作品集164

Last-modified: 2013-09-08 (日) 15:37:21
それは嗜虐心、或いはサディズムというものです  斯々然々氏
しかしここまで馬鹿をされるともう清清しいので笑うしかない。

【タイトル】
それは嗜虐心、或いはサディズムというものです
【作者】
斯々然々氏
ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331164723&log=164
【あらすじ】
以前魔理沙との戦いで魔理沙の尻を爆破した大江戸爆薬からくり人形は、その尻の感触と魔理沙の泣き顔にキュンときてしまう。
人形と人間の禁断の恋(?)に悩む大江戸人形だったが、効率化を図るため、アリスから「頭だけ離脱して爆発する」タイプに改造されてしまう。
これでは尻にしがみつけないではないか。悩む大江戸人形だったが……。
【感想】
一言で言うなればなんだこれ? である。
しかしここまで馬鹿をされるともう清清しいので笑うしかない。なんとも卑怯な作品だ。いい意味で。
魔理沙の不幸具合にも笑うしかない。
そして色々と変なことに目覚めてしまう大江戸人形が可愛いようで危険なようで……独特の中毒性がある作品。
リア充であろうがなかろうが、恋する乙女は爆発するものなのかも知れない。
愛されるよりも爆破したい。徹底した爆破根性が生み出した問題作と言える。

その感情が芽生えたのは先日、大胆にヒップアタックしてくる魔理沙の尻に飛び付いて自爆した時だった。

【作品集】164
【タイトル】それは嗜虐心、或いはサディズムというものです
【書いた人】斯々然々氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331164723&log=164
【あらすじ】
 その感情が芽生えたのは先日、大胆にヒップアタックしてくる魔理沙の尻に飛び付いて自爆した時だった。
 黒焦げの尻を押さえて涙目になり「もうお嫁に行けない……」などと切なげに嘆く魔理沙に、大江戸人形の心は強く揺さぶられた。(本文より)

【感想】
魔理沙に恋心を抱いてしまった人形の叶わぬ恋の物語……かといえばそんなことはなく、良質なギャグ短編。ギャグはギャグでも、これは壊れギャグの範疇なのではないかと思うのだが、文章は一貫して日常の一場面を書くかのような気安さを保っており、明らかにぶっ飛んだ内容がともすれば極普通の風景のように見えてくる。不思議。魔理沙が可愛い。

河城みとりは省みない  南条氏

【タイトル】
河城みとりは省みない

【作者】
南条氏
ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331406415&log=164

【あらすじ】
 地霊殿の敏腕エンジニア、河城みとり。物語は彼女が地底の賭場で悪人をとっちめる所からはじまる。
機械への知識だけじゃなくて、度胸や行動力もある彼女は上司の燐から特別な任務を引き受ける。
地底へ進出しようとする神奈子の作戦を阻止しろというものだった。
 愛銃のウィンチェスターM1897を持ち、地上へと出かけたみとりは神奈子と出会う。
神奈子は豪胆で威厳があった。みとりは迷う。第二の故郷地底の都合と、第一の故郷地上の都合のどちらを通すべきなのか…。

【感想】
 みとりにいじられて、「……むー」とか「もー、いるならいるって言ってよー」とか言っちゃうにとりが
このSSの最大のチャームポイントですね!
 賭場や地上の工場、みとりのつくる機械について描写がきちんとされているのは評価したい。
独特の世界観ながら、それに慣れ親しむことができるし、妄想も滾りますから。
 最後にちゅっちゅシーンもあって色めきたっちゃたわ!
 知恵をしぼったり、揺れ動いては決断するみとりには共感できるし、にとりや燐はかわいい!
独特な世界観、ストーリー、ちゅっちゅシーンとどれもがバランスよく入っていて、
冒頭と末尾の文章が同じなのも、構成がよく練られていると思いました。
ただもう少し、神様の考えや腹積もりなんかを説明してくれると嬉しかったかな。
みとり△

メイドと執事のサンドイッチ  kfe氏

【タイトル】 メイドと執事のサンドイッチ
【作者】 kfe氏
【URL】 ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331211186&log=164
【サイズ】 52.6KB

【あらすじ】
パチュリーの策略にはまった咲夜はまんまと執事服をきせられてしまった。
メイドの仕事と服に誇りのある?咲夜はこんな姿は見せられないと急いで自室に戻ろうとするが、
レミリアとフランが何やら喧嘩をしておりフランの放った攻撃がどうも本気気味、とっさに時間を止めてレミリアを助ける咲夜。
一瞬後、館の中庭にはレミリアをお姫様だっこする麗しき執事と、なぜかほほを染めてうつろにこちらを見つめるお嬢様の姿が……。

