作品集186

Last-modified: 2014-07-29 (火) 10:29:42
諏訪子の夏、水爬虫の夏  森秋一氏

【タイトル】諏訪子の夏、水爬虫の夏(前後編 75.73+149.08KB) 【書いた人】森秋一氏
【URL】前編 ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/186/1373822045
     後編 ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/186/1373823393
【タグ】洩矢諏訪子 オリキャラたくさん 水爬虫
【あらすじ&感想】
幻想郷で現在の流行はタガメである。食べてより、塗ってよし、入浴剤として使用するもよし!
外の世界より紛れ込んできた新種に、幻想郷の人類は好奇心を奪われており、どこもかしこもタガメ一色となってしまっていた。
しかし諏訪子にとって蛙を捕食するタガメは天敵であり、食卓に出されたタガメを前にして逃げ出してしまうのであった。

タガメ かゆ うま……

良くも悪くも森秋一さんらしい作品だなぁと思ったのが第一印象。
主人公の諏訪子は少し幼い感じで書かれていて、全体的に少年誌のような熱い作品になってる気がする。
テンポもよく、最後まで詰まることなく読み終えれたため、面白い作品だと思います。

ただ諏訪子は腹黒だという前提で読み始めると首を傾げるかもしれない。
どうも最初に諏訪子の性格に対応できるかどうかで、作品の評価ががらりと変わりそう。
具体的にどういう作品かというと「ド根性カエルこと洩矢諏訪子が幻想郷に蔓延りつつある異変に、いざ立ち向かわん!」というノリの作品。

【五段階評価】
★★★★☆
面白さだけで評価すれば、このくらい。ただ紅魔館の秘宝という作者前提で読むと、評価が一つ下がるかもしれない。
コメントで酷評を受けているのは恐らく、諏訪子のキャラと作品のジャンルを間違えて読んでいるからだと思う。
少年誌的な熱血ものであって、謀略の限りを尽くすような暗躍する作品ではないということを念頭に置いておくと、違和感を少しは払拭できるかも。

「あーうー……私、悪い諏訪子じゃないよ!」

スコール  長久手氏

【タイトル】スコール(17.1KB) 【書いた人】長久手氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/186/1373174478
【タグ】魔理沙 霊夢 アリス
【あらすじ&感想】
普通の魔法使いと昔馴染みの七色魔法使い。
そして、普通になった魔法使いと少し変わってしまった紅白の巫女。

切ない気分を味あわせてくれる物語。
全体的に綺麗な文章で、夏のじめじめとした気持ち悪い暑さを表現され、それだけでも読み応えがありました。

テンポは必ずしも良いわけではなく、物語の爽快感はないですが、その分だけじっくりと丁寧に書き込まれた情景。
魔理沙の仕草やら観察から心情を察することができ、だからこそ魔理沙の言葉が心に響いてくる。
書かれた文章の一つ一つを大切に読み解いていきたいと思える作品でした。

【五段階評価】
★★★★☆
ゆったりとした物語なので、文章を読み込める方にはお奨めしたい。
逆に物語の展開を読んでいく方には合わない気がする。

阿礼乙女に與ふる書  梶五日氏

【タイトル】阿礼乙女に與ふる書(22.61KB) 【書いた人】梶五日氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/186/1373682238
【タグ】稗田阿求 上白沢慧音 四季映姫・ヤマザナドゥ
【あらすじ&感想】
四季映姫が送る先代の御阿礼の子宛に向けられた一枚の手紙。
巡りに巡って上白沢慧音より稗田阿求に届けられ、二人は読み解いていくことにする。

冒頭が少し長かったかなと思うけれど、慧音が出てくるところまでは読み進めて欲しいと思う作品。
閻魔と御阿礼の子を紡いでいく様は読み進めるほどに面白くなり、最後は気持ちよく読み終えることができました。
読者によっては悲劇的かもしれませんが、少なくとも私には微笑ましい話だなぁ、と。

