作品集161

Last-modified: 2012-08-25 (土) 13:13:46
妹紅レベル8956421  6スレ目pkhYNX2g0氏

【作品集】161
【タイトル】妹紅レベル8956421   【書いた人】6スレ目pkhYNX2g0氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1327724658&log=161

【あらすじ】
遠い未来の果て、輝夜を越えて最強となった妹紅(イメージトレーニングの成果)。
まばたきで弾幕をかき消し、輝夜の全力の攻撃をくらってもかすり傷ひとつ負わない。
そんな妹紅が望んだのは、ヤンデレ気味に輝夜を手に入れることだった。

【感想】
漫画やゲームのネタが多くて、ちょっとついてけないところもあった。ギャグ作品。
強さのインフレが何をもたらすのかを我々に教えてくれるきわめて思索的な意欲作(うそ)。
実際、「悟空がチチとのセックス中にスーパーサイヤ人になったらどうなるの?」
といった内容の同人誌も存在する(と思う)。
よく読めば百合なのだがギャグなのでまずは笑ってからかぐもこだか何だか知らないが
そういうことに注意を向ければ良いのではないだろうか。
永遠の命を持った奴らが無限に強くなったらどうなるの? というアイデア一発で
作りあげられた作品で、それが最終的に百合に収束するさまは東方っぽいというかそそわっぽい気がする。
でも、僕は輝夜にはやっぱりえりーんだと思います。
今さらだが名前からするとどこかのスレから来た人なんだろうか。
GTは見てないけど、何故だかピラフ一味のマイが老いている画像を見て衝撃を受けたことを覚えています。

カメラシャイローズは紅茶にのせて  過酸化水素ストリキニーネ氏

【作品集】161
【タイトル】カメラシャイローズは紅茶にのせて
【書いた人】過酸化水素ストリキニーネ氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1327692457&log=161
【あらすじ】
「でもきっと、今日はお姉ちゃんに良い事あると思うよ」
珍しく(というか初めて)妹に朝起こされる体験をしたさとりは、こいしのそんな意味ありげな言葉を聞く。
そして昼過ぎ、姫海棠はたてが地霊殿を訪れる。

【感想】
はたてとさとりという非常に珍しい(というか初めて見た)組み合わせ。
長さも控えめで大きな動きがあるわけでもないが、逆にその小さな変化を味わう作品だと思う。
今ひとつインパクトに欠ける感じもしたが、新鮮な組み合わせの新鮮な会話は楽しめたし、読後感もよくスッキリしている。
こういう目新しいカップリングはもっと開拓されるがいい。

ある冬の、小さな八雲と博麗  パレット氏

【作品集】161
【タイトル】ある冬の、小さな八雲と博麗   【書いた人】パレット氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1327808420&log=161

【あらすじ】
霊夢がひとりで神社で酒のんで寝てると、紫と、紫と、もう一人の人物がやってくる。

【感想】
夢のような話。全体的にぼんやりとしていて、けれどときどき曇ったガラスを指で磨くような、
きゅっと音を立てて向こう側を見えるようにしてくれるような感触がある。
霊夢はただ博麗としてこれまで生きてきているけれど、ただ生きているだけでもいろんな段階があるもので、
決して最初から今のようだったわけではないし、これからも今、こうであるような「自分」に
とどまっているわけではない。変わってきたし、変わりつつあるし、変わっていくということ。
それぞれの段階のひとつひとつの自分を思い出して、比べてみれば、まったく違った人物のように
思えるかもしれない。そういうことを霊夢は考える。
考えていると、紫がやってきて、紫は自分と/人間と違った方法でそうした変化を
獲得していることに気づく。
そしてそれは、自分のために、楽園の巫女に寄り添うために、八雲紫が選んだ恋の仕方だった。
ゆかれいむです。
とてもロマンチックな話で、上で書いたような変化の予感が物語のすみずみまで満ちており
読んだあといやおうなしに霊夢とゆかりんの「これから」を胸に思い浮かべてしまう。
ロリゆかりん最高。
たぶん十人読んで十人が満足するようなものですが(ゆかれいむ認めない主義の人は除く)、
それでもあえてどうかな? というところを探すとすると、ロマンチックに振ろうとするあまり
文章がそれっぽくなりすぎてつっかかるところがときどきある。と思えばへんに凝ってて
うるさいときもある。
ようは霊夢さんの一人称の語りが、全体として詩的なほうを向いているのに、説明を加える目的で
やたら分析的に硬い言葉を交えて語られるので、ちょっとずつ違和感を感じる。でもまあそれが
味といえば味で、西尾維新とかのくどい感じのラノベを読み慣れている読者には気にならないと思うし
むしろ自然なんだろうなとも思う。
最初のコメントの「つまり紫は霊夢専用だったんだよ!」というのがものすごく的確に
この作品のコアを射抜きまくってて笑いました。イイハナシダナー
ロリゆかりん最高。

プレゼントによせて  碑洟氏
冬真っ盛りの話ではあるが作品全体に温かい雰囲気が漂っていてほんわかできる。

【作品集】161
【タイトル】プレゼントによせて
【書いた人】碑洟氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1327703748&log=161
【あらすじ】
一年中雪に閉ざされた極寒の地。そんな厳しい環境で生まれ育った彼らは強靭な肉体を手に入れていた。一晩で世界中を巡る機動力を持つトナカイを駆り、その鋭利な角は妖怪の賢者と博麗の巫女が作り出した二重結界を破り、彼ら自身もまた凄腕のヴァンパイアハンターである。彼らの衣服が緋色なのは吸血鬼の深紅の血をいっぱいに吸っているからだ。何年経ってもその色は黒ずむことがなく、いつまでも赤いままでいる。長き戦いの末に吸血鬼らを破ったその豪傑こそ夢と希望を振り撒く男の真の姿である。しかし彼らは人間だった。寿命には敵わず、すっかり髭を生やした老人になって、今では世界中にいる彼らの弟子たちがその代理を務めているという。
恐るべきその英傑を人はサンタクロースと呼ぶ。
でもまぁ、代理になら勝てるかも。
メディスンがサンタクロースとの決戦に挑みます(嘘)

【感想】
冬真っ盛りの話ではあるが作品全体に温かい雰囲気が漂っていてほんわかできる。メディスンの心理描写が細かというか気が利いているというか、痒いところに手が届くみたいでさくさく読める。時期を逸しているといえば間違いなくそうだが、一月遅れのクリスマスを一つ気後れなく楽しんでみるのもおつなものではなかろうか。アリスとメディスンはやっぱり相性いいと思う。

メディスンは、クリスマスを楽しみにしている。けれど、一つだけ懸念があった。

【作品集】161
【タイトル】プレゼントによせて
【書いた人】碑洟氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1327703748&log=161
【あらすじ】
 メディスンは、クリスマスを楽しみにしている。けれど、一つだけ懸念があった。
 それは、プレゼント入った袋を持って、子供たちに一番望むものを配って廻るという
 老人の存在だった。その時一番喜ぶ物でも、飽きたら興味は別の物に移り変わる。
 それなのに何も考えずにプレゼントを配る、“サンタさん”の存在に、メディスンは
 やきもきとしていた。
 クリスマスは楽しみたい。けれど、“サンタさん”が来るクリスマスは楽しくない。
 そこでメディスンは、クリスマスを楽しむために一つの決意をする。
 「プレゼントが配られる前にサンタクロースを毒殺することにした」
 言葉巧みに面白可笑しく怖ろしいサンタクロースの話をするパチュリーと、レミリア。
 人形作りの手伝いをしていた魔理沙と、子供たちのために人形を作るアリス。
 サンタクロースと人形を題材に、出逢いと別れを描いた物語。
【感想】
 捨てられることに反発を覚えるメディスン、魔女らしくクリスマスを吹聴するパチュリー、
 人形を作る上で、人形への思いを常に抱くアリス。
 物語に関わる登場人物がみんな、それぞれの“らしさ”を持って生き生きと動いている。
 また、メディスンの一人称が非常に丁寧で、読んでいて飽きることがない。情景も想像
 しやすく、簡単に物語の中へ入っていくことが出来た。
 優しくも温かい幻想郷。季節にかかわらず読んで欲しい、柔らかなクリスマス小説でした。
 アリスとメディスン、そのどちらかが好きならば、読んで損はないかと思います。

交友会「一ボスの集い」臨時集会議事録  リッターワン氏

【作品集】161
【タイトル】交友会「一ボスの集い」臨時集会議事録
【書いた人】リッターワン氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1327762263&log=161
【あらすじ】
お前のような一ボスがいるか!

