作品集125

Last-modified: 2011-10-18 (火) 18:50:35
(どってん、どてちて、どてちて、どんどん)  スポポ氏

【作品集】125
【タイトル】(どってん、どてちて、どてちて、どんどん)
【書いた人】スポポ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283531727&log=125
【あらすじ】
幻想郷は妖怪の山、伊吹萃香が語りだす。
語るは昔、昔のそのまた昔、
ある巫女様のお話を。

【感想】
後書きにもあるが、よくわからない話。
だが文章から出てくる雰囲気がとても気になった。
決してハッピーエンドとは言えないが、それでも読み返してしまう。
しかし酒飲んでこういうのが書ける作者がうらやましい。

【五段階評価】
★★★☆☆(地方の民話とか好きなら+1)

【おまけ・乗り継ぎ案内】
この作者での他のオススメ
雰囲気→「交流電燈」
ギャグ→「☆あきたこまちん○」

酒と煙草と男と女と部屋とYシャツと私と俺とお前と大五郎とおかみすちーの、昭和歌謡大全集  スポポ氏
おかみすちーの屋台は今日も繁盛。

【作品集】125

【タイトル】酒と煙草と男と女と部屋とYシャツと私と俺とお前と大五郎とおかみすちーの、昭和歌謡大全集
【書いた人】スポポ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283528839&log=125
【あらすじ】

「でも私、本当にそれでいいのかな。こんな小さな屋台しか残せなくても……それでも、いいのかな」(本文より)

 おかみすちーの屋台は今日も繁盛。懐かしの演歌をBGMに一緒に今日も朝まで飲み明かしましょう。
【感想】
 次々来ては帰っていく妖怪たちの愚痴や話におかみさんらしく受け答えるみすちーがとても魅力的に描かれています。
 個性的な妖怪たちが酔って意外な一面を見せるのもいいですね。晩酌と一緒に見たくなる作品です。いっそ土日なんだから昼から飲んじゃえよ!

【五段階評価】
 ★★★★☆(曲の脳内再生ができるなら+1)

酒は子供には似合いません。

(自己レビュー)

【作品集】125
【タイトル】酒と泪と男と女と部屋とYシャツと私と俺とお前と大五郎とおかみすちーの、昭和歌謡大全集
【書いた人】スポポ
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283528839&log=125

【あらすじ&所感】
闇世の中に燈る『うなぎ』の赤提灯と、夜風に揺れるあずき色の暖簾。
暖簾を潜って湿気と脂に燻されたカウンターに座れば、そこは世にも不思議な光景――
八ツ目鰻の開きが炭火に炙られている光景がある。

夜雀である女将――ミスティア・ローレライが一人で切り盛りする八ツ目鰻の屋台は、
リヤカーに屋根をつけただけといった見てくれの控えめな見た目とは裏腹に、
常に客が途絶えることが無いの人気振りを誇る、幻想郷の知る人ぞ知る名スポットなのだった。


酒は子供には似合いません。涙と共に飲んだのでなければ酒の本当の味はわからないものです。
ということで、苦労していそうな人々を慎重に選んで書いてみましたが、気が付いて見ると物凄い実力者ばかりですね。
きっと幻想郷の大人たちは酸いも甘いもそれなり以上に噛み分けて暮らしてきたんでしょう。

後書き……というかコメントでも書いてますが、自分なりに「昭和っぽさ」を研究して見ました。
基本的に、この作品では誰も何も救われてません。酒を飲みながら「まぁいいか」となってるだけです。
苦労も疲れも全部そのまんまにして誰もが猪突猛進してた、昭和とはこういう時代だったのだと思います。
藍様とか萃香とかかなりヤンチャしてますけど、そういう人こそ酒を飲むと魅力的に見えると思ったのです。

“ぱなそにっく”とおかみすちー、その微妙な、飲み屋の女将と親父みたいな関係もまぁよくできました。

この作品は基本的に吉幾三の「酒よ」とか、ピンキーズの「恋の季節」をyoutubeで聞きながらお読みください。

まず「ラジカセ」でなくて「ぱなそにっく」としたところにキラリとセンスが光る一品

スポポ氏の「酒と泪と男と女と部屋とYシャツと私と俺とお前と大五郎とおかみすちーの、昭和歌謡大全集」は酒が飲みたくなるSS
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283528839&log=125

まず「ラジカセ」でなくて「ぱなそにっく」としたところにキラリとセンスが光る一品
本当にみんなガーッと愚痴をぶちまけて、それで誰からも慰められもせず励まされもせず、淡々と帰ってゆく
登場する実力者たちの背中に乗るものを考えさせられる、よい雰囲気のSS

笑う優雅なフェアリーさん  ムラサキさん

【作品集】125
【タイトル】笑う優雅なフェアリーさん
【書いた人】ムラサキさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283570416&log=125
【あらすじ】
 ある夜、私は道端で倒れていた妖精を助けた。
 普通なら助けることなんてない。でも、彼女は特別な存在だった。
 とても強く、妖精のリーダーだった彼女は、私を暗闇の世界から連れ出してくれたのだから。

 ただ、人間たちにいたずらをする楽しい日々も、少しずつ変っていった。

 やがて彼女は、大きな決断をする。

【感想】
 すばらしい作品。読んでびっくり、すっきり爽快。
 読みきった後にはノスタルジックな感動と、切なさがあふれ出すこと間違いなし。
 短い分量だけど、そこにしっかりとしたものが詰め込まれていると思う。
 私は大好きだ。
  
【五段階評価】
 ★★★★★

2117年の上海アリス  電気羊/ライア氏
アリスです。百年後へ向けたタイムカプセルを埋めて家に帰ると、完全に自立した上海人形が話しかけてきました。

【作品集】125
【タイトル】2117年の上海アリス
【書いた人】電気羊/ライア氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283598087&log=125
【あらすじ】