映姫はどのような気持ちで、手紙を書いたんだろうか。
それを考えると、やっぱり切ないかもしれない。

【五段階評価】
★★★★☆
出だしが冗長なので、そこさえ乗り切れれば良いかな、と。
最後まで読んでみると面白い作品だってことが判ると思います。
少なくとも3桁の作品じゃない。

HCR;~ハード・チェン・アンド・リプライ~  継電器氏

【タイトル】HCR;~ハード・チェン・アンド・リプライ~(90.7KB) 【書いた人】継電器氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/186/1373634001
【タグ】橙 火焔猫燐 クイズ
【あらすじ&感想】
お祭りに参加できない主人の主人のため、プレゼント用のケーキの材料を集めるために橙と相棒のお燐が幻想郷を周る。
そして行く先、行く先で挑まれるクイズの数々に二人は無事に材料を集めて、ケーキをプレゼントすることができるのだろうか。

最初は児童書のような懐かしさを感じる作品だなぁ、とゆったり読んでたらクイズで詰まってしまったw
どれも元ネタはあるのだろうけど、最初に想像していたよりも楽しめる内容となっていました。
Q3.くらいから段々と楽しくなってくる。

片手間に読むのは非推挙。というのも読み飛ばしをしたら良さが伝わらないと思う。
気を張って読むような内容ではないけれど、時間がある時にゆったりと読んでほしい。
にゃんたんのゲームブックで育った方は楽しめるんじゃいかなー、と。

【五段階評価】
★★★☆☆
少なくともSSに分類する作品じゃない。
小さい頃によくゲームブックを読んでた方にはお奨めです。

星食み  粥蛆氏

【作品集】186
【タイトル】星食み   【書いた人】粥蛆氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net/sosowa/ssw_l/186/1373984350/
【あらすじ&感想】
魔理沙が星を食べるために頑張るお話。
「何食ってんだ」
「ほしいも」
「食わせろ」
「やだ」
「いただき」
まぁこんな感じのお話し。
ーーーーーーーーーーーー
テンポよく話が進み、話も長くなくサクサクいける。魔理沙と他のキャラとの掛け合いもまさに「味」があってよし。個人的に魔理沙と霊夢の掛け合いが好きだった。霊夢かわいい。

【五段階評価】
★★★★*

夏越の幣  ことやか氏

【作品集】作品集186
【タイトル】夏越の幣   【書いた人】ことやか氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net/sosowa/ssw_l/186/1373701649
【あらすじ&感想】
六月三十日夏越の祓。霊夢は珍しくまとまった銭を持っていた。何でも空から降ってきたらしい。少し君が悪いが、お金はお金。折角なので人里まで出掛けることにするのだが……
ーーーーーーーーーーーーーーー
原作っぽい蘊蓄や妖怪、神様等の知識が上手く織り込むことに定評のあることやか氏の新作。今作もそんな異変にはならないちょっとした怪異のお話。原作で例えるなら三月精とか鈴菜庵に近い雰囲気がよく出ている。同行する小町のキャラもいい感じ。
いかにも『幻想郷の日常』っぽいお話が読みたいならおすすめの一品です。

【五段階評価】
★★★★★(こういうの大好き)

うそつきうさぎ/しあわせうさぎ/アンゴラうさぎ  Pumpkin氏

【作品集】186
【タイトル】うそつきうさぎ/しあわせうさぎ/アンゴラうさぎ
【書いた人】Pumpkin氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net/sosowa/ssw_l/186/1373045386
【あらすじ&感想】
神の悪戯かそれとも天罰か、ある日突然、てゐはウソをつくとピノキオの様に耳が伸びてしまう奇病にかかりました。
永琳の薬を飲み続け、しばらくはウソを自粛し、症状は何とか治まる気配を見せましたが、ウソが人を不幸にする物とは限らないと、再びウソを再開します。
それからしばらくして、てゐは自分がピノキオだったらやってやる、と思っていた事を実行し、商売を始め、大きな屋敷を立てましたが――。
ーーーーーーーーー
イソップの童話とか、図書室に置いてありそうな本みたいな感じの話
波長が合えば、どんどん読み進められる作品であり、落ち着いた文体がまた読み易い
話もわかりやすく、且つ面白く、小学生向けの教訓じみた話としても読める
永琳が穏やかで、いかにも頭が良く、所謂分別のある大人の女性と言う感じなのも好き

