作品集150

Last-modified: 2013-04-10 (水) 04:08:50
親不知  arca 氏

【作品集】150
【タイトル】親不知
【書いた人】arca 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1310614693&log=150

【あらすじ】レミリアのグングニルが門に刺さった。そして咲夜が生まれた。
【感想】
arca 氏のいつもの文体(散文調でいいんでしょうか?)で語られる紅魔館の壊れギャグ。
登場キャラも起こる出来事も徹底的に壊れているのだが、独特の一歩退いた語り口が淡々としていて、余計にシュールさを感じる。
不条理系が好きな人にはお勧め。

芳香セミナール  くるる。氏

【作品集】150
【タイトル】芳香セミナール
【書いた人】くるる。氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1310656606&log=150

【あらすじ】彼女の名は宮古芳香という。彼女はこの墓場で番をしているキョンシーなのだ。
その芳香があまりにも動かなかったので、木と勘違いしたツチゼミ(セミの幼虫)が服をよじ登ってきたのだ。
【感想】
たまたま服に付いたセミの羽化を芳香が見守るという、微笑ましい話。設定が出揃ってないためか芳香の作品はまだ少ないが
この作品は少ない情報でも、らしさが出せてるように見える。
ただ、メインはセミの羽化。微笑ましい気分に浸りたい人にはいいかもしれません。

妖怪の賢者による巫女への問いかけ  Sui@夢想世界 氏

【作品集】150
【タイトル】妖怪の賢者による巫女への問いかけ
【書いた人】Sui@夢想世界 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1310810388&log=150

【あらすじ】
紫と霊夢が将棋して霊夢が負けたので罰ゲームで紫の質問に答えることに
「もし、貴女が『博麗の巫女でなかったら』もしくは『将来的に博麗の巫女でなくなったとしたら』……あなたは何をしているかしら?」

【感想】
最初に注意書きがありますが、前作を読んでなくても全く問題ありませんでした。
ゆかれいむ、百合とタグにありますが甘さはほとんど感じません。精神的な依存関係に近く感じました。
上記の紫の質問や、紫霊夢それぞれの相手を想う感情や、霊夢の過去話や、博麗の巫女の歴史や、いろいろと楽しそうなテーマに
興味深い解釈がなされていて面白いのですが、後書きで作者さん本人も書いているように少し詰め込みすぎです。25kbとは思えないボリュームです。
霊夢のバックボーンや博麗の巫女そのものに興味がある人は楽しめるかと思います。

思春期みたいなアリス可愛いよ  夕瀬 氏

【作品集】150
【タイトル】思春期みたいなアリス可愛いよ
【書いた人】夕瀬 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1310789642&log=150

【あらすじ】
雨が振ったのでアリスの家に咲夜が遊びに来た

【感想】
最初に注意書きがありますが、注意書きのとおり山もなければオチもなく咲夜さんとアリスがだらだらしてるだけです。
これもそんなに甘さは感じませんでした。
アリスの一人称ですが、妙に理屈っぽくて客観的で少し皮肉混じりな描写は一般的なアリス像からすると違和感があります。僕はこういうの好きですけど。
作中のアリスの台詞は一般的なアリス像に近い感じなので不思議な気分になります。
思春期みたいな=厨二病的ということでしょうか?変わったアリスが楽しみたい人向け。

擬態  yunta 氏

【作品集】150
【タイトル】擬態
【書いた人】yunta 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1310737429&log=150
【あらすじ】
平安京に産まれた身寄りの無い少女が妖怪ぬえになるまでの話

【感想】
飢饉や疫病で荒れていた時代の平安京が舞台、暗く重い雰囲気が特徴的。
妖怪という存在の概念が東方らしくて良いです。妖怪とは何なのか改めて考えさせられる良作。
最後に予想のつかないオチもあります。

再会の彼岸花  アンチョビ 氏

【作品集】150
【タイトル】再会の彼岸花
【書いた人】アンチョビ 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1310885344&log=150
【あらすじ】
映姫様が死んでしまったので小町が渡すことに

【感想】
三途の川を渡すまでの小町と映姫の会話を描いた話。
閻魔という仕事の因果が話の核になっていて、それを通じて映姫の人柄が表現されている。
別れの話なので悲しいのだけれど、映姫が割り切っているのもあって湿っぽくなく爽やかな読後感。

多々良小傘は天に微笑む  いぬじに氏

【作品集】作品集150
【タイトル】『多々良小傘は天に微笑む』  【書いた人】いぬじに氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1311001759&log=150
【あらすじ】
 紅魔館で、原因も分からず妖精メイドが減っていた。
 メイドたちのシフト調整のため、十六夜咲夜は寝不足とストレスに悩んでいた。
 そんな咲夜の下にまたいつものように、脳天気な驚かせ妖怪、多々良小傘が現れる。
 しばかれながらも、小傘は咲夜の悩んでいる姿に見て、いつも世話になっている恩返しをしたいと言う。
 咲夜は悩みながらも、小傘にメイドの手伝いをするようにお願いするのだったが……

【評価】
◎構成:良く練られた構成です。『キャラを類似させる】ということをよく利用した作品と言えるでしょう。
◎文章:軽くもなく固くもなく。ですが、ほのぼのではなく、やや暗めではあります。シリアスが好きな方はどうぞ。
◎物語:ただただ、メイド長と彼女が伝える館の人物たちと、心優しい傘妖怪の物語。それ以上の言は不要でしょう。
◎総合評価:シリアスの好きな方にお勧めです。前作を読んだほうがずっと楽しめるので、そちらのほうも是非、というか必須です。
 

