作品集127

Last-modified: 2014-07-29 (火) 07:25:08
とらぶる  深山咲氏

【作品集】127
【タイトル】とらぶる
【書いた人】深山咲氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1285232023&log=127
【あらすじ】
 私の正面。ぬえのワンピースに豊満な肢体を無理矢理詰めた聖が、

「ふむ」

 おもむろに、自分の胸を揉み出した。(本文より)

 聖の法力で半日だけ心と体を入れ替えた命蓮寺一同。入れ替わった体のまま読経会を開くことになったのだが……

【感想】
 深山氏の描く命蓮寺、特に星とナズーリンは心理描写が細やかで、すんなりと物語に入り込むことができます。
 些細な行き違いや長い付き合いだからこそ言いだせないことがあるのは人間も妖怪も同じ。相手の立場になって考えることの
 難しさと大切さがよくわかるお話でした。 

【五段階評価】
 ★★★★★(命蓮寺物はまだまだ他と比べて少ないので、これのようないい作品がもっと増えて欲しい)

般若湯ファンタスティカ  ツモ(ロディー×即奏) 氏

【作品集】127
【タイトル】般若湯ファンタスティカ
【書いた人】ツモ(ロディー×即奏) 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1285254322&log=127
【あらすじ】
 お酒おいしい!(本文より)

 飲まず食わずの魔界の封印から解かれ、待っていたのは連日連夜の宴会。そこですっかりお酒に目覚めてしまった聖は
 なんやかんやと言い訳しながら今日も隠れてお酒を飲んでいます。そんなある日、博麗神社の宴会に呼ばれた聖は……

【感想】
 飲み会が苦手だったりお酒自体が苦手な人はいるとは思いますが、このお話で語られるのはお酒の美味しさ素晴らしさ。
 読んでいるだけで思わず冷蔵庫のビールに手が伸びてしまうくらい魅力的に描かれています。主役の聖も立場上お酒に
 対して厳しくあるべきなのにお酒の魅力に呑まれているのが微笑ましいですね。梅酒を呑んで、外套一丁でほろ酔い状態の
 聖を妄想で来た俺に隙はなかった。

【五段階評価】
 ★★★★☆(酒呑みなら分かるこの気持ちにカンパイ)

自意識過剰  誤爆氏

【作品集】127
【タイトル】自意識過剰  
【書いた人】誤爆氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1285442794&log=127
【あらすじ】
 古明地さとりは恐怖していた。
 文字通りの恐怖である。今では部屋から一歩も出てこようとしない。(冒頭より)
【感想】
存在の根底を揺さぶられ、精神的に追い詰められるさとり。
そうなるようにしむけ、「自分以外の存在を認知しないことで
ぎりぎりの位置で精神を保っている」さとりを見て可愛いとのたまうこいし。
とてもよく出来たホラーに思えました。
妖怪は精神攻撃に弱いんだから、このまま取り返しがつかないことに発展する可能性もありますし。
錯乱寸前でうずくまっている相手を見て可愛いと思える人間にお勧めです。

神々の派閥戦争~(以下略  パレット 氏

【作品集】127
【タイトル】神々の派閥戦争~(以下略 
【書いた人】パレット 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1285580870&log=127
【あらすじ】
 今日も霊夢と魔理沙のお茶の時間を覗き見し、カップリング妄想をたくましくする紫。
 しかしそこに他のカップリングを押すレミリアと諏訪子が現れた。
 焦る紫は禁断の能力を開放するが…… 

【感想】
 創想話の感想欄やこのスレなんかでも良く見受けられるある種の不毛な諍いを戯画化した作品。ほとんどそれだけなのですが、読んで笑える時点で作者様の勝ちなのでしょう。
 今までの創想話に無かった表現のアイディア。その実におかしな発想を通じて、キャラクターと書き手・読み手をお互いがお互いを写すダブルパロディーに仕上がっています。
 でも正直パロディーとか皮肉とかのテーマ性を抜きに、三者の死闘は素晴らしい出来です。抱腹絶倒必至。