【感想】
いるわきゃない。ところがどっこい現実です。幽々子は果たして一ボスとして相応しいのか、一ボスの集いに入る資格はあるのか。喧々諤々の議論は紛糾し行き着くところを知らない。メタネタ。ただキャラが話して終わるだけといえばそうだがその議論の過程が面白かった。幽々子からそこはかとなく漂うカリスマを感じる。あと暢気。99パーセントが暢気。
読みやすくてさらっと読めるので一読してみてはいかがか。

盲目の秋  長久手氏

【作品集】161
【タイトル】 盲目の秋   【書いた人】長久手氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1327861983&log=161

【あらすじ】
焼き芋をやろうとしたら焚き火がパーンとなって盲目になってしまう。

【感想】
これは面白い。まだはじまったばかりだけど、間違いなく今作品集の注目作品になるでしょう。
詳しく語ると魅力を損ねるタイプの作品なので、あんまり立ち入ったことは書けないが、
すくなくともタイトルから予想されるような秋姉妹の話ではない。
秋姉妹の話ではない。
他のキャラクターのお話で、焼き芋の焚き火がパーンとなって目がつぶれるという衝撃的な出だしから、
徐々に主人公の立ち位置や、背景が明るみに出ていくのが見もの。
そっけない感じの文章が、お話にも、キャラにも似合っているし、明快で読みやすい。
これは個人的には多くの作家が見習うべきものだと思う。もちろん、長々と続くポエミーな言い回しが
感動をあたえることもあるが、こういうふうに繊細な耳をもって、上手にやれば、
短い文章で狙った効果をちゃんと出せるものだし、直截なぶん力強さも出てくる。
これは伸びる。ぜひとも読んでもらいたいもの。
ねたばれだが、秋姉妹の話ではない。

遠い背中  みく氏

【作品集】161
【タイトル】遠い背中
【書いた人】みく氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1327932616&log=161
【あらすじ】
村紗と背中合わせに座ったぬえが本を読んでいる。
内容は頭に入ってこない。ぬえが読んでいる(ふりをしている)のは仏法の教典だった。
そしていつものように3冊をめくり終えて、帰ろうとするぬえに村紗が声をかける。

「またね、聖」

【感想】
冒頭のこの台詞で持っていかれた。正体不明の種によって、村紗に聖だと勘違いされ訂正の機会を逸してしまったぬえが思い悩んで酒に溺れたりする話。ぬえの繊細な心情描写に終始緊張感のある作品になっている。そうして序盤中盤と楽しめたからこそ終わり方があっけなさすぎるようにも思え、他にもぬえの口調をおかしく感じたりもしたがそれらを差っぴいても普通に面白い。もっと伸びてもいい気がする。
そう長い作品でもないので一読してみてはどうだろう。

《レッド・ABYTHEN・カイザー》   リペヤー氏

【作品集】161
【タイトル】《レッド・ABYTHEN・カイザー》   【書いた人】リペヤー氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1327980126&log=161

【あらすじ】
かっぱえびせんの話

【感想】
まず最初に、当方こーりんがきゃっきゃうふふしてる話はあんまり好きでないので、そういうフィルターが
かかったうえでのレビューだと考えていただきたい。そういう話。
香霖堂に大量の海老煎餅が入荷し(かっぱ謹製)、それを軸にして霊夢と紫が弾幕勝負。
霊夢は乙女っぽい感じだが、ゆかりんは例によってよゆうのある大人の保護者的な感じ。
弾幕勝負においてもゆかりんがそれらしい駆け引きを見せたりする。
最後にえびせんの話にもってったり、博麗の巫女とは、という話をつっこんだりするけども、
どうも無理矢理感が否めない。ぶっちゃけ見所があんまりない作品。
こーりん好きなら読んでいいが、他の人は別に読まなくていいだろう。

『お手紙ゲーム』 『月を好きになった夜雀』  ばかのひ 氏

【作品集】 161
【タイトル】『お手紙ゲーム』 『月を好きになった夜雀』   【書いた人】ばかのひ 氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1328080672&log=161

【あらすじ】
みすルナサとかノーマークすぎて吹いた

【感想】
幻想郷で「お手紙ゲーム」というゲームが流行る。お手紙に、暗号文やなぞなぞを書いて、
それによって意思を伝えるというもの。
ななめ読みだったり、五十音の母音と子音のあれこれだったりと、その問題文、解答法はさまざま。
なんかこういうのを使った作品を前作品集でも見たと思うんだが、まあいい。
タグにあるように、前半をこのお手紙ゲームについての実例を出した解説にあてている。メインは後半。
ルナサみすちーとか……考えてみれば音楽つながりで接点がないわけでもないので、成る程という気はするが
それにしても視覚外からの攻撃である。私は驚いた。
ルナサ姉さんがなんか「ボンソワール」とか言い出しそうなプリズムリバー卿みたいなしゃべりになってるのも驚いた。
みすちーは乙女乙女しててかわゆし。
でもこれ違うかもしれないけども、「月が綺麗ですね」ネタの入り組んだ変奏であって
発想の元ネタもそこからきてるんじゃないか? とちょっと思った。えらい入り組み方だが。
ばかのひ氏は、ほんとうに速くてすごい。このところ二日か三日に一本のペースである。
どれもそれなりにとんちがきいてて面白い。長いのも読みたいな、と思ってしまうのは、ありきたりだけども
正直なところ。とはいえこれも22kbはあるんだけども、するする読めて良い意味で容量以上に短く感じるのは、
たくさん出しているから、という先入観もあるだろうし、だいたいにおいて書き方が上手いからだろう。
どうせここ読んでると思うので、すごい個人的な要望なんですけども、私の好みからすると平和すぎるので
少しなにものかの悪意みたいなのを感じるような作品が読みたい。
今後とも面白い作品をよろしくお願いしますです、はい。

こわい! ぜったいにこわい!  トローロン氏

【作品集】161
【タイトル】こわい! ぜったいにこわい!
【書いた人】トローロン氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1328079541&log=161
【あらすじ】
ナズーリン曰く「猫とか全然怖くねーし。余裕だし。超余裕だし」(意訳です)
そんないつになく怯えた様子の彼女に悪戯心をかきたてられた星がさでずむを発揮する。

【感想】
タイトルの時点で察しがつく人がいるかもしれないが内容もそのままその通りであり掌編というに相応しい短い作品。××を装った○○を装った△△という三重構造が面白かった。個人的にはやたらとヘタレな星や斜に構えて嫌味ったらしいばかりのナズーリンといったキャラ造形があまり好きではないので、そうではないこの作品は素直に楽しめた。策士ながら可愛げのあるナズーリンがたまらん。悶える。
しかしそれだけといえばそれだけであり、がっつり読みたい人には向かない。もう一パンチ欲しかったかも。

そらまでとどけ  村人。氏

【作品集】161
【タイトル】そらまでとどけ
【書いた人】村人。氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1328106527&log=161
【あらすじ】
この日から、二人は家族となり、親友となった。(本文冒頭より)