【感想および考察的な何か】

構成、文章、物語、そのほか感想の4つの点から考察・レビューいたします。

 (本編のネタバレを激しく含みますのでご注意ください)

◎構成について
 まず、序文に、『十六夜咲夜は涙を拭うから(ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1307275485&log=147)繋がっているお話ですが、読んでなくてもいいです。』と書かれているが、これは半分正しくないと言える。
 確かに物語を読むこと自体、特に問題は生じないが、物語の意味をふかく考える場合、意味が十分にとれないからだ。
 このSSは、前作のSS『十六夜咲夜は涙を拭う』を必要不可欠な下敷きとして書いている作品だと感じた。

 物語の重要な要素としては、『咲夜の心象≒妹様の心象』という点が考えられる。
 これに、多々良小傘を中心軸にして、咲夜と妹様の行動の対比を描写し、咲夜の心理を深く追及するのがこの作品の主な目的であると、レビュー筆者は考えた。

 より具体的に図示すると、

 ①『咲夜の現状=常に無感動な日常』≒『妹様の現状=退屈でしかたのない日常』
 ②『咲夜にとっての小傘=日常に喜びをもたらしてくれる存在』≒『妹様の現状=退屈を紛らわせてくれた存在』
 ③『咲夜の小傘への欲望=現在は大切な友人、だが・・・?』 (≒ or ≠?) 『妹様の小傘への欲求=退屈を紛らわせてくれた存在=綺麗なもの=綺麗なものが壊れるときが最も綺麗』 
 ④『これからの咲夜の小傘への対応=???』(≒ or ≠)『妹様の小傘への対応=壊そうとした。壊したいという欲求』 

 という4つの構造があると考えられる。

 咲夜と妹様は複数の点で類似している。ちなみに、咲夜が妹様に似ているということは妹様の言葉にヒントがある。
 

 『「お前は私に一番似てると思ったんだけど。」』

 この部分である。
 さて、冒頭の第0章は、妹様の呟きと考えていいだろう。退屈を紛らわせるために、彼女は妖精メイドを壊して遊ぶ。ただし、それでさえ、退屈を紛らわせるものではない。『n人目は私を赦すか、否、きっと退屈だろう。』
 対する咲夜は花の世話をしている。しかし、それは咲夜に感動も愛着も与える物ではない。前作からわずかに心境の変化はあったものの、相変わらず無感動である。
 2人はこの無感動かつ退屈な日常に辟易している。ただ、咲夜と妹様には違いがあり、前者はこの日常を変えようとせず、後者はこの日常から脱しようと考えていたという点だ。
 咲夜は日々自分の仕事をこなすことだけを考えている。だが、妹様は妖精殺しをしながら、退屈を紛らわす方法はないかと模索しているのだ。
 その意味で、5つ目の構造として、

 ⑤『咲夜の日常への対応=不変』≠『妹様の日常への対応=変化』
 
 が挙げられるだろう。この⑤の構造が、このSSの味噌になると考える。この⑤の構造により、物語が進んでいく。

 さて、作者が書きたいのは、咲夜と小傘の関係性にあるのは間違いないだろう。特に③、④である。
 しかし、この③、④は、咲夜からの視点からは観測することができない。なぜなら、⑤という、咲夜は変化しないという縛りが存在するからである。
 咲夜は小傘を大切な友人として見ている。咲夜は決して小傘をそのポジションから外そうとはしない。咲夜が態度を変えない限り、咲夜の物語は進展しない。
 だが、咲夜の行動を直接観測する方法はなくても、予測する方法がある。
 
 彼女似の妹様が、小傘に対するアクションを観測すればいいのである。

 ⑤の関係性において、妹様は縛られていないのである。

 さらに、咲夜と妹様の類似点はまだある。

『「必要があるかどうかじゃなくて、したいかどうかじゃないのかしら?」
 彼女の一人が語りかけてくる。
 それは、そうかもしれないね。
 「素直になりなさい。」
 なれたらいいね。
 「あなたが望むものはすぐ近くにある。」
 そうだね。
 「手に入れなさい。」
 それは駄目。きっと私は――
 「手を伸ばせば捕まえられるわ。」
 あの子を壊してしまうもの。

 「壊してしまえばいい。あなたはあの子を壊したがっている。破壊したがっている。手に入れようなんて生易しいものじゃない。破壊して、全てを掌握したがってる。」
 「黙りなさい。」
 十六夜咲夜は水遣りを早々に終え、館の中へと戻っていった。日差しは日増しに強くなる。彼女はふと、帽子をつけようとしていた自分を思いだした。』

 この咲夜の独白部である。

 つまり、咲夜は妹様と同じく日常の変容を本当は望んでいる。小傘を捕まえることで、この日常を変えたいと考えているのである。
 だが、それは小傘を壊すこととイコールである。咲夜は自制して、自らの幸福のために小傘を壊すことを是としていない。