 妄想とユーモアの力ってすげえ。

【五段階評価】スカウターが壊れるほど(ただし正統派のストーリーSSを読みたい人には全く薦められない)

『ライン・ホルダー』  蛮天丸 氏

【作品集】127
【タイトル】『ライン・ホルダー』
【書いた人】蛮天丸 氏
【あらすじ】
「なあに、あなたは今から私に内臓も凍るような怪談でもするつもりなのかしら?」
「それよりもなおタチの悪い話かもしれないわね」

蓮子はあの夜のことを語る。今ではもうどこにもあるはずのない、亡霊のような電話ボックスを見た夜のことを。

【感想】
最初は蓮子とメリーのやりとりにどこか違和感のようなものを覚えたのですが、読み進めていくうちに納得。
どうやらこの作品の時間軸は秘封倶楽部を結成して間もない頃のようです。
「秘封倶楽部のつながり、絆」というテーマを「電話ボックス」を通して、少しのもの悲しさを織り交ぜつつとても綺麗に描いていたと思います。
また、連作ということで物語の中には伏線らしきものも随所に散りばめられています(話自体はちゃんと一つのものとして完結)。
それらが回収される過程等も含め、この作者様の描く秘封倶楽部のこれからがもの凄く楽しみです。

【五段階評価】

★★★★☆ (まだちょっとぎこちない秘封倶楽部を見たい方に)

ドジっ子たんGJ!  青茄子氏

【作品集】127
【タイトル】ドジっ子たんGJ!
【書いた人】青茄子氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1285697264&log=127
【あらすじ】
タグはマリアリとなってるが、主人公はアリスの人形。
話も人形の一人称視点で語られる。
ドジと勘違いを繰り返して空回る人形の可愛らしい奮闘が、あれよあれよと言う間にGJな結果に。

【感想】
各キャラクターの描写が非常に愛らしく、好感が持てる。
文章もテンポが良くて読みやすく、散りばめられたネタもなかなか秀逸で、最後まですっと読める。
ほのぼの7割、ギャグ3割といったところか。
惜しむらくは、タグを一見すると甘々の百合物に見える点。
一通り読んだ後にタグを見るとなるほど、とニヤニヤできるが、百合が嫌いな人は素通りしてしまう危険性がある。
また、逆に百合を期待して開くと肩透かしをくらうかも(微妙にほのめかした描写はあり)。
全体的にバランスよくまとまった良作だと思う。

【五段階評価】
★★★★☆(読後にGJ!と言いたくなることうけあい。ドジっ子好きは星5つ)

世の本に万歳  ハマ氏

【作品集】127
【タイトル】世の本に万歳
【書いた人】ハマ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1285850793&log=127

【あらすじ】
大陸での戦争に言論統制。陰鬱な空気を感じさせる昭和初期。

民俗学を学ぶ学生が、胡散臭い女妖怪と薄暗闇の中で出会う。
彼女と”幻想を記録に残すこと”について語った彼は……

【感想】
香霖堂発売日に合わせて投稿されたと思われる「祝・東方香霖堂発売」のタグがついた作品。
最後まで読み終えた時に、思わず声が出てしまうような流れができている。
隠れたテーマが幾つも含まれていそうで、考えさせられる。

【五段階評価】
★★★☆☆

前に読んだんだけど、青少年規制とか最近のニュースを思い出してもう一回読んでみた。
別に特別何かを押し付けるようなテーマがあるわけでもないし、長くて重い話でもない。
祝・東方香霖堂発売記念だけど(だからこそ)今読んでみると非常に面白い。カッケー

百年物のスカイ・ブルー  白木の水夫人形氏
もっともっと評価されるべき。

白木の水夫人形氏の「百年物のスカイ・ブルー」
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1285666779&log=127
後にも先にも創想話で泣いたのはこれだけだ。とりあえず読んでほしい。
ネタバレになるから詳しくは言えないけど、ラストの切なさと温かさが本当に好き。
もっともっと評価されるべき。

子傘かわいい。でもそれ以上にパルスィが愛おしい。

作品集127「百年物のスカイ・ブルー」白木の水夫人形氏
子傘かわいい。でもそれ以上にパルスィが愛おしい。
ジョークもシリアスも混じってて、広く評価されてもいいと思う。
パルスイがさとりに橋の管理を任されているっていう設定は面白かったよ。

