作品集121

Last-modified: 2013-06-08 (土) 15:28:37
放したくないもの  紅雨 霽月氏

【作品集】121

【タイトル】放したくないもの
【書いた人】紅雨 霽月氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280134001&log=121
【あらすじ】
 こいしが風邪を引いたようです。
 それでも外出したがる妹をどうにかして寝かせないといけません。
 
【感想】
 妹を想う姉のパワーというのか、風邪を引いたせいでテンションがおかしくなったこいしを呆れながらも看病し続けるさとりが好い姉しており、
 さとりの一言一言に愛を感じました。
 対して、恋の熱だと言い張り逃げ出そうとするこいしがとてもカワイイ。
 全体的に優しさ溢れる作品で、姉妹愛を感じたい人におすすめ。

【五段階評価】
 ★★★☆☆(古明地姉妹が好きなら+1)

~個人的お気に入り本文抜粋~
 「……お姉ちゃんの顔しか見れないから、お姉ちゃんに恋しそう」
 「それは、好都合ね。そうしたら、私からは逃げないんでしょう?」

御代は何れ  粒状斑氏

【作品集】121

【タイトル】御代は何れ
【書いた人】粒状斑氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280242087&log=121
【あらすじ】
 地上に美味い団子を出す茶屋があるとこいしに誘われ、さとりとお空、お燐の4人は出掛けることにした。
 しかし途中、さとりは皆とはぐれてしまい、1人歩いていると目的の茶屋に先に辿り着いてしまう。
 お腹も空いていたので団子を注文し舌鼓をうっていたが、ふと違和感を感じる。
 この店の住人の、心の声が聞こえないのだ……。

【感想】
 暑い夏はやっぱり怖いもので身も心も冷やしてしまうのが一番。ということで遂に来ましたホラーもの。
 主役が人妖問わず恐れられているさとりだったのでどんな感じなのか気になって読んでみましたが、なるほど怖い。 
 前半の団子を食べている描写が上手く、読んでいて自分も団子を食べたいなぁという気分になっていたところに
 じわじわとやってくる恐怖。
 ネタバレになるからあまり書けないが最後まで楽しめると思います。
 この作者様はこういうのが得意なのかな? 他の作品も読んでみようと思います。
 
 その前に団子を買ってこよう。

【五段階評価】
 ★★★☆☆(団子と共にどうぞ…)

~個人的お気に入り本文抜粋~
 「あ、の。お、おだんごを……ください」

霊夢と文がお互いの大事なものを賭けちゃう話  手負い氏

【作品集】121

【タイトル】霊夢と文がお互いの大事なものを賭けちゃう話
【書いた人】手負い氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280236715&log=121
【あらすじ】
 博麗神社に文がやって来た。曰く、「一日泊めて欲しい」とのこと。
 霊夢はうまいこと嵌められて宿泊を許可してしまう。しかし、食事、洗濯、風呂焚きなどの面倒を見る気はない。
 文も自分は客だと言い張り仕事を押し付け合う。
 埒が明かないと悟った霊夢は一つの提案を持ち掛ける。
 それは、『じゃんけん』だった。
 
 だがその勝負が思わぬ方向へと進んで行って――― 

【感想】
 安心と信頼の手負いクオリティー。
 じゃんけんに余裕の霊夢と、なんとか見返してやろうとする文の掛け合いと展開に
 ニヤニヤさせられっぱなしです。
 ある仮説に気付いた霊夢がそれを認めたくないと必死に否定するところは堪りません。
 ああ、どうしてこうもあやれいむは私の心を掴んで離さないのか。あやれいむにハズレ無し! 
 
【五段階評価】
 ★★★★☆(きっと最後は……)

~個人的お気に入り本文抜粋~
 一泊10円。
 旅館博麗の宿泊費は驚きの安さが売りでございます。

まりあり  guradi氏
4.故に、アリスは関西弁を喋る QED

【作品集】121 
【タイトル】まりあり
【書いた人】guradi氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280678880&log=121
【あらすじ】
 1.大阪は魔界。
 2.したがって、魔界出身者は関西弁を喋る
 3.そして、アリス・マーガトロイドは魔界出身である
 4.故に、アリスは関西弁を喋る QED

というわけで、ある日、アリスが本性を表し、
「隠してるわけちゃうけど、こっちにいるからにはこっちの言葉で喋るべきやと思って。だって、郷に入っては郷に従えって言うやん。幻想郷だけに」
などと標準語を喋っていた理由を説明したり、
「幻想“郷”だけに」と上手いことを言った部分をしたり顔で二度言い直したり、
おやつにたこ焼き焼いて魔理沙に食わせたり、魔理沙の複雑な親子関係に対してお節介なおっちゃんばりに、いい仕事したりする話

【感想】
方言SSは流行るべきだと、前々からこっそり主張してきたような気がするが
それの呼び水となるべき作品
この作品を始めとして、この後に方言SSブームという一大ムーブメントが形成されることになる
なったらいいな

