作品集162

Last-modified: 2013-06-10 (月) 16:11:44
仮名草子 『 ~ 夢幻夜行絵巻 ~  』  龍宮城 氏

【作品集】162
【タイトル】仮名草子 『 ~ 夢幻夜行絵巻 ~  』   【書いた人】龍宮城 氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329382462&log=162

【あらすじ】
おんみょうだまをくらえ

【感想】
霊夢の陰陽玉さんが語るという一風変わった感じの紅霧異変・ルーミア編。というか紅魔郷一面。いいねいいね。
芥川の『邪宗門』みたいのを東方でやってみたかった? のだそう。ちなみに邪宗門は

ttp://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/59_14480.html

こんな感じ。芥川で東方って、素直に考えれば河童でにとりだろーよとか、そういや地獄変でお燐がどうのとかいう
作品もあったなと思いだしたが今は関係ない。
文体がそんな感じなので、読みやすい人には読みやすいし、読みにくい人には読みにくいだろう。
しかしこれに読みにくいってけちつけたところでそもそもそういうものなのだからしかたない。
けちつけるとしたらこの陰陽玉さんがぺらぺらしゃべりすぎでうるせえ!(笑) お前のことなんかどうでもいいんだ!
というところかとも思われるがそれもまあそういうものなのでしかたない。
原作の台詞や、スペルカード、BGM名などまで盛り込んでいてなにげに再現度が高い。これは素直に感心すべきところ。
しかし全体の分量にたいしてルーミア戦部分が少なすぎて、すぐ終わり過ぎで、これはさすがに欲求不満である。
「お話が長うなり申したな。」じゃねーよ。お前がいらんことしゃべりすぎてるから尺が足りねーんだよと。
なのでストーリーや、原作再現の弾幕描写を楽しむものではなくって、やはりあくまでもこの陰陽玉さんの
語りを楽しむための作品です。合う人は合うし、合わない人は合わない。
で終わってしまってもいいんだがなんというか個人的には好きなんでもっとがんばってくれればいいのに
いきなり恋心なんて言われてもわかんねーんだよビクンビクン
となってしまうので是非次回は原作無視で書いていただきたい。
実は私この人けっこう前からやるなと思っていて、といっても『巫女らと魔女とお月様』

ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1291391211&log=132

を読んだだけでしたが、大変面白かったです。他のも面白そうなので、読みたいと思います。

無明キス流れ   KASA氏

【作品集】162
【タイトル】無明キス流れ   【書いた人】KASA氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329407421&log=162

【あらすじ】
ガチレズ

【感想】
さてガチレズである。KASAさんは一時、投稿するたびにここで名前があがってなんのかんの言われていた人で、
(今も健在なようだが)そのあまりの名前のあがりっぷりに今でいうステマっぽいとか
なんとか言われていたがつまるところおめぇーなあーそそわは基本さわやか百合ちゅっちゅだっつってんだろぉー
おめぇーのはなぁー百合じゃなくてガチレズなんだよてめーこのやろぉー空気読めぇーこらぁー
ということで目立っているのがそもそもの第一原因である。
ひさしぶりとなる今回は命蓮寺が舞台。村紗が順番に、ナズ、☆、一輪、ぬえ、聖らのところに行って
ちゅっちゅ……ちゅっちゅ?
「すまないがよとぎに行ってくれないか」と言わんばかりの描写は健在で私はうれしい。
しかし今回は、今回もというべきなのかよくわからないが、精神的なガチレズに重きをおいているガチレズであり
ガチレズを楽しみにしている皆さんに強くアピールする感動的なガチレズである。
肉感的なガチレズ描写がややもすると悪目立ちしてしまうきらいがあるが、この作品でいちばん感動的なのは
村紗及び聖のロマンティックガチレズ精神にあるといえよう。
師いわく女は求められることで濡れる。そのとおりである。これはガチレズであってもガチレズでなくても
おそらく同じである。そして求められるとは当然肉欲もふくめたすべてを欲しがる欲望であり、
マミゾウさんがドン引きするのもしかたないと言える。
下ネタも健在である。
基本そーゆーのなのにここぞというところで「30代半ばだと就職が難しい」などの気が抜ける冗談を
入れてくるセンスがまたまことすばらしい。
エロいのはたしかだが、エロい以外にも読むべきところがなんぼもあるすばらしい作品なので
そーゆーのが嫌いな人でなければぜひ読もう。