お空がまだ一匹の地獄鴉であった頃、片足が折れ衰弱し動けないところをお燐に助けられる。
それからお空は灼熱地獄跡の火力を監視するという役目を与えられお燐と共に幸せな時間を過ごす。
だが折れた片足は治らないままで、お燐の隣に並び立てない自分がお空は嫌だった。
お空は足を治すため、百年という単位で模索を続けるのだが……

【感想】
久しぶりにガツンと来た。村人。氏の作品だから、という名前読みで読み始めた点は否定できないが、そういう補正抜きにしてもいい作品だと思う。村人。氏は正直ちゅっちゅやギャグの人というイメージが強かったがこれはド直球でかつ上手い。
前半お空の性格にどことなくつっかかりを覚えるかもしれないが、それならばこそ読み進めて欲しい。そういう些細な違和感も伏線として組み込まれていてよくできている。
ただ、構造としてかなり悲しい話だと思うし個人的にはもっと悲壮感を前面に押し出した物が読みたかったようにも思う。でもあんまり欝なのは嫌いな人もいるだろうし流石にこれは好みの問題か。
無駄なく非常に読みやすいので長さに怯まず読んでみるのをお勧めする。

天国に一番近い場所  スバル 氏

【作品集】161
【タイトル】 天国に一番近い場所   【書いた人】スバル 氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1328184910&log=161

【あらすじ】
らんしゃまのしっぽもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふ
(※あとがきより)

【感想】
藍様の尻尾をもふもふする話。タイトルの場所とはそこのこと。
たぶん何百回も書かれているネタだし、とくに目新しいこともないんだけど、なんかいいですね。
台詞や地の文がテンポよくて上手いし、なにげないギャグが妙にすとんとはまっていていい感じ。
肩の力抜いて楽しめる短編。

こあこあレンジ   てゐれいせん 氏

【作品集】161
【タイトル】こあこあレンジ   【書いた人】てゐれいせん 氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1328114990&log=161

【あらすじ】
いろいろと不幸が重なり、電子レンジに閉じ込められた小悪魔が爆死する話。

【感想】
タグにはギャグとあるが、笑いを誘う描写が殆ど無い上に、小悪魔が追いつめられて死に至る描写だけはしっかりしているので
理解に苦しむ。
小悪魔ちゃん爆死しちゃいました、おもしろいですね。という意図だとしたら、作者の品性を疑うところ。

リョナ的性癖が理解できないわけではないので、純粋に小悪魔が苦しむところを書きたかったのだとしたら(創想話の客層に合う
かは別問題として)一応納得はできるが、だとしたらタグにギャグを入れる必要は無いんじゃなかろうか。

どちらにせよ

苦しんで爆死する小悪魔が見たくてしょうがない人以外は、読んでも不愉快な気分になるだけなので注意。

普通の電子レンジなら扉を蹴れば出られたんじゃないか? 小悪魔は電子レンジに無理なく収まるほど小さいのか? などは野暮なツッコミなのかもしれない。

立春の前日行事  まいん氏

【作品集】161
【タイトル】 立春の前日行事   【書いた人】まいん氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1328266420&log=161

【あらすじ】
萃香ちゃんかわいい

【感想】
節分ということで萃香のお豆さんネタである。やはりこういう年中行事は大事にしていきたい。
恵方巻きをくわえるネタがまだないので、どなたかお願いします。
お話は萃香が節分の鬼役をやるという、そのまんまなもので、でもそれがいい。3.16KBととても短く、
瞬時に読めるのもまた良しで、こういうのは当日限定のボーナスステージと思って楽しむべきだろう。
というかしかしバレンタインネタでは作品集を埋め尽くす勢いで湧いて出るお前らが節分総スルーなのは
節分さんは悲しんでいると思う。
短くてそのままな話だけど、面白くないわけではない。短いぶん、ちょこっとした文章のあやなんかに
気がつくことができて、

>極度の人見知りだが酔っていれば関係ない。 彼女はいつも酔っている。

こういう一行なんか、なんか水中で宝物を見つけたような、うれしい気分になってしまう。
まだ時間はあるので、節分ネタ、ちょっとひねってみてはどうだろうか。
そうでなくても萃香作品って少ないような気がするし、良い機会だと思う。
あとこの作品下ネタではないでの、下ネタ枠も開いている。

月満ちるように死を抱く  RingGing氏

【作品集】161
【タイトル】月満ちるように死を抱く
【書いた人】RingGing氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1328118182&log=161
【あらすじ】
幽々子は蓬莱人が好きではなかった。
だから、いつの間にか(本当にいつの間にか)白玉楼に当たり前のように上がりこんでいた輝夜もにべなく遠ざけようと試みたのだが、後日しれっとした顔でやってきた輝夜は一枚の手紙を携えていた。
曰く、永遠亭を改修するので輝夜を少しの間泊めて欲しいという。
こうしてしばらく、輝夜が白玉楼に居候することになった。

【感想】
てるゆゆという極めて珍しいカップリングの作品。てるゆゆを密かにジャスティスと定めている人は問題なく楽しめると思う。文章自体も落ち着いた風情があっていい感じ。幽々子の心情の変遷が丁寧に書かれていて、とりあえずちゅっちゅさせましたという話じゃないのも好感触。
ただ最後のほうでガチ百合というかレズっぽい雰囲気になるので苦手な人は注意。また全体的に地に足が着いてないような感じがしなくもない。
珍カップリングなのも相まって人を選ぶ作品だとは思うが、興味があれば一読してみてはどうだろう。

趣味仲間  ばかのひ氏

【作品集】161
【タイトル】 趣味仲間   【書いた人】ばかのひ氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1328287150&log=161

【あらすじ】
小傘ちゃんと三妖精が魔理沙に悪戯をする。

【感想】
何日か前にレビューしたばかりのばかのひ氏の、同じ「お手紙ゲーム」の設定を引き継いだ作品。
大枠のお話自体はそれほど驚くようなものではないけども、小ネタの濃度が前回と比べても異様に濃いので
読んでて感心する。ふ菓子w
ひとつひとつのネタは微妙なところがまた心をくすぐってきて好きだけども、やっぱり読みにくいかな。
というのも光の三妖精と小傘の会話がメインなんだけど、小傘はともかく、三妖精の台詞に区別がつけづらく、
誰がしゃべっているのかよくわからない。よく読めばわかるんだろうけどそもそも三妖精自体が
トリコで言えばトミーロッドの飼ってる虫くらいの位置なので結局よくわからない。
推理するのが面白いはずの暗号を、逆に解けないものとして活かすなどのアイデアは感心するし、
いろいろと好きなんだけども、結果ごちゃごちゃしてわかりにくく、惜しい! というのがとても似合う作品。
点数も個人的にはもう少し伸びていいと思うが伸びていない。これは惜しいのと、それとやっぱり
これだけたくさん出していると読んでるほうでも慣れてしまって、べつに悪い気持ちじゃなくっても
自然に作者に対して点が辛くなってしまうというのはあるだろうと思う。
もっといけるだろ! 感というかなんか。
まあ、こんなこともある。

八雲紫(16)  maruta氏

【作品集】161
【タイトル】八雲紫(16)
【書いた人】maruta氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1328352916&log=161
【あらすじ】
「ねえ、藍。私って何歳に見える?」
 その言葉を聞いた瞬間に、八雲藍は核以上の悲劇が我が身に起こりつつある事を知った。(本文冒頭より)

マインスイーパーというゲームをご存知だろうかご存知だろうと思うので勝手に話を進めるがあのゲームにはどうしても運に頼らざるを得ないパターンがある。具体的には最後の二つ残ったどちらか一つが最後の地雷であるというパターンだが、紫に歳を聞かれた藍の心境はそんなものだったかもしれない。
高く言うか、低く言うか。
ここで大事なのは「何歳に見える?」と問いかけられていることであり即ち実年齢(うん千歳うん百歳)を言う逃げ道がないことである。藍は答えなければならない。どう答えても相応のリスクが発生する、狂気の沙汰を……!