【感想】
タイトルとあらすじにあるようにギャグメインだろうことは明らかである。
ギャグは人によって受けが全く違うが私にとっては突っ込みどころ満載、爆笑したシーンも多々ありとギャグだけでも満足した作品だった。
シリアスというほど緊迫感はないが、起承転結がとてもはっきりしていて盛り上がりどころがあるのも良かった、ギャグ一辺倒でなくしめるところはしめる。
紅魔館のメンバーが全員そろって話に絡んでくるところも紅魔好きにはいいかもしれない。(たまーにギャグ作品で紅魔メンバーが楽しいイベントやってるのにフランちゃんだけ出てこなくてちょっと切なくなったりしません?)
楽しい紅魔館が読みたい人、盛り上がりのある中編が読みたい人などにおすすめ。

幻想パンクマニュアル ~はじめての豪族乱舞~  平安座氏

【タイトル】
幻想パンクマニュアル ~はじめての豪族乱舞~

【作者】
平安座氏
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331366982&log=164

【あらすじ】
「てめえら、ファッションパンクだ」
ようクソッタレども、知ってるか?
幻想郷って奴はどうもパンクで成り立ってるらしいぜ。
そんでもってリリカってファッションパンクヤローがよ、
自分がリアルパンクロッカーだとかなんか言いやがってよ、
なんでも太陽の畑でライヴをやるらしいぜ?
まあ真のリアルパンクロッカーの俺としてはだな、ファッションパンクヤローの化けの皮を剥いでやらなきゃいけねえ。
面倒くせえがちょっくら太陽の畑まで行ってくるぜ。
は? うっせーな、ワクワクなんかしてねーっつってんだろクソッタレー!

【感想】
刹那の美学を突き詰め、一瞬の輝きに命を賭ける。
安酒を煽り、喉を潰し、目を剥いて下手糞な歌を撒き散らす。
そんな彼女たちの姿は何故か美しい。
そこには本物の音楽があるからだ。

絨毯爆撃のようなギャグ、パロディと共に疾走するパンクストーリー@幻想郷。
正直、パンクって何?ってな人にとっては全然楽しめない可能性はあるものの、
台詞の荒々しさに比して、心に響くまっすぐな言葉の数々には煌めくものが十分にあります。

しかしAnarchy In the U.K.を熱唱するミスティアとか初めて見た。
胸熱。

東方妖精伝 ~妖精になった男の運命~  ミスト氏

【タイトル】
東方妖精伝 ~妖精になった男の運命~
【作者】
ミスト氏
ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331142704&log=164
【あらすじ】
外の世界の人間、田中三郎が年賀状を出しに出かけると偶然スキマに入ってしまい、幻想入り。
シルビアという妖精と頭をごっちんこして、中身が入れ替わってしまう。
【一口感想】
いわゆるオリキャラ幻想入りもの。
「オリキャラ幻想入り」「オリキャラ一人称」「紅魔館キャラとの絡み」というだけ低得点をつけたくなるが
作者の向上心「だけ」は悪くはない。
それ以外(日本語の使い方とか)は目も当てられない。正直に言うと。
あと地の文もっとかんばりましょう。
話自体は嫌いではないです。
これからメイド妖精をどれだけ掘り下げられるか。
あとオリキャラ一人称の割には25kbほどあって読んでみようという気になりました。

東方妖精伝 ~妖精になった男の運命~  ミスト氏

【タイトル】
東方妖精伝 ~妖精になった男の運命~
【作者】
ミスト氏
ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331142704&log=164
【あらすじ】
外の世界の人間、田中三郎が年賀状を出しに出かけると偶然スキマに入ってしまい、幻想入り。
シルビアという妖精と頭をごっちんこして、中身が入れ替わってしまう。
【一口感想】
いわゆるオリキャラ幻想入りもの。
「オリキャラ幻想入り」「オリキャラ一人称」「紅魔館キャラとの絡み」というだけ低得点をつけたくなるが
作者の向上心「だけ」は悪くはない。
それ以外(日本語の使い方とか)は目も当てられない。正直に言うと。
あと地の文もっとかんばりましょう。
話自体は嫌いではないです。
これからメイド妖精をどれだけ掘り下げられるか。
あとオリキャラ一人称の割には25kbほどあって読んでみようという気になりました。

冬なんです。  天体観測と月のクレーター氏

【タイトル】
冬なんです。
【作者】
天体観測と月のクレーター氏
ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331184438&log=164
【あらすじ】
不機嫌なあたしの話。
【一口感想】
短い。けどすっきりはしています。
しかし、あぁそういうことね、で終わってしまう。
ネタは古いけどそういう解釈もあるのか、という点では面白かった。
1000点はいくかな、と思ったんですが……