 しかし、それを、妹様はやってしまうのだ。

 『「綺麗なものが壊れるときが一番綺麗だって。」』

 
 つまり、ここにおいて、⑤の構造は、第6の構造に変化する。

 ⑥『咲夜の小傘への欲望=変容・破壊』≒『妹様への小傘への欲望=変容・破壊』

 妹様の行動を通じることで、咲夜の願望が導き出されてくると考えられるだろう。

 さて、これで物語は終わりではない。ここで観測できるのは、咲夜の深層の欲望だけではない。
 
 小傘の対応もまた見ることができるのだ。

 妹様に殺されかかった小傘は、その瞬間の妹様の笑顔を見る。  
 
 
『フランは笑っていた。心の底から笑っていた。小傘はそれを、とても綺麗だと思った。』
 

 これこそが、この物語の最重要部なのだと考える。

 小傘は自分を破壊しようとした相手を――綺麗なものが最も綺麗になる瞬間を見たい、と殺しにかかってくる相手を肯定したのだ。

 そして、第7の構造を挙げる。

 ⑦『小傘を壊そうとした妹様の姿』=『小傘が肯定するもの』=『小傘に対する欲望を抱える咲夜』

 この構造が成り立つものである。

 つまり、この物語の主題は、

 『未来で、咲夜が自分の欲望のために小傘を壊したとしても、小傘はそれを肯定するだろう』

 ということなのではないか。

 15章のタイトル、『15.It Makes No Difference』の通りである。

 
◎文章について
 文章としては読みやすい。軽くもなく重くもなく、の文章である。
 個人的には、「!」、「?」の一つ後にスペースを入れてほしかった。そのほうがもっと読みやすくなると思う。だが、あくまで個人的な好み。
 小傘も可愛く書かれている。しかし、あまり萌えられないのが難点か。第0章でキツい描写があるのと、文体がやや硬く、咲夜の心理描写がハードであるからだと推測される。 

◎物語について
 構造の章のところで、大部分レビューしてしまったが、少しだけ述べる。
 この物語は、純粋な『さくこが』のSSなのだと思う。決して、人生の教訓や一般論など述べず、あくまで、咲夜と小傘の心の交流あるいは非交流を書いている。
 物語のための物語であり、深い意味などない。
 だが、間違いなく、キャラクターの人生である。

◎そのほか感想など(レビュー作者が感じたことを無責任に述べます)

Ⅰ.なぜ、お嬢様は小傘を妹様担当にさせたか。

 恐らく、お嬢様は咲夜が小傘から変化を受けていることを知っていたのだろう。
 このSSのお嬢様はかなり察しがいい。妖精メイドが減っていることに気付いているし、おそらく、その犯人が妹様だということも気づいている(妖精メイドの減少がそろそろ終わることを見通していた)。
 お嬢様も妹様と同じく、咲夜が妹様に似ているということを感じていたのではないか。
 だから、咲夜を変えることのできた小傘なら、妹様を変えることができるのではないかと、考えたのではないだろうか。 

Ⅱ.「あいつが壊れちまってもいいか、私にはわからなくなったんだ。」の「あいつ」とは誰?

 第11章『11.We are All Prostitues』のお嬢様の台詞である。
 妹様が小傘を壊そうとする直前(このことを直接はお嬢様は知らない)、お嬢様はパチュリーのところに来て、相談をする。その相談の内容がこれである。

 まず、その前の部分も含めて抜き出してみる。

『「相談がある。」
 「相談?」
  怪訝そうな視線を受け止めながらレミリアは続けた。
 「メイド妖精の減少が止まっただろう。」
 「そうみたいね。あなたは賭けに勝ったのかしら。」
 「まだ途中さ。そして多分、私の負けだね。」
 「随分と弱気ね。」
 「根本的なところは何も解決していない。結局解決し得なかったのさ。またいずれ減ってくよ。」
 「あなたが手を貸せばすぐに終わることでしょう?」
 「それじゃ意味がないんだ……。あいつ自身がやらなくちゃな。」
 「じゃあ何を相談しにきたのよ。」

 「あいつが壊れちまってもいいか、私にはわからなくなったんだ」』

 お嬢様は『根本的なところは何も解決してない』と言っている。そして、『またいずれ減っていくよ』とも。この減っていくとは、もちろん、妖精メイドのことだろう(また、このことから、同時に、やがて小傘が妹様に壊されるだろうことも予期していると考えられる)。
 妖精メイドを減らしていたのは妹様である。つまり、妹様の問題は解決してないということだ。
 Ⅰで推論したことも含めると、お嬢様は妹様に、人を愛すること(綺麗なものを壊すことが一番綺麗だという考えを捨てること)を望んでいたのではないか。
 そして、それは『あいつ』が『やらなきゃいけない』=「自分で学ばなければならない」ことだとお嬢様は考えている。

 では、この『あいつ』とは誰か。

 この文章の流れとしては、まず、妹様が挙げられると思う。そして、同様に壊されかかっている小傘も考えられるだろう。
 
 そして、もう一人、妹様によく似る人物――妹様にとても似ていて、小傘を大切にしている人物――咲夜が挙げられる。小傘を殺されることで、咲夜が壊れてしまうことは想像に難くない。

 レビュー筆者はどれも正解じゃないかな、と考えている。どれも正解であり、SS作者がどうとってもいいようにしたのではないか、と想像する。

Ⅲ.隠しレミフラ要素?

