濃厚な文体。読みにくいが、しっかりとこの作品に漂う陰鬱な雰囲気を助けている。
さて、この作品に起承転結の感動を求めるのは少し違うようで、どうレビューしていいか迷っている。
この作品のメインテーマは、正義とは何か、ということであろう。
卑劣な虐殺を図った首謀者、淫行を犯したその協力者達、激情にかられた役立たずの巫女。
妖怪を正しく畏れた首謀者、恐怖と戦ったその協力者達、自らの正義に従った幻想の巫女。
この合わせ鏡のような立ち位置を、上手く表現できていたと思う。
ただ、霖之助の手紙という形式が少しくどかったように感じた。のだが、
これは俺には良い代替案は見つからない。最後のオチは非常に綺麗な物で、それはこの形式でなければいけなかったように思う。あっちを立てればこっちが立たずだ。難しい。
総評としては、物語としては面白くないが、作品としては上手くできていたと思う。
幻想郷の妖怪と人間についての考察入門者には、まずはこれから読んでみることを勧める。
[HE力]☆☆☆☆☆(物語ではない)
[鬱力]☆☆☆☆☆(物語ではない)
[グロ]★☆☆☆☆(強姦描写)
【総合評価】★★★☆☆(凡人霧雨魔理沙と同じ系統のお話。完成度、メッセージ性自体は非常に高い)

私は正義が嫌いだ

【作品集】110

【タイトル】罪と罰【書いた人】twin氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1272180427&log=110
【感想】
私は正義が嫌いだ
それは人の心を覆い隠し、純粋の精神を濁らせる
生命の欲望、願い、祈りを塗り固めて自分自身さえも騙してしまう
これが正しいことだ。だから許されるべきである
そんな言葉にどれだけの熱が篭る?
哀れなるかな博麗の巫女よ
かの古道具屋の甘言によって貴女の美しき漆黒の憎悪は味気ない純白に染められてしまった
これから貴女は己こそ正義と信じ悪を裁くのであろうか
しかしあの時確かに貴女の胸に宿った憎悪は決してどこにも消えはしないのだ
正義を騙った男共の腹に座り込んでいた欲望と同じように、それは正義などという名に変わることはない
どうかその欲望を、憎悪の祈りを、漆黒のままに受け入れて見せてほしかった

【五段階評価】
★★★★★

幻想郷の裏の部分は「妖怪が人を食うこと」ともう一つ、「人間が妖怪を討つこと」がある。

【作品集】110
【タイトル】罪と罰 【書いた人】twin氏
【分類タグ】博麗霊夢 森近霖之助 幻想郷 ※残酷描写注意
【URL】ttp://coolier.sytes.net/sosowa/ssw_l/110/1272180427
【POINT】7880(2014/02/10時点) 【容量】51.3KB
【あらすじ&感想】
 幻想郷の裏の部分は「妖怪が人を食うこと」ともう一つ、「人間が妖怪を討つこと」がある。
 だいたい霊夢がその辺りを担っているので目立たないが、人里に住んでいている名前のない一般人(として差し支えないほどの存在)が、それを行っているのも事実だろう。
 この話で扱われているのは特殊なケースだが、「妖怪を討つ」ダークな部分に焦点を当てているのが面白い。
 それにしても「妖怪が人を食う」ことはよく二次創作内で見かけるのに、「人が妖怪を討つ」ことはあまり見かけないのはなぜだろうか(エロ方面除く)。
 恐らく前者はホラー要素があり、人間を被捕食者側から見る面白さがあるから扱われやすいが、後者は人間の醜さを直視する胸糞悪さがあるから倦厭されやすいのだろう。
 圧倒的立場からスペルカードルールに沿って妖怪を退治するなら、ことは平穏に済ませられる。しかし、食われる立場から相手を退治するとなると、平穏とはいかないだろう。その弱く、汚い部分を見せつけられるのは読者にとってのみならず、作者にとってもキツい。
 そのあたりをよく書ききったなと思うのが本作だが、当然内容は人を選ぶ。

 人を選ぶといえば、やや難しい語彙が要求されるのも人を選ぶ。また、会話文が極端に少ない。
 ただ、段落ごとに一行開けてあるという配慮はされている。極端に読みづらいということはない。