きっと半霊は綿菓子でできていて、華鬘の桃は落雁で   GH3氏

【タイトル】
きっと半霊は綿菓子でできていて、華鬘の桃は落雁で
【作者】
GH3氏
ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331219088&log=164
【あらすじ】
お互いの弱点を補うためにいつものように共に稽古をする妖夢と天子
今日、天子は何かおみやげを持ってきたようです
【一口感想】
あめぇ。
もし携帯で点が付けられるなら3桁ではなかったはず。
とても可愛い妖夢が見れます。妖夢と天子は一応剣士同士なので関わり合いがないわけではないがとても新鮮でした。
あとがきにもありましたが山場は特に見受けられず、オチも弱い。
だけど百合ちゅっちゅの話だからこそ許せてしまうかも。
というか百合ちゅっちゅはオチ付けるの難しいよね。
あと膝枕してる相手にキスしようとするところがすこし不自然かな、と。

別れ  緑眼の氏

【タイトル】
別れ
【作者】
緑眼の氏
ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331224249&log=164
【あらすじ】
冬が終わる頃、「久しぶりに」魔理沙が博麗神社に訪れる。
【一口感想】
前半はとても引きこまれました。
ただ少しオチに「思いやり」足りなかったように思われます。
作者様がわかって読者が分かりづらいところが少なからずあるはずです。
魔理沙の心情がもっと書かれていれば私には満足でした。
これも、携帯規制がなければもっともっと伸びたと思います。
地の文と、台詞を分ける、などもう少し読みやすくすればいいかも知れません

Bible of Rumia   トローロン氏

【タイトル】
Bible of Rumia
【作者】
トローロン氏
ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331278049&log=164
【あらすじ】
神はまず最初に混沌の世界を光と闇に分けました。
【一口感想】
発想がとても面白く、妙に雰囲気が感じられました。
ただそれだけな気がするのがとても残念……
一発ネタといば一発ネタかもしれませんがもう少し広げてくれれば評価は高くなったかと思います。
短くて読みやすい文体です

それなら私と  ひきにく氏

【タイトル】
それなら私と
【作者】
ひきにく氏
ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331283832&log=164
【あらすじ】
阿求がなずなさんと一緒にマガトロ亭に行く話。
てかなずなさんてだれよ
【一口感想】
30kbとは思えないほどすらすら読めましたが、特に山場もオチもなし。
もしかしてこれが一作目でどんどんつながっていくのかと思うととても期待できる作品でした。
しかしこれ単体だけだとうーん、難しいですね。
「ソチャデスガー」がとてもツボでした。

十六夜の月まで届け、不死の呪い  TNB氏

【タイトル】
十六夜の月まで届け、不死の呪い
【作者】
TNB氏
ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331286787&log=164
【あらすじ】
咲夜が暇を貰いたいというので、レミリアは理由を尋ねるが
いつも完璧で瀟洒な彼女は何故か口吃る。
おかしく思ったレミリアが咲夜の運命を覗くと……

【一口感想】
この作品はネタバレを避けたいのであまりたくさんのことを言えないが、
こういう結果にするならなにか一捻り欲しいもの。もう少し頑張って欲しかった。
レミリアの「わがまま」がいい味を出していたが、すこしあっさりしすぎていた気がする。
惜しいなあ。

コメイジング・プレリュード  R√884氏

【タイトル】
コメイジング・プレリュード
【作者】
R√884氏
ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331298066&log=164
【あらすじ】
わたしが地図になるんだよ、お姉ちゃん。
【一口感想】
正直言うと、読みづらかった。
内容はとても面白かったのだが何かけむにまいたような感じがどうも受け入れづらかった。
ただ出したキャラはとても良く、東方らしいといえる。オチもとても良かった。
最近の作品でオチらしいオチがあるのが珍しいのはなんとも。

未契約未定義関係  紅雨 霽月氏

【タイトル】
未契約未定義関係
【作者】
紅雨 霽月氏
ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331378644&log=164
【あらすじ】
なあ、お前ってパチュリーとどんな契約を結んでるんだ?
そんな魔理沙の一言でお互いの関係を見つめ直すパチュリーと小悪魔のおはなし。
【一口感想】

とても良い距離のパチュリーと小悪魔。
なんとも言えない関係が丁度いい。
小悪魔は全くと言っていいほど原作設定がないので作者様ごとにそれぞれの小悪魔があるわけですが
この作品の小悪魔は自分の無力さをわかってていても、フランドールをいじめちゃうようないたずらっこ属性というのでしょうか
それがとても作品に似合っていてよく出来ていたと思います。

Free Night  ニトラス生命保険氏

【タイトル】
Free Night
【作者】
ニトラス生命保険氏
ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331401065&log=164
【あらすじ】
お腹がとても空いているルーミアは名案を思いつく
人間を食べちゃいけないんだったら、人間に食べ物を出してもらえばいいんだ
そうしてルーミアは立派な煉瓦の家を発見する
【一口感想】
雰囲気を文字で味わうというのはとてもいいもので。
そういう意味では味のある作品でした。
すこし展開が急だった気がしなくもないですね。
でもいい味出してる、本当に。