「初めまして、マイマスター」
「は、初めまして……。えーと、ま、マスターって私のこと?」
「ええ。百年後の未来からやってきました、上海人形ですわ」(本文より)

 アリスです。百年後へ向けたタイムカプセルを埋めて家に帰ると、完全に自立した上海人形が話しかけてきました。
 しかも私がいなくなった未来からやってきたとか言ってるし。
【感想】
 未来から来た上海に振り回されるアリスと、ちょっとヤキモチな現在の上海が可愛すぎてやばい。
 創造主と被造物双方の愛情が感じられる心の温まる作品です。

【五段階評価】
 ★★★★☆(上海好きなら+1)

発想としては、時間旅行もの。つまりSF。

【作品集】125
【作品】2117年の上海アリス
【作者】電気羊さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283598087&log=125

物語 15点
発想としては、時間旅行もの。つまりSF。
上海人形が未来からやってきたという話。これは単独で見れば些細なアイディアに過ぎないが、うまい具合にメインテーマに繋げている

気がする。
それは時をどのように消費するかということだろう。今をどのように生きるかという話である。(たぶん)

キャラクター 16点
アリスのらしさ。未来上海人形の完成された人格。それと現代上海人形のいじらしさ。
どれをとっても瑕疵がなく巧くぴったりとはまっているイメージ。
個人的には現代上海が最高にかわいくて好みだった。

ストーリー 16点
ラストはリドルストーリーというか、解釈次第では幅があるような気がする。
つまり未来から過去方向への因果というのもあるかもしれないし、パラレル世界どうしの通信というふうにも見ることができる。
まあそれらは瑣末なことであって、実際は、おもしろきこともなき世をおもしろくの精神なのだろう。
幻想郷の少女たちは自前でおもしろさを生産できる。楽しく生きることができる能力がある。
これを現代風に言えば、ちょいと大人な作者さんが、10代の若者が20歳の私ってどうなってるんだろう不安だという問いかけをしているのに対して、
20歳もそんなに悪くはないし、君は君だよといってるようなそんな構図だと思った。
未来には不安がつきまとうものだが、案外大丈夫なのだというメッセージというか。
おそらくそういうメタ的な視点が、読後感に一種の安心感と爽快感を与えているのではないか。

構成 14点
不安感を煽って安心を与えるという構図は見事。実に心理的に見て理にかなってる。

表現 14点
これといってクセがなくて読みやすい。

総点 75点
印象としては、SF臭さをあまり感じないSFという感じ、どっちかというと青春小説というか冒険がないジュブナイルというか現代ファンタジー?なのかもしれない。
きっちりかたまっている作品であるし、およそ悪い点がない。逆に言えばトンガリ具合が足りないから、すーっと終わっていった印象もある。
もうちょっとストレスがほしいな。でもこれ以上物語としてのストレスアップしたら短編としては収まらないからこれでいいのかも。
あと、アリスにとっての魔理沙の立ち位置が絶妙で、影のように印象を薄くしてあるが無視できない存在感があるという感じで、ここらの書きかたはよかった。
仮にマリアリでベタベタしてたら湿っぽくなりすぎてダメだっただろうな。

わかりやすい天才だと思う

電気羊氏の「2117年の上海アリス」は傑作
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283598087&log=125

電気羊氏は割とフォローできないぐらい人としてアレなお方だが本当にSSだけはハズレがない実力者
特にこの作品なんか本当に面白くて、波瀾に富んでて、気持ちがよい作品なんだからマジ凄い
これだけ都会派でオシャレなアリス・マーガトロイドが書ける人は二人といまい。わかりやすい天才だと思う

RingRingRing  ulea氏

【作品集】125
【タイトル】RingRingRing
【書いた人】ulea氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283598618&log=125(猫編)
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283598821&log=125(小町編)
【あらすじ】
 強くなりたい。
 もっと、もっと、強くなりたい。
 あの人のために、強く!(猫編本文より)
 
 私は悪夢にのたうちまわっていた。
 そして、我が身をもって実感していた。
 当たり前の平穏というものは、案外取り返しのつかないものらしい。(小町編本文より)

 それは地獄がまだ一つだったころの、猫を拾った小町と、小町に拾われた猫の話。
 一つの物語を2視点で描いており、作者推奨のレイアウトでの2編合体verもリンクされている。
【感想】
 小町の猫に対する愛情は本物でした。猫の小町に対する愛情だって本物です。だからこそその二つが導いた
 結果にこんなにも胸が打たれるのでしょう。中盤とラスト数行での描写の交錯と対比が切なさに拍車をかけるので
 2つの小説を交互に追いかけるのが苦でなければ推奨レイアウトで一度は読んでみてほしい。
【五段階評価】
 ★★★★★(君は一つづつ順に読んでもいいし、推奨レイアウトから一気に読んでもいい。)

イドの底  超空気作家まるきゅー氏
こいしは人間の男が廃家の井戸の底に落ちているのを偶然見つける。どうやら誰も助けに来る気配はない。

【作品集】125
【タイトル】イドの底
【作者】超空気作家まるきゅー氏
【容量】32kb
【分類】奇想 こいし
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283627741&log=125
【あらすじ】
こいしは人間の男が廃家の井戸の底に落ちているのを偶然見つける。どうやら誰も助けに来る気配はない。
こいしは日記をつける夏休みの童子のような気分で、井戸の底での男の行動を観察することにした。
(本文あらすじより)
【感想】
認知哲学的な話かと思ったら前半部分だけで、全体としてはこいしちゃんマジ無意識。
人の普段見ない行動ってこいしでなくても、何の感情もなくじっと見つめてしまうことってあると思うんだ。
能力を活用して人の無意識の行動に心奪われるこいしの様子から
罪悪感とか善意とか抜け落ちてる状態も無意識と言えるのかも、と考えた。
男の心理を考えると胃が痛くなった。
【五段階評価】
★★★☆☆(ストーリーを求めたい人は-1)

