【作品集】154
【タイトル】シンデレラロード・オブ・ザ・タイガー
【書いた人】森秋一 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1316871430&log=154
【あらすじ】
ある日の命蓮寺に、舞踏会の招待状が届く。
誰が行くのか公平に投票で決めたところ……
「えーご主人様に一票」
「はい?」
「あー次もご主人様に一票」
「へ?」
「おー、更にもう一つご主人様に一票。もうこれでほぼ当選確実だが念のため残りも開けると……はい、ご主人様にニ票と、あー私に一票。
という訳で第一回『舞踏会に出るのは誰だ!!沈黙の命蓮寺大投票会!!』は厳正なる投票の結果、ご主人様の当選が決定した。もの共拍手!!」
「「「パチパチパチパチ」」」
「え、えぇえぇえええええ!?」
(本文より抜粋)
というわけで、星が舞踏会へと向かうことに。
舞踏会は三日後、星のダンスの猛特訓が今始まる!
【感想】
まさにシンデレラ!
星の魅力を存分に引き出しまくっている作品です。
うっかり具合、まじめ具合、そして戦闘の強さも、すべて見事に表現されていました。
同時に、ナズーリンのキャラもグレイト!
こずるい性格をしながらも、小技を駆使し、星のサポートに駆け巡るその姿は部下の鑑です。
そして「王子様」も見事にこなして見せています。これは惚れるわ。
そしてそして、何より! 後半から登場し始めるオリキャラたちが非常に個性的。
災難だったな南無南無、と拝みたくなったり。名無しのくせにニクイことしやがって、とニヤニヤ笑いが出来たり。
そしてただ一人、名前のあるオリジナルキャラクターは……「おいおまえ人間やめてるだろ」とツッコミたくなること間違いなし。
総じて、とても楽しめる作品だと思います。
パーフェクトに五つ星です!
【五段階評価】★★★★★
【作品集】154 【タイトル】シンデレラロード・オブ・ザ・タイガー 【書いた人】森秋一 氏
【URL】 ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1316871430&log=154
【長さ】★★★★★★★☆ (154KB ボリュームのある長編)
【あらすじ】
ある日突然命蓮寺に舞踏会のチケットが届く。
一番社交ダンスを踊れそうな星が出る事になったが、
肝心の星は社交ダンスの社の字すら分からない状態。
舞踏会までの3日間でなんとか身に付け、装備を整えようとナズーリンは奔走する。
【感想】
読みやすい長編。小ネタが随所にちりばめられた軽い文体で書かれていて、
勢いのあるストーリーと相まってボリュームを感じさせない作品だった。
やる気に溢れたお助けキャラにクセの塊みたいなオリキャラ、
なんだかんだ言いながら壁を突破しちゃう展開がとっても漫画らしい。
読んでいるとキャラクターが動き回る姿が目に浮かぶ、躍動感ある作品。
【文章】 ★★★★☆
【展開】 ★★★★☆
【総合評価】 ★★★★☆ (漫画っぽいというのはもちろん良い意味で。読んでて楽しくなる)
【作品集】154
【タイトル】死神の蓋
【書いた人】八重結界 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1316786285&log=154
【あらすじ】
あたいは死神を辞めます。
(本文より)
阿求の最期を看取った小町が出した結論だった。
【感想】
読 む ん じ ゃ な か っ た 。(褒め言葉です)
「死ぬ」ということの恐ろしさを存分に描いた作品。
ものすごく鬱になるお話です。
八重結界氏らしい淡々とした文章で進む中盤は、薄暗い印象を受けながらも「まぁこんなもんだろ」と思えます。
が。
その最高点に達する場面において、怒涛の筆力で「死」を表現しています。
読んでいるだけでその感情がこちらにまで流れ込んでくるようで、吐き気すら催す気分になりました。
高得点にひかれて開いたのは、文字通りパンドラの箱。
その手腕のお見事さと筆力に五つ星です。
【五段階評価】★★★★★
【作品集】154
【タイトル】人形には受け入れられない災厄