地獄の何でも屋さん ~友情はタレ味、炭火焼き~  ネコロビヤオキ氏

【作品集】164
【タイトル】地獄の何でも屋さん ~友情はタレ味、炭火焼き~
【書いた人】ネコロビヤオキ氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331307074&log=164
【あらすじ】
なんだかんだとありまして、開業、お燐の何でも屋!
記念すべき一人目の依頼人はリグル。友達のミスティアとの仲がこじれてしまい、仲直りをするのを手伝ってほしい、とのこと。
リグルとミスティアの、普段の仲の良さを知っているだけに、放っておけなくなったお燐、
助手のお空と共に、二人の関係の修復に力を貸すことに。

【感想】
地に足の着いたほのぼの作品。各キャラ像も全く違和感が無く、最初から最後まで、安心して読める良作。
特に、キャラ同士の交流、掛け合いのほのぼのっぷりが半端ではない。
コメディな部分が全て(ストーリーパートにおいてさえ)爆笑とまでは言えないものの、
ああ、こういう東方キャラ像がいいんだよなぁ、とほんわかと笑える作品。
だが、それが少々の難点でもある。キャラがキャラらしく動きすぎているため、横道にそれている部分もある。
ストーリーを真面目に考えがちな人には向かない、あくまでほのぼの志向のキャラクター作品である。

(それは、このスレでも言われていた、お燐が報酬を受け取るべきだったかどうかという面にも表れている。
 お燐の目的が「地霊殿の収入源の足しにする」ことと、「ハードボイルド(キリッ」の二つでぶれているのだ。
 そして厄介なことに、この二つでぶれていることそのものが、作中のお燐のキャラとしては違和感が無い)

コメント欄で「続編希望」の声がちらほら出ている。
何でも屋として色んな東方キャラの魅力に触れられる設定や、ハードボイルドおりんくうの凸凹コンビの魅力など、確かに、続編に期待しても良い作品だと思う。
(ただし、この手の一話完結シリーズは、定期的に作品を公開しなければ一気に忘れられるおそれもあるが)

二億九千万年の瞳  鹿路氏
地下で、巨大な虫の幽霊が出た?

【作品集】164
【タイトル】二億九千万年の瞳
【書いた人】鹿路氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331349646&log=164
【あらすじ】
地下で、巨大な虫の幽霊が出た?
という、よくわからない依頼を受けて、紅魔館に招待されたリグル。
淡々と馴れ馴れしいパチュリーや、純朴ながらも会話がマイペースすぎるフランに振り回されながら、
紅魔館の地下に降りたリグル、その先で出会ったものは……

【感想】
鹿路氏の作品初めて読んだ。
実を言うとこの手の、雰囲気で読ませる、細かい理屈や具体的な解答をあえて語らない作品というのは個人的に苦手だったりするのだが、
その苦手な私をして、すらすら読ませることができるというのは、相当すごいことなのだと思う。
この作品の主軸になっているのは、リグルから見た「蟲像」というか「蟲観」というか、まあそういったものだと思うのだが、
作中でも、リグルの言動を見ても、蟲とは何かを具体的に語っているわけではない
(ついでにリグル自身のおつむの弱さからか、それを語る言葉を持っていない)、
それなのに「ああ、蟲ってのは(あるいは、リグルという妖怪とは)こうなんだな」というのを、あるがままに読ませてくれる、そんな作品。

惜しむらくは、物語自体はほとんど、リグルとオリキャラだけで完結してしまって、紅魔館キャラはあまり関われていないということ。
(一番関わりが深いのはフラン。パチュリーの出番が多いのは、解説役兼進行役として便利なため)
紅魔館キャラとリグルの掛け合いが楽しいだけに、そこがちょっと残念。
ただ、紅魔館の他にふさわしい舞台も、あまり無かった気もする。あくまで、「紅魔館でのリグル(とオリキャラ)のお話」とでも言うのだろうか。
(そこに絞っている分、蟲の話としては全く軸がぶれない良作になっている、とも言える。こういうのは両立が難しいものなのかも知れない)

昆虫が好きな人、リグルが好きな人、子供っぽいフランドールが見たい人、におすすめです。

【作品集】164
【タイトル・作者】『二億九千万年の瞳』 鹿路氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331349646&log=164
【あらすじ】
新たに拡張された紅魔館の地下区画で、巨大トンボの幽霊をみたという。
唯一の目撃者であるフランドールの言葉からパチュリーは、太古に滅んだはずの史上最大の昆虫、メガネウロプシス・アメリカラだと推測する。
事の真相を確かめるために呼び出されたリグルは、紅魔館の住人とともに地下を探索することになった。