人外の理であるとして、こいしの行動に嫌悪感を覚えるあなたにこそ是非、自身を省みていただきたい。

【作品集】125
【作品名】イドの底
【執筆者】超空気作家まるきゅー様
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283627741&log=125
【あらすじ】
 こいしは人間の男が廃家の井戸の底に落ちているのを偶然見つける。どうやら誰も助けに来る気配はない。
 こいしは日記をつける夏休みの童子のような気分で、井戸の底での男の行動を観察することにした。(本文あらすじより抜粋)

【感想】
 人外の理であるとして、こいしの行動に嫌悪感を覚えるあなたにこそ是非、自身を省みていただきたい。
 たとえばチリ北部の鉱山で起こった落盤事故のニュースを、あなたは一体どういった気持ちで見ているのでしょう。
 
 パラダイムシフトと言うことばがありますけれども、妖怪であるこいしにさえも訪れる頓悟の瞬間に、
 この作品から私たちが覚える感慨は、決して小さくないのではと思います。

 ところで私は何故かこの作品から、ジャン=ジャック・アノー監督の『子熊物語』や、宮沢賢治『なめとこ山の熊』を想起してしまいました。
 アノー監督は、映画『薔薇の名前』などで大変著名な方でいらっしゃいますが、
 『子熊物語』は、どこにでもいる普通の男が体験した生命の危機からの価値観の劇的変容、と言う主題を持つ知る人ぞ知る名作です。

ハロー、ハロー、マイフレンド  京丸ちはや氏
技術学校に所属するにとりは思い悩んでいた。

【作品集】125
【タイトル】ハロー、ハロー、マイフレンド
【作者】京丸ちはや氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283534872&log=125
【あらすじ】
技術学校に所属するにとりは思い悩んでいた。
他の生徒のように発明に対して情熱が持てない。
発明のアイデアを考えるのは好きだが、それを形にするために労力を割こうとする程のモチベーションが自分には無い。
なんとなく、で、技術学校に通っていた。
そんな折、にとりは先生から一週間の自由期間を言い渡される。
「一週間学校に来ても来なくても良い。そのかわり、自分が本当にやりたいと思えることを見つけてくること」
その言葉を背に、にとりは学校から離れ川沿いをひとり下って行って、

そして、楽しそうにくるくると回るひとりの少女に出会った。

【感想・ここが面白い・私的評価】
にとりと雛の友情の話であり、ふたりの成長の物語です。
厄の存在から他者に触れることのできない雛と、それを知ってなお歩み寄ろうとするにとり。
そのような構図はにと雛ものとしてはスタンダードと言えるかもしれません。
辛く言えば、ありがちとも言ってしまえるでしょう(あくまで自分から見て、ですが)。
しかし本作は、雛とにとりの両者が持つ優しさと、それを基幹として成長していくにとりの姿が、とにかく、とにかく素晴らしいのです。
自分は何をしたいのか。何になりたいのか。
そういった悩みは多くの方が若かりし頃に持っていたでしょう。良い大人になってしまった今でも持ち続けている方だって多いでしょう。
そんな、多くの方が持つ「将来への不安」を上手に掬い取ってそしてしっかりと物語として纏め上げられている点が
今作の一番の魅力なのではないかと僕は思いました。

……どうにも私情を挟み過ぎた評価をしている気がします。ごめんなさい。
こういう童心を思い返させてくれるお話は、個人的に大好きなのです。

もちろん、そんなモラトリアムの悩みめいた側面ばかりが当作品の旨味というわけではありません。
先述したように、自分はこのお話をスタンダードなにと雛ものだと考えています。
しかし、そのようなスタンダードなものを丁寧な文章で以ってして書き上げた今作はきっとそれだけで価値のあるものでしょう。
にと雛好きな方に勧めるのはもちろんなのですが、これまでににと雛ものを読んだことがないという方にも入門作として
強くお勧めしたいと思える作品でした。

★★★☆☆(にとり、もしくは雛が好きな方には★を一つプラスします)
客観的に評価するのなら★は3~4かと思います。
個人的には★4.5の名作であると評価しています。

人を思いやること、自分らしく生きることなど、普遍的なテーマを感じさせる作品。

【作品集】125
【タイトル】ハロー、ハロー、マイフレンド
【書いた人】京丸ちはや氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283534872&log=125
【あらすじ】
「……面倒だって思っちゃうんです。図を描いていくのは好きだけど、それを作ろうと思うと、急に興味がなくなっちゃう。
思いついたもののデザインを描くのは簡単だけど、形にするのって大変だから……きっと、そこまでしたいと思えるほど、あたしは発明が好きじゃないんです」

「厄って、不幸だけじゃないでしょ……悲しいとか辛いとか、さみしいとか……そういう気持ちだって、持ってて苦しいものじゃないか。
雛がそんな気持ちになったとき、誰が助けてあげられるの……?」
(本文より)

時間軸は数年前にさかのぼる、にとりと雛の過去の話。
技術学校に通いつつも、技術者になることに踏み切れず、将来に迷いを抱えているにとり。
ある日にとりは紫陽花の咲く川原で雛に出会う。彼女の不思議な雰囲気に触れ、仲良くなってみたいと思うが、雛にはどこか謎めいた部分があり……

【感想】
人を思いやること、自分らしく生きることなど、普遍的なテーマを感じさせる作品。
にとりと雛という、人気キャラではなくある意味コアなファンに好かれがちな人選だが、キャラクターの魅力は十分に描けている。