【感想】
でも地雷ってどこで踏むかわからないから怖いよね。そんな感じの何とやら。突飛な出だしからノンストップで最後まで駆け抜けて、オチまで隙なく面白い。個人的にはゆかりんは少女であると固く信じて疑わないので藍の迷いについては全く承服しかねるところがありむしろ橙の感覚を全面的に指示する所存ではあるのだがそういう話だと割り切るしかないのだろうか甚だ残念でならない。
まさに短編、といった感じの作品。キャッチーなタイトル、冒頭だけならまだしも、そこから勢いを殺さず走り抜けるのは難しいと思うが、その点よくできていて安心して読める。タイトルに怒りなり同意なり興味なりを覚えたなら一読してみてはどうだろう。

狩る者、狩られる者  長靴はいた黒猫氏

【作品集】161
【タイトル】狩る者、狩られる者
【書いた人】長靴はいた黒猫氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1328410730&log=161
【あらすじ】
 諏訪大社には代々、御頭祭なる奇祭があるのだが、実をいうと早苗はこのお祭りが大の苦手であった。現在こそ生贄とされているのは動物のはく製ではあるものの、昔は本物を利用した祭事である。(本文冒頭より)

その御頭祭が妖怪の山で行われることになった。
それも、はく製ではなく生きた鹿を生贄にするのだという。早苗は奉納する鹿の首を切ることを命じられる。またその後の宴会で首以外の肉も振る舞うから、それを解体するようにとも。しかし早苗は元来スプラッタな物が苦手で、解体の仕方などもさっぱりわからない。途方に暮れてあてもなく妖怪の山を歩いていると、見知った後ろ姿を見つけた。
椛が川のすぐ傍で、猪を解体しているのだった。

【感想】
間違いなく人を選ぶ。というのも作中の椛の性格、振る舞いが一般的な二次イメージから大きく乖離しているからで、健気で犬っぽい椛を期待して読みに行くと戸惑うことしきりだろう。この作品を面白いと思えるかどうかはこの一風変わった椛を受け入れられるかどうかにかかっていると言っても過言ではない。自分としてはグレーだった。性格というかキャラ付け自体は受け入れられたんだけど、その過去設定はちょっと……という感じ。詳しくは読んでみてくれ。
……と、何だか散々な言いようになってしまったが決して面白くないわけではない。文章は流れるように読み進められて作者の地力の高さを感じさせるし、現代人な早苗が四苦八苦しつつ順応していく様もよく書かれている。サバイバル的な話が好きな人は是非。そうでない人も、一読してみてはどうだろう。

死亡遊戯/レールガン/鬼  RingGing氏

【作品集】161
【タイトル】死亡遊戯/レールガン/鬼
【書いた人】RingGing氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1328458888&log=161
【あらすじ】
「ぎゃおー! 食べちゃうぞー」
さとりから頼まれて、勇儀は節分の鬼役をすることになる。

【感想】
ギャグと銘打たれてはいるが、鬼の性質や生き様なんかに焦点のあてられたシリアスな側面も存外に強かった。ギャグ自体も、レールガンや、夢想の境地で達人してるこいしちゃんみたいなぶっ飛んだ内容から、落ち着きつつもどこかとぼけた掛け合いまでと幅広い。ただ逆に詰め込みすぎて纏まりを欠いている感は否めない。カレーとラーメンを交互に一口ずつ食べさせられたような読後感で、個々の要素は面白いんだけど、もう少し分離して欲しかったとも思う。
しかし詰め込まれているからこそお得なのかもしれない。ここら辺は個々人の感性によるだろう。
テンション高い地霊殿が読みたければ是非、そうでない人も一読してみてはいかがか。

忘却思考のラッキーロール  がいすと氏

【作品集】161
【タイトル】忘却思考のラッキーロール   【書いた人】がいすと氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1328519331&log=161

【あらすじ】
芳香ちゃんが恵方巻きをおくちいっぱいにほおばる

【感想】
・芳香ちゃんって死体なのにお使い行ってもいいのかよ 臭いだろ?
・芳香ちゃんってメシ食えるのかよ 死体だろ?
・Gショックが幻想入り

などなど数々の疑問を置いてきぼりにして話は進む。死体だから脳が腐れているのがよくわかる。
節分ネタでございます。これでやりのこしがない。めでたい。
しかし芳香ちゃんが眉根にしわを寄せて「んむっ、はむっ、むぐぅ……」などの描写がないのは何故だろう。
もう少しサービスをしても良いのではないだろうか。
余談ながら私が見た芳香ちゃんのMMDでは死体なのに非常にクネクネと動いていて超カワイイがあまり芳香ちゃんに見えなかった。
でも前貼りだった。
まだまだ数少ない芳香ちゃんネタで、そいでまた芳香ちゃんの脳が腐れている魅力が満載の
非常にかわいい作品なのでぜひ皆さん読んでみてはどうだろうか。
がいすとさんはたぶんひとつか、ふたつ前の作品集からの新人で、東方キャラのそれぞれのピントのずれた日常を、とても優しく書いてくれる、なんだか上手な人で、注目だし、お気に入りです。
読んでるうちに青娥にゃんにゃんがおっきくおくちを開けて咥えるシーンが出てきました。
めでたい。

9×9ハチワンスーベニア  もなにもなに氏

【作品集】161
【タイトル】 9×9ハチワンスーベニア   【書いた人】もなにもなに氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1328532561&log=161

【あらすじ】
阿求とチルノが将棋で戦う。

【感想】
妖精の記憶と阿求の転生の話。と書けばだいたい察しはつくだろう。そういう話。
で、タグにあるように「人里の男」が関わってくるんだけど、このおっさんがいい味出してます。
個人的には阿求とチルノの話よりも、このおっさんの話のほうが心に残ったり。
ぶっちゃけ言うと、組み合わせは新しいとはいえ、阿求の話も妖精の話も、今まで何度も
書かれてきた話だし、ほかいいのがいっぱいあるんだけども、
その友情の話におっさんの生き方、人生の話を絡めてきたのが上手い。
なんかわけのわかんないお札作ったりもするし、裏主人公と言っていいくらいだ。
オリキャラ嫌いの人もこれはけっこういけるんじゃないかな。
あと、チルねぇって呼び方はなんか新鮮でいいですね。

一億総芳香  智弘氏

【作品集】161
【タイトル】一億総芳香
【書いた人】智弘氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1328526862&log=161
【あらすじ】
『★芳香よしよし代行始めました★

 可愛がりたいけど愛でる芳香がいない、永久保存できる美少女芳香をなでなでしたい、そんなときに!
 芳香可愛がりで鍛えた邪仙が、一生懸命あなたの周りで芳香よしよしをします!
 モチロン芳香を用意する必要もありません!
 芳香があなたの家の近くの住人に無差別にかじりついて仲間入りさせます!