こういう原作設定を根底から変えてしまう二次創作は、どうしても違和感で楽しさが削がれてしまったりするが
ところが、この作品の場合は東方二次で醸造されてきた、『ありまり』という独自文化に、関西弁を喋るというシチュエーションを落とし込むことによって、
アリスが言葉使いの本性を表すこと自体を事件として扱い、二人の関係性を描く軸として、ストーリーの魅力に結びつけているのがポイント高い
結果として、色物的なギャグ作品というよりも、ちょっとした異シチュエーションだけどスタンダードな『ありまりもの』に落ち着いている

なのでタイトルに偽りはないのだが、あまりにまんま過ぎて目立たない
お勧めしたい立場な自分からは、惜しく感じてしまう
そんなわけでレビューしたくなったのですわけです

【五段階評価】
客観的には
★★★☆☆
スタンダードなありまり
言葉使いが変わるという以外に特に目新しい部分はない
しかし、基本的な文章力のバランスが良い作者さんなので、とりあえず読んでみればスルスル読んでいけるのに気づくと思う
ありまりといっても、いわゆる百合要素は皆無なので、誰にでもお勧め出来る

主観的には
★★★★☆
大阪弁アリスだけでご飯7.9421杯くらいいける
方言ものが流行ることを願ってやまない

関西弁を喋るアリスのことをかわいらしく感じればイインジャナイカナー。

【作品集】121
【作品】まりあり
【作者】guardi さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280678880&log=121

物語 16点
魔界は大阪であり、大阪出身であるアリスは関西弁を喋る。
なるほど理に適っている。

キャラクター 14点
関西弁を喋るアリスのことをかわいらしく感じればイインジャナイカナー。

ストーリー 12点
冷静に考えれば、関西弁を喋るアリスが、たこなし焼き(海がないので蛸がいない)を作るだけの話なのだが、
なんとなく望郷へと思いいたり、魔理沙も帰ってみれば的にイイハナシダナー。
しかし、さらに考えてみればもともとアリスを関西弁にしたことにまったく意味はなく、ただそのギャップを楽しむ作品だったような気もする。

構成 12点
アリスの関西弁で衝撃を与えて、一気に読ませるつくりなわけか。

表現 14点
なるほどこれがネイティブ関西弁なのかと思うものの、正直文章ではようわからへん。
ちょっと嘘が混じるほうがわかりやすい関西弁らしさがでるように思う。それっぽさは出ていた。

総点 66点
あとがきに『金髪の美少女が関西弁やったら、惚れてまうやろー』とあった。
普段のアリスとの乖離を別にすれば、あたたかみのあるキャラになっているように思った。
それ自体が一種のコメディ空間を形成していたが、どっちかというと人情話とのハーフという感じかな。

暁に巨神は吼える   西風 さん

【作品集】121
【作品】暁に巨神は吼える
【作者】西風 さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280588566&log=121

物語 15点
いわゆるロボット大戦もの。スーパーロボットとリアルロボットの派閥論争を描く話。
発想自体は珍しいタイプかも。

キャラクター 12点
どうもはりぼて感をところどころに感じる。
もちろん良いところもあって、例えば『にとり』などはそういうキャラクターであるとして捉えればそれなりに立体感がある仕上がり。
ただ没入するほど好きになれるかは微妙といったところ。その理由はストーリーにあるのかも。
地味に聖が踏み台。

ストーリー 13点
なんと言えばいいか、この作品はロボットものをやりたいという熱意自体はあるのだが、ベタにやりたいのかメタにやりたいのかが曖昧だと思う。
つまり、パロとしてコメディしたいのか、ガチにシリアスしたいのかがよくわからない作品なのだ。
そのため読者としては笑いながら読めばいいのか、感情移入すればいいのか定まらない。
ただロボットが好きでたまらんという人にとっては、ある程度プラスの補正が働くかもしれない。

構成 13点
最後の段落で冷めるかどうか。ある程度のショックを吸収する段落でもあるから微妙なところだ。
原作との乖離を埋め合わせる点では良いのかもしれないが……。
全体としてみたときにやはり上記のような『曖昧さ』を演出してしまっている気がする。

表現 15点
綺麗な文章で熱さを演出することができている。ロボットもの特有のアレ。叫びながら特攻するようなあの熱さ。

総点 73点
印象としては、いいんだけどなんだかどう対処すればいいのかよくわからん感情が呼び起こされる感じかな。
自分があまりロボットものに懐かしさとかを感じないためかもしれない。
文章やストーリーを構築する能力は高く、もっとベタに書いてればいいのにと少し残念に思った。

幻想郷キノコ・タケノコ論争  けーはち さん

【作品集】121
【作品】幻想郷キノコ・タケノコ論争
【作者】けーはち さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280591852&log=121

物語 12点
タイトルどおりの作品。紫が外の世界のお菓子をもってきて、それについて非情な紛争が巻き起こるという話。

キャラクター 13点
不毛な論争を不毛に重ねるだけなのだが、そこが東方らしくもある。

ストーリー 12点
不毛だ……。

構成 12点
あまり澱むことなく一気に読ませてくれる親切設計。どっちかというと掌編的な趣き。

表現 13点
難しい言葉で書き連ねずに浅く浅く刈り込むように書いている。
掌編向けとはいえる。
ただもっとくどくどねちねちと書けば、それはそれなりに味がでたのではないだろうか。