 霊夢、あるいは霖之助が書いた手紙という形式の文が、全体の半分。何があったのかという興味をひかれながら、どういう結論が出てくるのか、自分ならどうするかと考えながら読ませてくる。
 時系列が前後するので、頭の中で整理するのが苦手な人には向かない。(とこうして書いてみると、いくつも人を選ぶ要素があるなあと実感する)

 実際の霊夢はこういった立ち位置で、こういった行動を起こし、こういった悩みを持つだろうか?というのはあるが、そこは二次創作。ありうる一つの幻想郷として読むのがいいだろう。(また、「自分の霊夢」はどのような反応をするかと思考するのも一興)

 男たちが迫っている声が聞こえるのに、静寂の表現はないだろうとか、手紙が口語体なのに、男たちの口調はなぜ文語体風味なのだろうとか、そういう細かい引っかかりはさておき(*少女の感覚の中で一切が隔絶されたとか、男たちは常識・実社会からは異質の存在だったとかを表す演出の可能性もあるけれど)、
 人間と妖怪、その関係のあまり扱われない部分を、変則的にではあるが書ききったSSだと感じた。

彼女は存在しない  blue_nowhere 氏
二次創作の醍醐味、独自解釈を上手くSSに落とし込んだ作品です。

【作品集】110
【タイトル】彼女は存在しない
【書いた人】blue_nowhere 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1272387542&log=110
【あらすじ&感想】
「わたし」が「妹となる彼女」に出会ったときのお話。

シリアス系。
二次創作の醍醐味、独自解釈を上手くSSに落とし込んだ作品です。
「彼女はいない」という事実に複雑な読後感を抱きました。
登場キャラはタグがついていないので伏せておきます。
一部凄惨なシーンを含んでいます。

【こんな方にお勧め】
キャラの考察や解釈が好きな方。
過去話が好きな方。

『彼女』はそこにいる。

【作品集】110
【タイトル】彼女は存在しない
【書いた人】blue_nowhere氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1272387542&log=110
【あらすじ】
『彼女』はそこにいる。
眼で見ることも出来るし、声を聞くことも出来る。
触れることだって出来る。
でも、“存在しない”。
そんな『彼女』と『私』が出会った時の話をしようか。
【感想】
ああ、こういう風な解釈もあるのか!
真っ先に思ったことがそれだった。
独自解釈が嫌いじゃなく、凄惨なシーンがあっても大丈夫ならば
是非ともおすすめしたい。
【五段階評価】
★★★☆☆(注意タグは付いててもよかったと思う)

『ふぇすてぃば!』  床間たろひ氏

【作品集】110
【タイトル】『ふぇすてぃば!』
【書いた人】床間たろひ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1272283501&log=110
【あらすじ&感想】
ゆかりんGJ。

お祭り系。
ただひたすらお祭りです。神輿です。山笠です。
紫が霊夢が魔理沙が惜しげもなくふんどし姿をさらしています。

【こんな方にお勧め】
祭りには血が騒ぐ、という方。
むしろふんどしに血が騒ぐ、という方。

雪原鉄道の夜  猫井はかま氏

【作品集】110
【タイトル】雪原鉄道の夜
【書いた人】猫井はかま氏
【URL】
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1272151190&log=110

【あらすじ】
一面の雪原の中、列車は走る。
車両の中、逃避行の途上ではあったものの、寺を守る緊張から解かれ、
ナズーリンと星は、普段より少しくつろいだ会話を続ける。
……そうだったはずだ。

【感想】
ナズーリンの望む星、ナズーリンの理解している星が交差する、不思議な雰囲気の作品。
あらすじも感想も随分書きづらいのですがw、謎解きめいた要素もありお勧め。
また、「銀河鉄道の夜」にも通じる叙情感がじんわり来ます。
この雰囲気は短い文を連ねる氏の文章スタイルとも合ってる気がします。

あとインバネス姿の星さんとかなにそれすてき

小さな魔法使いの、小さな冒険  公ノ入氏

【作品集】110
【タイトル】小さな魔法使いの、小さな冒険
【書いた人】公ノ入氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1272406513&log=110