【五段階評価】
★★★☆☆
少なくとも自分には面白いが、合う合わないもあると思うので星3
合う人には4、5に化けると思います

眠れない夜は  プリン氏

【タイトル】眠れない夜は(12.44KB) 【書いた人】プリン氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/186/1374590352
【タグ】一輪 雲山
【あらすじ&感想】
普段は規則正しい生活を送る尼である一輪がふと、夜中に眠れなくなり、外に出てみることに。

淀みのない文章で心地よいの内容。
全体的にゆったりとのんびりした作品だけど、短くよくまとまっているので冗長に感じることはないと思います。
ここまで気分の良い思いをさせてくれた作品は最近はなかった気がする。

読後感が素晴らしい。(小並感)

【五段階評価】
★★★★☆
個人的には星五つくらい入れても良かった文章だったけども、
作品の短さと内容的に、このくらいかなーと。
でも、そう思える程に読んでて心地よい作品でした。

alone?  皮氏

【タイトル】alone?(3.67KB) 【書いた人】皮氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net/sosowa/ssw_l/186/1374476349
【タグ】ルナチャイルド 雲山
【あらすじ&感想】
ルナチャイルドは夜の森を散歩し、拾い物まで見つけた帰り道にて、雲の妖怪を見つけた。
暫くして妖精は好奇心に負けて近寄るのであった。

妖精らしさを感じつつも全体的に和やかで愉快な作品。
地の文が多めだけども、私はこういった文体は大好きで、最後まで軽やかに読むことができました。
原作らしい、というよりも、比良坂さんっぽい柔らかい感じがする。

もう好きすぎる内容と文体で、一発でこの方のファンになってしまった。
次回作が待ち遠しい。

【五段階評価】
★★★★☆
長い作品でもないし、是非とも読んで欲しいな。
お奨めと応援をしたい。

東方3時前 ~江頭2:50の幻想入り~  ペンタゴソ氏
伝 説 が 幕 を 開 け た

【作品集】186
【タイトル】東方3時前 ~江頭2:50の幻想入り~
【書いた人】ペンタゴソ氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/186/1374947656
【あらすじ】

江頭秀晴(48)は困惑していた。
その日の収録を終えた家路、いきなり意識が途切れ気付けば見知らぬ草原に立っていたからだ。
彼は偶然通りかかった古明地一行に説明を受け幻想郷からの帰還のため博麗神社に連れて行かれるが、そこは宴会の真っ最中、帰還のためにお開きにするのは忍びない。
そこで彼は翌日に帰還を伸ばすことになったのだが……

「そうだ。せっかくですし、ここはひとつみんなの前で何か芸を披露していっては如何です? 妖怪や神で賑わう宴会で芸ができるのはきっといい思い出になりますわ」

彼が芸人であることを知った八雲紫は言った。言ってしまった。彼女は知らなかったのだ。芸人として生きる彼の芸風を。
空気を読んで嫌味一つなく帰還を先延ばしにした折り目正しい紳士な中年、江頭秀晴が半裸姿で黒のスパッツを装着した時の名を。
そして……