139氏の言うように、にとり&雛好きにも、そこまで好きじゃない人の入門作としてもよし。
また、百合ではないため、百合嫌いだが東方キャラは仲良しであってほしいという人にも受け付けると思う。もちろん百合好きにもいける作品。
・とにかく青春。
・技術学校の先生という名無しのオリキャラがいる。個性は無く(よくある女の先生っぽい)、中盤にはまったく出てこないが、冒頭などでやや喋る。オリキャラがいくつもセリフを言うのは嫌という人は注意。
・はっきりわかる萌え要素はないが、キャラのかわいい仕草あり。頭ぶつけるにとりが……回る雛が……泣く二人が、照れる二人が!
・心を打つセリフあり。
・雨が降り出すシーンは胸が締め付けられる。
・文章がきちんとしており丁寧。誤字脱字も見当たらない。ただし改行にばらつきあり、初投稿だけに不慣れ?読みにくさを覚えるほどではない。
・作者が意図しているのかいないのか、後書きの小ネタに気づいてニヤッとした。

将来に迷う少年少女、純粋な優しさや思いやりに触れたい青年諸君、青春の無邪気なさわやかさに立ち戻りたいおっさん、どの世代にもおすすめ。

【評価】
文章★★★★☆
突出しているわけではないが、気持ちよく読めるのは一番大切なこと。コメント欄を見ればわかるが、「文章が好み」「景色が目に浮かぶ」「変に凝ってなく丁寧」など好印象。動作・心情・情景すべてきちんと書いてありゴテゴテしてなく必要最低限でわかりやすい。ところどころに「おっ」と思わせる洒落た言い回しもある。

構成★★☆☆☆
起承転結で言うところの「承」がやや冗長?な気がするのと、出会って仲良くなるまでにたった二日は短いのではという相反する感覚が。ただしあくまでレビューしようとして気づいた程度。起承転結自体はそれなりにはっきりしており、盛り上がりも感動もある。

内容★★★★☆
しっかりしたテーマを設定しているのがよい。ただし、やはりにとり&雛ものとしては使い古された……もとい王道な、「雛の厄問題」ものではある。まあ、それと同時に、にとりの将来の模索というテーマもあるため、全体を通しての「ありがち感」はそれほどない。さわやかさや感動のほうが勝る。

総合★★★☆☆
(個人的には満点。ただし上記のいくつかの理由で人を選びそうな気もするのと、粗を探そうと意識すれば見つけられないでもない)

基本的な筆力があり、土台がしっかりしている作者だと思う。二次創作はまだ二作目らしいが、オリジナルものなどで小説を書いた経験はあったのでは?と思った。
13越えのレートは信頼していいデータ。無名の新人だからとスルーせずに、ぜひ読んでみてほしい。

魔法使いのマトリョシカ  紙木氏

【作品集】125
【タイトル】魔法使いのマトリョシカ
【作者】紙木氏
【容量】38kb
【分類】アリス 魔理沙 早苗 霊夢
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283669412&log=125
【あらすじ】
人里で、弟子志望を断るアリス。村娘は黒白の格好をしたかつての普通の魔法使いに雰囲気が似ていた。
譲った人形を抱きかかえて走り去る姿を見届けて、木の裏に声をかけると、木陰から魔理沙が姿を現した。
普段はしていない、かつての服装、かつての姿で。
【感想】
以下注意・ネタバレかもしれない。
霧雨ブルースプリング、博麗ハルシネイションの作者さんの、よくある寿命差ネタの真逆を行くシリーズ。
と勝手に思ってます。それの三作目。今回は魔法使いたちの話。
夏が終わっていくこの時期に読むにはぴったりだと思います。
自律人形を求める理由とその結果、寿命などの設定を上手く料理してると思いました。
一生かけて挑んで手に入れたものが実は間違ってて、でも歩んできた道に満足して後悔がないってどんだけリア充?
とパルパルしてしまった。
これも一つの祭りの終わり方。作中の季節が秋なのも、祭りの終わりを想起させ物悲しい余韻を漂わせるのに一役買ってる気がする。
このアリスと魔理沙は、似ているから近づいて、近づいたから似通ったんだと思います。
【五段階評価】★★★☆☆(詠唱組の近未来IFに興味あるなら+1)

じっくり煮込んだ熱々宝塔  pys氏

【作品集】125

【タイトル】じっくり煮込んだ熱々宝塔
【書いた人】pys氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283700627&log=125
【あらすじ】
「それに、なんだアレは! 最近供えられているあの奇天烈な物体は!」
「……えっと、蒟蒻とゆでたまごと、あとちくわを串に刺した料理で」
「なにかと聞いている!」(本文より)
 
 聖復活の為にボロ長屋で内職をしながら資金を稼ぐ星とナズーリン。ある日、毘沙門天からナズーリンに連絡が入って…

【感想】
 ボケボケ星ちゃんと苦労人ナズーリンのお話です。期待にそぐわぬボケを見せる星といちいちツッコむナズーリンのコンビはもはや夫

婦漫才レベル。
 うす味でも具材にたっぷりしみ込んだだし汁が絶品なので一度ご賞味あれ。
 
【五段階評価】
 ★★★☆☆(星ナズ漫才が好きなら+1)

