作品集138

Last-modified: 2011-06-07 (火) 21:04:40
お伽噺を聞かせて  アン・シャーリー 氏

【作品集】138
【タイトル】お伽噺を聞かせて
【書いた人】アン・シャーリー 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1297392148&log=138
【あらすじ&感想】
輝夜と妹紅の殺し合いを眺める鈴仙。
その死体、零れた内蔵、折れた腕、抉り取られれて食われた目玉。
そんなモノを間近で見ていて、鈴仙は思う。
蓬莱の薬って何なんだろう。

ある種ドベタな蓬莱の薬もの。
不死の人間である永琳と輝夜の思いを描いた作品はとても多いけど、
この解釈は少し面白かった。
ただし、作者があとがきで述べているように、その描き方が若干弱いかな。
特に永琳サイドが。終盤で永琳が輝夜にやったことの理由を輝夜の台詞から
そこまで読み取れなかったために、どうもラストで腑に落ちた感がない。
ただ、全体的に漂う壊れた空気はとても好き。

【五段階評価】
★★★★☆(やっぱり本筋の部分が弱かった気がする。)

俺より小さい奴に会いに行く  梅凪 氏

【作品集】138
【タイトル】俺より小さい奴に会いに行く
【書いた人】梅凪 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1297394867&log=138
【あらすじ】プリズムリバーのソロ活動を企画中の三姉妹。成功するかどうか少しばかり不安なリリカは、酔った勢いでとある願掛けをする。
 それは「次にここにきたやつが、私より乳が小さければ成功する」というもの。しかしやってきたのはどいつもこいつも乳のでかい女ばかりで──。
【感想】さくっと読める短編ギャグ。お茶うけに一本といった感じ。
 後半のリリカが切羽詰ってて笑える。「酔った勢い」という感覚がよく表現されたss。

ナズーリン地底に行く  佐乃一 氏

【作品集】138
【タイトル】ナズーリン地底に行く
【書いた人】佐乃一 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1297487208&log=138
【あらすじ】
時代は地霊殿直後で星蓮船前、飛倉の破片を探していたころのナズーリンが主人公。
地底に飛倉の破片を探しに来ていたナズーリンは、何者かによって気絶させられ、
地底に連れ込まれてしまう。目が覚めるとキスメとヤマメに捕食されそうなうえに、
相棒のネズミがいないではないか!探しに行かねば!!

【感想】
157kbの大長編ということで腰の引けた人も多いだろうとは思う。
「ナズーリン地底に行く」というタイトルから想像されるとおり、
ヤマメ、キスメから順々に地霊殿まで、地霊キャラと絡みながら相棒ネズミを探す流れ。

地底のオリジナル設定も結構面白く作られており、怨霊の正体やネズミをさらった犯人など、
複数のストーリーが進行し、最後にきちんと纏まってくれるなど、
この大容量ながら飽きさせない工夫はされていると思う。
また、終盤の役割の話や最後に明かされる真相など、きっちりと読者に
「この大長編を途中リタイアせずに読んでよかった」と思わせる「おみやげ」があるのも嬉しかった。

ただ、少々「つかみ」が弱い感はある。
冒頭は気絶から目が覚めたナズーリンの状況確認から入るのだが、
その段階では何の話か分からない点と、ナズーリンの思考をなぞりすぎて
若干だれてしまった。

また、要所々々で小ネタが入る点や、全体的にナズーリン視点の3人称ながら
登場人物の全てを描写したがる癖のある地の文は好みが分かれるところだろうか。

【五段階評価】
★★★★☆(こういうネット小説らしいネット小説は大好物です。)

人妖の境に立ちて  Spheniscidae 氏

【作品集】138
【タイトル】人妖の境に立ちて
【書いた人】Spheniscidae 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1297772346&log=138
【あらすじ】
鍋島焼とは、肥前国有田・伊万里の中でも大川内山の藩窯で焼かれた諸大名への贈答品である。
廃藩置県により窯が閉じ一時途絶える。
民約訳解とは、自由民権運動の立役者、思想家として知られる
中江兆民により明治15年に出版された社会契約論の翻訳書である。
八雲紫は幻想郷にこの二品が流入したことを知り、
急激な時代の変化の前に幻想郷も飲み込まれようとしていることを知った。
彼女は妖怪の生存のために幻想郷を大結界で隔絶することを提案し、
幻想郷の有力者達は賛同した。紫はさらに友人でもあり実力者の幽香にも賛同を求める。
しかし妖怪である筈の彼女はこれに反対した。紫と戦うつもりなのかと思いきやそうではない。

