作品集157

Last-modified: 2013-10-09 (水) 14:20:57
春の日に半霊は涙をこぼす  ダツエヌ 氏
前半の文章がとてもうまく活かせていました。

【作品集】157
【タイトル】春の日に半霊は涙をこぼす  【書いた人】ダツエヌ 氏
【あらすじ】
「a a a o u o e e a o i a a a」
従者であるだけでは駄目だった妖夢の苦しみ、悲しみ、決意、
そして最後に残し、伝えた言葉とは。
【感想】
前半の文章がとてもうまく活かせていました。
妖夢だけでなく紫の苦しみや藍や魔理沙の優しさなど、キャラ一人をとっても
よけいなところがありませんでした。
これで初投稿とは…

【文章】     ★★★★☆
【展開】     ★★★★☆
【総合評価】  ★★★★☆ (割とシリアスかも)

春雪異変前、地上と交流のなかった妖夢は友達といえる相手もいず、それにコンプレックスを抱いていた。

【作品集】157
【タイトル】春の日に半霊は涙をこぼす (前編・後編)  【書いた人】ダツエヌ 氏
【URL】前:ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1321336126&log=157
後:ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1321336223&log=157
【サイズ】計199KB

【あらすじ】
 春雪異変前、地上と交流のなかった妖夢は友達といえる相手もいず、それにコンプレックスを抱いていた。
 ところが宴会に出るものの中々ほかの面々に溶けこもうとしない妖夢。
 見かねたアリスが妖夢に声をかけ、二人は少しずつ交流を深めていくのだが、どうやら妖夢の様子がおかしい……。

【特徴】
①前編の31.6KBは物語を進めるとともに、ほとんどが伏線として後編へつながっている。
 なおかつその伏線は全てきれいに後編で回収されているため、頭の中でどんどんパズルのピースが合わさって行くのではないだろうか。

②ある事件によって妖夢は精神的にとてもつらい状況におちいってしまう。
 だが作者側はそこにいきなり答えを出してくれるのだ、ありがたい。
 その答えは理にかなっていて堅実なものである、妖夢もそのことは分かっているのだが、いかんせん迷いも大きい。
 さて、普通はここで迷いや壁を乗り越え妖夢が成長して困難を解決することが、物語の主題になったり、盛り上がりを見せる役割をもつだろう。
 ところが、この作品は迷いだけでなんと数十KBもの文章を使っている。
 そうなったら普通我々は「いい加減迷いばかり長すぎるんだよ、さすがにもう迷いは断ち切れよ」といらだち始めるのではないだろうか。
 ところが貴方は逆の現象におちいるかもしれない、というと貴方まで迷うことになるかもしれないのだ。
 「作者側はこういう解決方法にそって物語を進めようとしてっけど本当に合ってんのかこれ」、と心配になるのではないだろうか。
 そこまで来たら怒涛の結末はすぐそこにせまっている。

③この作品はずばぬけて悲しい作品である。そのためキャラクターに悲劇が起こることがどうしても許せない方は注意が必要。
 だが、本質は悲しみなどでは決してないと言いたい。(それがなんであるかはネタバレになるが)
 最後にかけて、妖夢の精神はすみきっていて、その生きざまはとてもかっこよく、私は読みおわって妖夢がますます好きになった。
 確かに妖夢が好きな人は読み続けることをためらうかもしれないが、その一方で妖夢好きにこそ読んでほしい作品であると言いたい。

【五段階評価】
★★★★★

This is a Udon  marutaさん

 marutaさん『This is a Udon』

 魔理沙が昼飯を食べに行ったら霊夢がうどんを茹でてた話。ギャグ。
「また食べ物ネタかよ」と思った人は安心してほしい。この作品に食べ物を食べるシーンはほとんど存在しないのである。なんじゃそりゃ、と思った人はぜひ読んでみよう。
 ギャグではあるけれど、ギャグと一言で片づけるのはもったいない。ネタバレになるので詳しくは描かないが構成の妙が光る話で、読み終わった後

にはスカっとする気分も味わえる。
 もちろんネタ自体も面白い。特に5章はひどい。いろいろと。

布団から出たくないという気持ちの強さだけなら誰にも負けない自信があります!  生煮えさん

 生煮えさん『布団から出たくないという気持ちの強さだけなら誰にも負けない自信があります!』

「布団から出られないんだったら布団被ったまま空飛べばよくね?」
 そんな発想から布団が大流行する幻想郷の話。主軸となる布団ネタもさることながら、それ以外の小ネタのセンスが良い。餡ドーナツが食べたい。

マミゾウ、活計す  Hodumiさん

 Hodumiさん『マミゾウ、活計す』

 マミゾウさんの騒がしい一日。
 タイトルからして恐らく『マミゾウ、活動す』(155)の続編だろうと思われるが、ちゃんと単体としても楽しめる作品になっている。
 ジャンルとしてはほのぼのとコメディの中間くらい。コミカルな台詞回しを軸にしてうまくキャラが立っており、面白おかしくするする読める。個人的には酔ったマミゾウさんは必見。ぽんぽんぽーん?