こちら妖怪山山麓香霖堂射的所  SPII氏
輝夜のバカはどこだ。

【作品集】125
【作者名】SPII氏
【作品名】こちら妖怪山山麓香霖堂射的所
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283433924&log=125
【あらすじ】
 輝夜のバカはどこだ。開口一番、どこか物騒な口調で屋台にカチ込んできた不死の少女、藤原妹紅。
 特に違和感のない普段通りの平和な情景ではあるが、その日はほんの少しだけ何かが違って見えた。
 周囲を取り巻く喧騒。それは人妖入り混じった多くの来訪者が織り成す華やいだ空気が作り出したものであった。
 その日、妖怪の山の麓では、大きなお祭りが催されていた。祭りは大変な盛況を呈し、
 人妖問わず、祭りと言う一種の儀式が齎す騒がしくも愉快な雰囲気を謳歌する。
 妹紅もそんな空気に中てられたのだろう、のっけから随分と血気に逸る様子であった。
 さて、そんな蓬莱人の襲来を被った屋台は果たして射的屋のようである。
 その名も「香霖堂射的所」。その名の通り、香霖堂の店主、森近霖之助が出店する射的屋であった。
 普段でこそ香霖堂に引き篭もっている印象の強い彼が、どうしたことか祭りに赴き出店まで催す次第。
 さて、どうした意図か。すると、同じくそれを訝しく思っているであろう魔法使いが、大手を振ってやってくるのであった。
【感想】
 ここから感想。素直に読みやすいというのが第一印象。霖之助の一人称と言うのもあって、
 対面するキャラクターと会話をするようなイメージですらすらと読み進められる。
 一行一行が短く区切ってあるためか、目が疲れなかった。ここは個人の好みの問題か。
 主観が霖之助であるためか、登場する他のキャラクターの心情が伺えなかった点が少し物足りなさを感じた。
 キャラクターの行動は充分にイメージできたのだが、そこから感情を読み取ることが難しかった。
 あとはその行動においてどんな表情をしているか、を詳らかに描いて欲しかったなぁ、と我侭一つ。
 表情から心情を推し量ることも出来るので。読みやすくはったけど、どこか淡々とし過ぎていた印象。
 淡白な霖之助の一人称だから、仕方がないと言えば仕方がないか。ある意味味が出てる?
 和気藹々とした雰囲気に、夏の終わりには相応しい題材、今年の夏を思い起こしながら読むのも一興。
 そして紅魔館勢は商売の仕方を判っている。すんません、私にも一つ。え、並べ? ……はい。
 ちなみに、私の地域では回転饅頭や蜂来饅頭と言うでな。何のことかは判りませんが。

文章力  ★★★☆☆(充分なレベル。特筆すべき点はないが、素直に読みやすい文章)
構成力  ★★★☆☆(良くも悪くも普通。癖がなく多くの人が読みやすい)
読み易さ ★★★★☆(とっつき難い部分がなく素直に読みやすいありがたさ)
お祭り度 ★★★☆☆(祭りを題材にしてはいるが、射的所を中心に物語が進むため視野が若干狭く感じた)
総合点  ★★★☆☆(読んで損はない。夏の一間を思い起こしながら、来年のこの日に思いを馳せよう)

終始、霖之助の一人称で話が進むため、まるで出店のおっちゃんの隣にいるみたいでした

【作品集】125
【タイトル】こちら妖怪山山麓香霖堂射的所
【書いた人】SPII氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283433924&log=125
【あらすじ】
今日は妖怪の山の麓でお祭り
そんな中、霖之助は宣伝のいい機会だ、と香霖堂を射的屋として出店する
【感想】
癖のない文章、あっさりとした描写で読みやすく、気がつけば祭りは終わっていた……
終始、霖之助の一人称で話が進むため、まるで出店のおっちゃんの隣にいるみたいでした
祭りの楽しみ方は人それぞれ、霖之助は自分なりに祭りを満喫していたようです
私はやっぱり友達同士でくだらないことで騒ぐのが好きかなぁ……皆さんはどう祭りを楽しみますか?

ただ、コメントにもある通り、霖之助以外の人物の心情の描写が乏しいです
あくまで霖之助の視点にいるので、案外それくらいでもいいかな、と私は感じました

この作品を一言で紹介するなら……
読むと、祭りの出店のおっちゃんになれる話
【五段階評価】
★★★☆☆
(あっさりと頂けるお話)

藤の淡海(前)、藤の淡海(後)  ハマ氏

【作品集】125
【タイトル】藤の淡海(前)、藤の淡海(後)
【書いた人】ハマ氏
【URL ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283536433&log=125 (前編)
   ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283536584&log=125 (後編)
【あらすじ】

飛鳥時代大宝元年(701年)の日本に君臨する政界の重鎮、藤原不比等。
次々と変死を遂げる、大伴御行、多治比嶋ら貴族たち。

その陰に輝夜姫という謎の不死者の存在が見え隠れしていた……

夏祭りを直前にしたと猛暑のある日。里で博麗神社主催の芝居が行われようとしていた。
その演目は、その登場人物は……

かつて存在を秘された娘。かつての不比等の部下である天才暗誦者の生まれ変わり。かつて不比等に帝王学を授けた神獣は現在の幻想郷で何を思うのか。

【感想】
・一言でいうと歴史小説風味。「竹取物語は虚構」という事実を打破しようとした意欲作。記録や説の引用がされています。
・不比等VS輝夜という構図をとっていますが、それもある芝居をモチーフにすることにより史実風にされています。
・藤原不比等=ロリコン親父という謎の評価も吹っ飛ぶ不比等のかっこ良さ。
・妹紅、慧音、阿求(阿礼)と不比等の関係も当然見所のひとつ。
・不比等の作った支配の枠組みが今の日本、幻想郷にも影響している、という解釈にはへ~と思ってしまいました。
・オリキャラはいませんが、東方キャラ以外が出ているので気になる方は注意。
・途中、構成や描写にやや迷走感。