ディープ・パープル ~魔女達の晩餐~  お嬢様氏
台詞の前後に必ず「……」が入るパチュリーさんをアリスが保護し人里でピザを食べる

【作品集】162
【タイトル】ディープ・パープル ~魔女達の晩餐~   【書いた人】お嬢様氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329469760&log=162

【あらすじ】
台詞の前後に必ず「……」が入るパチュリーさんをアリスが保護し人里でピザを食べる

【感想】
寒い冬の日にとつぜんアリスの家にパチュリーがやってくる。震えているのであったかい紅茶を出したところ、
それにいれるお砂糖は固形のものでは絶対にだめで、液状のシロップを入れないといけないという。
液体に固体を溶かし込むのは形の変化であり、性質そのものの変化である。それは『あまい紅茶』ではなく、
『紅茶の砂糖のまぜもの』以外のなにものでもない。
アリスもそれを承知していて、ちゃんと用意していやる。魔女のこだわりだという。

というなんかよくわからないがカッコイイ出だしからはじまり、ようするにアリスとパチュリーがデートする話である。
こだわりとか思想とかをこえてなんていうかお前それは脳に障害があるんじゃないのかくらいの素敵さで
ボケ続けるパチュリーにツッコミを入れ続けるアリスの風景がまことにかわいらしい。
北斗っぽく言うとうぬらモヒカン共も愛を知り温厚な性情を持った羊の民となるに余りあるかわいらしさである。
かわいらしいだけではなく、ちゃんとギャグ作品として成立していて、忘れたころに飛び道具的な
オチを用意しているのも素敵である。
昨日のKASAさんのと比べるとあまりの差に漢泣きを禁じ得ない。
なんていうか初音ミクとウイグル獄長くらい違う。
まったく関係ないがTda式ミクが美しすぎて俺の胸に愛で空が落ちてくる。
なお、大人になってから読んだら何故か「むーん 大乗南拳!」のところで笑ってしまった。
いいシーンなのにな。アサム。

突然アリスの所にパチュリーが訪れる。真冬だというのに薄着で。

【作品集】162 【タイトル】ディープ・パープル ~魔女達の晩餐~  
【URL】 ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329469760&log=162
【書いた人】お嬢様 氏  【長さ】27KB (中編)
【あらすじ】
 突然アリスの所にパチュリーが訪れる。真冬だというのに薄着で。
 話を聞くと、人里に気になる店があるとの事。
 アリスの気掛かりは、パチュリーの食事スタイルの独特さだった。
【感想】
 身の回りの友人然り、地方独自のネタを紹介するテレビ番組然り、
 食事の時のこだわりは、その人、その地域で千差万別だったりする。
 人間でもそうなのだから、心の持ちようが大事な妖怪ならば、
 食事のスタイルはとんでもないものだろう、というのがこのSS。
 お互いひねくれ物で、お互い変人なパチュリーとアリスのやり取りが良い感じ。
 そしてオチにはびっくり。よく練られたギャグ作品だった。
【文章】       ★★★☆☆ 
【展開】       ★★★★☆ 
【描写】       ★★★☆☆ 
【総合評価】   ★★★★☆ (おすすめ。会話も良ければ締め方も良い作品)

八雲藍観察日記 in winter  芒野探険隊氏

【作品集】162
【タイトル】八雲藍観察日記 in winter
【書いた人】芒野探険隊氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329318562&log=162
【あらすじ】
  ×月×日

  今日も藍様はいつも通りです

【感想】
本文冒頭に書かれた上記の一文がこの作品の全てを表しているといっても過言ではない。読む前は意味がわからず、読んだあとは二つの意味で納得できるあたりお得。紫、藍、橙の三人とも抱える想いや置かれた状況は至って真面目でシリアスだが、その裏に漂うのは変態のそれである。という、そんなシュールな雰囲気を楽しむ作品だと思う。たぶん。たぶん、というのは読んだ後どことなくすっきりしないものを自分が覚えてしまったからだが、じゃあどこがすっきりしないのだと言われると上手く説明できなくてもどかしい。あるいはそのすっきりしないものまで含めての作品なのかもしれない。とかく独特の雰囲気がある。

狐独のグルメ 「人間の里の豚カルビ丼と豚汁」   浅木原忍氏
料理ネタ。それ以外の説明が要るだろうか。いやちょっとは。

【作品集】162
【タイトル】狐独のグルメ 「人間の里の豚カルビ丼と豚汁」
【書いた人】浅木原忍氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329342382&log=162
【あらすじ】
きつねうどんを食べ損ねて空腹を持て余した藍がカルビ丼と豚汁を食べます