 これはかなりレビュー筆者の妄想が入っている考えだが、一応記しておく。
 『咲夜≒妹様』の構造はすでに述べた。さて、この式はまた逆も成り立つということだ。
 つまり、『妹様≒咲夜』である。
 咲夜には小傘という大切な人物がいた。ならば、妹様にも同じように大切にしている人物がいるのではないか、という発想である。
 この物語の肝は、咲夜と妹様の間における小傘のポジションが非常に似通っていることにあるが、やはり、他人は他人であろう。妹様にも別に大事な人がいるのではないかと思うのである。
 当然、それは、お嬢様である。
 退屈な日常にあるなか、妹様が露骨に感情を表す相手――それほどに強い感情を抱いている相手である。

『「お姉さま。」
 フランは嫌味ったらしく、ねちっこく発音した。』

 一方のお嬢様は、このSS世界では妹様にいろいろ気をかけている。小傘の想像するように、姉妹仲は決して悪いわけではない(少なくとも一方からは)のだろう。

 じゃあ、妹様って実はツンデレじゃね? と思うと少しニヤニヤできるのでお得である。

優しい光のさす昼下がり  SWI 氏

【作品集】150
【タイトル】優しい光のさす昼下がり 【書いた人】SWI 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1310609280&log=150

【あらすじ】
やっぱり、似てるなぁ。

口調も、仕草も。
        (本文より抜粋)
愛くるしい少女の姿を短く描くほんのり甘いお話。

【感想】
タイトルのとおり、なんだかきらきら光るお話でした。
1Kb後半と、とても短いですが、その分手軽に読めます。

【五段階評価】
 ★★★☆☆ 短いながらも良くできています。波長が合う人にとっては、
 心温まる話……に、なるでしょう。
 パルパル。

夏の日  まりまりさ氏

【作品集】150
【タイトル】夏の日 【書いた人】まりまりさ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1310564758&log=150

【あらすじ】
抱かせろと迫るぬえ、貞操の危機にたじろぐ村紗。

【感想】
あまりにも暑いのでムラぬえを書くしかないと思いました。
                      (あとがきより)

その判断は正しい。だけれど、なんだか心が熱くなってしまったよ。

【五段階評価】
 ★★★☆☆ 暑い日に如何かな?冷え冷えなような、熱々なような、
 不思議な気分になれますよ。
 パルパル。

違った歯車は噛み合わない  虎氏

【作品集】150
【タイトル】違った歯車は噛み合わない 【書いた人】虎氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1310783913&log=150
【あらすじ】
二人の歯車は、噛み合わない。
決して噛み合うことなく、少し離れたところで回り続けている。
そんな関係が、いつまでも続くと思っていたんだけどなあ。
【感想】
シリアスに見せかけたレイマリ。
熱い。霊夢が押せ押せモード。

二人の微妙な関係を描いたお話です。
そして、それを思い切って壊してしまうお話でもある。
【五段階評価】
 ★★★☆☆ 好みの人には、きっと良いと思えるはずです。
 ちなみに私は無性に体が動かしたくなってモニターの前で飛び跳ねました。
 パルパル。

独りぼっち  黒猫氏

【作品集】150
【タイトル】独りぼっち 【書いた人】黒猫氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1310748630&log=150
【あらすじ】
「運命を操る程度の能力」?
違う。
「運命を観る程度の能力」?
そう。

見るだけ。見てるだけ。手は出せない。操ることは、できない。
見てるだけで、それで、見続けてきて。
もう、どう動けば良いのか、わからなくなった。
【感想】
とある曲を元にしたお話だそうですが、原曲を知らなくても楽しめます。
寿命ネタ。数多くありますし、同じようなものですが、やはりほろりとくるものがあります。
【五段階評価】
 ★★★☆☆ ただただ、ほろりと。
       パルパル。

さとパル・ランナウェイ  よっけ氏

【作品集】150
【タイトル】さとパル・ランナウェイ 【書いた人】よっけ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1310986788&log=150
【感想】
題名のとおりさとパル。
パルスィ一人称視点でお話が進んでいきます。
「場面設定は無く、書きたいところだけを書いた」とのことです。
今考えていることも、いつも抱いてる感情も、何もかもを見透かされてると思うと、嫌になる。
汚らわしい思いを見ないでほしい。
そう苦悩するパルスィが、「生きたキャラクター」に見えました。

ハッピーエンドは良いものですね。
【五段階評価】
 ★★★☆☆ 展開が速いような、そうでもないような。
       引っかかるところは無いので、すらすらと読めますよ。
       ぱるぱる。

Cannibalism  鬱陶目苦氏

【作品集】150
【タイトル】Cannibalism【書いた人】鬱陶目苦氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1310645205&log=150
【あらすじ】
カニバリズム。それは、人を食べることを指す。
幻想郷では日常茶飯事。でも、人里では…?
【感想】
表現に少し突っかかりをおぼえる。説明不足も感じた。
ルーミアが話の肝なのかな。
【五段階評価】
 ★★☆☆☆

とら○るめーかー星  へたれ向日葵氏

【作品集】150
【タイトル】とら○るめーかー星 【書いた人】へたれ向日葵氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1310902203&log=150
【あらすじ】
星には困った癖があります。それも、ひとつやふたつじゃありません…。
【感想】
ですます調で進む、ほのぼのとしたお話でした。
星ちゃん成長物語。唇の端が良い意味でひくつきっぱなしでした。
【五段階評価】
 ★★★☆☆ ほのぼの、ほんわか。何か大きな事件が起きるわけじゃないけど、
       それが良い。
       ……題名につっかかりをおぼえた私は負け組みだろうか。
       パルパル。