【あらすじ】
寺子屋を逃げ出し、祖父に怒られた魔理沙。
いつものようにお仕置きとして、昔店で働いていた男が使っていた部屋に放り込まれる。
そこで『道具』、『計画書』、『地図』を見つけたことから、少女は冒険を決意した。

【感想】
あとがきにもあるように王道なストーリーである。
幼い魔理沙が見るきらきらした世界、幻想郷の持つ残酷な側面。
そういうキャラの魅力や幻想郷の世界観がしっかり描かれていると思った。
また祖父による抑圧、里で見かける魔法使いに対する憧れ、そして部屋で見つける『宝の地図』といったような、物話における流れもうまい。
わくわくどきどきが欲しいならぜひ。

『ハッピーバースデイ、霧雨 魔理沙。』  静かな部屋氏

【作品集】110
【タイトル】『ハッピーバースデイ、霧雨 魔理沙。』
【書いた人】静かな部屋氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1272111443&log=110

【あらすじ】
純白のテーブルクロス。鮮やかな飾り付け。いつもより片づけられた部屋。
明日は霧雨魔理沙の16歳の誕生日。いつも通り、パーティーは本人の家で開かれる。
綺麗に飾り立てられた自分の部屋を眺めると、魔理沙は満足そうに頷いて床についた。

そして、『霧雨魔理沙』は夢を見る。
外界の、摩天楼の夢を。

【感想】
世にも奇妙な物語を彷彿とさせるお話です。
平和な出足から奇妙な夢に移り、小さな違和感が段々と大きくなっていく過程は惹きつけられるものがあります。
オチにも思わず唸ってしまいました。こういうのもあるのか、と。
読者に幾らか考えさせるスタイルの作品ですが、少々説明が不足している気がします。
後書きに設定を書き置くのではなく、作品内で描いて欲しいところです。推敲が少し足りなかったのですかね。
ともあれ、独特の空気感は特筆すべきものがあります。
狙ったのかは分かりませんが、詰められ気味の文もこの空気感を演出するのに一役買っているように思われました。少々読みづらいですが。
これからの成長が期待されますね。

【こんな人にお勧め】
世にも奇妙な物語が好きな人、と
少しダークな幻想郷が好きな人、にオススメです。

【五段階評価】
★★★★☆

Little Devil Prayer  ネコロビヤオキ氏

【作品集】110
【タイトル】Little Devil Prayer
【書いた人】ネコロビヤオキ氏
【容量】約82kb 
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1272034876&log=110
図書館を掃除していたパチュリーと小悪魔。古びた鏡が発掘され小悪魔はそれを貰い受ける。
約二週間後、何と鏡の中の小悪魔が勝手に動いている!
鏡の中の彼女は喋れないが何かに祈っている、そんな彼女に小悪魔は興味を持つ。
だがそれと同時に着々と小悪魔にとある変化が現れていて――

ネコロビヤオキ氏得意のほんわかする物語で、キャラが優しいお話です。
お手本のような起承転結と謎の解決は素晴らしい安定感。安心して氏の作品を読むことができる人も
多いのではないのでしょうか。
感動を呼び込む術にも長けていると思いますねえ。「優しい小悪魔」のお話。
★★★★☆(後の作品程感想が短くなっているのは気のせいだといいな)

火車考・『嗚呼母上様』  nekojita氏

【作品集】110
【タイトル】火車考・『嗚呼母上様』
【作者】nekojita氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1272211497&log=110
【あらすじ】
死体と会話するのが好きな火焔猫燐。
しかし、ある時全く会話ができない死体と出会う。
その噂は伝わり続け、古明地さとりが好奇心から火焔猫燐と連携することにより心象風景を見据えることとなった。
さとりは何を見るのか。

【感想・ここが面白い・私的評価】
極彩色世界の描写が旨い。
クトゥルフ好きならたまらないんじゃないかな。
それに従えばさとりの精神狂わせても良かったと思うけど、妖怪の精神が簡単にイカれてもつまらない。
ただ、これは世界観の延長上にある物の恐怖を取り扱っているようだから悪く言えば中途半端だけど、良く言えばまだわかりやすい。
ストーリーはあってないようなものだから、それが少し残念かも。
されどその奥にある物に恐怖せよ。

【五段階評価】★★★★☆(フリーゲームの涅槃とか青鬼とかが好きなら)