総点 62点
コメディとしての手堅さは感じた。
ただそれだけで終わっている。小さくまとまっている感じ。
オチもちょっと弱い。
でも悔しいけどコメントしちゃう。びくんびくん。

Celestial Summer  ビッグ・サミー 氏

【作品集】121
【タイトル】Celestial Summer
【書いた人】ビッグ・サミー 氏
【URL】
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280758332&log=121

【あらすじ】
季節な夏。
咲夜は汗疹をかいていた。
パウダーを塗っているところをレミリアと美鈴に見られ、勘違いした二人を追い、咲夜は西へ東へ紅魔館を行く。

【感想】
夏場における敵の一つ、汗疹を使い、咲夜の魅力、ぶっ飛んだレミリア、美鈴を上手に描いています。
軽妙な掛け合いも、物語を読み進められることに一役買っています。
18kbという、そこそこな長さとなっていますが、私はさらりと読めました。

【五段階評価】★★★★☆(言語センスにきらりと光るものがあります。これからに期待)

【印象に残ったセリフ抜粋】
 「いじっちゃダメ」

魔理沙の主食とかけまして  終焉刹那 さん

【作品集】121
【作品】魔理沙の主食とかけまして
【作者】終焉刹那 さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280598500&log=121

物語 13点
発想自体はおもしろい。いわゆる言葉遊びの類。

キャラクター 11点
言葉遊びがメインなのでキャラクターを人として書いているわけではないと思われる。
どこかで見たような二次設定がてんこもりでこれも評価が分かれるところだろう。

ストーリー 10点
なまじストーリーを付与したのがよくなかったのかもしれない。
この作品は言葉遊びをメインにしているからまだ良いが、変に続編を銘打ってるために前作を読む必要が生じている。
それで前作を読んでみたが、この前作は何が主眼かわからずにもっさりと進んでいく作品だった。
前作が壁になって、今作品が読まれないという悪循環がありそう。
そうでなくても続きものは読まれないというのに。

構成 10点
前作に比べればよくなっている。前作は視点がごちゃごちゃしていて余談が多すぎ、しかもカオス風味というグダグダな作品。
あえて言えば『かいてほしいところをかいてくれない』状態。かゆいところに手が届く作品になってほしかった。
それはともかく、今作品でも視点は定まってはいないものの主眼としての言葉遊びに着目すれば、その視点錯綜はさほど問題にならないことがわかる。
前作はまだストーリー展開をしようとしていたせいかその余計さが際立っていたが、今回は遊びなんだと割り切ることでよくなってる。
それでも平均からすればけっこう面倒くさい作り。どうせならお題ごとにぶつ切りで出したほうがマシかも。

表現 12点
会話文が多いのが悪いのではなくて、文脈を重視していないのが悪い。
勢いがあるのは良いが、どんな文脈でいわれているのかがわかりにくいせいかいまいち乗り切れない。
言葉遊びはたまにヒットがあるかな程度。

総点 56点
前作が要約できない話のせいか、今作を読むのに障害になっていた。
表現のシャープさは光るところがあるので、もっと構成と言葉を吐くタイミング(つまりはその言葉が不自然でない文脈)に気を配れば読みやすくなると思う。

酔うと怖い  へたれ向日葵 氏

【作品集】121
【タイトル】酔うと怖い
【書いた人】へたれ向日葵 氏
【URL】
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280832548&log=121

【あらすじ】
月のない夜。されど慧音は変身する。
妹紅は背筋も凍えるような体験をすることとなる……。

【感想】
仕事が早い。
方言自体に主題を置いているので、物語という物語はありません。
なので、少し物足りなさを感じるかもしれません。
けれど、標準語しかしゃべれない私は、方言に強い憧れを持っているので楽しめました。
訛ってる女性が好きな方には是非。

【五段階評価】★★★☆☆(慧音はこういうイメージ! というのが出来あがっている人は★-1)

幻想郷、月を喪う  青茄子 さん

【作品集】121
【作品】幻想郷、月を喪う
【作者】青茄子 さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280606509&log=121

物語 15点
かなりの力作。合計で約200k。ちょい薄めの文庫本並。
なんと言えばいいか俺の脳内幻想郷を開陳してやるぜ的な気概を感じる作品。
テーマを一言で表すのが難しいんで読んでもらうしかない。あらすじも書きにくい。

キャラクター 15点
いかにキャラクターに血を流させるかという意味では良い作品。

ストーリー 13点
中心のテーマを捉えさせないぼんやり感が不満。
正直なところ、てゐや鈴仙の内心などバッサリ省略してもよかったのではないか。
また紫が幻想郷を護りたいという条件はおそらく二次創作的に当然の前提として許容される。あえて書きこむ必要もないように感じるのだが、どうだろう。
もちろん説得力は増すのだが……。
翻って妹紅は紫と違い動機が必要なのだが、こっちは微妙に書きこみが足らず、ほいほいついていったらなんだか怪我しちゃいました的な感じに収まってしまっている。
ここで慧音を離してるのは物語的にはミスともいえるような気がする。
最後に妹紅を持ってくるとなるとやはり妹紅を中心に添えたほうがよかった。
うーん。つまり散漫なのか。