【感想】
料理ネタ。それ以外の説明が要るだろうか。いやちょっとは。
この手の料理ネタや行事ネタ、メタフィクション的な作品等はいかに東方でやる意味を持たせられるかが大事だと思うのだが、この作品の場合、冒頭で藍が(先任の教師が老齢で退くことになったのちより慧音に請われて)寺子屋で算術を教えている。という場面から始まっている。いきなり料理を食べてそれだけで終わるよりは、こういう「そんなこともあるかも」という場面が一つあるだけでも、東方でやる意味が云々という違和感をまぬがれられるのではないかと思う。深読みしすぎな可能性も存分にあるが、文章自体も突っかかりなくするする読めるし、全体的にそつがないという印象を持った。逆にこれといって目が惹かれる展開もなかったが、料理ネタに抵抗がないなら一読してみて損はないだろう。

タイトルを見ての通り、孤独のグルメの藍様版。

【作品集】162 【タイトル】狐独のグルメ 「人間の里の豚カルビ丼と豚汁」 (他9話)
【URL】 ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329342382&log=162
【書いた人】浅木原忍 氏  【長さ】13KB(短編)
【あらすじ】
 主人公・八雲藍は食べる。
 それも、よくある幻想郷の片隅の食事処で、ひたすら食べる。
 時間や式に囚われず、幸福に空腹を満たすとき、
 彼女はつかの間自分勝手になり、「自由」になる。
 狐独のグルメ――。それは、誰にも邪魔されず、
 気を使わず物を食べるという孤高の行為だ。
 そして、この行為こそが幻想郷の人妖に平等に与えられた、
 最高の「癒し」といえるのである。
【感想】
 タイトルを見ての通り、孤独のグルメの藍様版。
 元ネタと同じく読み切り形式で全10話のシリーズ形式となっている。
 幻想郷の各地を見回る藍が、訪れた場所で食べる、食べる、食べる。
 頭の中のセリフが長い所が藍とマッチして、異様なくらい違和感がなかった。
 「狐独のグルメ」のとタイトルに恥じず、食事のシーンの描写がとても丁寧。
 どの作品も読むと食欲をそそられる。空腹のときの閲覧はおすすめしないくらい。
 原作を知らない、コピぺ程度でしか見た事ないという方でも楽しめる作品だと思った。
 もちろん、原作知っている人なら面白さ3倍。特にドラマ版見た人は必見の価値あり。
 「豚が被ってしまった」「それ以上いけない」などなどお約束のセリフも満載な作品である。
【文章】       ★★★★☆ 
【展開】       ★★★★☆ 
【描写】       ★★★★★ 
【総合評価】   ★★★★☆ (原作のセリフ回しの調理の仕方が絶妙だった。食事SSなだけに)

アウトサイダー・ルール  こうず氏
派手な盛り上がりはないものの、淡々と染みいるような印象を与えてくれる。

【作品集】162
【タイトル】アウトサイダー・ルール
【書いた人】こうず氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329399273&log=162
【あらすじ】
咲夜の目の色が変わっているのは、実は義眼になっていたから。
最後に今の色に落ち着くまでに二度も義眼を取り替えた咲夜の心の動きを、
レミリアやフラン、こいしとの関わりや、ふと蘇った過去の思い出を背景に、丁寧に描き出している作品。

【感想】
派手な盛り上がりはないものの、淡々と染みいるような印象を与えてくれる。
定番のテーマである咲夜の過去を扱っている作品とも言えるけれど、
この作品は義眼を取り替える過程とそこでの咲夜と他のキャラクターの関係に主軸が置かれていて、
過去の話は遠くの背景の一つとして消化されている感じ。

大きな事件が起こるわけではないが、それなりにいろいろなことが起こるので、
雰囲気が肌に合えば飽きることはないと思う。
適度に詩的な表現と思索的な会話が多く、丁寧に書かれた文章は綺麗と評していい水準で、
紅魔館だけでなく里や地底の生活を背景に感じさせる作り込みも、物語に厚みを演出できていて良い。

気になるとすれば、回想や時間の区切りが一部わかりにくい事ぐらいだろうか。
あと、文章や作風はいわゆる「文学を気取った感じ」のもので、一部どぎつい表現もあるので、
そういう方向の自己主張を読むと鼻についてしまう人にはお勧めできない。
逆に、そういうものをフレーバーとしてでも楽しめる人にはお勧めしたい作品。