あの場所にはもう戻れないのだと  うさぎつねさん

 うさぎつねさん『あの場所にはもう戻れないのだと』

 魔理沙と咲夜さんが、昔を振り返りながらお茶を飲む話。
 切ない気分になる短編。今が幸せでも、ときどき昔を思って何とも言えない気持ちになるのは、人間誰しも同じですよね。

笑顔の色は思い出カラー  白木の水夫人形さん

 白木の水夫人形さん『笑顔の色は思い出カラー』

 旧都で開かれたお祭り。そこに行ったはいいが、こいしは大切な帽子をなくしてしまう。懸命にそれを探すが……。
 こいし目線で描かれる描写がふわふわして心地いい。こいしは自分の帽子に何を見ているのか、想像しながら読むとよいかと思いますぬえちゃん可愛い。

日輪がまた輝くとき  yunta氏

日輪がまた輝くとき  yunta氏

【あらすじ】
舞台は蘇我氏と物部氏が覇権を争う古代日本。
主人公は有り余る才を持ち、「理想の国」を作りそれを治めようと願う豊聡耳神子。
そして政略結婚により蘇我氏に嫁ぎ、神子を心の底から慕う物部布都。
偽装結婚により神子に嫁ぎ、ひたすらに戦場を望む蘇我屠自古。
神子に惚れ込み、己の力を示すために神子に不老不死の道を勧める青娥娘々(霍青娥)。

蘇我と物部の戦いの中で戦神と呼ばれ崇められる神子。彼女は父や布都と共に理想の国を作ろうと奮闘していた。
そしてある日父に「王になってくれ」と頼まれ、屠自古や布都、更に青娥の協力により「理想」に向かって行くが・・・

【感想】
全体的によくまとまっている。神霊組の心の動きが細かく書かれていて、読んでいてとても読みやすかった。
戦闘描写はそこそこの量で単体の戦力が大きすぎる気もしたが特に気にならなかった。まあ少し戦争が綺麗な気もしたが、神子の性格上は仕方がない所。
神霊組内部についてはきっちり書かれていたが、欲をいえばオリキャラ達(史実の人)ももっと掘り下げても良かったかも。
【まとめ?】
本当に東方神霊廟までの過程のみに絞って必要な物全てを丁寧に書いており、過去補完物としては素晴らしいと思う。
ただ、神霊組はともかくとしてオリキャラ達は話に動かされていると思ってしまった。
星5の評価で、自分としては4つ半。

「またね、大ちゃん!!」   ネコロビヤオキ氏

【作品集】157

【タイトル】「またね、大ちゃん!!」    【書いた人】ネコロビヤオキ

【あらすじ】
「あなたは無意味な存在なんかじゃない。」
紅魔館に雇ってもらいに来た大妖精。
レミリアに面接を受け、門番、メイド、司書、フランの遊び相手などに挑戦する。
そして、仕事ぶりや普段の噂、態度などからレミリアが下した判断とは。

【感想】
作者さんの第二作品目がパワーアップしてきたような作品。
大妖精の心に潜む影などが、よく描かれていました。
そして、カリスマ…。
かなりお勧めです!

【五段階評価】★★★★☆

かわいい女の子だと思った? 残念!咲夜ちゃんでした!   ZUM氏

【作品集】157
【タイトル】かわいい女の子だと思った? 残念!咲夜ちゃんでした!
【書いた人】ZUM氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1322277772&log=157
【あらすじ】
何かと大人びたイメージを持たれがちな咲夜だが、その実非常に可愛いもの好きであった。
本人も可愛く見られたいのだが、端麗な容姿とメイド長と言う肩書き、更にはレミリアやフラン、その他妖精メイドが幼い外見であることもあってクールビューティのイメージは拭いきれない(と本人は思っている)。
そんな咲夜ちゃんのフラストレーションを解消するアイテムが、パチュリーの作った「マジカル咲夜ちゃんスター」なる星形のついたボールである。
ところがタンスの奥にしまっておいたハズのそれが無い。パチュリーが仕込んでおいたGPS(ゲンソウキョウ・ポジショニング・システム)によると、魔理沙の家にあることが分かった。
可愛さ三割増しのため、マジカル咲夜ちゃんスターを奪還すべく咲夜は魔法の森へ赴く・・・

【感想】
文章や、魔理沙との会話における思考からも分かるように、大分おつむが残念な咲夜になってます。
しかしギャグなのかと思って見ていると、オチでどっきりさせられる。
なので、文章で倦厭せずに最後まで見ることをオススメします。

★★★☆☆

巫女を終える日  白衣氏

【作品集】157

【タイトル】巫女を終える日   【書いた人】白衣氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1321682754&log=157(前編)
    ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1321683097&log=157(後編)