彼女の正体なんだろな?  みたらしいお団子氏

【作品集】150
【タイトル】彼女の正体なんだろな?  【書いた人】みたらしいお団子氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1311043441&log=150
【あらすじ】
明かされる美鈴の正体、暴かれる紅魔館の魔性。……もとい住人たちの魔性。
【感想】
大いに楽しめたお話。笑いっぱなしでした。ちめーりん可愛いよ。
しかしこんな紅魔館だと、この先大変そうだな。
【五段階評価】
 ★★★★☆ 読む人を選ぶかもしれないけれど、それを補って余りある面白さがあった。
       三千点以上行ってもいんじゃない?
       パルパル。

天狗は人々の日常を写す  雀蛾氏

【作品集】150
【タイトル】天狗は人々の日常を写す 【書いた人】雀蛾氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1310673783&log=150
【あらすじ】
暇を持て余しつつ空を行く文に声をかけたのは、魔理沙だった。
なにやら用があるようで…?
【感想】
お話の起伏が無い、いわゆるヤマなしオチなしなお話。
でも、私の性格上、そういうのは気にならないもので。
日常を描いた作品としては、良いものだったと思います。
魔理沙が気まぐれに言葉を変えるのも、私の好みにぴったりで。
ただ、起伏が無いのが気にかかる人、つまり、大多数の人にとっては
非常にもどかしい作品といえるでしょう。
【五段階評価】
 ★★☆☆☆  ただ、文章自体にさほど難は見られないので、見る人によっては星の数が
        増減します。

めーりん大好きなさくやの話し  名前が無い程度の能力氏

【作品集】150
【タイトル】めーりん大好きなさくやの話し 【書いた人】名前が無い程度の能力氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1310558331&log=150
【あらすじ】
美鈴大好きな咲夜さんは、チルノが美鈴の風船みたいな何かに触るのを見て、
思わず必殺技を使ってしまった。
【感想】
タイトル誤字。まあそれはいいとして。
完全で瀟洒に描かれることの多い咲夜さんですが、
この作品ではまるで子供のような感性を持って行動しています。
たまにはこういうのも悪くないかもしれませんね。
私的には中々笑えてしまうものでした。
【五段階評価】
 ★★★☆☆ 美鈴が出ているので星の底上げ。
       美鈴に感情が動かない人が読めば、星-1になるでしょう。
       パルパル。

もこたんを家に招いてみたら  桜井土星氏

【作品集】150
【タイトル】もこたんを家に招いてみたら 【書いた人】桜井土星氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1310645929&log=150
【あらすじ】
もこたんを家に招いてみたんだけど、ああ、どうしよう!何も考えて無かったわ!
【感想】
何これ。めちゃくちゃこそばゆいんですけど。
ニヤニヤの止まらない、初々しさが素敵なもこてるでした。
初々しさの中にも、何かがあるというのを感じられました。
【五段階評価】
 ★★★☆☆ 人を悶えさせるのってすごいね!自然にいちゃいちゃ…
          といわないくらいの描写をするのが凄い。
          ああ妬ましや。

気持ちいいけどくすぐったいの!  月空氏

【作品集】150
【タイトル】気持ちいいけどくすぐったいの! 【書いた人】月空氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1310816072&log=150
【あらすじ】
周期的に髪を梳きに来てた咲夜が、来なくなった。
【感想】
なんといいますか、フランドールの思考や喋り方がまた、今までに見たことの無いようなもので、
それがなんだか良かったです。
良い話でした。
【五段階評価】
 ★★★☆☆ 髪を弄られるのが嫌いなフランちゃん。それでも、その内に
          嫌じゃなくなっているのが、かわいい。
          パルパル。

有限夢幻/無間幽玄  I・B氏

【作品集】150
【タイトル】有限夢幻/無間幽玄 【書いた人】I・B氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1310985523&log=150
【あらすじ】
体の弱い少女がいた。少女は、外の世界に憧れていた。
少女は……外へ行くことを決意した。
【感想】
とても良かった。
まさかこの人の昔のお話とは思わなかった。
良い意味で裏切られました。
【五段階評価】
 ★★★★☆ タイトル避けをしているのなら、それは損だ。
          このお話は、悪いものではないですよ。
          むしろおすすめです。
          …でも妬むことは忘れない。パルパル。

クエスチョーン、クエスチョーン、君は食べ  ぶゃるゅーょ氏
冷めているルーミア、お茶目なゆかりん。

【作品集】150
【タイトル】クエスチョーン、クエスチョーン、君は食べ 【書いた人】ぶゃるゅーょ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1310897531&log=150
【あらすじ】
人は文明を得て、妖怪は衰退に追い込まれていた。
原初に近い妖怪であるルーミアは、自身の力が弱まっていくことに、すべてを諦めかけていた。

【感想】
また新しいタイプのお話。
冷めているルーミア、お茶目なゆかりん。
最初の場面転換が唐突に感じたかな。
それから、タイトルで損してるかも。
読んだ後なら、「ああ、なるほど」ってなるんだけど。
作中の人間の台詞、あれは土佐訛りかな?違うかな。どこかで聞いた訛りだった。
【五段階評価】
 ★★★★☆ ルーミアの在り方を書いた作品は、私、初めて読みました。
          その感動も手伝って、この評価です。
          淡々とお話が進んでいくのが素敵ですよ。
          パルパル。