こうず氏はこの作品に限らず、安定して丁寧な文章を書いていると思う。
ただ、特殊な切り口の作品を持ってきたりする(幻想郷で口減らしだとか、天狗の謀反人が縛り首だとか)ので、
今作は氏の作品の中ではかなり読みやすい方かも知れない。(まだ全部読んだわけではないけど)

咲夜の目の色についての話。

【作品集】162
【タイトル】アウトサイダー・ルール
【書いた人】こうず氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net/sosowa/ssw_l/162/1329399273
【感想】
咲夜の目の色についての話。
フランのかんしゃくで、左目を失った咲夜が、こいしの導きで宝石の義眼を紹介してもらう。義眼を取り替える過程で咲夜とキャラクターの関係が描写されてゆき、
最後にお馴染みの色合いの義眼をつけて終わる、鬱々とした雰囲気の文学調のSS。かなり変な独自設定がある。
人のただなかで生きていくのは諦めたが、さりとて死ぬわけにもいかず、人間でありながら悪魔の犬として生きていくという咲夜の宙ぶらりんな境遇を、
丁寧かつ思いっきり好き勝手に膨らませた感じで、面白かった。
咲夜の心の動きにあわせて、とりとめのない哲学的な思索が次々と出てきて、全体像を結ぶんだか結ばないんだか、俺にはよくわからなかったが、
そういうとりとめのなさも、咲夜の奇妙な境遇から生まれていると思えば、萌えるポイントなのだろう。

ハルシオン・ダイジェスト   長久手 氏

【作品集】162
【タイトル】 ハルシオン・ダイジェスト   【書いた人】長久手 氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329591024&log=162

【あらすじ】
アリスは悪夢を見る。自分が年をとって、孤独死してしまう夢だった。
魔法使いなのに情けないな、と思っていると、魔理沙が訪ねてきた。様子がおかしい。
どうやら霊夢と喧嘩したらしい。

【感想】
とてもゆっくり時間が進む話。読む方でも、ゆっくり読まないとこの良さはわからない。
アリスは今人間と魔法使いの過渡期にいる(と、自分のことを思っている)。食事も睡眠も必要のない体になったのに、
まだ習慣を維持していて、薬のせいとはいえ、悪夢を見てしまう。人間が見るような悪夢。
魔理沙はまだ人間なので、アリスのそういう感情はわからないし、アリスの方でも言うことはない。
駆け出しの頃の、魔法使いとして一番楽しかった頃が自分にもあった。アリスは魔理沙を羨ましく思う。
でも、そんな彼女を傍で見ているだけでも、充分に楽しい。

霊夢は夢を見ないという。
魔理沙と喧嘩をして、霊夢は自分がずっと魔理沙を傷つけていたのではないかと考える。そう考えることによって、
他人に興味のない、空を飛んでいるはずの巫女が、傷ついているのがアリスにはわかる。
年頃の少女が二人一緒にいれば、そんなことだってある。そうアリスは考えるけど、霊夢に伝えはしない。
全てのものが今のままであることはない。やがて春が来て、雪は溶け、鳥の歌が聴こえてくるだろう。
でも、そういうことを言うのは、なんだか恥ずかしいし、押し付けがましいし、きっと思ったようには届かないだろう。
だからアリスは、ただ霊夢を抱きしめてやって、温かい食事と、寝床とを与えてやることにした。
それから夢を。

魔理沙と霊夢はアリスの家で夢を見る。
客間もベッドもひとつしかないから、二人は仲良く一緒に眠る。二人を案内したあと、アリスも眠る。
悪夢を見た次の眠り。きっとそんなに悪い夢ではないだろう、とアリスは思う。

長久手さんは前作『盲目の秋』で、タグ詐欺だとかなんだとかしょうもない物議をかもしだした(だされた)人で、
しかしまあこちらを読むと前作で叙述トリックがどうのとか言ってた人がいかに見当はずれだったかわかる。
共通するのは、どちらも時間の流れを取り扱っている作品であること。前作ではおそらく過去と、今作では
現在と、それぞれキャラクターたちが和解する様子が描かれている。
書き方が気に入らないとか個人的に多少文句をつける余地はあるものの、しみじみ読める素敵な作品です。

珈琲ノスタルジヰ   猫井はかま氏

【作品集】162
【タイトル】 珈琲ノスタルジヰ   【書いた人】猫井はかま氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329692692&log=162