少如群像  俄雨氏

【作品集】110
【タイトル】少如群像
【作者】俄雨氏
【URL】ttp://www10.atpages.jp/thcompe/compe06/?mode=read&key=1202674336&log=110
【あらすじ】
東風谷早苗が幻想郷に馴染めていなかった。
ある日人里で死体が発見され、それの直後に人の塊が出没するようになる。
その正体は何か。

【感想・ここが面白い・私的評価】
結末が読めた、と思ったのだけれど、それのさらに奥があった。
それだけならいい作品だったのだけれど、裏側の裏側があった。
そこで魔理沙の説教で、少し作品から乖離してしまった。
結局○○○のせいというのも少し納得が行かない、○○○の努力はなんだったんだろうかと。

誤解を恐れず言うなら、この作品の本当の魅力は安直な方法とはいえキャラクター達の心の闇を書いたことであると思う。
黒めの人間関係の中の友情は美しい。それの心の闇のお陰で、主人公勢四人のイメージが俺のイメージと一致した。それも無理やり。
裏の裏暴露までは、キャラクターが俺の主観と相過ぎててむしろ王道とすら言えるんじゃないかこれ、って思ったくらい。
そして人の塊の描写で多少吐き気。グロレベルは高め。良い事だ。

【五段階評価】★★★☆☆(ちょっと長すぎたかな)

凡人『霧雨魔理沙』  aho氏
意味がわからない。何でこの起承転結でこんな綺麗にまとまるんだ。

【作品集】110
【タイトル】凡人『霧雨魔理沙』
【書いた人】aho氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1272191660&log=110
【あらすじ】
霧雨魔理沙はルーミアの食事風景、セーラー服の女学生が食われている場面を見ていた。
その後日、今度は別の外来人がルーミアと遭遇した場面に出くわす。
霧雨魔理沙はその人間を助け、ルーミアに自らの価値観を話す。
【感想・考察】
意味がわからない。何でこの起承転結でこんな綺麗にまとまるんだ。
多分文章の長さの配分とか言葉の選び方とかがありえないほどの経験の結晶でノウハウ化されてるんだろう。
基本的に霧雨魔理沙の生きざまを掘り下げた作品で、ヤマがない。
そのためエンターテイメント性に欠けて、読む価値はない。
ただ、妖艶で馬鹿で無邪気なルーミアと、霊夢に劣等ではないコンプレックスを持つ魔理沙が良くキャラとして成立しており、流石の二文字につきる。
[HE力]★★☆☆☆(コメの言葉を借りると「超二流」の魔理沙が幻想郷を征服する)
[鬱力]☆☆☆☆☆(最初の外来人が可哀想ではある)
[グロ]★★★★☆(食事描写。星3と迷った。ストーリー上必要な物なので、多分我慢できる?)
【総合評価】★★★★☆(このくらいで)

ある日、魔理沙は、血まみれの内臓を露わにさせながら人間を食べているルーミアに遭遇する。

【作品集】110
【タイトル】凡人『霧雨魔理沙』 【書いた人】aho氏
【分類タグ】霧雨魔理沙 ルーミア オリキャラ 幻想郷 グロ注意
【URL】ttp://coolier.sytes.net/sosowa/ssw_l/110/1272191660
【POINT】22980 【容量】64.53KB
【あらすじ&感想】
 ある日、魔理沙は、血まみれの内臓を露わにさせながら人間を食べているルーミアに遭遇する。舌を垂らし、白眼をむいた女子高生が食べられいく様を、嫌悪感と共に観察しながら思うことは……という出だし。
 妖怪は例外なく人を食うという幻想郷の設定があって、それを扱ったものは少なくないが、魔理沙なりに思考と試行を重ねて向き合っているのが面白い。

 以下ネタバレ含む感想。
 ルーミアとの勝負は魔理沙が負けると思ったのに、勝たせた。その当り前の展開でどう面白く話を展開させるのかと思ったら、魔理沙が自ら自分を食わせる流れに。これは意外だった。
 なぜ意外と感じたのか。自分の肉体を食物として提供する東方の二次創作は決して珍しいものではないのに。
 そういう雰囲気でなかったからだろうか。勝負に負けたら仕方ない、運が悪かったら仕方ない、そう言っておいて、自分から提供しにいったからか。これには驚かされた。
 しかし、意外ではあったが、違和感は覚えない。自然に意外性を感じさせるというバランス調整がすごい。指をしゃぶらせるというのが前ふり(伏線)として利いているからか。面白かった。