幻想郷が始まる前の物語。

【作品集】150
【タイトル】クエスチョーン、クエスチョーン、君は食べ   【書いた人】ぶゃるゅーょ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net/sosowa/ssw_l/150/1310897531
【あらすじ】
 幻想郷が始まる前の物語。生命の始まりと共にあり、人類の台頭と共にその居場所を失いつづけてきた宵闇の妖怪、ルーミア。
 火の出現から明かりのない場所へ、ない場所へと追い立てられて、ついに彼女は東の果ての島国にたどりつく。
 その国にもやがて闇を照らすものが伝わり、いよいよ彼女が存在そのものに疲れ始めたその時、ルーミアは旧知の隙間妖怪に再会する。

【感想】
 ルーミアの台詞「貴方は食べてもいい人類?」の新解釈SS。無闇に持ち上げたり強キャラ化させる事なく、それでいてルーミアに凄味を持たせた良作。
 公式では1ボスとEXボス、弱キャラと強キャラの組み合わせだが、会話の淡白なやりとりが不思議と違和感のない信頼関係を感じさせてくれる。
 いつでも余裕綽々なイメージのある紫が不安げな顔色を示すのも、幻想郷を作る前の彼女らしく思えて非常に魅力的、かつ面白い。

【五段階評価】
 ★x4

君の好きな本を教えて  アン・シャーリー氏

【作品集】150
【タイトル】君の好きな本を教えて 【書いた人】アン・シャーリー氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1311049802&log=150
【あらすじ】
 ふとした拍子に、私とパチュリーとアリスでそれぞれ「いちばん好きな本」を持ち寄って、
発表することになった。
(本文、冒頭より)

【感想】
日常に潜む懐かしさや、ふとした拍子に思い出す風景、今目の前にある情景。
ヤマやオチなんてないけれど、会話の軽快さやテンポ、それからキャラが良くできていて、
面白かったです。
話題の人ではありますが、こうして作品を読んでみると、
ああ、やっぱりいいなあ、と思わされてしまいます。
【五段階評価】
 ★★★★☆ 最初の会話にやられました。ああいう何気ない台詞に
          そういう言葉を入れられてしまうと、
          なぜだか普通の倍、面白く感じてしまいます。
          なんでこれ、低得点なんだろう。名前避けされてるのかな。
          とにもかくにもパルパル。

ある妖怪たちの平凡な日常  レイシェン氏

【作品集】150
【タイトル】ある妖怪たちの平凡な日常 【書いた人】レイシェン氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1310721574&log=150
【あらすじ】
生き残りを賭けた壮絶なサバイバルバトル『KAKURENBO』。
追う者に捕まった追われる者は、その身を追う者へと変容させていく…!
追う者である橙は、すべての追われる者を見つけ出すことができるのか!?
【感想】
とっても思考が駄目な橙の一人称視点で進むお話。
何をするにしても藍さま藍さまと微笑ましい限りではあるが、skmdyな想像はよしてね?
個人的に一番キャラクターがたっていると思ったのは、橙でした。
お姉さんなアリスかわいかったぜ…
【五段階評価】
 ★★★☆☆ 普遍的ではありますが、ふとした時に読めば
          くすりと笑えるんじゃないかと思います。
          シリアスや、ギャグなんかに飽きてしまったら、
          口直しにこういう話を読むといいかもしれませんよ。

香霖と婚約指輪  テルヒト氏

【作品集】150
【タイトル】香霖と婚約指輪 【書いた人】テルヒト氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1310602592&log=150
【あらすじ】
香霖堂には、今日も魔理沙が訪れていた。
歴史書作りに奮闘する霖之助に、魔理沙は婚約指輪を差し出した―――。

【感想】
文学的なお話。
オリキャラというタグがあるが、本文にそのキャラクターの声が加わることは無い。
ただひたすら魔理沙と霖之助の対話が続いていく。
字の文は無いに等しい。
ミステリーかと聞かれれば、ちょっと違うんじゃないかと思う。
話の流れに首を捻ることが少しあった。
ただ、二人のキャラクターは非常に良くたっている。
時折入る、ちょっと昔の話題などが読んでいて微笑ましかった。
【五段階評価】
 ★★★☆☆ ここまで会話文だけで進めるのは、素直に凄いと思います。
          読んで、なにか感じたかと聞かれれば首を振らざるをえませんが、
          文章に難は無いので、魔理沙と霖之助の会話を楽しみたい人は
          読んでみてはいかがでしょうか。
          パルパル。

わたしとあなたの七徳スプーン ~愛と友情の円錐曲線~  I・B氏

【作品集】150
【タイトル】わたしとあなたの七徳スプーン ~愛と友情の円錐曲線~ 【書いた人】I・B氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1310805410&log=150
【あらすじ】
『おまえってさ、何をやっていても――全然、楽しそうじゃないよな』
                             (本文より)

