作品集170

Last-modified: 2013-12-16 (月) 16:57:30
トリフネランデヴー  みく氏

【作品集】170
【タイトル】トリフネランデヴー
【書いた人】みく氏
【あらすじ】
 地上から宇宙に打ち上げられ、誤作動により地球から月のラグランジュポイントに漂うことになった衛星トリフネ。
 月の民の一部の心配性に探索を依頼された豊姫一行は、衛生内部を調査する中で二人の侵入者を感知する。
 そして、侵入者の偵察に向わせたレイセンから、豊姫は驚きの報告を聞く。
 侵入者の片方は、かつて月面戦争を仕掛け、竹林で捕縛したあの妖怪であったと……。
【感想】
 鳥船遺跡の展開に儚月抄組を絡め、衛星トリフネの正体に一説を唱える物語。秘封好き、儚月抄好きにはたまりません。
 衛星トリフネやキマイラの正体に迫るのは勿論、豊姫なりの地球人、もとい地上の妖怪への見方も描かれるので綿月姉妹好きにもオススメ。
 本編でも可愛かったメリーの、本編で空白になっていた部分でのやり取りは必見

【五段階評価】
★★★☆☆
鳥船遺跡を持ってなければ-1
秘封好きなら+1
メリー好きなら+2

ブック・エンド  がま口氏
パチュリーに仕える小悪魔は図書館での仕事中に『小悪魔の話』というタイトルの本を見かける。

【作品集】170
【タイトル】ブック・エンド   【書いた人】がま口氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1341125432&log=170

【あらすじ】
パチュリーに仕える小悪魔は図書館での仕事中に『小悪魔の話』というタイトルの本を見かける。
気になった小悪魔はその本を手に取り、ページをめくるのだが……

【感想】
小悪魔が手に取った本。その本にまつわる発想が面白いなと思った。
読み終えて、なるほど確かにこんな本はありだとすんなり入ってきた。
また、その本に対するパチュリーの行動が、パチュリーらしくていいと感じた。
「ホラー」タグがあるが、ホラー映画的恐怖感は無く、すっきりとした話の印象。

12年度ホラータグ最高得点SS。

【作品集】170
【タイトル】ブック・エンド 【書いた人】がま口氏
【分類タグ】小悪魔 パチュリー ホラー 知らない内に本が増えてる……
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/170/1341125432
【POINT】約8000(2013/12/15時点) 【容量】25.99KB
【あらすじ&感想】
12年度ホラータグ最高得点SS。
自分の名が冠された本に目が触れ、興味のままに読んでいくと……という内容。
こういうアヤカシが図書館内にいても違和感ないし、それでいてその存在、攻撃方法、退治方法に至るまでのユニークさは楽しめた。
ただ、ホラーというにはどうかな、と思ったのが読後の感想。
悪い意味では、余計な一文が散見してる(大事なことは二度繰り返さなくていい。繰り返されると大事だとわかってしまうから。それともこれは「来るぞ、来るぞ」という前振りなのか?)というのがある。先を予想させてしまうので、怖さが半減している印象。
良い意味では、後半の燃える展開とオチのギャグ。むしろこちらの方が見どころなのではないかな? 要するにホラーというジャンルでくくれない面白さがこのSSにあると言いたいわけなのである。
文中文──というのだろうか、「劇中劇」という言葉からの造語だが──の表現方法も目新しいSS。

紅魔郷的リアリズム ~ Endress Night   内塚 似雲氏

【作品集】170
【タイトル】紅魔郷的リアリズム ~ Endress Night 【書いた人】内塚 似雲氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/mode=read&key=1340535762&log=170
【あらすじ&感想】
タイトルとタグからも分かるとおり、ループもの。この扱いづらいギミックに正面から向き合った意欲と勇敢さには敬服せざるを得ない。
文章自体も丁寧に書かれており、作者のひたむきな人格が窺える。おそらく作者は、美形で努力家なのだろう。身長は185cmほどで、彼女が二人いると思われる。

グランペイル・ハートレット  ヤクミンFBB氏

【作品集】170
【タイトル】グランペイル・ハートレット 【書いた人】ヤクミンFBB氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1340549684&log=170
【あらすじ&感想】
妖夢と妖忌のほっこりするお話。百合とかギャグとか変態とか、そういった飛び道具に頼らず、真摯に孫と祖父の関係を書かれている、穏やかながらも好感の持てる作品。
やや駆け足気味にも感じたが、その分読了までの時間を短縮できる。
作者の穏やかな人格が反映されたであろう、全体的に優しい文章も見物だ。
ひょっとしたらこの作者は、美人の保母さんなのかもしれない。あふれ出る母性が、文章にお淑やかさをもたらしているのだろう。