「……いや、今気づいたんだけど、なんで最初に冥界のお嬢様を呼ばなかったの。幽霊の専門家なんでしょ。私より適役じゃないの?」
「ああ、そうね」
 魔女とメイドが顔を見合わせた。
「いや、西行寺幽々子にはもう知らせたのです」暗がりによく見えないが、咲夜は苦笑したようだ。「だけど、翼長70センチのトンボだって伝えたら、その、それ以来連絡が途絶えまして」
「ああ、うん」
 わかるわかる。
 虫の妖怪なんてやってると、そんな扱いばかりだ。
(本文より抜粋)

【感想・ここが面白い・私的評価】
絶滅したはずの昆虫の幽霊が出るというロマンあふれる話、かと思いきや内容自体は現実的というかちょっと苦め。
少女成長譚と捉えていいんでしょうか。メインは、リグルとフランドール。
この話を読んでふと思い出しましたが、昆虫は痛覚がないと言われてるんでしたっけ。「昆虫のような目」とか「昆虫みたいな」って表現を見ると無機質な感じを想像してしまうのですが、そう考えると昆虫には、心はないように思います。
ですが、この話を読むと、その考えを吟味し直したくなりました。なんて、そんなことを考えてる時点で虫を見下していますよね。上位なんだから仕方ないと言えばそれまで。
上手いと思ったのは、フランドールの立ち位置と、飲み込みやすい書き方です。
フランドールは子供のポジションで書かれているように思いました。そして、その様が魅力たっぷりに表現されていて、読んでいて実に楽しいし、納得もできました。後書きにもありますが、昆虫が子供の標的とされるのは、あまりにも人とはかけ離れた生態をしていて、好奇心のまとになってしまうからでしょうね。
また、書き方についてはコメントのひとつにもあるように、緊迫と小休止、このバランス感覚が絶妙でした。読み手の呼吸に合わせてるようで、非常に読みやすく感じます。
といろいろ感じるところはありますが、この作品でなにより愉快だったのは、さりげなくも強烈な印象を残していった咲夜でした。彼女、見た目の何倍生きてるんでしょう。
★★★★☆(一度は読んでおきたい話)

【こんな人におすすめ】
昆虫が好きな人、
リグルが好きな人、
子供っぽいフランドールが見たい人、におすすめです。

水橋パルスィの観劇  Mongreldog氏

【作品集】164
【タイトル・作者】『水橋パルスィの観劇』 Mongreldog氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331448447&log=164
【あらすじ】
芝居を見にいこうと勇儀に誘われたパルスィ。
なぜ自分を選んだのかというパルスィに、勇儀はその道に通じているやつに解説してもらいたいからだといった。
芝居は、ウィリアム・シェイクスピアの『オセロ』であった。

 折角の芝居なんで、存分に楽しもうと思ってさ。と勇儀さん。
わたしなんて連れて行っても面倒くさいだけでしょうに。と呟くと、彼女はまぁそうなんだけどねぇ。と悪びれた様子もなく返す。
この竹を割ったような正直さ、非常に妬ましい。
(本文より抜粋)

【感想・ここが面白い・私的評価】
パルスィと勇儀の付き合いを描いた話。ジャンルは恋愛。
恋愛にも清純なものからエロエロまで、いろいろあると思いますが、この作品で書かれる恋愛はべたべたしない、そのままなかったかのように溶けてしまいそうな、うっすらと甘くはかない雰囲気が味わえる、大人しいものになっています。
感心したのがその短さ。こんなに短い作品の中に、二人の関係と距離感を詰め込み、おまけにショートショートのような一面も見せています。ここまで小ぢんまりとさせられるとは、と感心させられます。
長くするべきか、短くするべきかは書ききるまでわからないものですが、これは正解に見事たどりついたのではないかと思えました。
さっと読めて、さらりと味わえる話。ちょっとした息抜きに最適の一品です。
★★★★☆(なにか読みたいときはこれに決まり)

【こんな人におすすめ】
恋愛の風味を楽しみたい人、
勇儀とパルスィが好きな人、におすすめです。

象の出現-古明地こいしの二重世界  せみだるま氏

【作品集】164
【タイトル・作者】『象の出現-古明地こいしの二重世界』 せみだるま氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331443450&log=164
【あらすじ】
霊夢は魔理沙に、無名の丘に象があらわれたとしらされる。
光線を浴びせても、星をまいても、冷やしてやっても、象はまるで意に介さない。
無敵の象の異変だという魔理沙に、霊夢と居合わせた早苗は一路無名の丘に向かう。そのあとを、はじめからこっそり聞いていたこいしは追いかけていくのだが……。