【書いた人】神方山 祈氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1316524479&log=154
【あらすじ】
メディスンとてゐが妖怪の山に薬の配達に出かける。
道中で雛に遭遇して・・・
【感想】
ストーリーはとても良いと思う。
まったり、のんびりできる話だった。
メディスンの心の葛藤が良く書かれている。
良い子です。良い子メディスン。
ただ、雛の笑い方だけが不自然というかなんというか頂けないかなと。
ちょっと心温まる話が読みたい人にお勧め。
『人形には受け入れられない災厄』
文章面で引っかかってしまうところが多いが、内容は悪くない。
細かいところに目を瞑って、おいしいところだけを頂く気持ちで読むと良いかも。
【作品集】154
【タイトル】彼岸のおはぎ
【書いた人】海苔缶氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1316536825&log=154
【あらすじ】
小町と前世の阿求が出会い仲良くなるが・・・
【感想】
小町と前世の阿求ってことでだいたい終わりが予想できる。
でもまぁ上手くまとめてて良かった。
前世の阿求のキャラが可愛い。
ただ、個人的にはもっと長い話でも良かったと思う。
これまたちょっと心温まる話を読みたい人にお勧め。
『彼岸のおはぎ』
シリアス。
テーマの割にちょっと軽すぎるかなって感じはあるけど、
これはこれでまとまってると思う。
軽くしんみりしたい気分ならお勧め。
『スクランブル・メッセージ』
コメディ。
扱ってるネタに古めかしさがあるのだが、逆にそれが良いと思った。
この作品に出てくる慧音先生はすごいぞ。
『蓬莱山輝夜が皿を洗う』
独特なギャグ?
空気的にはyuz氏に近いような気がする。
好きになる勢と何とも思わない勢にハッキリ別れそう。
文章は書きなれてる感じで良質。
『蓬莱山輝夜が皿を洗う』はセンスを感じる一作
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1316617859&log=154
センスを感じる作品は意外にもギャグが多いと自分は思う。この作品もそういう作品
余計に壊れた話でもないし、それなりにいい話だし、しかも短い。コレ重要
何よりも物語最後の二行のリフレインがすごく良い。まぁ簡単に言っちゃえば凄く好み
『メリー・マリー』
シリアス。
連作だとは知らずに読んだけど、これだけでも読めた。
濃い目の心理描写が好きならアリかも。
『天然アメージング』
ほのぼの。
目新しさはないけど、まったりした雰囲気が実に良い。
素直な心で読めば癒される、たぶん。
『巡』
雰囲気系?
正直に言ってしまうと、内容らしい内容はない。
ただ文章と雰囲気が好みなら楽しめると思う。
『切り裂きジャックと紅魔の吸血鬼』
典型的な奈須・西尾フォロワーが東方キャラを借りて書いてみましたって感じ。
割りと文章は書けているので、こういうC級グルメっぽいのがイケる口なら。
トローロン氏の『地底温泉行』は久しぶりに青臭い力作
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1317290861&log=154
あいーす。自分はこの完成をあいーす。
ぶっちゃけた話、本当に青臭い。この頭の中の仲良し小話妄想をそのまま文に認めたような感性が好きだ
物語的に面白くも何とも無いし、特別キラリと光る何かがあるわけでもないが、この青臭さ、これが絶妙なスパイスになっている
「あぁこういうの、小学生の時はよく妄想してたよ」というような、ある意味初心というよりは童心に還れるようなこの作品が好きだ
何が青臭いかって、結局は誰も損や嫌な体験をしていないところ。このある意味ご都合主義的な、そういう暴力的な甘さは
いずれSSを書き慣れるにつれてチビてなくなってしまう感性だけど、たいていはこの感性を捨て切れない。自分の好きなキャラには
やっぱり自分の作品の中ではいい思いをしてほしい。そういう明け透けな甘さはむしろ愛すべきポイントになりうると思う
秋風茶流氏の『鬼山悲哀録』は意外なポイントを突かれる作品
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1317047446&log=154