【あらすじ&感想】
そう遠くはない未来の話。年老いた霊夢の、次代へ向けた最後の贈り物。

キャラクターの作り方が何とも温かみに溢れていて、「人間らしいドロドロしたやり取りが一切ない」世界が
良く描かれていたかと思う。ここは賛否が分かれるところではあるだろうが、個人的にはとても好みだった。
特に気に入ったのが天人と天子の周りの設定で、悪意でも善意ですらもない無色透明の清純さ、それにこそ馴染めず居心地の悪さを感じてしまう愚かしさ、そしてその愚かさを優しく抱きとめる包容力、と、それぞれの在りようをどれも悪し様に取り扱わず、前向きに捉えているのが非常に好印象だった。

静かでしんみりとした、どこか冷たさを感じる物語が、加速度的にその熱量を増していくという
物語の構成が、今作の中でのある設定と非常によく噛み合っている。
そしてその熱量は一級品で、ベタ過ぎるほどベタな展開が胸の奥の童心のようなものを熱くしてくれる。
所々で見られる文章の未熟ささえも、その青臭い熱さを助長している感すらある。

ただ、特にこいしのエピソードで顕著なのだが、霊夢があまりに多くの物語のデウスエクスマキナに
なってしまっている感は否めない。遥かに長命の妖怪達に霊夢が理を説くというのも少し違和感を覚えた。
この一つの作品中に無理に押し込もうとせず、それぞれの物語を別個の一つの作品に仕上げてくれてもよかったかな、というのが正直なところ。

しかしそれを差し引いてもやはり何といっても熱い。
困難に立ち向かうため集ったかつての英雄達、戦いに身を投じずには居れない悲しき古強者、
そして、次代を担う英雄の卵達。
特にオリジナルキャラクターである次代の巫女や東風谷三世はよくぞ登場させたという思いがある。
私達のよく知る英雄達に憧れ、真っ直ぐに前を向いて進む彼女らを見た時にこみ上げる、
「俺はお前らの婆ちゃん達のもっと凄い頃を知ってるんだぞ」という誇らしげな気持ちは、きっと
長命の妖怪達が人間を見る時の視線なのだろう。
それを感じられたからこそ、かつての英雄がいなくなった後でも、妖怪達も、幻想郷も、
彼女ら新しい英雄達が作り上げていく未来へと、前を向いて歩いていけるだろうと、確かにそう思えた。
ともすればメアリー・スーになってしまいかねない代物に正面から取り組み、およそ最も効果的な居場所を与え、見事描き抜いた作者様に、賞賛を送りたい。

ただいま  まりまりさ 氏

【作品集】157 【タイトル】ただいま  【書いた人】まりまりさ 氏
【URL】 ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1322815073&log=157
【あらすじ】
 人里で迷子の女の子を見つけた。
 ガラにもなく私かその子の手を取ってしまった。
【感想】
 4KBの掌編。
 良くも悪くも非常に掌編らしい作品。
 大きな展開が無い反面、非常にコンパクトにまとまった作品になっている。
 ちょっとした空き時間が出来た時に読むのがお勧めの、サクッと読めるアリスのお話。
【文章】       ★★★☆☆
【展開】       ★★★☆☆
【総合評価】   ★★★☆☆ (読んでほっとする作品。)

恋人まで何マイル?  猫井はかま氏

【作品集】157

【タイトル】恋人まで何マイル?
【書いた人】猫井はかま氏

【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/157/1321746842
【あらすじ&感想】

>「恋人の距離?」
> 思わず、聞き返した。

唐突にそんなことを聞いてくるパチュリーの真意がわからないまま、
彼女の話につきあうアリス。

奇を衒ったものはなにもないのだけれど、後半の流れるような展開が読んでいて心地よかった。
そのまま一気に収束点へ向かうさまも同じく。

個人的には
>ぱちんと指が鳴らされる。
からの4行がお気に入り。こういう描写が好きなもので…

ゴリアテ大失禁人形  アン・シャーリー氏

【作品集】157
【タイトル】ゴリアテ大失禁人形 【書いた人】アン・シャーリー氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net/sosowa/ssw_l/157/1322567707
【POINT】3370(2013年10月9日時点)【容量】19.71KB
【あらすじ&感想】
>大きなゴリアテ人形から大きなうんこが出てくるのはさながら噴火した活火山から溶岩が出てくるような光景で、ちょっぴりドキドキはするものの、かわいいという概念の範疇からは外れてい

る気がする。

アリスや咲夜のセリフではないが、作者は頭がおかしい(褒め言葉)。
前半はカオスにまみれた糞ったれのギャグで笑わせてくれる。
また、うら若き乙女たちの口から排泄物の名が飛び出す様は興奮すら覚える。
後半はちょっと哲学。咲夜とともに考えさせられる。自分とは何か。自我とは何か。大便とは何か。