「八雲紫ぃ!」
「ひっ!?」

芸人、江頭2:50の……

「お前、胸何カップだよ?」

伝 説 が 幕 を 開 け た

【私見】
私見としては爆笑or即ブラバと言った感じ。
江頭2:50というインパクトと多めの誤字に隠れがちだが話自体が結構良く出来ており、特にテンポが非常に軽快なので東方二次への守備範囲が広い人はサクサクと読んで普通に楽しめる。
核になる江頭2:50もキャラクターとして完成されており、ぎこちない感じは全くない。
体当たりの芸人根性と数々の江頭伝説を活かしたエピソードは本気で吹いたし、何気にこいしのシリアスな部分に踏み込んだりもしており幅広い物語を描いている。
しかし、タイトルから予想される嫌われ要素がダメな人にとっては恐らく挽回不能なレベルでアウト。
作中のエガちゃんは全く自重しないので下ネタとセクハラを平気で東方キャラに飛ばすし、
下ネタを飛ばされた東方キャラですらかなりあっさりと(命懸けの末ではあるが)好感度が上がり協力的になるので幻想入り系としても結構濃い目。キャラ壊れも日常茶飯事。
それらを押し通すのを芸人江頭2:50の魅力とインパクトに任せてしまっているので、ネットで語られる彼の逸話が好きなら爆笑、ダメならちょっと、となるはず。
芸人江頭、幻想郷を行く。このフレーズに期待を持つか、嫌悪を持つか、全てはそれに懸かっている嗜好性の強い極端な作品。……まぁ江頭2:50自身がそういう人なので当然な気もするがw

【五段階評価】
☆or★★★★★
(なんだそりゃと思うかも知れないが、正直な気持ち。気になるという人はとりあえず「お前、胸何カップだよ?」のちょい先(20kb程度?)まで読めばどちらか判断が付くと思われる)

勢いは凄い。

【作品集】186
【タイトル】東方3時前 ~江頭2:50の幻想入り~   【書いた人】ペンタゴソ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net/sosowa/ssw_l/186/1374947656
【あらすじ】
エガちゃんという、最強の○○○○(キで始まりイで終わる言葉)な芸人が幻想郷にやってきた。
幻想郷の人間や妖怪や妖精や神様たちはみんな少女(※少女です!)なので、下品な言動が苦手なのはご存知でしょう。
江頭のせいで少女たちは顔を赤くしたり、泣き叫んだり、恥らったり、男の【ピー】が【ピー】するのに困惑したり。
江頭2:50の【ピー】行動や【ピー】な発言で幻想郷は混乱し、彼は無双しながら酷い(おいしい?)扱いを受けていく。

【感想】
勢いは凄い。まさに「ドーン!!」という言葉がぴったりのハイテンションが続く。
しかし、いくつもの"名言っぽいもの"や善人説の多用はクドい。
(あと、カメラもないのにカメラ目線で叫ぶ、などの、実際の動きを想像しようがない文章もちらほら……)
コメディ部分は読みやすくて面白い作品であるように思うのだが、恰好の良さに逃げたと感じた。
おそらく作者は江頭を最低の男として扱う事を放棄して、彼に英雄であることを望んだ。しかしそれこそが彼を最大に貶めている。
称賛は常に称賛として機能するわけではない。罵詈雑言でしか通じ合えない場合もきっとある。
それなのに信念を「かっこいいと思われた」なんて意味のことが書かれていたりもする。序盤には実は常識があるとも考察されていた。
この扱いから、彼の下品さをそのまま肯定することができなかったのだな、とガッカリした。
愚者ではなく、演技により愚者のフリができる男のみを讃えるのなら、本当は誰も芸そのものは楽しんでないんじゃないか?
苦労話や努力を見ても、芸人に好感を持つだけで芸が面白くなるわけじゃないだろう。
それに制御された道化は安心して眺めていられるものではあっても、伝説にはなれないんじゃないだろうか。
ロックのイメージから外れないようにロックを演奏するのと同じで、真面目な彼は安定しすぎている。縮小再生産じゃないのか。
パターン化された"伝説"を売り物にしたいなら別だが、安心を抱えたままでは彼の求める本気や伝説には到達できないだろうと思う。

読後の印象としては、良い奴なのはわかったが持ち上げられ過ぎじゃないだろうか。といった感じ。
たぶん、読者が「もっと彼を認めてくれよ」と憤慨する前に、作者が「こんなにいい人なんです」と書いてるせい。
「江頭さんは常識ある」と直接的に語る事は出来ても、沈黙しなければならない場合もあるんだろうと思った。

あと、美鈴は処女だから。

【五段階評価】
★☆☆☆☆(江頭を全然知らない人や、彼が褒められたがっていないと信じる江頭ファンにとって)
★★★★☆(東方キャラがひどい目にあっても泣かない人。あえてピエロを演じるキャラが好きな人に)