【評価】
文章★★★☆☆ 
独特な言い回しがあります。前作やあとがきを見る限り、これが素というわけではないようです。
これをもっと効果的に使えばまさに本格的歴史モノになるのかも。人物・シーン描写も違和感がないように書いていますが、後半シーンの変化に伴い、リズムが変化して戸惑う人もいるかもしれません。長編だからかアラを感じるところが少々。スペースとか改行とか。

構成★★☆☆☆
長編と扱う題材ゆえか構成に苦労して一部迷走した感じがあります。濃い内容を考えると、いっそもっと長くてもいいかもしれません。
個人的見解ですが、一冊の本にして好き勝手書いて欲しいです(それこそマニアックになるでしょうが)

内容★★★☆☆
人を選ぶでしょうがマニアックな歴史ものに終わらず、エンターテイメントになっています。。
妹紅不比等五女説、藤原不比等=稗田阿礼説にも触れられ飽きません。歴史アレルギーでないなら楽しめると思います。ただ元ネタ等知っていた方が楽しめるのは確かです。妹紅スキー、輝夜スキーなら愛の力で読んで下さい。

総合★★★☆☆
竹取物語モノとしては個人的にはベスト。単なる公式設定と竹取物語のなぞりに終わらず、史実、芝居、作者のオリジナル要素とも統合して
、歴史小説風に書いているところに凄さを感じました(アラはあるし、そこまで硬い文章ではない)。西行と同様に、不比等の登場は創作でも多々見られます
が、不比等という”人間”を主人公に持ってきたところも新しいです。この作品のテーマにも関わってくるのでしょうが、人間と弾圧・退治される妖怪という
関係において、人間という立場から書いているのが生々しいです。(「ああ、結局自分も妖怪じゃなくて人間なんだよな、幻想郷の住人にはなれないんだな」
って感じてしまいました)

歴史、長編、と手を伸ばしにくいのは確かですが、これから竹取物語モノや妹紅の過去を書く人がいたら
考察サイトさんだけでなく、ぜひこれも読んでみるといいと思います。この作品をもっと早く発表して欲しかった。
本作品は良作という評価はもらいにくいかもしれませんが、新しい作品です。今後にも期待。
前作みたいにすっきり(?)した作品も良いと思います。

言葉はなくても  ぱるーさん

【作品集】125
【タイトル】言葉はなくても
【書いた人】ぱるーさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283770371&log=125
【あらすじ】
紅魔館の昼下がり、白い外周テラスで一人優雅に午後の紅茶を嗜んでいるレミリアに、
普段の「完全で瀟洒な従者」の名が泣くほど動揺した咲夜は言った。

「美鈴がちっちゃくなっちゃったんです!!」

【感想】

ちっちゃくなった美鈴をめぐる紅魔館勢のどたばたハートフルコメディといったところ。
そういった感じの話ではレミリアは酷い描写になりがちなのだけれど、
このお話のレミリアは固すぎずされどカリスマブレイクしすぎずの絶妙な感じの描写でグッド!
若干紅魔館の外で割を食ったキャラが居るのは残念ではあるものの、
許容の範囲内。
愛され美鈴、暴走咲夜、フランやパチェも魅力的な紅魔館を堪能してもらいたいです。

幻想郷でTRPG ~アリアンロッド~ 1  銀狐 夜々さん

【作品集】125
【タイトル】幻想郷でTRPG ~アリアンロッド~ 1
【書いた人】銀狐 夜々さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283781012&log=125
【あらすじ&感想】
八雲紫がGMになって、靈夢、魔理沙、早苗、藍とTRPGというゲームをする話。

TRPGというのは、それぞれがキャラクターを作ってそれを演じ、GMという進行役のもとサイコロなんかを使って遊ぶものらしい。
私はTRPGを知らなかったけど、この話は楽しめました。
物語の中の人物が、さらに物語の中のキャラを演じるという二重のロールプレイングが楽しそう。
第一話は、ゲーム世界と基本的なルールの説明、使用するキャラの作成まで。
靈夢や魔理沙が素人、早苗や藍が経験者というバランスも良い感じ。

とりあえずゲーム内の物語が始まらないと判断出来ないですが、面白くなりそうな予感があります。
私はTRPGを知らないので、間違って理解してたら訂正して下さい。

ダーリン、ダーリン、輝いて  スポポ さん

【作品集】125
【タイトル】ダーリン、ダーリン、輝いて   
【書いた人】スポポ さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283876773&log=125

【あらすじ】というか冒頭抜粋

霊夢が虫になるそうだ。

霊夢がこの夏の暑い盛りに虫になってしまう理由について魔理沙はよく知らない。
紫に聞いたら今年の夏は例年になく暑いからだという答えが返ってきたけれど、その答えに魔理沙は納得しなかったしこれからも納得しないだろう。
霊夢は虫になるのだ。きらきらと七色に光る虫になるそうだ。

「私は虫になるのよ」
「ならないでほしいぜ」

【感想】
あらすじを書く必要がない冒頭のスパークっぷり
そしてタイトルの的確さ
たまにこういう、クリーンヒットを目にすると痺れる

このお話の面白さを語るなら、テーマとそれを表現する方法論のマッチングに尽きる
変わるモノと変わらないモノを表現するために、どこまでも歪んだ世界を描き出す
しかし、読み手が感じるものは、ほんのわずかにも歪まない、歪むことのない、けして変わっていない霊夢と魔理沙の友情だ

【五段階評価】

主観的に
★★★★☆
クリーンヒットした

客観的に
★★★★☆
変わり種だけど、さくっと読みやすく、楽しめるSS

Ivoryline  豆腐 さん

【作品集】125
【タイトル】Ivoryline 
【書いた人】豆腐 さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283707839&log=125