「そう来たか……」と思った作品。いや、考えてみればこの「そう来たか……」は小説の中では全く活きてない
この驚きを活かせなかったのがこの作品のネックであり、そこを驚かせるようなフォローが出来てなかった所がよくない
もうちょっと「金熊=???」の伏線を活かすべきだった。そういう意味でこの作品は不親切である
でも、正直自分はこの作品を読んで、ネタバレのところで思わず「そう来たか……」と唸った
いやむしろ「そういう解釈もアリか……」と、その自由奔放な解釈に唸った。このネタはもっと大事にすべきだった
この語この作者がこれだけ巧い次回作を書けるかはわからないけど、ぜひこの勢いを維持しながら次を書いて欲しいと思う
kirisame氏の「さくやさん」は馬鹿話
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1316195027&log=154
いやホント、この作品は凄かった。初めて創想話作品で「お前、馬鹿じゃないか」と呟いた
もうネタバレだけど「さんかしたなら、かんげんすればいい」の一言で自分の世界が一瞬で崩壊した
こんなアホネタ思いつく作者は切れ者。予想の斜め上を行く突き抜けぶりを披露してくれた
惜しむらくはこの「さんかしたなら、かんげんすればいい」の一言を活かせなかったところ
具体的に咲夜さんは今現在どうなっているのかの描写をしつこくやり切るべきだった
あと、取ってつけたようなめーさく要素も正直いらなかった。中途半端に終わった印象が強い
『西行徒然行脚』
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1317064984&log=154
ルドルフとトラ猫氏による約4年ぶりの新作。
生前の幽々子と藍、妖忌が日本を旅していた、という設定で、冒険活劇ものと言えそう。
自由に解釈できるキャラクターと舞台なので、オリジナル色が強い。
舞台も昔の日本と言いながら、時代考証は吹き飛ばして和風ファンタジー色。
見所は自由度のある題材を活かしたキャラクターの味付け。
そこに氏特有の、講談を思わせるような外連味のある文章と、キャラクターの軽妙な会話が加わって、
かなり気持ちのいい冒険活劇が読める。
文章のノリが合うなら読んでみて損はない作品。
これを読んで気に入った人には、絶対に作品集45の『ニノタチイラズ』を読んでみて欲しい。
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1195358619&log=45
同じキャラクター設定で、原作設定通りの物語の後、現在の幻想郷にふらりと現れた妖忌を描いている作品。
幻想郷の賑やかさを示すような宴の部分がすこしはっちゃけすぎてるけれど、
おそらくテーマの妖忌を引き立たせるためだと思う。
投稿から4年が過ぎていながら、「清々しく枯れた哀愁」をこの作品ほど見事に演出して見せた作品は多分他にないんじゃないだろうか。
ついでに復活が嬉しいので、お奨め紹介気味にルドルフとトラ猫氏のレビューを書いてみる。
氏の持ち味と言えるのが、とにかく装飾過剰なほどの外連味のある語り口で、特に戦闘描写が顕著。
一部の作品の講談調な雰囲気もそのアレンジだと思う。
方向性としては厨二そのものなんだけど、そうと切り捨ててしまえないところまで突き抜けてると思えるような魅力があって、
ストーリーの組み立て自体はしっかりしてる人なので、試してみてノリが合う人にはお勧め。
妖夢と魔理沙のガチバトルと、キャラ同士の勢いのある掛け合いが楽しい『Lock on!!』とか、
小悪魔が契約更新の僅かな時間だけ凄まじい力を取り戻したせいで、
紅魔館+αでド派手な戦いを繰り広げる『あなたへのジグラッド』、
「コスプレレイセン達による超高速度宇宙戦闘!」とか(評価コメから引用)、
ギャグなんだか真面目なんだかわからない煽りをでかでかと入れたくなる『嘆きの星』、
辺りは非常に読み応えがあって良い。
【作品集】154
【タイトル】Nのことば/法力とひとめぼれとありがとう