 ※お支払いは、一時間につき芳香二体でお願いします』(本文冒頭より)

【感想】
ど、どういうことなんだってばよ……頭が理解を拒否する、中々お目にかかれないレベルで突き抜けたカオスギャグ。徹頭徹尾頭がおかしい。これでもかというくらいに捻じ込んでくる力技のギャグは読んでいて楽しく、またこの作品を読むことでただちに趣味嗜好には影響はないが、基準値を大きく上回る芳香指数によって芳香よしよしの危険性がある。一見意味不明のタイトルが全くタイトル詐欺になっていないあたりもう狂ってるとしか。久々にすげぇもんを見たという感じ。
ぶっ飛んだギャグが好きな人は是非、そうでなくとも一読して損はないのではなかろうか。

恋はおちるものだそうで   橋守氏

【作品集】161
【タイトル】 恋はおちるものだそうで   【書いた人】橋守氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1328636415&log=161

【あらすじ】
さっきゅんがめーりんにきゅんきゅんしちゃうの

【感想】
完全ねたばれですが、まあそういう話。
本当に恋に落ちたところまでで話が終わるので、投げっぱなしだとかのコメがつくのもわかるけど、
これはこれでいいんじゃないだろうか。

・さっきゅんがいつどんなときにめーりんにきゅんときたか
・さっきゅんがめーりんのラブ関係について気にしている様子
・さっきゅんがいつ自分が恋に落ちたと自覚したか

など、きちんと書いてるので、別になまけている感じはしない。
ただまあ、もっと上手に書けるはずだ、という気になるのもたしかで、そういうのが結局
何か足りない感として続き希望ということになるのかもしれない。
少女漫画みたいな展開はいいと思うし、けっこう好きだしいけてると思うんだけど、
いうなれば書き込みが足りないのかな。
あと僕はめりーんは好きとか嫌いとか以前になんかまったく興味がもてないキャラなんですけど、
そうかこーゆー真面目なフツーの人みたいなのが魅力なのかなあとちょっと思いました。
キン肉マンでいうとあのパンツ天国の中ただひとりズボンはいてるブロッケンジュニアが
やたら目だって男のフェロモンを出していたように、身勝手ではっちゃけた迷惑な奴らが多い東方では
めーりんのような気遣いをするキャラが目立つのだろう。
悪くないけど、やっぱり何かが足りない作品。

魔法使いの特権なの。  梔子氏

【作品集】161
【タイトル】魔法使いの特権なの。
【書いた人】梔子氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1328657324&log=161
【あらすじ】
パチュリーがフランドールと外出する話

【感想】
正直レビューしづらい。作品全体に流れる温かな空気もいいし、会話文も中々軽妙で一応の起承転結も付いている。読んで損はない作品だと思う。……のだが、逆に突出した何かが足りない。それでも決して悪い作品ではないのだけど、目を引く展開があったわけでもなく、ぶっ飛んだギャグや精緻な心理描写や意表を突くオチ等々、印象に残る決め手に欠けていたという印象が残った。
いやでもほんと悪い作品ではないです。
アットホームな紅魔館や母性溢れるパチュリーが読みたい人は一読してみてはどうだろう。

罠  arca氏

【作品集】161
【タイトル】罠   【書いた人】arca氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1328749931&log=161

【あらすじ】
フランちゃんが自室でトラバサミの罠にかかる。

【感想】
この作者さんを読んでいる人はわかるだろうけど、いわゆるいつもの調子の話。
フランちゃんの一人称で、えんえん頭がおかしいという困った話である。
文体(といっていいのかどうかわからないが)に特徴がある人で、短ければ一文字、長くても二十字未満くらいで
ばんばん改行していく。そのため連分けされていない以外はぱっと見ポエムにも見える。
つまるとこ、区切れと改行で変なリズムを作り出していて、その上でフランちゃんがつぶやいているだけという
非常にミニマルなもので、そういう作者が作り出したグルーヴの上で俺たちは読むことを強いられているんだ!
文章のリズムだけでなく内容も反復的で、なかなか前に進まず、ワンフレーズ(この作品で言えばフランちゃんが
自室でトラバサミにかかる)がものすごくちょっとずつ移動して、いろんな方向から見られて細分化されていく。
これは読むほうも「なにこれ(笑)」とか言うしかない。そういうなんていうかぐるんぐるん回ってるだけで
どこに向かってるんだかそもそもどこかへ向かう気があるんだかないんだかわからないところが
フランちゃんのキャラクターによく似合っている。というところで支持を得ているのだと私は思う。
難点を言うとしたらこれって頭がおかしいというよりは頭が悪いのではないか、というところだが
今回はお姉様も出演していてカリスマ値を上げてくれたのでみんな満足である。
しかし、495年もこの調子なんだったらそりゃ閉じ込められて当たり前なのではないだろうか。
何で嫌いなのに手の届く場所にマヨネーズが? と読むほうでもそれが有効なツッコミであるのかどうか
自信がもてなくなってくるいい意味でも悪い意味でも人を不安な気持ちにさせる作品。

それは自由に生きた縛られし少女の話  酢烏賊楓氏

【作品集】161
【タイトル】それは自由に生きた縛られし少女の話
【書いた人】酢烏賊楓氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1328723389&log=161
【あらすじ】
“私”は自由に過ごしたいと思っていた。だが人間である身の上、命の長さに縛られる。そうしてお気に入りの丘に寝っ転がって、日がな自然を眺めるばかりの自由で虚ろな生活をしていた“私”だったが、誰も来るはずのない丘に、ある日一人の少女が現れた。
その日から“私”の余生は少しずつ変わって行く。

【感想】
終始一人称文体で、語り部や少女の名前は最後まで出てこない。なのであまり詳しく言ってネタバレするのも無粋だと思うし、曖昧な感想になるのを許して欲しい。
抽象的な印象を述べればぼんやりとした話。よく言えば儚く、悪く言えば感情が希薄というか、何と言うか。しかし読み終えたあとには満ち足りた幸せな気分になれるのではなかろうか。平易な文体でスラスラ読める作品なので、いったい誰と誰の話なんだーとか興味が湧いたなら一読してみてはどうだろう。

Last will   risye氏

【作品集】161
【タイトル】 Last will   【書いた人】risye氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1328874392&log=161

【あらすじ】
四月一日、秘封倶楽部の二人は四月馬鹿でお互いに遺言状を書いて見せ合う約束をする。

【感想】
衝撃的な内容です。正直、文章がヘタクソなので、レビューでなければ三行くらい読んだところで
ブラウザバックでしたが、読み進めていくと秘封好きの私としてはやってられない展開になっていく。
地の文の下手さ、説明のほとんどを蓮子のひとりごとですませてしまうなどの小説としてのいい加減さなど
いろいろ馬鹿かお前はと上から目線で叱ってやりたいところはあれど、衝撃的な展開で
それしか頭に残らなくなってしまうのでこれはこれで
といつもの調子で言ってしまいそうになるがやはり秘封好きとしては「なんだそれ。馬鹿か」
と文句のひとつもつけたくなってしまう。
デリケートな話なので、あんまり言及するのもはばかられるが、それにしても出来事にたいしての
理由付けがあまりにも適当じゃないだろうか? 2ちゃんのコピペじゃねーのかこれ?
と読んだあとふんまんやるかたない気分にさせてくれる酷い作品である。
しかしそのメインとなる場面の描写だけはそれ以外のヘタクソさを一瞬忘れさせるほどむやみに迫力があるので
困ってしまう、バランスを欠いた、妙な作品でありました。

ミーニングレス・デッド  がいすと氏

【作品集】161
【タイトル】ミーニングレス・デッド   【書いた人】がいすと氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1328881681&log=161