何にも、感情を抱くことのできないアリス。
そんなアリスの前に、七徳のスプーンを手にしたフランドールが、大脱走よろしく床を突き破って現われた。

心を動かされ、そして、変わっていく。
アリスとフランドールの心温まる友情と成長の物語。
【感想】
アリスを上手く描き、お話も上手く纏めて。
王道的な話の進行がそれにあっていて、とても面白いお話でした。
フランドールの台詞もくすりと笑えるものばかり。
良いものでした。
【五段階評価】
 ★★★★☆ こういうお話が私は大好きなので、この評価。
          題名で避けてしまった方も多いとは思いますが、
          読んでみれば意外とすらすらと読め、面白いと感じられると思いますので、 
          よろしければ、読んでみては?
          それにしてもこの文章センス……パルパル。

空の薬莢と花束にまつわる思い出話。  常氏

【作品集】150
【タイトル】空の薬莢と花束にまつわる思い出話。 【書いた人】常氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1310966449&log=150
【あらすじ】
とある夏の夜。寺に集った妖怪たちの中に見慣れぬ姿を認めて、ナズーリンは話しかけた。
慣れていないのか怯えるその人に、ナズーリンはひとつ、昔の話を語り始めた。
【感想】
読んだ後に題名を見ると、ああ、ってなるお話ですね。
オリジナルキャラクターも、でしゃばったりはしていないので、特に気にかかることなく
読めました。
【五段階評価】
 ★★★☆☆ なんだか珍しいお話。いや、よくこんな感じのものを考え付きますね。
          ネズミばかりのお話っていうのは、本当に珍しい。
          それが一番最初に抱いた感想ですね。
          パルパル。

ぱちゅこあラフレシア  めどさん氏

【作品集】150
【タイトル】ぱちゅこあラフレシア 【書いた人】めどさん氏
【URL】
【あらすじ】
淡い恋心を抱く小悪魔。
いつもパチュリーを見てはほほを染め。
でも、僕が主人に恋をしてはいけないのだ。
狂おしい気持ちを手帳に秘めて、小悪魔は日々仕事に励んでいた。
ある日、図書館に魔理沙がやって来て……。

【感想】
淡い、淡すぎです。
もう、健気といいますか、なんといいますか。
こういう在り方の少女は大好きです。とても好感が持てます。
なので、作品もとても楽しめました。
感情移入がかなり上手くいったので、短いながらもはらはらどきどき。
羨望、嫉妬、絶望、喜び、そして、恋心。
小悪魔の感情の動きがダイレクトに伝わってきました。
【五段階評価】
 ★★★★☆ 万感の思いとはまさにこのことですね。
          まさかここまで初心な少女のような気持ちを味わうことになるとは思いませんでした。
          感情移入が上手くいけば、この作品は五千点台の作品に劣らないものとなるでしょう。
          しかし、上手くいかなければ、残念ながら星がひとつ減ってしまうことになります。
          それでも一読の価値はありますよ!正直に言って、これが一番のおすすめかもしれません。

壮絶! キョンシーVS唐傘妖怪地獄の死闘! -最後まで墓場に立っていた奴の、勝ちだ- (原題:みやこがはやれ)  白氏

【作品集】150
【タイトル】壮絶! キョンシーVS唐傘妖怪地獄の死闘! -最後まで墓場に立っていた奴の、勝ちだ- (原題:みやこがはやれ)
【書いた人】白氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1310964137&log=150
【あらすじ】
流れ流れて墓場にたどり着いた小傘。しかし芳香がやってきて追い出されてしまった。
二人の墓場をかけた戦いが今始まる……

【感想】
墓場に入ろうとする小傘と、追い出そうとする芳香の掛け合い漫才的作品
ほのぼのとケンカする雰囲気は出ており、このカップリングに興味がある人にはオススメ。

文章は人を選ぶ。タイトルからわかるようにクドいギャグが多い。
もちろんクドく書くのもギャグに成りえるんだが
地の文がずっとこの調子では、ただ冗長で読みにくい文章になってしまっている。(会話文は問題ない)
さらに妙に説明くさいところもあり、例えばたんこぶつくって気絶するシーンで『一応妖怪だから大丈夫』みたいなことを書くから余計長い。
この説明臭さは小傘が墓場に来るまでの過程(つまりみんな知ってる設定)を語るシーンでマックスになる。
それ以降は会話と雰囲気重視になり、クドさが減る。
そこまでたどり着いた方はぜひ最後まで読んであげて欲しい。ラストの雰囲気はほのぼので良い。

【まとめ】
二人の雰囲気はいいのに、ギャグを書きなれてないせいで文の質が下がった作品。
少しはクスリとできる部分があっただけに、ギャグの質を考えず乱発したのはもったいない。
二人の掛け合い漫才重視にして、地の文に主張させなければもっと良作になったのではないか。

【五段階評価】
★★☆☆☆(カップリングのほのぼの感は出てるので、それが好きな人は+0.5)

にんっしんっ紅魔館!  KASA氏
次世代の担い手を生み出し、残すこと

【作品集】150
【タイトル】にんっしんっ紅魔館!   
【書いた人】KASA氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1311411938&log=150

あらすじ

次世代の担い手を生み出し、残すこと
人間だけではなく、妖怪達にとっても、避けては通れない重大なテーマでもある
紅魔館においても例外ではない
恋愛感情によって、子を成す相手を選ぼうとする者
はたまた純粋に種としての優位性を得るために相手を選ぶ者
弱者が生き残るための生存戦略として、相手を選ぶ者
住人それぞれの思惑が絡み合いながらも、生命の連鎖は紡がれていく