構成 12点
たとえば文庫本換算で考えると250ページ中150ページでようやく物語が動き出す感じ。
ここまでたどり着く時点では正直なところ見るべきところはなく、平凡な日常が丁寧に書きこまれているだけである。
おそらくアニメ的なんだと思った。作りがアニメ的。小説を書こうとするとき、それでは遅きに失する。
キャラクターは既に与えられている。それが二次創作の利点といえば利点なのだから、言ってしまえば上記の150ページのところから始めるようにしてもいいくらいだ。

表現 17点
感動したのは、これだけ長編なのに誤字がまったく無いこと。
奇跡に近い。ていうかすげぇや。
最後の段落も感動したし転の部分の書き方もいいし、バトルもまずまず巧い。
でもいかんせんあまり読んでも面白味のない日常も丁寧に書かれてあって、よくない面もでちゃってるんじゃないかと。

総点 72点
ちなみに俺設定やキャラ死亡、俺幻想郷とかは別に気にならなかった。
ただ群像にするほどの分量はないとみるべき。視点を定めてスリム化したほうが好みだった。

解釈  ゴッペ 氏

【作品集】121
【タイトル】解釈
【書いた人】ゴッペ 氏
【URL】
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280860980&log=121

【あらすじ】
慧音は変わらず教鞭を執る。
けれど、その穂先の向きは常に一定とは限らない。
慧音自身、勉強中の身なのかもしれない。

【感想】
ある和歌を題材に、その解釈を考察するSS。
悪くはないのですが、もう少しボリュームがほしかったところ。
裏を返せば、しっかりと組み立ててシーンを増やせば、良作になりえたということです。
残念だと感じたのは、期待の表われってことで、今日は辛口で締めてみます。

【五段階評価】★★☆☆☆(やや物足りない感じ。雰囲気はなかなかなので、これからに期待)

銀の少女と奇妙な帽子  安眠まくら さん

【作品集】121
【作品】銀の少女と奇妙な帽子
【作者】安眠まくら さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280612647&log=121

物語 10点
けねもこの出会いの一説。妹紅がスレてる。慧音が諭すと思いきや、殴り愛。
もしかしてコメディやりたかったのかとチラリと考えたが、
たぶん青春映画のノリで、殴りあった→なぜか晴れやかな笑顔。
というパターンをしたかったんじゃないかと思った。
つまりやっぱりシリアスなんだろう。

キャラクター 12点
内面を掘り下げるのは巧そうなんだが、ストーリーが薄いせいか、キャラクターもそれなり。

ストーリー 12点
アニメの一場面みたいな感じ? もう少し長ければ……。

構成 10点
短いんで構成とかあまり関係ない。

表現 12点
正直短いんで巧いのかどうかはよくわからなかった。日本語としておかしくはない。

総点 56点
話を展開させて欲しい。シリアスのなかに上記のようなコメディ的要素が混じっているのだが、その割には分量が足りずに、
なんだか妙な読後感となってしまっている。読書の感覚というのは曖昧で繊細なものだからもっと注意が必要なのかもしれないなぁと思った次第。

みなみつ!~水遊び編~  ナルスフ さん

【作品集】121
【作品】みなみつ!~水遊び編~
【作者】ナルスフ さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280620793&log=121

物語 14点
え、水星。珍しい。ていうか初か?
そして船長が変態である。

キャラクター 14点
すがすがしいまでの変態っぷりで、しかしながらあまり百合百合した生々しさを感じさせないコメディによるオブラート。

ストーリー 13点
まあ内容自体は特になく、ただ変態ムラサが書きたかっただけなのだろうが、それはそれで良いものだ。

構成 13点
書き逃げしてるところもあるように感じるが、スピーディな展開を演出できていて読みやすかった。

表現 14点
考えるな。感じろ。

総点 68点
印象としては結構いいんだけど良作にするにはもうあと一歩足りない感じか。コメディをするというのは槍で貫くようなものだ。
一気に躊躇なく、とことんまでやりつくす必要がある。もっとやってもよかったんじゃないか。
コントロールできるかできないかのギリギリまでやってみる。そんなあと一歩の勇気が欲しいところかも。
もちろんやりすぎるとアウトだろうが。

LEDのように……!!!  KASA氏

【作品集】121
【タイトル・作者】『LEDのように……!!!』 KASA氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280313302&log=121
【あらすじ】
「え……? 衣玖って……死んじゃうの?」
「え、ええ。それはいつかは……」
「そんなの嘘よ……」
「嘘と言われましても」
「だ、だって、天界の住人は不老不死なのに」
(本文より抜粋)

【感想・ここが面白い・私的評価】
衣玖に寿命があると知った天子がどうにかしようとするお話です。いわゆる寿命ネタですが、雰囲気はあまり重くありません。さらりと流しつつも、主張したいところはしっかり書いたという印象です。
寿命があると知ってから衣玖を離そうとしない天子が実に愛らしく描かれています。普段はわがままな子が一転して弱気になる様は、胸にぐっとくるものがありますね。
寿命ネタを扱う作品は数多くあり、そういったお話は大概人間の生き方をやたらと尊重しています。悪いことではないんですが、どこか一方的だなとも思っていました。そのため、この作品の妖怪の生き方についても言及しているところが好みでした。
題材が寿命についてだったので、先入観もありますが尺からして若干物足りなくも感じました。ごてごてとした飾りがない分、筋運びは問題なく、物語としても十分に楽しめましたので、欲を言えばという話なのですが。
★★★☆☆(未読の方は是非)