【あらすじ】
慧音の学校の少年Aが、学友の少年Bに校庭のど真ん中でナイフでメッタ刺しにされて死ぬ。

【感想】
昨日に引き続き死にネタということで取り上げてみた。またがいすと氏は、ちょっと前に
名前挙がっていたこともあるので、多少ねたばれ気味になりますが、少し書いてみたい。
ようするに、あらすじのとおり少年が少年を殺す。それについて慧音は当然ショックを受け、
友人の妹紅がその殺人の秘密に近づこうとする。秘密というのは、動機や、殺人の直前に
少年たちが永遠亭に行っていたことから、永琳の関与を疑ってみたりするわけですが、
オチを言ってしまうと秘密なんかなにもない。あったとしても描かれないし、妹紅にはそれがわからないまま終わる。
うやむやなものをうやむやなまま終わらせているわけで、スッキリしないといえばそうなんだが、
これはそういううやむやなままのものが我々の社会には存在し、それはそのまま受け止めるしかないものだ、
ということを描いている作品なのだからしかたない。
大勢の人が同じ場所で暮らしていて、いろんな可能性の組み合わせが増えていけば、その可能性の帰着点のひとつに
少年同士の殺人というのも存在する。それはかなり突拍子も無いことに見えて、なんだか理由探しを
したくなってしまうけれど、考えてみれば妹紅が不死になって、その不死の人間が
死んだ人間の弔いをするというのはさらに突拍子もないことだし、それだって理由がなく、
単なる可能性の組み合わせの結果……理不尽な偶然の結果として一言で片付けられることではあるのだ。
文章的には、この人はひとつひとつの描写や、キャラの書き分け、雰囲気作りが上手いというよりか、
そっけなくも見えるシンプルな文(けして書きすぎず、余長を少しずつ残した文)を連続で配置していって
全体として言外の意味を匂わせ、それで物語を盛り上げていくのが上手い。
実際に書かれているもののほかにそれと関連はしているけれど独立した背景があり、その背景と
シンプルな文の対比で遠近法的な感じで短いくせに作品に広がりを持たせることに成功している。
と少々ほめすぎのようにも思えるが私はそう思う。
何はともあれ死にネタ(及びオリキャラ)は難しいこともあって、点は伸びていないが、
もう少し好意的に見られても良いのではないかと思える作品。

少女のメロディー  あっき~氏

【作品集】161
【タイトル】少女のメロディー
【書いた人】あっき~氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1328887474&log=161
【あらすじ】
どれほど忙しくとも合間を縫って遊んでくれる父親、厳しくも優しい母親、そしてこの世の何よりも大事で、大好きな3人の姉。(本文中より)
「さっきお願い事をして、今幸せの中にいる。ほら、願い事が叶った。これは本当に願いを叶える魔法のオルゴールだ」(本文中より)

レイラは幸せに満ちた生活を送っていた。
そんなある日、もうじき彼女が10歳になろうかという頃、仕事での遠出から帰ってきた父親が偶然手に入れたというオルゴールを取り出す。彼曰く「願い事を叶えてくれるなんていう言い伝えもあるんだ」曰く付きの一品である。「幸せになれますように」と彼は願った。
その一年後レイラの父親は処刑された。
「金があれば幸せになれる……金があれば幸せになれる……」処刑されるその瞬間まで、うわ言のように呟いていたらしい。

【感想】
タグの通りプリズムリバー三姉妹とレイラの過去話。幸福な人生から一転、どん底に転げ落ちたレイラが幻想郷に行って云々。率直な感想を述べれば決して悪い話ではない。が、何とも物足りない。ストーリだけを抜き出せばベタながらも人を感動させうるものだったと思うのだが、なにぶんダイジェスト過ぎる。序盤のレイラの幸せ具合とか転げ落ちたあとの絶望とかもっと書き込んでもよかったんじゃなかろうか。
しかし前述の通り決して悪い話ではない。
プリズムリバーが好きならば一読してみてはどうだろう。

この物語には悲劇的な表現が含まれています。  risye氏

【作品集】161
【タイトル】この物語には悲劇的な表現が含まれています。
【書いた人】risye氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1328942493&log=161
【あらすじ】
かつて幸せを確信した湖で、パルスィと早苗が不幸に満ちた新婚生活を語る

【感想】
タイトルから明白なように人を選ぶ。
そして自分は波長が合わなかった。
この二つを念頭においてもらいたい。この作品は人によって評価が両極端に別れると思うが、この作品が好きな人の感性を否定するつもりはなく、単純に自分の感想を述べるだけのつもりです。
まずこの作者さんは、間違いなく実力はあると思う。内容に不快感と突っ込みたい気持ちを覚えつつも自分が最後まで読めたのは、書きなれて読みやすい文章によるところが大きいだろう。東方キャラが新婚生活の中で不幸になるという超ド級の地雷を設置しつつも、男キャラの名前や外見、性格などに(物語の進行上必要な部分以外)一切言及せず、台詞という台詞もほとんど登場させない、あるいはぼかして書くという徹底ぶりは間違いなくそそわのニーズを読んだ上での配慮であるし、実際早苗、パルスィの夫とされたオリキャラは終始舞台装置としての範疇を出なかった。場の空気を読む力もあれば、それを物語に組み込む力もある。だからこそ読み手を大いに選ぶこの作品を投稿したのには何らかの意図があったと推測する。単にあの後書きが言いたかったのか、悲劇をいかに受け入れやすく書けるか挑戦していたのか、お互いの不幸を笑い飛ばせる友人関係を書きたかったのか。さすがにそこまではわからないが、相当な工夫と苦心の末にこの物語を書き上げ投稿したのだろう。
しかし合わない。
どうしても作品に入り込めなかった。なるべくしてなった悲劇ではなく、作者によって起こされた茶番劇という印象を最後まで拭い去ることができなかった。物語として割り切って、一歩引いた場所から眺める分には素直に面白いと思えるのだが、一東方好きとしてはキャラの扱いに強い不快を覚える。
ただあくまでこれは個人的な感想であって、楽しめる人はとことん楽しめると思う。
興味が湧いたなら、長さに怯まず一読してみてはどうだろう。

構って。 ~ 眼鏡Limited ~  汗が制汗剤を流す人氏
ほのぼのと話は進む。

【作品集】161
【タイトル】構って。 ~ 眼鏡Limited ~
【書いた人】汗が制汗剤を流す人氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1328873229&log=161
【あらすじ】
一つ&三つ目
咲夜が霖之助の眼鏡を盗って弄る
二つ目
響子がマミゾウさんの眼鏡を盗って弄られる
【感想】
ほのぼのと話は進む。
タイトルにあるよう、構って欲しい咲夜と響子が出てくるんですが、それが可愛い
この作者さんの咲夜は~ですわ、という言葉遣いをするのが特徴のようですが、それもまたグッと来る感じ
何より雰囲気がいいので、一読の価値はあると思う

およそ三部の短編によって構成されています。

(汗氏による自薦レビュー)
【作品集】161
【タイトル】構って。 ~ 眼鏡Limited ~
【書いた人】汗が制汗剤を流す人
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1328873229&log=161
【あらすじ】
およそ三部の短編によって構成されています。

まず一つ目。 こちらは、霖之助の眼鏡に興味を持った咲夜さんが、霖之助の眼鏡を勝手にかけ、また勝手な振る舞いをする、というお話。
これだけ言うと、咲夜さんがまるで傍若無人な人間かのように思われますが、実際はそうではありません。 ただ、いつも余裕綽綽に振舞う霖之助を、少し困らせ、あわよくば接近してみよう、という打算の混じった乙女心故の行動。 或いは、悪女心。
霖之助も、それを悪いこととは、感じていないようです。

二つ目。 これも一つ目と似たような感じです。 響子ちゃんがマミゾウさんの眼鏡を勝手に掛ける。 マミゾウさんは困ってしまって、どうにか返してもらいたがる。
いたずらっ子とそれに付き合う大人、そういう図式です。
ただ、マミゾウさんもやられるだけではなく、いたずらっ子に仕返し、といいますか大人の切り返しをする。 そういうお話です。

最後に三つ目。 これは一つ目の続編、といいますか、アンサー短編になっております。
話は、既に咲夜さんが霖之助の眼鏡を奪っているところから始まります。
一つ目と同じように、咲夜さんが眼鏡を掛けていない霖之助をもてあそびます。
……が、話の最後で、咲夜さんは霖之助に『とある行動』をします。
その『とある行動』を受けて、霖之助はこう纏めます。
曰く、『素直ではない』と。

【読みどころ】
読みどころといいますか、私が当作を書くにあたって注意した点。
まず最も気をつけた、そしてこの作品の読みどころだと思って欲しい点ですが、何を置いても『乙女心』です。
タイトルには『構って』という言葉が入っていますが、SSの中には一切そう言った言葉は出てきません。
構って欲しくても、それを口、態度には出さない。 それもまぁ、一つの乙女心といいますか。 (と言っても、響子ちゃんは表に出しすぎですね)
構って欲しいので、相手を困らせたり悪戯をしたり、というのは寧ろ『少年心』の方が近い気もしますが。 まぁ、少年も一種の乙女なんです。

