作品集116

Last-modified: 2013-09-16 (月) 00:34:59
覆水  藍々丸氏

【作品集】116
【タイトル】覆水
【書いた人】藍々丸氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1276527513&log=116

【あらすじ】
 そうやって再認識できるほど、大嫌いで反吐が出る鴉天狗の代表格、射名丸文が――

 なんで私の布団の中で寝ているんだろう。
 なんで全裸なんだろう。
 なんで時折誤解を招きかねない声を発しながら体をもぞもぞと動かすのだろう。(本文中より抜粋)

【感想】
ツンな椛と飄々とした文のやり取りが非常にテンポよく書かれています。
ただ甘いだけの話ではなく、読後は非常に切ない気分にさせられました。
この作者の方はどうやらこれが初投稿? 今後が非常に楽しみです。

【五段階評価】
★★★☆☆ (DSあやもみの良作。あやもみ好きな方は+1)

博麗の営業 霊夢  手負い氏

【作品集】116
【タイトル】博麗の営業 霊夢
【書いた人】手負い氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1276780807&log=116
【あらすじ】
五大栄養素のうち糖質と脂質とタンパク質とミネラルを欠いて生活をしていた霊夢
お肉を食べたい……その一心により振ってきたチャンスにかぶりついたのだった

【感想】
タグと冒頭の掛け合いに騙されてまたあやれいむかと思ってはいけない
文も霊夢もそれぞれ可愛いが、そこにあるのは文×霊夢というより文&霊夢
貧困のため新聞の営業をしていくことになる霊夢だが、その途中々々でのブラック心中&営業スマイルが楽しい
ノウハウの無さを運でカバーする霊夢の営業実績は順調に伸び、ついに……

【五段階評価】
★★★☆☆(良作だが良くも悪くも安定してるのでこの発想はなかった的なものを期待してる人にはちょっと向かない)

フラン「9個でいい」  御鏡九十九 氏

【作品集】116
【タイトル】フラン「9個でいい」
【書いた人】御鏡九十九 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1276959566&log=116
【あらすじ】
華やかな妹、嫉妬する姉。
心優しき妹を姉を立てようと、支えようと尽力する。
ところが駄目駄目な姉は妹の投げた心のパスをスルーしてオウンゴールするのだった。

【感想】
この妹様は最高にいい。
駄目姉貴との会話がとても楽しく、微笑ましい。
ニヤニヤしてるまま終わってしまい、質のいい紙芝居を見た気分だ。
短く昔話風にまとまっているのでスラスラ読める。
五分もかからず、頭も使わないので長編などの息抜きをしたい人に特にお勧めしとく。

★★★☆☆ 個人的にはとても好みの話だが、短いのと詰めが甘いので4は遠慮、3.7くらい。

空っぽ地霊殿 川中三氏

【作品集】116
【タイトル】空っぽ地霊殿
【書いた人】川中三氏
【URL】 ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1276416099&log=116
【あらすじ】
霊烏路空ははいてないのであった。
(本文より)
【感想】
まあ、おくうだし穿き忘れてても仕方ないよね。
自分にもそんなイメージがある。
これはそのイメージまんまの話だった。
穿いてないどころか着てすらないおくう。
真面目にノーパン健康法を実践するさとり。
ノーパン健康法を広めた元凶のこいし。
必然的にツッコミ役になったお燐の心労はいかばかりか。
あと、後書きのアドレス先は必見。
【五段階評価】
★★★☆☆(「空」にあんな意味があるとは初めて知った)

図書館に五月  デルフィさん

【作品集】創想話116

【タイトル】図書館に五月 
【作者】デルフィさん
【容量】44kb
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1276432976&log=116
【あらすじ】
 ぱらりぱらりと、パチュリーがページをめくる音だけが響く図書館。
 彼女にとって安楽の空間だったそこに、最近になって入り込んでくる者がいた。
 阿求。パチュリーは、その存在が、最近気になって仕方がないのである。

【感想】

 パチュリーと阿求という、異色の組み合わせ。
 しかし、「あまり見ない組み合わせで書く」という、ある種の「奇の衒い」に始終した話では決してなく、一つの物語として昇華しきっている。

 パチュリー視点と阿求視点をそれぞれ往復しながら、ストーリーは進行する。
 同じものを見ているのに、両者でその捉え方が全く異なっているのが面白い。
 同じ図書に造詣の深い者同士の筈なのに、その微妙な齟齬、すれ違いっぷりが、上手く二人のキャラを際立たせていると思う。
 そして、互いを想い合っている筈なのに、すれ違い続けるいじらしさ、もどかしさ。もう、パチュリーも阿求も可愛すぎるったらない。
 初々しい二人の噛み合わなさは、何とも心の奥をくすぐられる。でも、大事なところが実はお互い見えていたりして。
 思わず頬がゆるんでしまう、純愛とはかくあるべき、という感じのお話。二人の抱く闇、それを内包してもなお、純愛っていいなって思わせてくれる話。