リビングウィル、及びプール  百円玉氏

【作品集】170
【タイトル】リビングウィル、及びプール 【書いた人】百円玉氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1340553049&log=170
【あらすじ&感想】
どこか歪みを抱えた青娥が見物のお話。単純に文章そのものの出来も良く、スラスラと読める。神霊廟キャラメインだけあって新鮮さも保証されているし、必見の一作だ。
あとがきから伝わる作者の真摯な人柄も心地よく、眼鏡の似合う読書家の美少女が書いたとしか思えない伏線が作中に何箇所も登場する。百円玉氏は萌えキャラである。
百円玉氏かわいい。凄くかわいい。

鱈が鍛えた神刀  ギョウヘルインニ氏

【作品集】170
【タイトル】鱈が鍛えた神刀  【書いた人】ギョウヘルインニ氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1340557368&log=0
【あらすじ&感想
「いやいや、こんにちは! 椛、今日も元気に和洋折衷してますか?」なんかこの台詞が好き。全体的に元気な文がかわいい。
とても短い作品なので、読み疲れせずにサクッと読んで気軽にコメントできる。快活な登場人物の魅力も合わさり、明日への活力がもらえる栄養ドリンクのような作品。
きっと作者も明るく爽やかな好青年なんだと思う。

桜の下に、ゆうべ。  水上歩氏

【作品集】170
【タイトル】桜の下に、ゆうべ。【書いた人】水上歩氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1340926999&log=170
【あらすじ&感想】
 和歌小説。紫と幽々子が花見をしながら桜餅を味わうところから始まる。情景は細やかに描写されるが心情は全て7つの短歌で表現され、会話文は存在しない。和歌の内容から心理合戦を想像するのを楽しむのが基本的な読み方になる。ただし、歌のやり取りには一貫した意味があるものの、それが唯一の直線的な読解として導かれない。実際に無理な発想の歌もあり、そのこじ付けが個性を表すこともある。また、後記欄にいわゆる「鑑賞」が並べられており、これは注釈として小説の一部と読むこともできる(ナボコフの『青白い炎』のように)。
 最終的にゆかゆゆの主題が登場するが、遡って見れば「幽かにと/隠すつもりな白雪も/過ぎて積もるが/広き桜葉」という最初の歌にも暗示されている。雪は白髪のたとえとして年月を表すこともあり、旧友の交情を仄めかす。いまそこに積もっているのは「広き桜葉」である。最も印象的で雅な一首。

 基本的にマニアックな楽しみ方が推奨されます。雰囲気だけを見ると物足りないように映ります。パズルのような作品だと決めてかかれば、途端に趣深い空間が演出されるのに出会い面白く読めます。
 「解説」がなければ話がよく判らないのですが、それが解説に止まらず世界観に貢献しているのも重要です。一度基本的な意味が通ると、和歌の比喩的な広がりが読者の想像力に訴えかけ、むしろ堅苦しくない自由な作品に見えてきます。
 歌を含んだ小説はたまにありますが、短さのためか群を抜いて完成された印象を持ちました。雰囲気、解釈、ストーリー、想像と重層的な読みを行える、文章フェチにはたまらない作品です。

【五段階評価】★★★★☆

紅魔郷的リアリズム ~ Endress Night  内塚似雲 氏

【作品集】170
【タイトル】紅魔郷的リアリズム ~ Endress Night 【書いた人】内塚似雲 氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1340535762&log=170
【あらすじ&感想】
 紅霧異変が解決される一晩をフランドールの視点で描く。6つの時系列に則った文章がそれぞれ基本的に3つのヴァリエーションを持ち、各ヴァリエーションが続けて置かれる。ヴァリエーションによっては存在しないものもあるが、大まかには次にような展開になっている。
 フランドールが、(1)レミリアに呼ばれる、(2)咲夜に頼み三妖精を食事係に指定する、(3)レミリアの話を聞き部屋に帰るように言われる、(4)部屋から出てきてパチュリーに会い先に進む、(5)三妖精を手に入れるが破壊してしまう、(6)敗北後のレミリアの下へ駆けつけようとする。霊夢と魔理沙に出会い戦闘が始まる場面で物語は締められる。正気のフランドールは反復を通して発狂へ至る。反復は原作ゲームをプレイすることで発生すると作者は語る。

 前書きがあまりにも野暮なので、なかなか本文に目を通す勇気が出ませんでした。読んでみると意外と悪くないようでした。ただし、作品の構造は上述の通りなのですが、本当に「多元的な現実を並列する」という意味でゲーム的リアリズムとして巧く書かれているかというと、そうでもありません。
 そもそも個々の場面が多元的な現実というほど説得力を持ちません。むしろ既にフランが発狂しているので現実認識がぶれているといった方が納得できます。なので「反復の悪夢を通して狂ってゆくフランドール」という作者の狙いはうまく実現されていないと思います。
 悪くないというのは、そのリアリティの不在が夢幻的な効果を生んでいる点です。そもそも一度読んだだけでどこが繰り返しでどこが違うかというのはそれ程はっきりとは判らないもので(少なくともレビュワーはそう)、何か物語りが進むような進まないようなねっとりとした記述は実に気持ち悪い。よい混沌です。