「いいえ。私は反対なだけ。でも、何もしないわ。私はここで一日平和に暮らすただの妖怪ですもの」
「それじゃ、何故反対と言ったのよ?」
「貴女が視野狭窄に陥り過ぎていることを知らせる妖怪が一人くらいいてもよいでしょう?」

力はあれど何もしないと言う幽香を、そう影響を与えるものではないと紫は放置した。
彼女は人間の長や天狗と違って、単に一勢力である夢幻館の主であるだけなのだから……

――後日、天狗の新聞にはこうあった。『太陽の畑で反対派集会。決起か』と。

【感想】
作者の創想話では初となる200KB代、およそ250KBである。
タグにある通り明治の博麗大結界騒動の話で、紫と対峙する幽香を主軸に幻想郷における各勢
力の駆け引きを描いた物語。歴史物に強い作者が自らの持ち味を活かして描いただけに、随所
にその知識からの引用が散見される。しかしながら大筋は歴史をそれほど知らない筆者にも理
解でき、また概ね推察できる語句が多いので読む上では障害にならず、そうした単語が作品の
雰囲気を出してくれている。

これだけの長さとなると読者も気合いを入れて読む必要がある。冒頭からの流れに小舟で乗っ
て大河を目指すように、とりあえず中盤までは呼んでみよう。一息吐いた後にスクロールバー
を見れば、まだ道程が遠いことに驚くかもしれないがその頃には最後まで読みたいと感じ、読
み終えた時には、もっと読み続けたいと思っているだろう。

ただその読み続けたいというのが曲者で、その意味ではこの一作だけで完結しているというわ
けではない。読後感は決して悪くないし、この一作だけで話がまとまっていると言えばいるの
だが、その時に抱く感情を"物足りない"とするか"あっさりとした終わり"とするか……

大結界騒動を真正面から描いた一作として、絶対ではないにしろ是非読んでおきたいと思う作
品でした。あとゆかゆうか好きや文好きも読んで損は無いかもしれない。時代背景から旧作キ
ャラも活躍するので、そちらにも注目したい。

【五段階評価】
★★★★☆(2時間暇があれば読んでおきたい)

ご主人様のバレンタイン  アン・シャーリー氏

【作品集】138

【タイトル】ご主人様のバレンタイン
【書いた人】アン・シャーリー氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1297868801&log=138
【あらすじ&感想】
投稿後数時間はRate17というわけわからん数値を出した作品。見所はぎりぎりの下ネタとメタネタ。
コメントのほとんどもそれへのツッコミ。
寅丸星がナズーリンへのバレンタインチョコを作るために永琳の合宿に参加する。
先生の永琳や参加者の咲夜、天子、橙とのかけ合いが楽しいし、星の一人称での地の文もくすりとさせる。
作者の以前の作品とつながりがあるみたいだが、読んでなくても大丈夫。
難点としては永琳の薬ネタというもはや誰もやらなそうなネタがメインというところ。
だがまあ、Happyでいいんじゃないだろうか。
作者はこの作品集に四作品出していて、それぞれ違ったジャンル、雰囲気で書き分けているのがすごい。
興味を持ったら読んでみるのもよし。

【五段階評価】

★★★★☆(13kbだし、ちょっと読んで笑いたいときにはぴったり)