 それと、情景の描写、もっと大雑把にいって作品の雰囲気も好き。
 図書館の、静謐で、どこか長閑な雰囲気、あるいは外の暖かな日差し、草原。どのシーンを切り取っても「ああ、何か五月だ」って言ってしまうような空気

に満ちているように思う。
  

【個人的に好きなフレーズ】

 >ああ、なんてことだろう。
 >あの小さな阿求が、いま正にそんな重篤な症状に襲われているなんて。それなのに私に心配をかけないよう、あえてそれを黙っているなんて。
 >今すぐその症状を軽くしてやりたい。ファイロ・ヴァンスのあの素晴らしいペダンティズムを十全に楽しんでもらうために。阿求のそのあまりにも短い人生が、一分一秒に至るまで光り輝いたものであるために。

廻れ廻れ鈴蘭の子よ  梯子のぼり氏

【作品集】 そそわ116
【タイトル】廻れ廻れ鈴蘭の子よ
【書いた人】梯子のぼり氏
【URL】
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1277042925&log=116
【あらすじ】
厄を集めている中で厄が濃い場所を感じ取ったのでそこへ向かうと
鈴蘭畑でメディスンと出会う。
メディスンから厄が漏れていたと知った雛は興味を持ち
メディスンが人間を憎む原因となった自分を捨てた人間を探すことになった。
【感想】
お姉さんな雛と妹オーラを出しているメディスンがとても(・∀・)イイ!!
雛がメディスンをからかったりお菓子を全部食べられて慌てるおちゃめな一面や
メディスンが意外と野菜無双だったりとストーリーの割りに重々しくなく
普通に読み進められる。
ただひとつだけ残念なのが最後にあるメディスンと持ち主との描写ややりとりを
もっと詳しく書いて欲しかった。
そのせいで読み終えた後もにょってしまう。
画竜点睛を欠く惜しい作品だが総合的には読みやすく面白いと思う。

「これとか(茄子)」
「それ傘よ」

【五段階評価】
★★☆(2.5)(雛かメディスキーなら+1)

歴史の旅人  自由 氏

【作品集】116
【タイトル】歴史の旅人
【書いた人】自由 氏
【ポイント】7570
【レート】12.55
(2010/12/02時点)
【あらすじ】
 余命幾許との宣言を受けた阿求は、縁起執筆の際にお世話になった者への
挨拶回りをするために、幻想郷を回っていた。
 しかし、立ち寄る場所の一つである霧雨邸では他とは違う厳しい対応を受ける。
【感想】
 自由氏の長編らしい、自身の東方観を詰め込んだ読み応えのある長編である。
努力家という面を強調した直情的な魔理沙や、人知れず優しさを見せるアリス、
それに残った僅かな人生を完全燃焼させるように執筆をする阿求は心打たれる。
他にも、魔理沙の過去、アリスの過去、阿求がこれまでの転生を振り返るシーンなど、
感情豊かなキャラが考え、悩み、そして自分を信じて一歩踏み出すシーンは心打たれる。
そして、物語の締めくくりとして読者に投げかけられた問いは、他のSSには無い深く考えさせられる物だった。
 この作品の評価は非常に迷ったのだが、下記のような厳しい評価とさせて頂きたい。
特に自分が引っ掛かったのが構成。冒頭で阿求の物語と称されているにもかかわらず、
前半のかなり早い時期から魔理沙・アリスに視点が移り、物語の軸が阿求から離れてしまっていた。
魔理沙の過去話、アリスの過去話、阿求の最期と歴代阿礼乙女の回想シーンはどれも素晴らしかったが、
完成度が高く主張が強いばかりに、物語の軸が一定の方向を向いていないという印象を受けた。
主点を1キャラに絞り、より深く掘り下げれば頭一つ飛び抜けた名作になっていたのではないかと思う、勿体ない作品だった。
【長さ】.   短□□□□■長 (160KB ボリューム満点の長編)
【構成】     ★★☆☆☆ (ストーリーの中心がズレてしまったのはかなりマイナス)
【描写】     ★★★★☆ (阿礼から阿求までを振り返るシーンは必見)
【総合評価】 ★★★☆☆ (光る所は眩いばかりに光っている。勿体ない)

男達の憂鬱  飛蝗氏

【作品集】116
【タイトル】男達の憂鬱 【書いた人】飛蝗氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net/sosowa/ssw_l/116/1277123441
【POINT】6600(2013/09/15時点) 【容量】31.9KB
【あらすじ&感想】
>「ナ、ナズーリンですか。寝坊してしまいました。このまま里へ説法しに行きますので後のことは頼みます!」
>そう、彼女は里で大事な説法があるのに寝過ごしてしまったようなのだ。

などのような、荒削りな箇所が文のあちこちにあるものの、軽く読んで笑う分には何も問題はない。そう、その程度で妖忌の鋼の精神が揺らぐことはないのだ。
女だらけの幻想郷において、霖之助・雲山・妖忌の羨ましくも悩ましい出来事を堪能できる。このハーレムなら許せる、かも?