【あらすじ】
パチュリーとアリス、そして魔理沙の、読書中のひとコマ

【感想】
つつましやかな作品。本当にたったひとコマ、という感じがするが、やはり評価を貰うにはもう少し短い。
さらに読みにくい。これは単純に紙媒体とネットの文章の読まれ方を工夫していないからだと思う。
せめて「」の前には改行するなどして、長時間PCの前でSSを読んでも読者を疲れさせないような工夫が必要。

内容も薄すぎるし、パチュマリなのかマリアリなのかいまひとつ踏み込めなかった感じがする。
ただキラリと光るのは文章力。静かな筆致は凄くよい。この筆致が生きるよう、人の心の機微をもっとネッチリ書くべきかと思う。

【五段階評価】
★☆☆☆☆
(まずはもっともっと分量を書いて評価数を増やすべき)

秘封ちゅっちゅ  もやし/バスター さん

【作品集】125
【タイトル】秘封ちゅっちゅ
【書いた人】もやし/バスター さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283869467&log=125

【あらすじ】
秘封倶楽部がちゅっちゅする話

【感想】
これも短い。やはり評価数を上げるにはそれなりの分量とオチが必要だと再認識。
特にストーリーというものも無いので、評価うんぬんの前に評価するためのポイントを作るべきかと思う。

ただ、初投稿にして「ちゅっちゅ」に目をつけた点は、個人的にはよいと思う。
なぜなら秘封倶楽部は固定ファンが多く、結構評価が貰いやすいネタなので、一定数の評価がもらえるからだ。
初投稿者はまず秘封倶楽部あたりでジャブを打ってみたらいかがか。そういう意味でこの作者様には今後を期待したい。

【五段階評価】
★☆☆☆☆
(個人的にとても期待している。『当代一の秘封書き』を自称したい私と切磋琢磨してゆきましょう)

東方千一夜~The Endless Night 第二章「西行妖と亡霊の姫君・中編」  ダイ氏

【作品集】125
【タイトル】東方千一夜~The Endless Night 第二章「西行妖と亡霊の姫君・中編」
【書いた人】ダイ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283702307&log=125
【あらすじ】
 輝夜とか妹紅とかが西行妖を話題にし、優曇華とかが頑張る話

~????????~(本文より)

 次々に人の命を死に誘う西行妖! これに立ち向かう輝夜とその仲間の運命やいかに!
【感想】
 前スレでも話題になった超人気作家の、長編小説。
 丸竹夷、0.9%生理食塩水、慢性化したヒ素中毒など、
 底辺作家では到底真似のできない幅広い知識を満遍なく散りばめてある。
 さすがは本作品集でもトップクラスの40もの総レス数を誇る作品。
 物語も中盤も過ぎ、これからの展開から色んな意味で目が離せない!
【五段階評価】
 自主規制

屋台の会話 十三夜目  楸 さん

【作品集】125
【タイトル】屋台の会話 十三夜目
【書いた人】楸 さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1284189196&log=125

【あらすじ】
夜雀であるミスティア・ローレライの屋台に、今回は幻想郷各勢力の主人たちが集まってくる

【感想】
おかみすちーの屋台シリーズ。同作者氏にとってはシリーズ13作目となる。
タイトルに偽りなし、ということで屋台での東方キャラたちのなんてことのない会話がメイン。

私は氏の作品を今回初めて読んだのだけれど、正直言うとあまり楽しめなかったと言わざるを得ない。
何よりキャラが多すぎるので、肝心の会話文が一体誰の発言なのか確認するのに苦労した。

加えてキャラたちが口にする話題が散漫すぎる。タイトルどおり雑談がメインというにしても、あまりにも散らかりすぎている印象。
そういうわけで肝心要の会話文もいまいち身の入ったものとして読めなかった。ここはぐっと我慢して、キャラを数人に絞った方がよかったと思う。

情景描写や心理描写が少なすぎるのもよくない。屋台という空間のイメージや情景の補完を読者に丸投げしているので
舞台設定が十分活かされていない上、屋台の主人としてのミスティアの魅力もいまいち伝わりにくい。

これは禁句かもしれないが、今作品集には『酒と煙草と男と女と部屋と~』という秀作があるだけに、どうしてもそちらの方と比較してしまった。
作中で古明地さとりが非常によい味を出しているだけに惜しい。次はもう少しストーリー性、構成を意識したら良くなると思う。

【五段階評価】
★★☆☆☆(酷評だとは思わないでくれ。もっともっと伸びる作家さんだ)

息抜きにメディスンで着せ替え遊び思いついたが途中でおかしくなった  テツ氏

【作品集】125
【作者名】テツ氏
【作品名】息抜きにメディスンで着せ替え遊び思いついたが途中でおかしくなった
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1284046034&log=125
【あらすじ】
 彼女は幼女が愛して已まなかった。幼女とは読んで字のごとく、幼い女の子のことである。
 彼女は本物であった。見てくれだけが幼ければ良いなどと言う愚かしい妥協には反吐が出た。
 そんなものは紛い物であると断じ、糾弾した。それが彼女の信条であり、正義であったから。
 愛らしさを振りまく小さな身体に、本能をくすぐる幼い精神が宿り、初めてそれは幼女と成る。
 そして、彼女の目の前には今、念願の、紛い物ではない、心身ともに未熟な、本物の幼女がそこに居た。
 満願成就の時が来た。さあ、今こそはじめよう。作戦名「メディに萌えているか」を!
【感想】
 ここから感想。誰か病院連れて来い。あ、ここが病院でしたね。もうだめねこのせんせい。
 某キャラの一人称で展開される話。非常に砕けた一人称で、地の文自体が科白のようでもある。
 硬さがない分、非常に読みやすいが、終始某キャラの主観なので、メディスンの様子以外が判りにくい印象。
 メディスンに目が釘付けになっている現われでもあると思えば、なるほどそう言う考えも……。
 脳内の妄想、胸中の独白、いずれもいい感じに暴走していて読んでいて何度かくすりと笑いが漏れた。
 話は一貫して、着替えて観察して妄想を爆発させるの繰り返し。尤も、この手の話は同じことを繰り返し、
 次第にエスカレートしていく様相を愉しむものなので、決して悪いことではない。
 ただ、惜しむらくは、最初のテンションが高すぎて、失速気味だったように思えた。
 良くも悪くも本当にタイトル通り。収拾がつかなくなる前に強制的に爆発させたようなオチ。
 あと、着替えの元ネタが全く判らなかったところも残念。知ってたらもっと愉しめたかも。
 そのあたりが、>>332が言ったように、判る人だけが愉しめばいいSSと言われる所以かもしれない。