【こんな人におすすめ】
寿命ネタが読みたい人、
天子と衣玖の二人が見たい人、におすすめです。

氷噛  赤井葵氏

【作品集】121
【タイトル・作者】『氷噛』 赤井葵氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280357628&log=121
【あらすじ】
ことごとく、わたしは無視される。いや、知っている。無視しているんじゃない。こっちが気になって気になって仕方がないくせに、このさとりは口下手だからなにも言えずにいるんだ。そんな挑発もむなしく。思ったことが筒抜けであっても。彼女はわたしに話しかけようとはしなかった。なぜなら、彼女は、さとりは、それらがわたしの本心じゃないと、そう勝手に決めつけているからで、それはあながち間違いでもなければ、正解でもなかったりする。畢竟、よくわからないのだ。
(本文より抜粋)

【感想・ここが面白い・私的評価】
パルスィとその周囲を取り巻く妖怪たちを描いたお話です。傾向は恋愛。
一人でうじうじ悩んで悩んで悩み抜いて悶々として決めつけて、でも口に出さない年頃の少女のようなパルスィが、よく描かれています。まったく妖怪らしくないのですが、不思議と違和感はありません。付き合う周囲の妖怪たちとの掛け合いもまた同様。べたべたとしていない、ほどほどの距離感を演出するのがとても上手いと感じました。
大部分の文章が陰りのある雰囲気作りの役割を成しています。ところどころに挟んだとぼけたセリフもそれを壊さない程度に口直しの役目を果たしていて、飽きがきません。
物語性は薄く、キャラクターに引っ張られる形になっているのが少々残念。情緒的ではあるものの、感動を呼び起こせるものではありません。まあ、お話の方向性がそもそも内向きのノスタルジーですので感動させる必要はないか。
★★★★☆(読んでおきたい佳作です)

【こんな人におすすめ】
情緒的なお話が読みたい人、
不器用な恋愛が読みたい人、
地底妖怪とパルスィの交流を見たい人、におすすめです。

小町の話  アデリーペンギン氏

【作品集】121
【タイトル・作者】『小町の話』 アデリーペンギン氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280513500&log=121
【あらすじ】
十九の夏に小町は息を引き取った。
閻魔に生前に犯した罪を問われたが、小町には自分の罪がなんなのかわからなかった。

【感想・ここが面白い・私的評価】
小町の過去を描いたお話です。ジャンルは過去捏造もの。小町の死神になる経緯も交えています。
印象としては単純にいい話でした。グロ注意のタグから重苦しいまま終わるのかとも思いましたが、救われる形で終わります。短編的なまとまりはあるものの、ご都合主義だとも感じられるので少々物足りなさがありました。
過去のお話なので、既存の小町のキャラクターがほとんど感じられません。ですが、特に違和感はなく読める程度に抑えられています。
面白かったのは表現の仕方。読みやすく、かつ味わい深い。『また一粒、涙が流れたのか』、『親を愛する心が罪だと言うなら』などのくだりが好みです。
ほかに後書きも秀逸でした。さっくり読めるので未読の方は是非。
★★★☆☆(まずは読んでみることをおすすめします)

【こんな人におすすめ】
小町の過去が見たい人、
言葉の表現を楽しみたい人、におすすめです。

阿求の憂鬱  未羽氏

【作品集】121
【タイトル・作者】『阿求の憂鬱』 未羽氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280681823&log=121
【あらすじ】
稗田家の書庫が紙魚に荒らされる事件が起こった。
一週間に三度も続けて起こり、さらに荒らされた蔵書が里の隠蔽された歴史について書かれたものであったことから隠蔽工作を手掛ける勢力によるものだと阿求は考え、捨て置いていた。
しかし、実際は真実の歴史を開示しようとする勢力の工作であった。
すでに歴史の大半は盗まれてしまい、解決策もまるでない。あせった阿求がとった策とは……。

【感想・ここが面白い・私的評価】
阿求と紙魚妖怪の思想合戦の物語。ジャンルは日常ものでいいのでしょうか。あるいは考察ものと表した方がいいかもしれません。
幻想郷の日常で起こったちょっとした事件とそれに振り回される人々を描いたお話は数多くありますが、この作品には日常もの特有のほのぼのとした空気がまったくありません。妙に殺伐としていて、サスペンス的な味わいを感じることができるかもしれません。
テーマは知ることの是非。知らない方がいいこともあると考えて情報を管理するのは結局誰かの都合や自己満足でしかないものなのですかね。
構成について少し。お話の題材からしてもっと長く壮大なものに仕上げることもできたと思うのですが、この作品はそうはせずに尺の短いものになっています。ですが、短くなってしまったというよりは短くしたという印象です。なぜなら、事件をぶつ切りにして、顛末が理解できる必要最低限の部分だけを書いているからです。
物語の筋は通っていて、理解もできます。ですがそれだけです。肉付けが足らず、物足りなさを感じさせるものになってしまいました。一言で言うならまとめすぎです。展開についてもう少し遊んでもよかったように思います。
ほかにキャラクターが作者さんの思想に色濃く染められており、特に阿求が誰てめえ状態であることも気になりました。逆に作者さん独自の世界観を見事に表現できたとも言えますが。
ストーリーは面白いのですがお話のつくりが気になり、惜しいと思わせる作品でした。
★★★☆☆(まずは読んでみることをおすすめします)