【あらすじ】
蓮子とメリーがちょっと変わった喫茶店へ行く。

【感想】
喫茶店の内装の描写がメイン。メリーがその雰囲気を、「ノスタルジック」と評する。
すると蓮子は、なんだか物悲しくなってしまう。
いつか、ここでメリーとこうしていることも、ノスタルジーになってしまうんだろうか。思い出になってしまうんだろうか。
蓮子は詩人ね、とメリーは言う。蓮子はメリーこそがそうだと思う。

劇中の喫茶店は実在のお店がモデルになっているそうで、なんかそのお店に行きたくなってしまう作品です。
秘封というと、うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお蓮メリちゅっちゅううううううううう
となってしまう方が大半だと思われますが、実は秘封の魅力は濃厚な百合にだけあるわけではない。
「科学世紀のオカルト・サークル」がもともとのコンセプトだったはずだ。こういうちょっと不思議な、
何かを思い出すような、でもその思い出している瞬間を永遠のままにとっておきたいような――
そういう青春的マジックリアリズムがそもそもの魅力だったのではないか。というのを
百合脳に冒された我々に思い出させてくれる改めて考えると貴重なタイプの作品に思えるが
そもそもそれがおかしい気もする。
美味しゅうございました。

幻想郷一不幸なダリアのかんざし  今野 氏

【作品集】162
【タイトル】 幻想郷一不幸なダリアのかんざし   【書いた人】今野 氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329317615&log=162

【あらすじ】
紫様に惚れた男の末路

【感想】
幻想郷に住んでいて「紫様に惚れんな」というのもまあ無理な話というものである。
これはそんな我々罪袋の一人がおそるべき行動力を発揮してついにはゆかりんと会見してしまう話。名作です。
点の低さに多少ひいてしまうが読めば大変面白い。埋もれた名作というのは実在したのである。しかもこんな直近で。
紫様、もしくは藍しゃまの台詞のみで表される二人称小説で、難易度は高いと思われるが、
にもかかわらず文章が大変に読みやすく伝わりやすいので何が起きているかはっきりとわかる。すばらしい。
ねたばれは避けたいがこんなに上手なのにようするにゆかりんファンタジアそのままというのがさらにすばらしい。
今からでも遅くないので読んでみなさん100点入れてきたらどうだろうか。俺は入れた。
そそわでゆかりんを嫁宣言している漢というとまあまず真っ先にaho氏が思い浮かぶが、俺も好きだ。
みんなもそうだろう。あとやっぱりゆからんは我々の魂をゆさぶる何かがあると思うんだ。ゆかれいむなんか知らない。

生涯童貞一直線  aho 氏

【作品集】162
【タイトル】 生涯童貞一直線   【書いた人】aho 氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329854171&log=162

