作品集144

Last-modified: 2011-05-30 (月) 00:50:01
棒立ちカンフー、魔犬と踊る  二度手間氏

【作品集】144
【タイトル】棒立ちカンフー、魔犬と踊る
【書いた人】二度手間氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1304267296&log=144

【あらすじ】
紅魔館の門前に仁王立ちしダイコンを買いにいってくると告げる咲夜
そこから始まるわけのわからない行動に美鈴は困惑するのだが

【感想】
紅魔郷前の紅魔館が舞台と最近ではあまり見かけなくなったお話
序盤の咲夜の行動が色々とシュールなので、読み始めた時はシュールな咲夜と美鈴の漫才ものかなと思っていた
ただ読み始めてから謎だったタグの小町が登場したあたりから物語が動き始める
明らかになっていく事実によって序盤読んでて笑うだけだった咲夜のシュールな行動が全く違う意味をもっていき
物語全体の印象を一変させる過程に一気に引き込まれる感じで読めた
序盤に出てくるダイコン、おでんもなかなか重要なキーワードとなっており全体的に無駄のない構成になっていると思う

笑いをはさんですいすい読みやすいようになっているし、それでいて物語としてもしっかり味があるのでオススメ!

見えない妖怪の話  星崎遙一 氏

【作品集】144
【タイトル】見えない妖怪の話
【書いた人】星崎遙一 氏
【長さ】 ■■■□□ (63KB やや長め)
【あらすじ】
 霊夢がまだ博麗の巫女になっていなかった頃の事。
神社に通うようになった霊夢に突然声が掛けられる。けれどもその姿は何処にも無く……。
【感想】
 オリキャラが話のメイン、だけれども設定・口調・言動共に、突飛過ぎて周囲から浮いてしまっている。
いかにも僕の考えているオリジナルキャラ的な印象を受け、物語に入り込めなかった。
また、結局最後までオリキャラの立ち位置が不明というのも引っ掛かった所。
 そして、そこまで独自色の強いオリキャラを出しておきながら、事態の真相という物が結局はっきりしない。
この部分が個人的には一番のマイナス点。博麗霊夢誕生前夜という、
自分が考えたオリジナルの背景が生きる作品なのに、その背景の記述が薄い。
説明臭さとの調和は難しいけれども、この妖怪の正体とやりたかった事は
もっと濃く記述した方が良かったのではないかと思う。
 その一方、これだけオリジナル設定で失敗しやすい要素を揃えておきながら、
作品としてはちゃんと成立している。素直で純粋な霊夢は可愛いし、先代巫女も良い感じ。
風景や音の描写もしっかりしていて、中盤まではサクサク読む事が出来る。
文章の実力はかなりあると思った。以降の作品に自分は期待したい。
【文章】       ★★★☆☆ (水準やや上。実力は十分。霊夢と先代とのやり取りい和んだ。)
【構成】       ★★☆☆☆ (正直、★1と迷った。オリキャラの設定以上に風呂敷の畳み方に難がある。)
【読み易さ】     ★★★☆☆ (この構成でも★3程度に読める。かなり読みやすいと思った。)
【総合評価】   ★★☆☆☆ (これからに期待。この人の文章でもっと直球な作品が読みたいと思った。)

ダイスロールガールロール  爪影氏

【作品集】144
【タイトル】ダイスロールガールロール
【書いた人】爪影氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1304369636&log=144
【あらすじ】
 さすがに、天人相手は分が悪かった。
 弾幕勝負に負けてしまったアリスは、渋々と天子に従うことにした。人里での用事も買い物くらいであり、大事な予定などもない。大人しくしていれば、

程なくして解放されるだろうとアリスは踏んでいた。
 しかし、天子が入場しようとしていたのが、よもや賭博場だとは夢にも思わなかった。
              ――本文より

【感想】
突き詰めると天子ちゃんかっこいい!なお話になる。
今この時の楽しさを最優先する天子の涼やかさを堪能できる。
また、賭場やそこにいる者達の雰囲気も伝わってくる良作。さっくり読める長さなのも良い。

一転、アリスの立場に立って読むと、こういう剛毅で爽やかな人間の厄介さと言うのもよくわかる。
それでも付き合うアリスかわいいよアリス

ただ、改行の問題で少々読みにくいところも。台詞と地の文は1行開けたほうが読みやすいと思う。

【五段階評価】
★★★★☆

文「ロリコンじゃないですよ」  すねいく 氏

【作品集】144  【タイトル】文「ロリコンじゃないですよ」  【書いた人】すねいく 氏
【長さ】■□□□□ (14KB 短編)
【あらすじ】
 射命丸文は妖怪の山で無防備に寝ていた少女を攫う。
10歳くらいの幼い少女はさぞかし怖がるだろうと思ったら、軽くあしらわれ、弾幕ごっこすら負ける始末。
コテンパンにされた文が名前を聞くと、案の定その少女はとんでもない人で――
【感想】
 分かる人なら最初の数行で少女の正体が分かると思う。というか、このあらすじですら分かる気がする。
少女の正体に気付かずに振り回される文と、気付いた後に焦りまくる文が面白かった。
幼いがゆえに好き勝手に発言したり振る舞ったりする少女が良い感じに張りつめた空気を緩めていて、
緩急つけつつも、平和で穏やかな作品に仕上がっている。
【文章】       ★★★☆☆
【展開】       ★★★☆☆
【総合評価】   ★★★☆☆ (2人のやり取りが楽しい短編。この組み合わせが好きなら★4)