紅魔館の新人メイド  ブリッツェン氏

【作品集】138
【タイトル】紅魔館の新人メイド
【書いた人】ブリッツェン氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1297416274&log=138
【あらすじ&感想】
ものすごい勢い(一日一個とか)で書いている驚異の新人。その上平均ポイント3500(ugigi調べ)
作品のほとんどが紅魔館もので、きっと好きなんだろう。
こちらの作品はオリキャラの新人メイドを通して紅魔館の日常を描くもので、
咲夜も美鈴も他のメイドもおぜうもみんな親切でかわいい。コメントで多いのは
メイドたちの食事風景について。
ほのぼの好きなら絶対萌える、平和で柔らかい雰囲気が魅力。
どちらかというと子供の書き方をされることの多いレミリアが、実に良い当主をやっているのも新鮮。
紅魔館好き、ほのぼの好きなら大変におすすめ。

【五段階評価】

★★★★☆(オリキャラの新人メイドもちょっと変で良い)

Fate/scarlet night  カテキン氏
切り裂きジャックとレミリアが対決するお話

「Fate/scarlet night」■作者:カテキン氏
切り裂きジャックとレミリアが対決するお話
タグにもある通り、冒頭から凄まじい厨二病臭がするが、終盤のお嬢様がカリスマ過ぎるので必見
評価★★★☆☆

おじょうさまのすごいかりすま

【作品集】138
【タイトル】Fate/scarlet night
【書いた人】カテキン氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1297713158&log=138

【あらすじ&感想】
おじょうさまのすごいかりすま
しかもブレイクしない!
まぁ後半まで出てこないんだけどね
前半はょぅじょ咲夜さんがいろいろあって幻想入りするお話
そして後半いろいろあってお嬢様とょぅじょ咲夜さんが対決する
以下本文抜粋

「あぁ、そういえばまだ名前をいってなかったっけ。私の名前はレミ――」

「どうでもいい」

本当にどうでもいい
これから殺すものの名前など知るだけ無駄だ
魔女の予言だとか、ここに来た理由だとか、相手が誰だかなんてもう全部どうでもいい

私は切り裂きジャック

存在意義は、妖怪を殺すこと
羽織っていた外套を脱ぎ捨てて、銀のナイフを正面に構える
用件は一つ

「お前を殺しに来た」

――罪人は処刑人に刃を向けた

【五段階評価】
★★★★☆

スレで話題のシリアスで長編だがなかなかうまく書けてる気がする。
なんていうのかな。作者の頭の中の設定を書き出した感じ?っていうのかな。>>226でいうパターン1だなー。
自分はこういうかわったネタ大好きなので星四つで。
タグに中二病とあるが自分はそんなにそうとは感じなかった。自分だけ?
後、この作品なーんか変な行間の空け方してるんだよなー…。わざとかな?
携帯小説ぽいんだけどなんかしっくりくるっていうか…なんだろう…

幽香の了見  司馬漬け 氏

【作品集】138
【タイトル】幽香の了見
【書いた人】司馬漬け 氏
【あらすじ】
 地底で花市があるという噂を聞き、幽香はトランク片手に地底へとやってくる。
【感想】
 長めの中編。地底に滞在し、気ままに地底の花市を歩く幽香が美しい。
花市、食堂、屋台、旅館といった地底の風景が、淡々とした文章で細密に描かれている。
閉店した後の花市、普通の市、宿屋、食堂、屋台など、幽香が巡る場所の描写は、
しっかりと描かれていながら派手さは無く、生活感があるものだった。
 また、ネタバレとなるので誰が出るというのは伏せるけれど、
地底での作品でありながら、地上にいる人妖達もあちこちで活動している所が新鮮に感じた。
長期の旅行をした時の事を思い出す、旅先の雰囲気が十二分に出ている良作。
【文章】       ★★★★☆
【展開】       ★★★☆☆
【総合評価】   ★★★★☆ (氏らしい上質な作品。ただ上品すぎて展開の波が抑え気味な所もある。)

ユメボシ  紅也氏

紅也氏の「ユメボシ」を読んでみた
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1297879873&log=138

つい最近の作品であるにも拘らず一個もコメントついてないという低得点作品
決して言葉のセンスは悪くないと思う。散文体で書かれているのでそれが低得点の原因か
ただ、読者に「オッ」と思わせられるようなポイント、単語選びはやっぱりできていない印象
たとえば韻を踏むとか、体で感じる文章にするとか、そういう工夫が必要だった