【あらすじ】
美鈴のところへ人里の少年が押しかけてきて「好きです! 付き合ってください!」と言う。

【感想】
文々。新聞でめーりんのことを知って、一目惚れして、三年間修行してそのへんの妖怪には
なんとか負けないようになってからめーりんを訪ねて告白したそうです。
ここでもコメでも評判いいけども、個人的にはうーん? となってしまった作品。というのも、
一読してわかることには、この作品、たとえばまずは性欲がない。
べつに私がエロイのが好きだからものたりないとかそういうことではなくって、なんというか、
そういう当然あるべきものがきれいさっぱり排除された上での予定調和というか、作り物の楽園というか。
性欲以外にも当然あるべき独占欲とか嫉妬心とか焦りいらだち劣等感猜疑心……そういう、
「恋愛」にはつきものの人間感情の暗い部分がまるでないので、恋する少年とか言われても
ちょっとぴんとこない。
たとえばこの少年、ことあるごとに「美鈴さんは美しいです!」と叫ぶが、
それはめーりんがその前に何を言ったか、何をしたかとはほとんど関係がない(それがギャグにもなっている)。
で、ようするにこの子はめーりんの外見に惚れたのだな、と思うんだけど
(新聞見て好きになったんだからそうなんだろう)、ではもしめーりんが何かのはずみにすげえブサイクに
なってしまったらどうするんだろう。
とか意地悪を言ってしまいたくなる感じである。
美しい、美しい、美しいから好き、って、めーりんを美術品か何かとでも思ってるんかいな。
お前めーりんがどんな態度だろうがちっとも気にしてないじゃないの。それはめーりんを、一個の人格を持った、
いち妖怪として認めていると言えるのか? 相手を尊重しているようでいて、その実はただ無視しているだけじゃないのか?
そんなことまで言いたくなってくる感じである。
めーりんはめーりんで「ヘイBoy、あんたアタイで何回オ○ニーしたんだい?」くらいは聞いてもよさそうなものである。
聞かないにしろ気にしてもよさそうである。
気にしないのは妖怪なので、ということなのかもしれないが、そのくせ魔性の女と呼ばれて悪い気はしない、
というのはちょっと都合が良すぎるんじゃないだろうか。
ahoさんは前作もレビューしていて、その際も「こんな理想的な子供いるか」とちょっと書きましたが、
それがパワーアップして立ちあらわれてきた感じである。
この少年にはいろんなものが欠けており、その欠けた分を補うように他の部分がブーストされて
それが結果として真摯な愚かさとして人々の感動をよぶようになっているが、それが欠落であることにはかわりがないし
物語作者としてはその欠落から目を逸らしてはいけないはずだ。それは「恋」とか「美」とかで
飾り立てられるようなものではないし、純粋だとかなんとか脳天気に持ち上げられるようなものでもないはずである。
ただただ特殊であることで話のネタになる。そういうものである。
ありていに言ってこれはアイドルやアーティストのファンが暴走して人生かけたストーキング行為をしてしまった、
という話であって、恋ではない。
ふだん百合ちゅっちゅとか言っててお前は何を言っているんだと自分なりに思わないでもないが、とにかくそう思う。
でもつまるところ作者の脳内で幻想郷ではこういうのがスタンダードなんだとしたら、しかたないけども、
それはちょっと好きじゃないな、というか、ついていけないな、と思ってしまった作品。

はいてすてるほどある話  水上 歩 氏

【作品集】162
【タイトル】 はいてすてるほどある話   【書いた人】水上 歩 氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329954938&log=162

【あらすじ】
雨が降り始めた。二人は食事を終えたばかりだった。
魔理沙は今日、帽子をかぶっていなかった。アリスと出かけるので、ちょっとおしゃれをしていたのだ。
いつもは帽子が、傘のかわりになる。だから、傘を持ち歩く習慣はない。
雨の粒が地面に落ちると、同じ色で濃淡を変えただけの斑点ができて、すぐに、濃い色が薄い色を駆逐していく。

「天気を気にするのは魔法使いとして。基礎よりも基礎で、基本でしょ」

アリスは腰のポーチに手を伸ばすと、ミニチュアの折り畳み傘をすっと引っこ抜く。ピンクの生地の、デフォルメされたうさぎが赤色の傘を差しているイラストの傘だった。

「魔理沙が持ちなさい」

魔理沙の身長はアリスよりちょっと低い。だから、少し不恰好な相合傘になる。
今日は魔理沙がじっとアリスのことを見ている時が多かった。だから、アリスも普段より意識してしまっていた。
もちろん、アリスもふだんより、ちょっとおしゃれをがんばっていた。

【感想】
ねえよwww

ジョン・レノン対火星人  長久手氏

【作品集】162
【タイトル】ジョン・レノン対火星人【書いた人】長久手氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329931399&log=162

【あらすじ】
フランちゃんが精神病者監護法を根拠に私宅監置される話

【感想】
/^o^\フッジッサーン
参ったあ! 俺は参ったあ!
長久手さんのこの技量に裏打ちされた読書量を推定すると俺が参ったあ!
狂人のふうをしていただと? ち が う ね !
どう考えてもこのフランちゃんは糖質です本当にありがとうございましたッ!
高橋源一郎は左巻過ぎて今まで全力で忌避してたんですが、此処迄マ○キ○だったとは実際驚きですよ。
俺も清濁併せ呑む度量のひろさで本を読まないとあと自傷行為は心臓によくないんであばばばばb
オマージュ元を読んでないんで何ともいえないんすけど、スタイリッシュ壁殴りや
エクストリーム異食行為に俺のSAN値も直葬にされそうでつ。
個人的には、たったの三年間で咲夜さんにナニがあったのか大変気になるんです。
情緒を著しく不安定にさせること請合いのジョン・レノン対火星人なんですが、光るセンテンスには一読の価値が十分あります。

丼とおしり  ばかのひ氏

ばかのひ氏の『丼とおしり』
タイトルでまた食い物系で点稼ぎかよ…… と思ったが一行目で鼻水吹いた
なぜか文字がオレンジで背景が黄色だ
カツ丼をイメージしたのだろうか
多分カツ丼の魅力だけではなく別の方の魅力を訴えたいのだろう
毎回思うがこの方は発想がとてもいい
もう少し磨けばそこそこいいとこまでいくんではないか