他に気をつけた点としては、『間』のとり方があげられます。 『雰囲気が良い』とおっしゃって下さった方が数人いらっしゃいましたが、その『雰囲気』というのは、この『間』をとった結果なのではと考えております。
まぁ言葉にしてしまえば元も子もないような気もしますが。

それから、『ギャップ』です。
一つ目と三つ目では、少し大人な咲夜さんの乙女心。 二つ目では、まだ乙女にはなりきれてないない響子ちゃんの乙女心にそれぞれスポットライトを当てています。
この二人のギャップ、或いはその二人とそれぞれの相手とのギャップ。
そのギャップにつけこんで、利用して、若干過剰にでも感情移入して読んでいただければ。

以上、幻想郷のメガネキャラ二人と、原作咲夜さんのですわ口調がもっと流行って欲しい『汗が制汗剤を流す人』のいいところだけ自薦レビューでした。

魂魄妖夢の善行  mongreldog氏

【作品集】161
【タイトル】魂魄妖夢の善行   【書いた人】mongreldog氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329047525&log=161

【あらすじ】
魂魄妖夢は永遠亭へ書状を届けた帰り、切り株に腰を乗せて悩んでいるおっさんを見つける。

【感想】
タグにあるとおり、後味の悪い話。暗い話流行ってるんだろうか。これはねたばれはちょっと避けたい。
妖夢主観と、オリキャラのおっさん主観が交互に入り交じって最終的に話の全体像がわかるつくりで、
よく出来ています。やたら行間あけてんのがなんとなくむかつくなーとか最初思っていましたが
すぐに気にならなくなりました。引き込まれるだけの構成の妙がある。
罪と呼ばれるべき事柄があって、けれどその罪を誰も意識していない場合、どうして贖いができるのか?
少女の軽い気まぐれや、偶然で左右されるほど、このおっさんの人生は軽いものだったのか?
読者に後味の悪い気持ちをあじわわせ、同時に問いも投げかけるスタイリッシュに根暗な作品だ。
あとがきで「前作では~」と書かれていたので調べてみたらこの人『鈴仙・優曇華院・イナバの悪手』の人じゃねーか。あれも暗くていい話だった。レビューした。
注目の新人である。

紅魔(前)~紅い魔星、夜間飛行の果てに(三部作)  RingGing氏

【作品集】161
【タイトル】
紅魔(前)~紅い魔星、夜間飛行の果てに
紅魔(幕間)~華人小娘、吸血鬼の館にて正道を貫く
紅魔(後)~金の凶星、略奪、狂奔、慟哭
【書いた人】RingGing氏
【URL】
ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329067055&log=161
ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329067190&log=161
ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329067333&log=161
【あらすじ】
美鈴がひたすら闘います

【感想】
何というか、作者さんが書きたいものを書きたいように書き殴ったというのが良くも悪くもひしひしと伝わってくる。最初注意書きとして『かなりアクションの分量が多くなっています』と書かれているが、かなりなんてもんじゃなかった。八割方が戦闘シーンで埋め尽くされるという異例の作品。ほとんどが戦闘シーンで埋まっている作品というと他に手負い氏の『剣に酔う』なんかが例に挙げられるが、あちらと違いこの作品は一度のバトルを深く掘り下げるのではなく、次々と現れる妖怪と美鈴が闘っていく構成になっている。
正直、最初のうちはあまり好意的には見れなかった。
どうやら過去話らしいと思ったら、最低限の理由付けの後すぐ戦闘シーンに突入して、しかもそれが延々長々続くので置いてけぼり感がすごかった。個人的にはバトルはそこに至るまでの過程と主義信条がぶつかり合う様がいいんじゃないか。と思っているので、ただバトルシーンだけを抜き出したようなこの作品には否定的な気持ちが強かった。
しかし、それを押して読み進めていくと存外に引き込まれる。
若干細かすぎてわかりづらいところも多かったが、落ち着いた地の文でよく書き込まれた戦闘描写はそれと割り切って読むと普通に楽しいし、作者さんの溢れんばかりのパッションにこっちまで熱くなってくる。特にフランドールとの戦闘がツボだった。
なんか序盤の唐突さで幾分損をしているような……。この人の作品は他にも何作か読んでいるが、書きたいものが先行して読者を置いてけぼりにする傾向にある気がしなくもない。
とかく、恐ろしく極端な作品なので人は選ぶだろうが、バトル物が好きな人は読んでみて損はないだろう。そうでなくとも、文章の持つ雰囲気と波長が合えば普通に楽しめる作品だと思うので、一読してみてはいかがか。

2月14日はレーヴァティンデー  手負い氏
なにこれすげぇ。

【作品集】161
【タイトル】2月14日はレーヴァティンデー
【書いた人】手負い氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329146661&log=161
【あらすじ】
紅魔館にやって来るや否や妖精メイドに斬りつけられた魔理沙。
間一髪のところをレミリアに助けられ、事情を聞けば至極真剣な顔でこう答えられた。
曰く、レーヴァティンデーはスカーレット家に代々伝わる行事である。
曰く、自分の大切な人にレーヴァティンを突き立てることで、日頃からの想いを伝える日である。
曰く、チーム対抗のほうが燃えるという由から祖父の代よりチーム対抗となった。
曰く、レミリアチームとフランドールチームに分かれている。レミリアチームはレミリア一人。武器は貫禄の爪楊枝・オブ・レーヴァティン。対するフランドールチームはレミリア以外の全員。皆が皆一丁前のレーヴァティンを所持している。
そんな絶望的な戦いに挑むレミリアに、なし崩しで魔理沙も巻き込まれていくのだった。

【感想】
なにこれすげぇ。というのが素直な感想。寝る前にさわりだけ読んで、後でじっくり読もうと思っていたのに気づいたら最後まで読み終えていた。タイトルと冒頭での出オチから始まりつつも、その勢いを殺すことなく80kb以上を駆け抜ける腕には舌を巻くばかり。テンポのいい掛け合いと駆け引き、何よりギャグや勢いだけの作品で終わらない懐の深さがダレることなく作品を纏め上げている。何というか、隙がない。ここまで絶賛すると自分でも気持ち悪いが、行事ネタだからと言って遠ざけず一度読んでみるのをお勧めする。

2月14日。幻想郷でもバレンタインであるこの日、魔理沙はチョコを集りに紅魔館へ訪れた。

【作品集】161
【タイトル】2月14日はレーヴァティンデー 【書いた人】手負い氏
【URL】
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329146661&log=161
【あらすじ】
2月14日。幻想郷でもバレンタインであるこの日、魔理沙はチョコを集りに紅魔館へ訪れた。
しかしそんな彼女を待っていたのは咲夜お手製のあまぁ~いチョコ……ではなく、妖精メイドの一撃だった。なんと紅魔館では好きな人に思いを文字通り"ぶつける"レーヴァティンデーなるものが開催されていたのであった。
血沸き肉踊る、魔理沙とレミリアのほろ苦い戦いの火蓋が今、切って落とされる!
【感想】
バレンタインというだけあって甘い話が多い中、ひときわ異彩を放っている作品。しかも、単純なワンアイデア勝負では無く最後まで中身がぎゅっと詰まっている良作。さながら、作品集161のトッポといったことろか。80kbを読んでも疲れを感じさせなかった作者の力量には感服。すいすい読んじゃえるので、是非一度お試しあれ

け  aho氏

【作品集】161
【タイトル】 け  【書いた人】aho氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329161750&log=161

【あらすじ】
(霊夢の鼻から……毛が……!)