感想

とりあえず女同士で子供産みます!
ファンタジーなんだから、なんでもアリじゃん
という実に、ある意味、東方二次らしい東方二次とも言える

KASAさんといえば、とにかく三度の飯より女の子同士がイチャイチャしてるのが、好きという性癖な人で
とにかく、とりあえず女の子同士が互いに愛情表現するのを、あの手この手で書いて来た人
そして今回は、究極系とも言える愛情表現、子孫を残す、というストレートなテーマにまで突撃しちゃった作品
といっても、あまり重いノリではなく、コメディタッチなので気軽に読めるタイプ
どうせなら、同じテーマで「眼球キッス」みたいなガチガチのドラマにまで昇華させてくれたら、KASAさんにしか書けない世界が見れた気がする

付録(作者レビュー兼ねて)

これがKASAワールド的幻想郷だ!

・百合タグが付いてないから、大丈夫だろうと思って読んでみたら、登場人物の95%がごく普通に同性恋愛していた。
・同性愛=ノーマル 異性愛=アブノーマル。
・作中に「乳」という文字が147回出てくる作品が存在する。
・その作品で大妖精がチルノ相手に授乳していたと思ったら、最後には紫や幽香にまで乳を吸わせていた。
・紅魔館住人が妊娠する確率は200%。女性同士が互いに妊娠させあうから。
・女性同士の恋愛物語の最後には、主人公が結婚して妊娠する事があるが、ごく普通の事なので、どうやって妊娠したかなどは説明されない事も多い。

評価
客観的には
★★★☆☆
KASAワールド全開
明らかにズレてる感性をまざまざと見せつけられる
そのズレた部分を楽しいと思えるまで一応加工してあるが、合わない人には合わない

主観的には
★★☆☆☆
個人的に作品として楽しめたかといえば、この手の軽い百合コメディは好みというわけじゃない
KASAさんのズレた感性が好き

こんな不愉快な書き方が出来るは乙のような人は、創想話には彼ぐらいしかいまい。もちろんいい意味で

KASA氏の『にんっしんっ紅魔館!』は本当にアレな作品
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1311411938&log=150

KASA氏の魅力はその、どうも生理的に受け付けないレベルの直接的なエログロな内容だと思う
無論のこと本人は自分の作品がエログロだとか一言も言わないからこれが素なんだろう。イヤな褒め方だけど
なんにせよ、人がある本能的な部分において避ける書き方をいとも簡単にやっちゃう氏は間違いなく実力者だと思う

これはもう本当に微妙なところで、KASA氏の作品は大概の人間が本能的に避ける部分を取り上げるような書き方をする
こんな不愉快な書き方が出来るは乙のような人は、創想話には彼ぐらいしかいまい。もちろんいい意味で

南無千  春雨 氏

【作品集】150

【タイトル】南無千
【書いた人】春雨 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1311777268&log=150
【感想】
簡単にいえば布教に来た白蓮を迎える輝夜。
珍しい組み合わせということに目が行くが、作品の空気がすごい好みだった。
大きな山場は無く、淡々と会話が進んでいき、竹林の風景が似合う。
特に最後の岩のシーンはしみじみさせられる。

結構以前より投稿されている方で、輝夜が実に「姫」っていう感じがしている作風。
個人的に輝夜好きならお薦めしたい作者。
おススメ作品は「兎が死んだ」「輝夜行路」

【五段階評価】
★★★☆☆
(個人的には4をつけたいけれど盛り上がりに欠ける、ともいえるかもしれなく、好みが分かれそうなのでこの評価で)

Bar On the Border ~the Departed Old Pal~  Rスキー氏

Rスキー氏の『Bar, On the Border ~the Departed Old Pal~』はタイトル以外佳作
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1311167618&log=150

個人的にだけれど、タイトルが英文の作品はそこらのヘッポコ個人サイトの管理人が出張してきたような作品が多いので好きじゃない
だがこの作品は、人間の陰の部分を深くえぐり取るような書き方が出来ていてとてもいい。事実、これはシリーズ中でも出色の出来
向けられた嫉妬や悪意には嫉妬や悪意で返すしかないという、人間の基本的な構造が見えていてとても心に残った

ウェンディゴの悪魔のパラドックス  I・B 氏

【作品集】150 【タイトル】ウェンディゴの悪魔のパラドックス  【書いた人】I・B 氏
【URL】 ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1311643818&log=150
【あらすじ】
 廃病院の鏡に潜む結界を暴きに行こうとする秘封倶楽部。
 いつも通りのサークル活動となるはずだったのだが……。
【感想】
 ウェンディゴの悪魔とは、北米北部で信じられている精霊のこと。
 結構なネタバレな部分もあるので、
 37KBの中編。病院探索までのパートとそれからのパートで雰囲気がガラッと変わる。
 ストーリーは秘封では結構頻繁に目にする展開だけれども、
 その場合、大抵は秘封の2人と幻想郷が密接に絡むストーリーになるため、
 秘封の世界だけで物語が完結した所が新鮮に感じた。
 離れることなんてできっこない、二人の深い友情が伝わってくる良い秘封作品。
【文章】       ★★★☆☆
【展開】       ★★★★☆
【総合評価】   ★★★★☆ (お気に入りは病院脱出のシーン)