はいよる  落ち穂氏

落ち穂氏の『はいよる』

大分上でも言われていたが独特の雰囲気の小説
初投稿だと思われるが間違いなく小説初心者ではない
初心者であったら困る
是非読んでとおすすめしたいが感想がとても言いづらい。
なんとなくわざと文章を難しくしているってのも感じるがそれがこの雰囲気を出してるとも言えなくもない

誤楽面  やー 氏

【作品集】162
【タイトル】誤楽面    
【書いた人】やー 氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329317712&log=162
【容量】16.52KB
【タグ】 慧音 華扇 映姫 文

【あらすじ】
『2枚の写真を見比べて、間違っている箇所を5つ探してね!!』
文々。新聞には、読者獲得のアイデアとしてクイズなどを載せていた。
それを面白く思った慧音は、娯楽面のクロスワードを解いたあと、間違い探しに挑戦するのだが、
間違い探しの写真は、片や命蓮寺、片や博麗神社と、全く別の写真が使われていた。
どう言うことだ? と首を傾げる慧音は、たまさか通りすがった華扇と映姫を巻き込んで間違い探しを解いてゆく。

【感想】
はたては縞パンだったァ――――――――!! のは置いといて。
真面目そうな三人が織り成す深い読み(新聞だけに)が笑いを誘う勘違い系ギャグ。
内容的には冒頭でオチが読めると思うので(新聞だけに)、誤解と正解とのギャップが見所か。
堅物のイメージが付きまとう三人と相まって面白おかしい。
そしてとばっちりを受けるアリス、哀れ也。

【幻想入り】ジェームズ・マルモッコイの冒険【オリキャラ成分約一人】   ハムスター氏

【作品集】162
【タイトル】【幻想入り】ジェームズ・マルモッコイの冒険【オリキャラ成分約一人】
【書いた人】ハムスター 氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1330114845&log=162
【容量】11.62KB
【タグ】幻想入り オリキャラ ジェームズ・マルモッコイ 博霊霊夢 八雲紫 フランドールスカーレット
    レミリアスカーレット ギャグ マルモッコイ

【粗筋】
なぜか紫の隙間によって幻想郷入りを果たしたジェームズ・マルモッコイ。
誰だよ。

【感想】
マルモッコイは、日本が好きだった。
一応はオリキャラが幻想郷入りする、云わばメアリー・スー的な話なのに、
ジェームズ・マルモッコイというキャラクター性が原因で一切の嫌悪感が無い勢い任せのギャグ&バトル。
通信空手ってすげえ・・・そしてマルモッコイって誰だよ。

徹底追跡! 蟲姫の謎に、狸が迫る!  楔氏

【作品集】162
【タイトル】 徹底追跡! 蟲姫の謎に、狸が迫る!
【書いた人】楔氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329657381&log=162
【あらすじ】
宴会であらゆる生き物に変化する芸を披露し喝采を浴びるマミゾウであったが、リグルからリクエストされた虫への変化がいまひとつの反応だったことに、マミゾウはショックを受ける。
自身の変化の術に絶対的自信を持っていたマミゾウは幻想郷の虫達の生態を知るため、半ば強引にリグルとの同棲を始めるのだが……。

【感想】
マミゾウ×リグルというとても珍しいカップリングの本作。
テーマは特に語られていないが、一言で言うなれば異文化コミュニケーションと捉えることが出来る。
リグルやバカルテット達との交流により、マミゾウは今まで暮らしていた外の世界の生態の常識と、リグル達が暮らす幻想郷の生態の常識に違いがあることを知る。
この二つの差を知ることによりマミゾウの成長を楽しむことが出来る、一風変わった傑作。
物語終盤の宴会シーンはリグル好きには必見。美しい虫達が彩る宴には心を奪われることだろう。
高いRateを誇るが評価数が少ない本作品。個人的には埋もれてしまった名作と信じて止まない。

東方月蝕録~冥府魔道の使徒ぴっちゃん~プロローグ  ぬんぬん氏

【作品集】162
【タイトル】 東方月蝕録~冥府魔道の使徒ぴっちゃん~プロローグ
【書いた人】ぬんぬん氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329902390&log=162
【あらすじ】
輝夜が自分で書いた小説をフリーマーケット売ろうとする
その作品タイトルが「東方月蝕録~冥府魔道の使徒ぴっちゃん~」である