 紫は戦慄した。
(本文より)

【感想】
創想話で最も評価の高い作家なだけあって、軽快でありながらもそれだけでなく、一工夫ある語り口は流石といったところ。
工夫の方向性は香霖堂的な「間違った方向への深い考察」若干壊れた紫が、現象に対して斜め上の思慮を突っ走っていき、その紫の勘違いした主観と、霊夢からの客観視点のギャップが笑いどころ。この構図をごく自然に成立させてしまうあたりが氏の手腕なのだろう。
また、紫と魔理沙双方が霊夢に対して、若干の百合的恋愛感情を抱いているのが前提条件のようだが、その内面にしても一歩踏み込んだ描写が見受けられ、新鮮な驚きを感じることができた。

受け入れられなかった点は三点。
紫の壊れ方がテンプレ的な変態でしかないため、思考の突っ走り方も先読みで予想できる範疇でしかないという点。
始点の霊夢+鼻毛がそんなに面白くないので、追加の笑いもなくそれ一本だけで20kbを乗り切るのは辛いという点。
ラストで納得してしまう霊夢の思考に無理があり、強引さが目立つ点。

総評としては、aho氏が素晴らしく上手い作家だということはわかったが、今回は嗜好と合わなかったので楽しめなかった。
上記の三点が全く気にならない人は、きっと心より楽しめることだと思う。

移動式門番  aho氏

【作品集】161
【タイトル】移動式門番   【書いた人】aho氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329161547&log=161

【あらすじ】
美鈴が子供たちと一緒に人里に遊びに行く。

【感想】
上で何度もコメントされているので、今更ではあるが、やっぱり取り上げておきたい。
今日も今日とて紅魔館で門番している美鈴のところにチルノ、大ちゃん、リグル、ミスティア、ルーミアらが
遊びに来る。いろいろあって、仕事を休んで全員で人里に行くことに。
ahoさんというのは物事をほんと丁寧に書く人で、それぞれのキャラに見せ場を作ってきちんきちんと
個性を出していき、誰もないがしろにしないので、どのファンが読んでも悪い気はしないと思う。
個人的にはルーミアがかわいい。
面白いなと思った点は、まずは美鈴の門番の仕事にたいする言及。なるほど門番というのは
受付嬢と守衛を兼ねてるようなもんなんだなあ、とか思った。神主にまで役立たず扱いされた美鈴が(by儚月抄)
自身の役割を理解し、誇りを持って責務を果たす企業戦士のように見えてくる不思議である。
しかし保母さんのほうが向いていると思う。
で、どちらかというと美鈴好きでない私としては、子供たちがわいわい騒いでいるのをニヤニヤしながら見つめる
あたかもハリーポッターの映画みているような気持で読んでいました。やあ、カワイイ
しかし嫌味を言うとすれば「こんないろいろ物事をわかっていて気を遣えてにもかかわらずかくれんぼしよーとかって
無邪気でカワイラシイ理想的な子供なんていねーよ気色悪いわ」とかも言おうとすれば言えるが
言ったからって何なんだという話である。
ルーミア一押し
むろんahoさんらしく、美鈴が大人であるとか、子供がかわいいとかのほかに、幻想郷全体で
進行している政治とかの話があるというのがあって、それをちらちら入れてきて
物語に厚みをもたせてくるのがばつぐんに凄いし、ただ遊ぶにしてもそこにふつうではないイレギュラーを
するりと忍び込ませて読みごたえのあるストーリーにするというほんとエンタテイメントに余念がない。
ただ容量があるだけではなく、ひとつの作品に対してみっつもよっつも物語になる要素を入れてくる感じである。
まさに横綱相撲であると私は思う。あとルーミアがかわいい。
あと け の話はタイトルを見て最初陰毛の話かと思いましたが違いました。
タイトルですらトラップを仕掛けてくる、さすがである。圧巻

"Happy Valentine's day My Little Butterfly Girl."(私の小さな蝶々さん、私を甘い蜜にして)  アン・シャーリー氏

【作品集】162
【タイトル】"Happy Valentine's day, My Little Butterfly Girl."(私の小さな蝶々さん、私を甘い蜜にして)   【書いた人】アン・シャーリー氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329226658&log=162

【あらすじ】
バレンタインデーのその日、幽々子は妖夢からのチョコを待っていた。
しかし待てど暮らせど妖夢はチョコを差し出さない。
これはもしかすると、何か驚くようなことを用意しているのかもしれない。

【感想】
口の中に何も入っていないことをよく確認してからお読みください。

チョコレートよりも甘いもの  時枝ゆーと 氏

【作品集】162
【タイトル】 チョコレートよりも甘いもの   【書いた人】時枝ゆーと 氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329258475&log=162

【あらすじ】
うおおおお
メリーうおおおおおおお

【感想】
たまりにたまったバレンタインものからてきとうにチョイス。といいつつ秘封なのでチョイス。
辛党でチョコを見るだけでも口が甘ったるくなってしまう蓮子が、甘党のメリーにチョコを渡そうとするが。
うおおおおおおお
メリーこのやろうメリー
やっぱりメリーはかわいいな。というのがよくわかる甘い作品。
冷静に考えると真面目に読まれたらいろいろダメだしされるだろうなとゆー気はするんだが
そりゃ野暮というものである。百合で癒されたっていいじゃないか。私たちの生きるこの現実こそが魔界なんだ。
真の意味で蓮メリちゅっちゅな作品。もう俺疲れたから一生こういうのだけ読んで生きて死にたい。

下品で下賤で下世話で下劣で下等で低俗で低脳で底辺で不潔で不徳で不憫で不幸で不摂生で不衛生で不感症な新聞記者  逸勢氏

【作品集】162
【タイトル】下品で下賤で下世話で下劣で下等で低俗で低脳で底辺で不潔で不徳で不憫で不幸で不摂生で不衛生で不感症な新聞記者
【書いた人】逸勢氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329231949&log=162
【あらすじ】
体育会系のノリで大天狗から無茶振りを押し付けられた文が四苦八苦する話

【感想】
いやおうなく目に飛び込んでくるタイトルのインパクトも凄まじいが、内容もおおよそタイトル通りのノリだと考えて差し支えない。似た意味の言葉を重ねる修辞の他、読点こそ不足なく打たれているものの、句点と句点の距離が全体的に遠くなっており、一文一文が長く、その中にこれでもかというほどの想念が詰め込まれている。文体や細かな言い回しの端々から滲み出る負のオーラで強引に読まされる。胡椒中豆茶氏のぶっ飛んだエネルギーをそのまま負の方向へ転換したような、そんな感じ。……確かにこれは作者の実生活を元にしてそう。
むしろ想像や知識だけでこれを書いてるとしたら末恐ろしいものがある。
作者名に真っ向から反した勢いに満ちた作風が、そそわのニーズや何やと噛みあったとき名作が生まれる予感。がしなくもない。
冒頭の数文を読んで特に拒否反応が出ないようならそのまま最後まで突っ走れると思うので、怖いもの見たさでもなんでも、一度目を通してみてはどうだろう。

お空、地獄の底の底で嘆く   逸勢氏

【タイトル】
お空、地獄の底の底で嘆く
作品集161
【作者】
逸勢氏
ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329197266&log=161
【あらすじ】
お空は仕事に追われている。
私は誰のために何のなためにこんなことをしているのだろうと考える。
お空は仕事に追われている。
【一口感想】
これより高点数、高レートはあったのですが私はこの作品が大好きなのでこの作品の感想を。
多分、創想話でここまでの激しい感動は初めてで、涙が出てきそうになった。
例えばここで「ここで終わって気持ち悪いままだ」とか「どんでん返しですっきりした」とか
言うのもネタバレになりそうで怖い。何も予備知識なしで一気に読んで欲しい。
まず自分には書けない幻想郷で、なんとも言えない空気を持っている。
現代への風刺? うふふ、そんなわけ無いよね。
考えさせられる作品でした。