【こんな人におすすめ】
過激な阿求が見たい人、
重めの幻想郷の事件が見たい人、におすすめです。

The Moon is a Harsh Mistress  鈴月氏

【作品集】121
【タイトル・作者】『The Moon is a Harsh Mistress』 鈴月氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280767184&log=121
【あらすじ】
外の世界の道具を目当てに無縁塚に向かった霖之助は、そこで拳銃を手に入れる。
しかし、そこにやってきた紫にこれを没収され、霖之助は彼女にその対価を求めることにした。
「そうね、対価を支払うのは当然の帰結。ならば道具屋さんは何が望みかしら?」
「それならば酒を貰えるかな」

【感想・ここが面白い・私的評価】
霖之助と紫が酒を飲み交わすお話です。傾向は恋愛。甘さ抑えめの仕上げとなっています。
落ち着きのある雰囲気と妖艶に描かれる八雲紫がいかにもな大人の男女間の空気を出しています。
難解な表現は雰囲気作りのためのものだということがよくわかります。しかし、尺こそ短いのでが、どうにも読みづらいという印象もありました。
言葉をこねくり回して表現で遊ぶのは作者からすれば楽しいものですが、過ぎると読者を置いていってしまいます。そのバランスに注意すればもっと味わい深いものになったのではないでしょうか。
作中に登場する『ムーンシャイン』は禁酒法時代の有名な密造酒の代名詞ですね。
そんな酒が相手では、翌日にはひどい目にあうのも当然というもの。なによりそれを霖之助のためと言って持ってきた紫がひどい。
女性をお酒に誘うことが恐ろしいことであると教えたかったのか、それとも埋もれた外界の道具をわざわざ掘り出す道具屋に対しての忠告の意味があったのか、とあれこれ想像できる余地があるのが個人的に好みでした。
★★☆☆☆(時間があればどうぞ)

【こんな人におすすめ】
紫が好きな人、
男女の機微を楽しみたい人、
報われない霖之助が見たいな人、におすすめです。

被告人レミリア・スカーレット  clo0001氏

【作品集】121

【タイトル】被告人レミリア・スカーレット
【書いた人】clo0001氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280964352&log=121
【あらすじ】
「これより開廷するわ。判決死刑」そんなひどいパチュリーの一言によって始まった裁判。
 当然の如く、容疑者扱いされているレミリアは反論をするが…
【感想】
いわゆるドタバタ紅魔館っていうのが似合う作品でした。
テンポが良くて出てくるキャラクターが活き活きとするような感じです。
短めな作品なのですらすら読めるものとなっています。
裁判の結果が気になった貴方、是非見に行ってみては?
最後の展開でああ、やっぱりなぁwと思ってしまいました。

【五段階評価】
★★★☆☆(レミリアが好きなら+1)

暑いわ。  馬小屋氏

【作品集】121

【タイトル】暑いわ。
【書いた人】馬小屋氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280814116&log=121
【あらすじ】
夏の日、博麗神社の一室では1つの部屋に1人の巫女と1人(?)の鬼が横にいた。
どちらとも暑さにだらけながらぐだぐだと喋っていたが…
【感想】
夏の1日、そんな感じが表れている作品だと思いました。
2人とも、することもないのかぐでーっとしている感じが個人的に良かったです。
何となく霊夢は萃香が気になってるのかなーと少しニヤニヤする場面もあったり。
【五段階評価】
★★★☆☆(萃香と霊夢の絡みが好きなら+1)

藤原エクスチェンジ  イムス氏

【作品集】121

【タイトル】藤原エクスチェンジ
【書いた人】イムス氏
【URL】
【あらすじ】
 迷いの竹林に迷い込んだ者を竹林の外へ、あるいは薬を求める者を永遠亭へと案内する竹林ナビゲーター。
 スカートではなく実用性抜群の黒のもんぺと白のブラウス、黒艶の流れる髪、白い肌、そして黒曜石のような瞳。
 人里の人気者である彼女の名は――――藤原輝夜。
 
【感想】
 輝夜と妹紅の設定交換という珍しい作品。
 最初は設定に慣れなくて『?』になる部分もあるが、読み進めると次第にこれもありだと思えるようになります。
 藤原輝夜なら確かに人里で人気がでるんだろうなと思ったり、月の姫の蓬莱山妹紅もこんな感じかなと思ってしまいました。
 2人の関係も勿論違い、甘く、それでいて切ない会話が心を打ちます。

 あと最後、これがやりたかったんじゃないのか作者様w
 

【五段階評価】
 ★★★★☆(斬新な話を読みたい方には特におススメ)