「歓喜天が憑依するってことはつまり、やりたいことをやらないと気が済まないというか、欲望ダダ漏れになってしまうというか……。霊夢さん、ずっと魔理沙さんに甘えたかったんじゃないですか?」
「んなあほな」
「べつに甘えたっていいじゃない」と霊夢はいじけた。「最近ちっとも遊びに来てくれないし。なんで? なんで遊びに来てくれなかったの?」
「最近って、一週間前に遊んだ記憶があるんだけどな……。私にも魔法の練習とか各種いたずらとか、いろいろやることがあるんだぜ」
「それって私と遊ぶより大事なこと? 違うでしょう?」と霊夢は詰め寄る。「じゃあこれからも来てくれないの?」
「行く、行きますぜ」魔理沙はため息を付いた。「毎日でも遊んでやるから、とりあえず今は無敵の象をなんとかしてくれ」
(本文より抜粋)

【感想・ここが面白い・私的評価】
無名の丘にあらわれた象をめぐる、異変譚。
メインはタグにある、こいし、霊夢、早苗、神子の四人ですが、神子よりも魔理沙がここに当てはまると思いました。それはともかく、どのキャラクターにもそれなりの見せ場があって、踏み台と化した人物がいないという、ぜいたくな作品でもあります。
この話は異変の顛末を前面に押し出しているので、キャラクターの心情よりも、ストーリーを楽しみたいという人におすすめです。もちろん、各人物たちが含んでいるあれやこれやも書かれてはいるのですが、その書き方が出しゃばらずにそっと差し出されるようで、いつの間にか内面を知っていたという不思議な気持ちが味わえました。
ところでこいしと言えば、覚りの象徴を自ら手放した妖怪ですが、妖怪らしさを捨てた彼女はとても人間に近いのではないかと思います。作中のこいしが夢中になっている楽しみである『相手の気持ちを思いやる』という部分を読んで特にそう感じました。
【あらすじ】の項で本文より抜粋したのは、作中で一番気に入った場面です。本筋とはあまり関係のないところが気に入るというのも、なんだかなあという感じですが、気に入っちゃったんだから仕方ありませんね。
なにも示そうとしない象が何者なのか、なにがしたいのかを知るために、象頭人身の神様である歓喜天を霊夢が呼び出すというこのシーン。即物的な性質を持つ歓喜天を呼び出した影響で、取り繕うことのない、やりたいことをやる素の霊夢を描いたところです。
それまで書かれていた霊夢のイメージを、ぐるっと裏返してとつぜん見せられたような驚きがありました。
それなのに、以前から自分がそう考えていたかのように馴染みやすい。作中のこいしがやってみせた無意識の反映が、画面を飛び越えて読者にもなされたようにも思い、なんとも感心してしまいました。
作品の容量は短編とは言いがたいものではありますが、中だるみすることなく、するすると飲み込めるスマートな話ですので、未読の人はぜひ一読を。
★★★★☆(ぜひとも薦めたい作品)

【こんな人におすすめ】
面白いストーリーが読みたい人、
霊夢と魔理沙と早苗の三人組が好きな人、におすすめです。

蝋で出来た吸血鬼の翼  カルマ氏

【作品集】164
【タイトル】蝋で出来た吸血鬼の翼
【書いた人】カルマ氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331592263
【あらすじ】
「個人と言うのは常として他者が規定するものである」
そう考える咲夜は、レミリアが霊夢のところに出掛けてゆくのを何時も不思議に思っていた。
霊夢が死んだらどうするのか、と咲夜はレミリアに尋ねる。
そして、彼女に寄り添い続けるということを再確認する。
【感想】
あらすじにするのがとても難しい!
吸血鬼であるレミリアに太陽を見せたい、と考える咲夜の心が切ない。
内容そのものと文体がすごくマッチしていて、すこし苦しい気持ちになる。
大きな起承転結があるわけではない話の進行が
「ゆっくりとした自殺」というキーワードととても合ってると思う。
個人的には哲学的な、多少理屈っぽい文章が好きなのだけど
そういうのが苦手、激しい文章の方がすきというひとにはお薦め出来ないかも。

【五段階評価】
★★★★☆
というわけで星4つ。
あまり長くないので、読み易さもあるかなーと。

MERRY FLOWERS  めりえるらんど氏

【作品集】164
【タイトル】MERRY FLOWERS   
【書いた人】めりえるらんど氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331901928&log=164
【あらすじ】
おかあさんが親戚の人とおしゃべりしていて退屈なので、蓮子ちゃんはお花を摘みに行くことにしました。
お花を摘みながら歩いていると、色んな女の子に出会っていって……