(要約:失敗作だが気持ち悪い記述はフランっぽくて味がある)

【五段階評価】★★★☆☆

風神太平記 第一話  こうず氏
この分量を書く資格のある確かな筆力。

【タイトル】風神太平記 第一話
【書いた人】こうず氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1342187443&log=170
【あらすじ&感想】
 まさかのかなすわ。戦で劣勢の諏訪勢力の代表として見た目中学生一人称儂の諏訪さまが八坂神と話をしに出雲へ出向く。降伏勧告に激怒した諏訪さまは八坂神を刺殺しようとするが未遂、男神に見えた神奈子の秘密(おっぱい)を知る。諏訪子という名前を与えられ人質として投獄される。告白付き。官職を授けられ諏訪勢と折衝。諏訪側は神の血を引くモレヤを新たに王に立て出雲と政略結婚の可能性を打診し……。

 この分量を書く資格のある確かな筆力。力強い筆圧で描かれる漢気溢れる神々の交流は古代の芳醇な香り。稗田舎人や上白沢、ヤタガラスなど小ネタ豊富。文体は最後まで安定していて、硬すぎると感じる人は読まぬが無難。傑作だが展開が遅く長い。急いで読んでも一時間はかかる。元気な人は、燃えあり萌えありなので所々の細部を楽しみつつラストを目指そう!
【五段階評価】★★★★☆

読むのが難しいです!

【タイトル】風神太平記 第一話【書いた人】こうず氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1342187443&log=170
【タグ】洩矢諏訪子 八坂神奈子 オリキャラたくさん 諏訪大戦
【あらすじ】
諏訪大戦のころの話。神奈子の軍勢に攻めこまれて、負け確定になった諏訪子たち。
もう戦えないと、降伏するために神奈子の陣地に赴くが……。
【感想】
読むのが難しいです! 政(まつりごと)とか当たり前に読めないとキツイですね。
諏訪人とか出雲人とか専門用語も多いです。
戦いの描写はほとんどありませんでした。最初から負けてますものね。
萌え萌えを狙ってくるわけでもなく、激しいバトルもありません。
しかし、キャラの台詞や考え方はすごくそれっぽさが全面に出ています。
諏訪子が神奈子を認めていくまでの過程が、この物語の見所でしょうか。
あと、建物の造りとか神々のありかたとか、陰謀とか、そういうところまで丁寧に描写してくれるのも嬉しいですね!
読みながらその時代を生きている気分にさせられてしまいます。
女が女に告白するシーンとかありますけど、人間として好きだという意味にもとれますというか、普通はそうでしょうね。
第一話とは銘打ってあるますが、かなすわコンビ誕生という区切りがついてるから安心して読めます。
第二話が出てこなくても、「それからは、まあ、史実どおりになったよ」といわれれば納得できるところまでは到達してますから、
未完結を前提にしても読んで損にはならないでしょう。

そうだ、うなぎをたべよう  生煮え 氏

【作品集】170 【タイトル】そうだ、うなぎをたべよう  【書いた人】生煮え 氏
【URL】 ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1341943270&log=170
【長さ】★ (13KB 短編)
【あらすじ】
 八目鰻が獲れない。
 土砂崩れやダムで生息地が変わってしまったらしく、今日もミスティアの罠に鰻は掛からず。
 どうしようかとため息をつくミスティアに、霊夢は命蓮寺に行ってみればと言う。
 騙されたと思って行ってみた命蓮寺。もちろん鰻などない。
 代わりに出されたものは衝撃の物体だった。
【感想】
 鰻が獲れない、というニュースは最近良く聞きます。
 もうじき土用という事もあり、今年の土用はどうなるのかなぁと思ったり。
 と思ったのは冒頭のこと。命蓮寺で出たものでその考えは吹っ飛びました。
 あれ食べれるの!?というか内臓とか背骨とかあるの!?
 リアカーいっぱいに積まれて蠢く姿を想像したら、
 なんか物凄くシュールな光景になりました。でもあんまり間近では見たくない。
 予想の遥か上を行く展開にびっくりな、綺麗にまとまった短編です。
【文章】       ★★★☆☆
【展開】       ★★★☆☆
【総合評価】   ★★★☆☆

昔の幻想郷と今の幻想郷 (上)   シグ 氏

【作品集】170
【タイトル】昔の幻想郷と今の幻想郷 (上)   【書いた人】シグ 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1342370926&log=170
【感想】
『混沌の女王(クイーン)』マカ、『秩序の女王(クイーン)』ナナリー
『闇の魔法使い』ユウカ、『光の剣士』ナティ
うわキッツーってまたお前か