文章力  ★★★☆☆(充分読ませるだけの力はある。ちょっと誤字があったけどご愛嬌)
構成力  ★★☆☆☆(もう少し勢いが欲しかった。壊れ系にしては少し低速気味だった気がする)
読み易さ ★★☆☆☆(ちょっと改行に難あり。あくまでそう感じただけで、個人差があると思われ)
メディ愛 ★★★★☆(うん、あなたがメディスンが大好きだってことは充分伝わったよ)
総合点  ★★★☆☆(★2と3の間くらいか。ギャグでもなんでもバッチコイ! って人は是非)

永劫回帰  夢月みぞれ氏

【作品集】125
【タイトル】永劫回帰
【書いた人】夢月みぞれ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1284047740&log=125

【あらすじ】
三十路を目前に控えた阿求。
彼女の寿命は残り僅か。
そんな彼女を取り巻く周りの仲間たちとのふれあいと、なぜか記憶が欠落してしまうという難病(?)にかかってしまった阿求のお話。

【感想】
まず読んで最初に思ったのが、記憶喪失って怖ろしい・・・ということ。
現代でいうところの認知症がテーマでしょうか?
全体の流れとしては、日常とその裏側の両方を使い分けていて長編ながらもサクサクと読めました。
求聞持の能力と言う部分との対比も、読んでいてなるほどと思わされました。
相変わらず氏の小説は元設定をうまく使っているなぁと思いましたが、やはりキャラのセリフ回しなどが若干かたいかなぁと。
文章はうまいですし構成力もあると思うのですが、もうちょっとキャラが前面に出てきてもいいのではないかと思います。
★はこれからの期待も込めて四つで。

★★★★☆(長いので、時間が有れば是非)

衣玖さんってば天然さん!!?  白々燈 氏

【作品集】そそわ125
【タイトル】衣玖さんってば天然さん!!?
【書いた人】白々燈 氏
【URL】
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283781116&log=125
【あらすじ】
衣玖さんが色々と酷い話。
【感想】
天然というよりもはやこの衣玖さんはアホの子なんじゃなかろうか。
無理がありすぎる聞き間違いに天子と一緒に突っ込んであげてください。
あとほんのり天衣玖。
【五段階評価】
★★★ 

「総領娘様、ケツ弾力は?」

言うなよ! 絶対に言うなよ!  まりまりさ 氏

【作品集】125 【タイトル】言うなよ! 絶対に言うなよ! 【書いた人】まりまりさ 氏
【長さ】■□□□□(22KB 気軽に読める長さ)
【あらすじ】
 世の中には死亡フラグという物が存在する。
「先に行け、奴は俺が食い止める」「戦争が終わったら俺、結婚するんだ……」
このような、その後の展開で高確率で死亡する台詞・展開の事を指す。
その事を知ったパチュリー。出来るだけ死亡フラグを立てまいと行動するのだが……
【感想】
 悪い結果を避けようとして、結果的にもっと事態を悪化させるという、
わりとよくあるタイプのギャグ。だけれどもしっかり笑わせてくれるのはそのテンポの良さからだろう。
個人的には、最初の「死亡フラグのさしすせそ」の部分で撃沈した。
 死亡フラグという既存のネタを上手く調理していたり、痙攣の音がおかしかったりと、
小ネタもよく詰め込まれたテンポの良い作品。長さ的にも内容的にも、肩の力を抜いて気軽に読める。
 実はこの作品、序盤のある部分でオチが読めるのだが、それは……おっとこんな夜中に誰か来たようだ。

【構成】     ★★★☆☆ (わりとよくあるパターン)
【文章】     ★★★★★ (でも十分笑えた)
【読み易さ】. ★★★★★ (勢いある文章でサクサク読める)
【総合評価】 ★★★★☆ (楽しく読めるギャグ。おすすめ)

一夏の想い出は繋いだ手の中に 一夏の幻想は紡いだ言の葉に  流星雨氏
蓮メリちゅっちゅが読みたいのならこれは合うと思う。

一夏の想い出は繋いだ手の中に 一夏の幻想は紡いだ言の葉に
作者:流星雨氏

ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283412522&log=125

秘封の二人が海へと小旅行に行く話。
これは良い秘封倶楽部。タグにホラーとあるが、あまりホラー要素は無い。むしろほのぼの?
蓮メリちゅっちゅが読みたいのならこれは合うと思う。

秘封倶楽部が不思議な旅館にお泊りするお話。

【一夏の想い出は繋いだ手の中に 一夏の幻想は紡いだ言の葉に】
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1283412522&log=125
【作者】流星雨氏
これは良い連メリ。秘封倶楽部が不思議な旅館にお泊りするお話。
まあ八雲さんちのお家なんだけど。何だかんだで妖怪っぽい事やってるのが見てて面白い。ゆかりん可愛い。
終わり方に少し物足りなさを感じるものの、続き物の予定だったそうなので仕方ない。問題は未だに続きが投下されていない事だ。