【感想】
これ以上ストーリーを紹介しろと言われても、これは無理だろう。
タイトル通り、終始メルヘンチックな童話の世界が楽しめる、珍しいタイプのSS。
タグの通り、ちっちゃい蓮子が花を摘む先々で、それぞれの少女に会い、会話をかわすというSS。
それだけと言えばそれだけなのだが、それぞれの出会いが短いながらも綺麗で、とても魅力的だった。これもまた、一つの幻想郷の見え方なのだろう。
絵本のような世界や文章は好みが別れるかも知れないが、最後まで読んだ人はおそらく、ほとんどの人が好きになれる、そんな作品だと思う。
また、初投稿でここまでの完成度の作品を投稿したという点にも注目したい。世界観も文章も安定していて、安心して最後まで

はじめての永続的 † わきみこ雇用契約  KASA氏
どうしてこうもKASA氏の百合は目を背けたくなるほど容赦がないのか

KASA氏の『はじめての永続的 † わきみこ雇用契約』は吹っ切れた

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ちょっと姿を見ない間に復帰してたKASA氏。あの生々しい百合もちょっとは影を潜めたかと思ったが
それどころかますます磨きがかかってますます生々しくなっていた。どうしてこうもKASA氏の百合は目を背けたくなるほど容赦がないのか

とある冬の夜、突然紫からお見合いを持ちかけられた霊夢。

【作品集】164
【タイトル】はじめての永続的 † わきみこ雇用契約
【書いた人】KASA氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331999386&log=164
【あらすじ】
とある冬の夜、突然紫からお見合いを持ちかけられた霊夢。「私いやよ、お見合いなんて」突っぱねる霊夢に対し、紫もがんとして譲らない。どうやら本気らしいことを覚った霊夢は、しばし思いつめたような顔で考え込んでいたが……

「――私ね、ゲイなの」
「私あんたが好き。紫が、好き」

【感想】
まず先に明言しておきたいのだが、自分は百合やちゅっちゅも普通に好きだし、同性愛が云々という視点からこの作品をレビューするつもりはない。
その上で、この作品は最後まで読んだあと、どうにも釈然としないものが残ってしまった。話の構成自体は王道かつ明快でわかりやすく、過度な装飾のない文章はさくさく読めて小気味いい。しかし要所要所で引っ掛かりを覚えてしまって、その引っ掛かりが最後まで払拭できなかった。ただそうしたつっかかりを覚えるかも人によるだろうので、興味があれば、実際に一度読んでみて合う合わないを確かめた方が堅実かと思われる。

KERO KERO HERO  めりえるらんど氏

【作品集】164
【タイトル】KERO KERO HERO 
【書いた人】めりえるらんど氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1332173288&log=164
【あらすじ】
早苗がまだ幼い、小学生だった頃。
諏訪子は早苗に、自分は「ケロちゃん」という優しい妖怪だと説明し、洩矢諏訪子という名前は伏せて生活していた。
優しい「ケロちゃん」として、早苗を温かく見守ろうとする諏訪子。
対照的に神奈子は、早苗の将来性に強い期待を抱き、少し厳しく接していた。
――二人のそんな思惑はつゆ知らず、早苗はその頃、あるヒーロー番組に熱中していて……

【感想】
先に難点を挙げよう。丁寧に書こうとしすぎているためか、中盤が淡々と重い。
いや、全体で見たとしても、起伏という面で言えば、やや弱いと言わざるを得ない。
多くの人は、途中で読むのをやめていると思う。
ただ、文章は綺麗で、全体的に暖かい空気があるため、
気に入る人は気に入って、最後まで読みたいと思えるはず。

ストーリーは、ひたすら丁寧に書いてある。
作者の意図したものが、ほとんどまっすぐに、読者に伝わるという安心設計になっている。
ただし、小学生東風谷早苗の背景設定が、それぞれの角度から丁寧に書かれ過ぎているため、
後半のクライマックスシーンだけでは、全部が一件落着したとは思えない人もいたかも知れない。

全体的には丁寧かつ優しさに満ちている。
読後感は爽やかで、温かい気持ちになれる、そんな作品。
エンターテインメント的刺激という意味では、物足りないかも知れないが、
気に入る人は気に入る良作だと思う。

狐独のグルメ 「魔法の森のキノコスパゲッティ弁当」  浅木原忍氏

浅木原忍氏の『狐独のグルメ 「魔法の森のキノコスパゲッティ弁当」』は孤独

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このシリーズは欠かさず読んでいるのだが、この作者氏のこだわり、意地が随所に見られる
まず主人公が八雲藍というところ。最初読み進めると「なんで藍様なんだ?」と思うだろうが、
読み進める内に「なるほどゴローちゃん役は藍様しかいなかったな」という気にさせられる