~個人的お気に入り本文抜粋~
 彼女は肩をすくめて振り返り、この暗がりでは見えないだろうという確信をして、微笑んだ。つもりだった。
 ちょうちんの灯りはバッチリ届いちゃっていて、微笑をバッチリ目撃してしまった男達はハートを鷲掴み。
 メロメロになった。
 というか、女教師上白沢慧音その人もハートを鷲掴みにされメロメロになっていた。

衣玖さんは酒に酔って暴れた事などただの一度もない   KASA さん

【作品集】121
【作品】衣玖さんは酒に酔って暴れた事などただの一度もない
【作者】KASA さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280644742&log=121

物語 13点
衣玖さんは酒に酔って暴れた事などただの一度もない(ということになっている)話
最初の怒涛の勢い。後半はしっとりという落差。いくてんと言っていい。

キャラクター 13点
芯にある信頼関係。
酒の魔力によるキャラ崩壊。
その落差。

ストーリー 13点
展開としてはわかりやすいが、前半の親父臭い衣玖さんはそれなりにおもしろいかも。
ネタバレすると慧音に無かったことにしてもらったのだが、天子が従順なところがよかったな。
話は短いが、落としどころは綺麗で、なんとなくイイハナシダッター的な。

構成 12点
前半と後半でガラリと雰囲気が変わる感じ。
オチをイイハナシダッターとするには必要な処置だったのだろう。

表現 14点
勢いがあってよいな。特に前半は……まあ好き好きはあるだろうが、おもしろい。
後半のしっとりした感じの書き方もうまい。

総点 65点
たぶん迂遠ながらもいくてんを表現しているところがよかった。

阿求の憂鬱  未羽 さん

【作品集】121
【作品】阿求の憂鬱
【作者】未羽 さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280681823&log=121

物語 14点
本が喰われた。紙魚が犯人である。紙魚は現実にいる小さな虫である。
だが設定としての紙魚は妖怪として定義されている。
つまり、そいつは……蟲の仕業だな。

キャラクター 7点
あっきゅんがとってもぶっきらぼう。
とりあえず妖怪に対する敬意をもっと出したほうが違和感少なくてよかったと思われる。
素の状態で愚民怖くて嫌いな阿求にどこまで耐え切れるかという話でもある。
もっとふんわりしていてお茶目なキャラだというのが個人的な印象なんで、陰があってもいいけど陰鬱にすぎるといった感じか。
丁寧語慧音はありうる描写だが、阿求との距離を考えると丁寧語じゃないほうがよかったかなぁ。

ストーリー 12点
おそらく紙魚は付喪神の一種として設定されているのだと思う。紙舞とはたぶん別(あれは空想か)。
ところで紙魚が本を喰らう理由は単純で、その本が読まれないからである。つまり禁書の類ということである。
なぜかというと民衆には秘しておくべき黒歴史なるものが存在するからである。
ここで筆者の考えは明らかになるが、要するに情報を公開して思想の自由市場に任せてしまおうという見解と、民衆は愚かなのである程度絞ったほうがよいという見解の対立が書きたかったのだとわかる。紙魚は読まれない本の恨みなのだろうから、当然前者の見解を仮託していると解釈した。
このことからわかるとおり阿求の立場は、アンチ民主主義的だということになってしまって、どうも収まりが悪い。要はヒール(悪役)になってるわけだ。
最後の段落で、歩み寄りを見せても、実際は紙魚を燃やしつくしたあとの行為なわけで取り繕ったようにしか見えない。
阿求好きにはつらい展開だったかも。

構成 10点
冒頭で事件があったのがわかるが、ぼんやりとしていてよくわからないのが困りもの。

表現 11点
変に難しくしようとしなくていいんじゃないか。
例えば、『或る』『不図』『四方山話』
壁になってる気がする。読まれない壁。まあキャラの口調のほうが壁だろうが。

総点 54点
書きたいことが明確でその点はよかったが、東方というジャンル、ひいては幻想郷に住む様々な愛らしいものたち、なかんずくあっきゅんのキャラが……。
すりあわせることができるならすりあわせたほうがよかったかなと。

甘味と笑顔  隙間傷 さん

【作品集】121
【作品】甘味と笑顔
【作者】隙間傷 さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280699001&log=121

物語 11点
う、うーん。オリキャラ男を登場させてほのかに恋物語を展開するという系統。
けっこう逆アドバンテージというか、はっきり言ってしまえばマイナスからスタートしている。
美鈴の淡い感情を綺麗に書いていてそこは好感。なんとなく少女コミックみたいなカラー。

キャラクター 12点
オリキャラ男の我を出さないことで、うまい具合に美鈴の魅力を書いている。

ストーリー 10点
内容は無いが、絵的なイメージが湧く作品ではある。
無色で、音のない世界。
あまりざわざわしていないところは良いと思う。

構成 12点
すとん。

表現 12点
生々しさを感じさせない少女コミックらしい線の薄さが良い点だろう。

総点 57点
印象としてはするりと読める作品ではあるものの、なにかしらヒットする部分が欲しかった。

涙を越えて  へたれ向日葵 さん

【作品集】121
【作品】涙を越えて
【作者】へたれ向日葵 さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280703223&log=121