 反面、オリキャラ。こちらは浮いているような感じだ。違和感がある。登場時はともかく、ラノベ主人公みたいな印象。
 いやこれラノベじゃんと言われるかもしれないが、少年を出す意味から考えると、やはり腑に落ちない。
 創作物の世界として隔絶して考えるのでなく、現実世界の視点で魔理沙の思考と人食いを見てほしい、という意図でオリキャラを出したのだろうけれど、この少年が現実感に乏しい。出す意味はあったのかどうか。
 「魔理沙の思考に普通でないものが含まれている、現実世界の視点では」というのは、序盤のところで十分わかる。説明なしでもわかる。あえて問答形成で言葉にしなくても良かったのでは。
 よりはっきりさせるためにオリキャラを出したのだということを否定するつもりはないが、それでも少年のキャラとちぐはぐになってしまう。
 こーりんっぽくしてネタを増やしたかったのかもしれないが、現実世界の代表とするにはいかがなものだろう。

 終盤、台詞が長い、言葉で説明しすぎという感想が幾つか見受けられたが、自分にはそうでもなかった。
 「人間(凡人)の可能性」というのをメインテーマとすればそのように感じ思ったかもしれないが、「人食いに対する魔理沙(人間)の反応・考え」「魔理沙(人間)とルーミア(人食い)の関係」をメインとして、「可能性」は添え物とすれば、二人のやりとりに違和感はない。会話劇に微笑ましさ・面白さのみを感じる。(じゃあタイトルはどうなる、と言われると何も言えないが)

 魔理沙は自分を凡人だと確信しているけれど、どこに凡人ぶりを見ればよかったのか、というのは少し引っかかるものがあった。
 「天才の霊夢」と比較される「普通の魔法使い」というのは、二次創作内ではごく普通に用いられているから、そういうものとして流してもいいのだけど。
 とはいえ、どこかで「普通の道具屋の娘」と自分で述べる以外に示してくれると良かったか。
 人食いに恐怖する部分があるから凡人ってことなのかな、と思ったら、そうでなかったので、「え、その弱さを凡人の根拠にしないの」と意外に感じ、そして受け入れにくかった。
 
 ルーミアが魔理沙を食べる場面は妙にエロティック。ラストは魔理沙が百合落ちした流れですかね。妄想がはかどります。

もしもアリスが人形遣いじゃなかったら  ほむら氏

『もしもアリスが人形遣いじゃなかったら』作品集110 ほむら氏
 (Oh... まさかこうなるとは。自分もあの名前忘れてたよ…)★★★★☆

炎の轍  pysさん

【作品集】110
【タイトル】炎の轍
【書いた人】pysさん
【あらすじ&感想】
閻魔に旧灼熱地獄行きを命じられたお燐。仕方なしに向かった先で出逢ったのは……

お燐一人称視点。コミカルタッチで進む序盤、段々とシリアス味を帯びてくる後半。
お燐の感情の動きがかなり詳しく描写されているから、感情移入しやすかったです。
こんな二匹の過去もありだなと思える名作でした。
【五段階評価】
★★★★★(最高のおりんくう物語)

みこめーる  まりまりさ氏

「みこめーる」は俺の乙女心を余すところなく刺激した
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1272287317&log=110

いやこれはあさってあたりレビューしようと思ってたけど前倒す
創想話の百合霊夢はたいていクソガキかコメントしにくいキャラになってる場合が多かったけどこれは悶えるほど可愛かった
親役の紫が余計に話に絡んでこなかったのも潔くていい。おかげでレイサナだけに集中して悶えることが出来た
あと後書きがよい。ここで後書きにダラダラ何か書いてたら容赦なく減点してた。これみんな読んで見て

もう一つの風神録  詩所氏

【作品集】110
【タイトル】もう一つの風神録  【書いた人】詩所氏
【URL】

  • 上巻- ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1257688774&log=91
  • 中巻- ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1263207457&log=96
  • 下巻- ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1272116986&log=110

