作品集195

Last-modified: 2014-06-18 (水) 02:48:49
運命の愚者・第三部  めと氏

【作品集】195
【タイトル】運命の愚者・第三部
【書いた人】めと氏
【分類タグ】レミリア パチュリー 過去話 【容量】169.92KB
【URL】ttp://coolier.sytes.net/sosowa/ssw_l/195/1398082443/1#body
【概要】
同じく第三部。時代は大きく飛んで1902年のロンドンが舞台。
戦乱の気配から逃れアントウェルペンからフランを連れて飛んできたレミリアは大きな赤レンガ造りの館を見つけそこに住む。
「貴族のお屋敷みたい」とはしゃぎ回るフランを見て、貴族の挟持を思い出し現地語で「スカーレット」という家名を自分達につける。
数世紀が過ぎ去ったある夕方自分は魔女であると名乗るパチュリーと出会い、初めて自分と同じ人間以外の存在と出会う。
親しくなったある日、「ドラキュラ」という小説があることをパチュリーから知り、かつての主君を思い出す。
また夜の貧民街で中国の神を名乗る女性と出会い屋敷に迎え入れることとなり……。
【感想】
まず、分量も文章もかなりヘビーであることは注意が必要。前二作もそこまでスラスラと読めるわけではないものの、三部はそれに輪をかけて重い。
時代や文化の差を表現するためと思われるセリフの言葉遊びが多く、さらに文章の読解を詰まらせる感があった。
中国語を全てカタカナ表記しているのは、特にややこしかった(チー=「気」?シャンディ=「上帝」?など)

ただそれを斟酌しても、レミリアの精神に深く潜り細かく描き出す物語は魅力的だった。レミリアの科学技術の進歩した人間たちの世界や
生まれながらの魔女であるパチュリー、極悪の吸血鬼として描かれるかつての主君の名から自身の存在に再び疑問を抱く描写や、破滅の運命に
苦しむ姿は非常に「人間臭く」描かれていた。

とはいえ、物語の後半に出てくる少女のあの外見描写で咲夜を思い浮かべるのは結構難しいんじゃないだろうか……。
作者もそう思い直したのか次のような補遺を上げているが……。