勇儀姉さんが堂々と全裸で旧地獄街道をまっしぐら  i0-0i氏
勇儀姉さんのボケっぷりが素晴らしい

i0-0i氏の『勇儀姉さんが堂々と全裸で旧地獄街道をまっしぐら』が面白い
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1285234574&log=127

いや百合なんだけど勇儀姉さんのボケっぷりが素晴らしい
これだけサックリとよくまとめたものだと感心するほどテンポがよいので読みやすい上
最後はちゃんとニヤニヤできるという、まこと勇パル好きにはたまらん出来になっております

これこそが王道

【作品集】127
【タイトル】勇儀姉さんが堂々と全裸で旧地獄街道をまっしぐら 【書いた人】i0-0i
【分類タグ】馬鹿 星熊勇儀 パルスィ 百合 萃香 全裸なのにまったくエロくない
【URL】ttp://coolier.sytes.net/sosowa/ssw_l/127/1285234574
【POINT】12220 【容量】8.9KB
【あらすじ&感想】
告白し、ラブラブの日々が続いているとのろける勇儀に、一緒に銭湯で入浴している萃香が尋ねる。「それ、本当につきあってる?」
細かいことを考えない猪突猛進な勇儀と、反対に自分の感情に素直になれないパルスィの対比が良い。
ラストで弱気になる勇儀と、大切な人のために勇気を出すパルスィという逆転の変化の対比もまた良い。
恋人が愛を確かめ合うという定番のラブストーリーを、キャラクターを生かしながら展開し、さらに全裸でダッシュするという「らしい」変化球を混ぜる。
これこそが王道。

フランドール細粒オブラート包み  多色刷五線紙/給仕 氏

【作品集】127
【タイトル】フランドール細粒オブラート包み
【書いた人】多色刷五線紙/給仕 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1285412655&log=127
【あらすじ】
風邪をひいた咲夜と、咲夜を看病するフランドールの話。

【感想】
あらすじ以上の事は無く、使い古しのネタであることは否めない
しかし文章は質感が凝縮されて味があり、繊細で危険な感情を優しく描き出している
更にこの作品は絵師との合作によって挿絵が有り、非常に目新しい作品となっている
未読の方は一度開いて見ることをお勧めする

【五段階評価】
★★★★☆(文と絵がマッチしていて絵本のよう)

タグ避けと挿絵一発ネタ乙で当時は読んでいなかったんだが、読んで後悔した
食わず嫌いするもんじゃないな。一発ネタだとしても完成度が高ければ楽しめるし
理想は無いがこんな作品はもっと読みたい

三妖精の日々  生芋こんにゃく氏

【作品集】127
【タイトル】三妖精の日々
【書いた人】生芋こんにゃく氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1285598351&log=127
【あらすじ】
 いつものように魔法の森でキノコ狩りをする三月精。キノコづくしの夕食の後、また蛇を捕まえてキノコを栽培しようと相談する。
以前それで痛い目にあった3人だが、今回はサニーに秘策があるらしい。
【感想】
 原作漫画のエピソードの後日談のような形になっているが、知らなくても楽しめる。
三月精らしいほのぼのとしてどこか抜けたやり取りに安心感を覚える。
後半の展開が急すぎて、明らかにオチとして弱いのが物足りない。
が、よく考えたら原作もこんなノリだった気もする。ある意味、三月精らしいSS。

【五段階評価】
★★★☆☆
短いし、すぐ読める。ちょっとした合間にどうぞ。

再会  猫額氏

【作品集】127
【タイトル】再会  【書いた人】猫額氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net/sosowa/ssw_l/127/1285683335
【あらすじ&感想】
地霊殿を切なそうに見つめ続ける勇儀のお話。ほのぼのした流れで、きちんとオチをついている。
もっと思わせぶりにしたり、オチをさらにひっくり返したらどうだろうとも思ったが、くどくなってしまうか。
ともかくさっぱりと読めてのど越しさわやか。