【感想】
タイトルが酷い。タグも酷い。しかし内容は意外や意外、普通に面白い
輝夜に振り回される優曇華とのやり取りを独特の語り口で展開していく
起承転結がはっきりしていて、話の流れが分かりやすい
「SS」としての完成度は相当高いんじゃないかと思われる
不特定多数を対象を相手にした釣り作品だからこそ、基本に忠実で丁寧に作られており
誰が読んでも楽しめる「SS」らしい「SS」に仕上がっていてる
しかし東方月蝕録という釣りタイトルの部分に関する部分が、無理やり回収した感があるのがちょっと残念

ただ、釣り作品にありがちな釣りをして終わり、という訳ではなく作品自体に作者のメッセージ性がある傑作
今作はタイトルで損してる部分が目立つので、次回作は普通に投稿して楽しませて欲しいと思う

操り、操られ、踊り、踊らされる。  道化氏

【作品集】162
【タイトル】 操り、操られ、踊り、踊らされる。
【書いた人】道化氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329972492&log=162
【あらすじ】
 前作、「迎える言葉」の続編。
 レミリアが悪夢にうなされているところにやってきたのは、彼女に懐くようになったこいしだった。
 その夢が「見えた」と言うこいしにレミリアは……。
【感想】
 誰にも弱みを見せようとしないレミリアを理解し、互いの共通点を認め合い、そして心の穴を埋めていく。
 心温まるようで、とても悲しい過去。気丈に振舞うレミリアの心情をリアルに表現出来ている作品だと感じた。
 そしてあとがきで台無しにしてくれるのは、前作に引き続き様式美か?
 それがあるからこそ救いのあるストーリーになっているとも言える。

ほろ苦いチョコレート  長靴はいた黒猫氏

ほろ苦いチョコレート 長靴はいた黒猫氏
ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1329208369&log=162

あらすじ
バレンタインディに藍は葛藤していた
彼女にはチョコを渡したい相手が居る、だがその妖怪は今手渡せない場所にいる
皮肉にもチョコを製作する先生として呼ばれる藍だったがそんな時に一人の人影が…
布都ちゃんは残念な子では無い派は歓喜するだろう作品、双方の心境描写も秀逸
だが特質すべきはそのオチである
ありふれたオチかもしれない、一度は見た事があるかもしれない
だがこれによってこの作品は見事に完成するのである 茶色の欠片がきらりと光るような、そんな作品だった

芳香は悪い子!芳香は悪い子!ズンドコドコ  SARAyear氏

【タイトル】
芳香は悪い子!芳香は悪い子!ズンドコドコ
【作者】SARAyear氏
【作品集】162
【あらすじ】
複数のラジオを使い、声を聞き分ける修行をしている神子の手伝いをしたいと芳香は言い出す。
放った最初の一言は、「太子様はえっちしたことありますか?」だった。
そこから始まる芳香の暴走。彼女を止めるのは、果たして誰か……?

【感想】
暴走しっぱなしの芳香だが、悪気はない。だからこそたちが悪く、微笑ましいと感じた。
まあ芳香より屠自古のほうが実は病気だったのたが。
やる気スイッチの重要さと生卵のエロさがわかるギャグストーリー。
なんかURL貼れんかった。携帯だからかな。

風邪ひかないっ!  水上 歩氏

風邪ひかないっ!  水上 歩氏

タグにある通りシュールである。しかしどこかほほえましいのだ。
一概にシュールといっても、対決シーンでは緊張感に息を呑まされ、
オチにはクスリと笑わされた。
軽く読めるので、未読の方にはぜひとも勧めたい。
あと大妖精かわいい。

カリスマ政策の導入とその効果について   怪力線氏

【タイトル】
カリスマ政策の導入とその効果について
作品集162
【作者】
怪力線氏
ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1330093264&log=162
【あらすじ】
「本日よりカリスマ政策を導入します」
八雲紫のその一言で始まったカリスマ政策。
効果は抜群。皆は八雲紫を褒めたたえたが、ある事件が起きてしまう。
【一口感想】
もう少し長くできたんじゃないかというのが正直な感想。
しかし流れはとても良く、台詞も多いので読みやすい。
さりげなくキャラ数も多いし、それを読み分けられるのもとても良い。
お嬢ちゃん、シールあげるからこっちおいで。
土台がしっかりしてないと一部分が腐って結果こうなるよ、と教えてくれる作品でした。