作品集12

Last-modified: 2009-08-20 (木) 17:38:12
異幕『幽獅子乾紅記』 NVK-DAN氏

異幕『幽獅子乾紅記』 NVK-DAN氏
素直に言う。 懐かし面白い。
 
いやこれ、自サイトとこの板の冥界スレで先にUPされちゃってたもんだから
新鮮味にかけちゃってたんだけど、なんて言うんだろう、妖夢が弄られるとは
こう言うことだ!ってのを思い出したよ。
最近のゆゆ様は上がりすぎたカリスマのせいか、妖夢に対して甘くなりすぎた
キライがあっけど、永夜抄の公式プロローグストーリーで妖夢の事をボロクソ
に言ってた時の彼女ってこんな感じじゃなかったかな?と、思わせられる。
そう深い意味も目的も無く、ただ適当にほいと無茶を投げては妖夢を困らせる。
その傍若無人な要求に必死に応えようとして滑りまくる妖夢。 そこにさらに
追い討ちをかけに行ってこそ天衣無縫の亡霊でしょうw。
 
いやいじめりゃ良いってもんじゃ無いんだけど、そのあんまりな無理難題に対し、
それでもなぜか逆らえない感をにじませられる。 妖夢も何故だか心底嫌がって
いるように見させない。 これが肝だと思う。
 
普段のゆゆ様は何か目的を持って、何かを教えようとして妖夢に無茶を言うんじゃないんです。 
勝手に妖夢が、ああなるほどこれは修業なんだ!と勝手に解釈し、無駄に頑張る。 そして、
やっと言いつけを守って、妖夢が御心使い有難う御座いました!って言うと、ゆゆ様は別に
そんなつもり無かったんだけど?と言って軽く地獄に突き落とす。
 
かつて達磨は弟子に答えを聞かれると、『無!』と言って黙し、弟子が答えを言うと『まだまだ』
とあしらったという。
 
こんな禅問答を、コミカルにほのぼのと、かつどうしようもない虚しさをちょっぴり添えて演出する。
それが冥界クオリティ。 私だけはそう考えている。

東方雀鬼録 YDS氏

東方雀鬼録 YDS氏
 
まあね、ここだ邪道だって言われるかもしれないけどね。
でも、ゆゆVSレミィをあそこまで自然に書いた作品てのも無いんだ。
 
どうしてもその、最終決戦っぽいイメージが先行しちゃうしね。
 
だから、そのなんだ。 すげえおもしれえ。
あの二人があんな感じでガチする話、増えてくれないかなあ。
 
いや俺が麻雀ジャンキーなだけかも知れんが・・・。

「龍の見る夢」 人妖の類氏

作品集12 人妖の類氏 「龍の見る夢」

紅魔館の門番と言えば紅美鈴。それは世の理にも等しき当然の事象であった。
しかし、なにも生まれた瞬間からそうだったわけではない。当然、美鈴にもフリーの時代はあった。
彼女は湖の畔に棲む妖怪。日々なんとはなしに物見遊山を見て過ごし、稀に人里に訪れたりもしていた。
中秋の名月を楽しんでいたそんな夜、不意に割れ響く歌のような声を耳に、美鈴は振り返る。
振り返った先には、幼いが、しかし余りにも危険な存在。遊び相手になりなさい、と悪魔の囁きが耳を劈く。
二人のアヤカシは拳を交える。方や技を以って、方や力を以って。双方の戦いは熾烈を極めた。
やがて、夜明けを迎えるその直前、ついには死闘が決する。美鈴は、その戦いの先に何を見るのか―――
ここから感想。あらすじはほとんどさわりと言っても過言ではない。というか、100分の1も伝えられていないと思う。
これだけは本当に読んで欲しい。それだけ面白い、というか聖典。私の美鈴好きはここからはじまった。
まずはキャラクターが生きている。文章という字面から登場人物の動きが鮮明に脳裏に浮かび上がる。
そして発想。本当に「その発想は無かった」と言うほかに無い。それに至る構成力も素晴らしい。
文章もとても上手く、なかなかのボリュームにも関わらず、苦も無くスラスラと読ませる地力がある。
美鈴好きは言わずもがな、紅魔館好きにも是非読んで欲しい逸品。私的創想話大賞。持ち上げすぎか。

文章力 ★★★★★
面白力 ★★★★★
満足度 ★★★★★
美鈴度 ★★★★★

隠岐より稲羽へ 人妖の類氏

【作品集】12
【タイトル】隠岐より稲羽へ
【書いた人】人妖の類氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1110060774&log=12

【あらすじ】
『因幡より稲羽へ』(作品集11)の後編的内容の作品。
殺し愛ではなく酒飲み目的に永遠亭を訪れた慧音と妹紅。
しかし宴会に突入したてるもこを放っておいて、歴史書編纂を行う慧音と永琳に同席したてゐは渋々語り始める。
てゐがまだ因幡てゐではなかった頃。人妖の境すら曖昧だった頃。彼女はずっと一人だった。
後に『稲羽の素兎』と呼ばれる頃の、その話を。

【感想】
前編から打って変わって神話時代がメイン。
最近になってぶり返した『大てゐ』作品の元祖だけあって、ストーリーは基本的なところでまとまっていて良い。
永遠亭の由来とか、そこに住む大勢の兎たちのことなど、東方との繋げ方もしっくり馴染んでいて、読んでいる内にすんなり入ってくるのではないだろうか。
というか書き手としてはこの当時でこれだけの構成を作りきってしまうあたりに戦慄します。
ちなみに『大てゐ』とは書きましたが、最近のいくつかの作品ほど露骨な描写はありません。
しかし永琳に通われ妻呼ばわりされて焦るてゐだけでお腹いっぱいになる。
あとゆえとうい下さい。

【五段階評価】
文章★★★★☆
構成★★★★★
大てゐ★★★★★
総合★★★★★

マヨヒガ地獄変 ~スキマまっしぐら  冬扇 氏

【作品集】12
【ポイント】16310
【レート】11.07
※2009/08/18時点
【タイトル】マヨヒガ地獄変 ~スキマまっしぐら
【書いた人】冬扇 氏
【あらすじ】
 毎日橙にべったりの藍、あまりの溺愛ぶりを見かねた紫がパチュリーに治療を依頼する。
【感想】
 創想話の有名作品をある程度読んだ人なら、「冬扇氏」「パチュリー」「藍」で
もう内容がカオスの彼方にすっ飛んだギャグ作品ということが分かるだろう。
猫度のチェックから咲夜の乱入、藍と紫の仲直り作戦ともう止まらない。
なお、この頃から「喘息どうしたっ!」と思いたくなるような氏のはっちゃけパッチェさんは健在である。