作品集24

Last-modified: 2010-06-28 (月) 20:03:24
あなたに相応しい世界 はむすた氏

【作品集】24
【タイトル】あなたに相応しい世界
【書いた人】はむすた氏
【ジャンル】プリズムリバー、クリスマスキャロル、シリーズ(全3作)
【Ptランク】S(9000~)
【あらすじ】
 ある日突然、ルナサが錯乱し、その日からメルランが不自然な行動を取り始める。
何処か正常じゃない、嫌な雰囲気を感じ取ったリリカは、
二人が何を隠そうとしているのか探り出すことにする。
【感想】
 万点越えの作品が多い氏だが、その理由は一般の小説や映画のように
展開に波を付ける、中心人物の目的に揺さぶりを掛ける、見えない所で動いていた出来事の解明に時間を掛ける
といった技法を身につけ、高い構成力と心理描写を持つ作品に仕上がっているからだと考えられる。
 この作品も例外ではなく、三姉妹に実際何が起きているのかは、読者とリリカは中盤まで分からない。
そして、登場人物が皆一生懸命に動くからこそ生じる葛藤が読者の感情を非常に揺さぶる。
風景描写も非常に見事で、最後の大合奏のシーンは言葉で言い表せないほど。
昔のアメリカ映画のような、素晴らしく幻想郷らしいクリスマスキャロル。

un fruit vert chocoさん

【作品集】24-27
【タイトル】un fruit vert
【書いた人】chocoさん
【あらすじ】
冬のある日、アリスは外の世界の少女と出会う。 
道に迷い、アリスの家を訪れた彼女は、一晩だけ泊めてくれないかと訊ねる。
夜中に一人で現れた少女、血の付いた服、アリスはその様子に訝しみながらも
その少女に興味を持ち、一晩の間泊めてあげることに。
 
少女との共同生活の中、アリスは自分の中にある二つの感情に気づく――
 
【感想】
アリスとオリキャラの話。
会話がとてもテンポがよくて読みやすく、漫才のような掛け合いが私的にツボ。
オリキャラを通して描かれる、東方キャラがなんとも魅力的で読んでて楽しくなる作品でした。
結末は個人的に否定したい部分があるのですが、彼女の望みなら……仕方ないのかなと思ったり。胸にもやもやが少し残る。

不満点は、もう少しオリキャラの設定や生い立ちなんかを掘り下げて欲しかったかなと。
東方SSでこんなことを言い出すのは変なのかもしれませんが、正直な感想。

過去作品の【私を探して】の時もそうだったけれど、chocoさんのオリキャラは好きだ。
オリキャラと東方キャラの会話ややり取りがとても楽しくて、物語が結末を迎えてしまっても
何時までも読んでいたい思わせる。個人的に凄い作品というか、とても好きな作品。

紅い日々(1・2・3)  翔菜 氏

【作品集24】
【タイトル】紅い日々(1・2・3)
【書いた人】翔菜 氏
【サイズ】計
【URL】1:ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1137537038&log=24
    2:ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1137537106&log=24
    3:ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1137537754&log=24
【あらすじ】
 倫敦に、一人の少女がいた。人間でありながら人間を殺すその少女は、自らを「ジャック・ザ・リッパー」と呼んだ。まるで、己に言い聞かせるように。人を殺すのが当たり前だと、自分に言い聞かせるように。
 面白半分にその少女を襲ったレミリアは、目の前からその少女が忽然と姿を消したことをきっかけに彼女に興味を持ち、館へと招く。どうやら時を操っているらしいその異能の研究をする間、その少女は館でメイドとして働くことになる。

【感想】
 そうして数週間が経過した頃、館はハンターの集団に襲われます。戦いの中で、少女は人に乞われて他人を殺すこと、人を守るために全力を尽くすことの素晴らしさを知っていきます。いままで人に厭われ続けた少女にとって人に頼られるというのは、心地よく、また、命に代えても遂行すべきものでした。例え、頼みというのが人殺しであっても。

 詰め込みすぎとは言いませんが、咲夜の成長物語と呼ぶには、事件が余りにも大きすぎる気がします。その事件の中で時間を操る能力が開化したとしても、それは事件の中核をなすキーではなく、事件の副産物になってしまっています。だからこの話は、咲夜の成長物語と呼ぶよりも、レミリア・スカーレットが咲夜に出会うまでを描いた過去話と捉えると、楽しく読めると思います。

【五段階評価】
★★★★☆