【書いた人】鳥丸氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1317476729&log=154
【あらすじ】
ドアが飛んできた。
こんなことを平然とする奴は、ひとりしか知らない。
「こいし!」
「悪かったと思っている。今は反省している」
【感想】
久しぶりに帰ってきた鳥丸氏の長編作品。
1話完結の連載もの。単品でも楽しめないことはないが過去作はチェックしないとわかり辛いと思う。
タイトルからわかる人にはわかるが仮面ライダーWをリスペクトしている。(村紗がテルイルーぽかったり)
かといってWネタは所々にちらっと出る程度なのでWを知らない人でも安心して読んでほしい。
この作品はまずパルスィのかっこよさに尽きる。
決して力が強いとか頭が良いというわけではない。分からないことは分からないし原作レベルの力しか持ってない。
うまく立ち回ることも出来ないうえにそもそもやる気がない。自分の範囲外にはとことん興味を示さないキャラである。
しかし、そんなパルスィだからこそ物語の主人公に相応しい。
出来ることしか出来ず、それを認める反面、どこか諦めきれない人間臭いパルスィがかっこよく魅力的に書かれている。
完璧超人じゃない、2ボス程度の人間を捨てた妖怪がどう想い、悩み、答えに辿り着くのか、ぜひ一読してもらいたい。
あと、嫌々いいながらもこいしの頼みを断れず捜査に乗り出すなど、こいしに対して甘かったりするパルスィに胸キュン。
ただし、「セリフ」+地の文という構成や、改行が少なくみっちり詰まって書かれているので読みづらいという難点が。
所々分かりにくい描写もあったりする。(これは自分の読解力が足りないからかも)
でも読み進めるうちにそれらが気にならなくなるほど夢中にさせられたので満足出来た。
【五段階評価】
★★★★☆(俺に質問をするなっ!)
【作品集】154
【タイトル】ぬえ「お婆ちゃんの昔話には気をつけよう」
【書いた人】酢烏賊楓氏
【分類タグ】二ッ岩マミゾウ 封獣ぬえ 昔話 子供の頃の自分の話は本気で聞きたくない
【URL】ttp://coolier.sytes.net/sosowa/ssw_l/154/1317456354
【POINT】6560 (2014/02/18時点) 【容量】45.13KB
【あらすじ&感想】
マミゾウとぬえ、二人の出会いと交流について語られる。
本当にそのようなやり取りがあったかのような感じを受けるという意味で、東方世界を広げるSS。
ぬえだけでなく、マミゾウも成長するところが良い。その成長も、単純に妖力が高くなるという意味でないところも良い。
話の筋は単純でありながら、いやそう見せかけておいて、そこここで予想を覆す話し運びは上手い。
個人的には源頼政を会話の中だけでも出してきたところは、面白く思えた。歴史物っぽい印象ができたという点で。
ぬえに幼児プレイをせがむなどするムラサが変態だという点についてクレームがありそうだが、スポポ氏の感想ほどではないので、安心されたし。
【作品集】154
【タイトル】FUGURI
【書いた人】司馬漬け氏
【分類タグ】二ッ岩マミゾウ 子分
【URL】ttp://coolier.sytes.net/sosowa/ssw_l/156/1319719866
【POINT】3210 (2014/02/21時点) 【容量】13.73KB
前回、神子のうんこというあまりの下ネタにショックを受け、お口直しとして読んでみたSS。マミゾウを慕うムジナたちが幻想郷に入ってくるといった内容。
三匹の個性が楽しく、また妖怪としての力は小さいものでも、しっかりとした矜持や心意気を持っているところが良い。
しかし何と言っても見どころはやはりFUGURI。弾丸を受け止めるとかふぐりマジすごい。ぬえちゃんが幅広いふぐりに包みこまれてあまりの悪臭に昏倒するとか俺得過ぎる。
まあ、それはともかく……やれやれ、あれほど下ネタは嫌いだといったのに、またこれですか。まったくウンコだのフグリだのと好きものばっかりで困ったもんです。次こそは格調高いSSを読むことにしましょう。たとえば、そう、隠れた名作として名高い「最果ての向こうへ。」とか「毘沙門天様に仕えてるんだが、もう私は限界かもしれない」とかね。作者は肥溜め落ち太郎氏です。