なんというか、本家の主人公・ゴローちゃんのように、仕事とか年齢とか世間体とか、そういう何か上位の意志によって支配されている、
そういう人がちょっとだけ救いを見出す瞬間が「食」であり、それはまさしく「誰にも邪魔されず、自由で、孤独で、なんというか救われている」瞬間だからである

そういう風に考えると、何かに縛られている人、ましてや己の孤独を自由として楽しめる大人な雰囲気を持っている人となると、
これは藍様でなくてはならなかったのだと思う。この一点を考察し掘り起こした点において、この作品は評価の対象になりうると思う

というわけで、イチオシできる作品である
上記の感想を読む気がない人は、単純にメシが美味そうだから読んでみてほしい

押し倒したい申し上げております。間違えました、お慕い申し上げております。  過酸化水素ストリキニーネ氏

【作品集】164
【タイトル】押し倒したい申し上げております。間違えました、お慕い申し上げております。
【書いた人】過酸化水素ストリキニーネ氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331490728&log=164
【あらすじ】
一人四役で一日中人生ゲームに明け暮れたり、そのあまりのつまらなさの原因を五時間ほど考察したり、スリル満点の人生ゲームを四時間ほどかけて作ったりする天子ともっと仲良くなりたい衣玖が奮闘する話

【感想】
何よりもテンポがいいと思う。するりと頭に入ってくる冒頭から始まり、引きを残しながら次々と場面が変わり話が進んでいく構成の上手さに、長さの割りにさらりと読める。場面は転々と変わるが、焦点があてられているのは一貫して衣玖の心情描写や天子の人物像であり、全体の筋がぶれないため非常に読みやすい。逆に一場面一場面をがっつり読みたいという人は物足りなさを感じるかもしれないが、万点越えに見合う面白さがある。まだ読んでいない人も、一読して損はないだろう。

尻取縛遊戯  久々氏

【作品集】164
【タイトル】尻取縛遊戯
【書いた人】久々氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1331387794&log=164
【あらすじ】
幻想郷で近々開かれるという「しりとり大会」。
一緒に参加しないかと魔理沙は霊夢を誘うのだが、霊夢は乗り気でないようだ。
だったら、弾幕ごっこで決めようと、二人はおもむろに八卦炉と札を取り出し――

【感想】
正直この作品はどうレビューすればいいかわからない……というのも、最初タイトルを見た段階で「こういう話かな?」とひらめいて、実際その予想が当たってしまったためで、勿体ないことをした。
ただそんな要らぬ思いつきさえ降りてこなければ普通に「あっ」と驚ける良作なのではないかと思うので、一読してみてはどうだろう。
うぬぬ……本当に勿体ないことを。

春の自己紹介とかで、普段は何をしているのですかと聞かれると困る  わつじ氏
全体的にぽけーっとしている。ほげーではなく、ぽけー。

【作品集】164
【タイトル】春の自己紹介とかで、普段は何をしているのですかと聞かれると困る
【書いた人】わつじ氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1332169756&log=164
【あらすじ】
「霊夢さんって、お茶飲む以外に趣味とかないんですか?」
早苗にそう聞かれた霊夢の、趣味についてのお話。

【感想】
全体的にぽけーっとしている。ほげーではなく、ぽけー。
終始霊夢の一人称で話は進むのだが、ふわふわしてどこか掴み所のない語り口がいかにも霊夢らしく、一見散漫で薄ぼんやりとした文体も、最後まで読んでみるとすとんと胸に収まるものがある。全体を通して大きな動きはないものの、綺麗に程よく纏まっている。
縁側でお茶でも飲みながら読みたい短編。

「霊夢さんって、お茶飲む以外に趣味とかないんですか?」

【作品集】164 【タイトル】春の自己紹介とかで、普段は何をしているのですかと聞かれると困る
【書いた人】わつじ 氏 【サイズ】17.38KB
【URL】 ttp://coolier.sytes.net/sosowa/ssw_l/164/1332169756
【あらすじ】
 「霊夢さんって、お茶飲む以外に趣味とかないんですか?」
 早苗からこう聞かれた霊夢は答えに困る。
 縁側でぽけーっとお茶を飲んで何が悪いのだろうか。
 そう思っていると、早苗の言葉はもっとヒートアップしていく。
【感想】
 趣味が無いことでなんでそんなに責められなきゃいけないの、
 これから始まった霊夢の疑問は、その後の宴会で新たな方向へ。
 話の中心である霊夢に加え、早苗やアリス、咲夜など、
 どの登場人物も悩みと考えが纏まって描写されていた。
 全体を眺めるとのんびりとしていながら、時折ピリッと引き締まる、
 その雰囲気が良い作品だった。
【文章】       ★★★★☆
【展開】       ★★★☆☆
【総合評価】   ★★★☆☆