物語 11点
フランが外にでれなくて、美鈴がフランの世話をしてすったもんだの末にハッピーエンドなお話。
なんといったらいいか。
ハッピーエンド症候群に罹患してないか。ハッピーエンドにするのはいいが、それにいたる必然がないとポカンとするばかりではないかなと。
はっきりいえば使い古されたネタなので、もう少し何かが欲しい。

キャラクター 12点
フランがかわいい女の子なのはよく伝わってくるし、美鈴がフランを大事に思っていることもわかるが……。
実際のところ、一歩も踏み出せずに終わっている美鈴。
抑圧の解消原因がなぜかフランが外に出れたせいであって、嵐が過ぎ去るのを待つがごとく何もしなかったという点は正直どうかと思った。
不作為で感動を引き起こすほど、前提的な何かをしたわけでもないし、いろいろと足りない。

ストーリー 12点
よくあるネタがよくあるまま終わってしまったというふうに読めた。
キャラのところでも述べたが、物語の最終目的―この場合はフランが外に出るという目的に対して、何をしたかそしてそれが達成されることとの因果が必要なんだと思う。
そうでなければ、物語自体が空転してしまう。物語とは意味であり、作者の意志である。
もっといえばどうなって欲しいかという願いである。
現実とは違い、そこには一定の思想的ベクトルが無ければ、ただの文字の羅列だ。もちろんそういう虚構的な話も世の中には存在するのだけれども……。
この作品に限っていえば、物語が物語として機能不全状態だったかなと思われる。

構成 11点
最後が尻切れトンボってことなのかしらん。

表現 12点
読点の打ち方が結構特殊だった。普通は呼吸するところに打つが、これも個性かしらん。
それはともかく、文章の内容的には丁寧な部分もあって、感情を書きこむことに一定程度成果があがっていた。

総点 58点
キャラの作為→目標達成
これが物語のごく単純なモデルだとする。
この作品でいえば、→の部分がいまいち不明瞭であり、そこを幽玄とみれるほどの情報もなく、単純に不完全な物語になってしまっていた。

昔々の、風見幽香が人間と妖怪に馴れ合わなくなった理由の話。  ぜくたん氏

【作品集】121
【タイトル】昔々の、風見幽香が人間と妖怪に馴れ合わなくなった理由の話。
【書いた人】ぜくたん氏
【URL】 ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280477243&log=121
【あらすじ】
昔々、自分のことも分からぬまま砂漠を歩き続ける妖怪がいた。
これは彼女が仲間と出会い、自分自身を理解し、生まれた原点を知る話だ。
【感想】
幽香とエリーがとても格好良い。
二人のファンには特にお勧め。
戦い方を知らなかった頃、幾多の攻撃を受けながらも屈しなかった風見幽香は
どこまでも「花の妖怪」なんだなと強く思った。
【五段階評価】
★★★☆☆(この作者のもう一つの昔話シリーズもお勧め)

罰ゲーム「霊夢さんへの思いのたけをぶちまける八雲紫」  パレット 氏

【作品集】121
【タイトル】罰ゲーム「霊夢さんへの思いのたけをぶちまける八雲紫」
【書いた人】パレット 氏
【ポイント】8440
【レート】13.54
(2010/08/30時点)
【あらすじ】
 それでは罰ゲームの時間です。八雲紫さん、前へ。
【感想】
 なにこのかわいい紫。なにこのかわいい霊夢。読んでいてニヤニヤが止まらなくなるウブなゆかりんが可愛い。
 本編読んで悶えて、後書きを読んでまた悶える作品。
【長さ】.   ★☆☆☆☆(10KB さくっと読める短編)
【総合評価】★★★☆☆(台詞に呑まれます。)

第2次性徴期大戦  過剰睡眠摂取症候群さん

【作品集】121
【作品】第2次性徴期大戦
【作者】過剰睡眠摂取症候群さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1280769562&log=121

物語 12点
四十時間寝ずにSSを書いたらどうなるのか。
その実験結果の結実。寝たほうがいいと思います。(切実)
それはともかく本作品、
なんといったらいいかフランちゃんがロリ巨乳(Bだが……体長を考えると)でレミリアが妹に追いつこうと必死になる話という感じ。
もう少し何かネタがあればなぁ。ちなみにあとがきで落とすタイプでもある。

キャラクター 13点
違和感ないしテンションが変だがギャグとしては問題ない。

ストーリー 12点
ネタがちょいと普遍性に書けるが、まあおっぱいネタはわりと普遍なので問題はないかも。

構成 11点
テンションだけで押し切った。

表現 10点
ここが問題点かな。なんと言ったらいいか一言でいえない違和感が全体的にあるというか。
日本語として変じゃないが、読みづかれるタイプの文章というか。
うまくギャグを流れるように配置できてないのが残念だった。

総点 58点
テンションの高さはあるんで、あとは文章力を高めていくと良いかもしれず。
おっぱいネタは悪くないんじゃないか。
ロリおっぱいとか、ロリにおっぱいがあわさって最強に見える……。