【あらすじ】
(ここから作者後書きより引用)
 別タイトル:風神、高坂昌信の一生。
 蛙合戦で有名な明徳寺にある昌信の墓、風林火山の“風”を纏う昌信、信州と武田。色々な結びつきから高坂昌信と洩矢諏訪子を主にして、武田家の歴史を書きました。歴史の中にて、妖怪達が暗躍している世界、そんな妄想が話の原動力になっております。
(ここまで作者後書きより引用)

 合計400kb近い戦国もの。
 あらすじを述べたいところなんだけどこのレビュー書いてる人は歴史とかまったくわからないのでちょっとめんどくさい。ひとまず作品についているタグは「歴史 洩矢諏訪子 武田家 戦国」と、上巻、中巻、下巻それぞれに「西行寺幽々子」「射命丸文」「藤原妹紅」など。あとゆかりんがちょこちょこ出たり天子もたまに出たようなかんじ。
 基本的には、春日虎綱なる人と彼になんとなくついてってる諏訪子、みたいなふうに話が進みます。こういうのにピンと来たらレッツリーディング!

【感想】
 あらすじ見てもらえればだいたい想像つくだろうけれど、まあある種のやりたい放題。これ東方がメインじゃないね(笑)みたいなことも言える一方でこの上なく東方を楽しもうとする作品であるとも言える。……なんて言ってもようわからんと思いますので説明しよう。
 まずどの辺が東方じゃないかというと、およそだいたい東方じゃないね! 上の作者後書き引用にもあるけれど、歴史の中にて、妖怪達が『暗躍』している世界の妄想です。あくまで暗躍。わたくしの感覚で申し上げるならば、歴史と妖怪(東方キャラ)の比率は8:2くらい。その、東方キャラの絡み方って言うのも、「なんか霊能力っぽいものを持ち合わせてしまった春日虎綱さんが妖怪やらなんやらに絡まれる」ってのが半分くらい。もう半分くらいは、「歴史」の側に直接的に影響を及ぼしてる部分もないではないのですが、歴史分と東方分が絡み混ざり合ってるかというと、そうであると言ってしまうには少々躊躇いがある。ネタバレが過ぎちゃうのでちょっとあんまり詳しくは言いたくないのですが……そう、「暗躍」という単語を何度も使っていますが、これ妖怪たちは歴史の中において暗躍しているってだけではなく、この主人公(春日虎綱さん)の物語においてもやはり「暗躍」に留まっているからじゃないかなと思わなくもないです。

 そして、そう、主人公の物語においても「暗躍」に留まっているというその面こそが、この上なく東方を楽しもうとする作品であると言える部分でもあるのです。
 めんどくせーので結論を言いましょう。
 これは、諏訪子の視点に入り込むべきお話なのです。
 諏訪子の、神様をやってきた、人間というものを見てきた諏訪子の視点に入りこみ、同調し、追体験し、そして洩矢諏訪子というキャラクターに思いを馳せる、歴史な部分がよくわからない私は、これはそんなお話だと理解しました。
 そして、諏訪子の在り方を思うのもよいのですが、たとえば幽々子や妹紅のこの話への介入の仕方というのも、歴史の裏に暗躍する奴らみたいなロマンを広げてくれる意味で、いい味だしてると思います。
 まあそのなんだ、ようするにすっごいおもしろかったよ!

【五段階評価では分け足りないので百段階評価】83/100点

はるめぐ!  maruta氏

maruta氏の『はるめぐ!』は誰がなんと言おうが傑作

ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1272133744&log=110

すでに過去に批評したことがあったかもしれないと思うが、もしあったらご愛嬌

この作品はひとつの奇跡であると思う。片一方でカラシナのおひたしについて、
片一方で『1/100アッガイ』の製作について高い取材性を発揮するという稀有な完成の仕方をみせる。しかもどちらも当分に面白い

想像して見給え。黄色く焼けた畳の今に座りながら、わびしく背中をまるめて
パチンパチンと爪切りを小気味よく鳴らしながらアッガイのガンプラを組み立てる諏訪子様の姿を
想像して見給え。この話の本筋に全く関係ないのに妙に存在感ある諏訪子様の姿を