作品集31

Last-modified: 2013-02-28 (木) 14:57:51
右第四肋骨亀裂骨折  反魂氏

【作品集】31
【タイトル】右第四肋骨亀裂骨折
【書いた人】反魂氏
【あらすじ&感想】
「交通事故ねえ。交差点も信号も、カーブも対向車もない広い大空で交通事故ね、呆れたわ」
例によって図書館に突入してきた魔理沙。彼女を撃退するためパチュリーの選んだ“示談”とは?

時事ネタです。そしてある意味一発ネタでもあります。
しかしそこに至るまでの描写、センスは流石と言う他ありません。大変良質なギャグ作品であると思います。
内容はパチュリーがとってもうざい魔理沙と漫才トークを繰り広げつつ、フラストレーションを溜めていくというもの。
そして衝撃の結末を知ったその時、きっと貴方の心には「ぱちぇもえ」が芽生えていることでしょう。
正統派なギャグを楽しみたい人にお勧めです。

【五段階評価】
文章力  ★★★★★(流石の反魂氏。テンション高くても筆力は相変わらずです)
構成  ★★★☆☆(小細工無しで、だーっと突っ走って、最後はきちんと落とす。ただ、人によってはオチが分からないかもしれない)
衝撃度  ★★★★★(物理的な意味でも)

紅魔館殺妖事件 ~whet's your name?~ 床間たろひ氏
事件の裏に潜む悲劇、荒事、そして――狂気。

【作品集】31
【タイトル】『紅魔館殺妖事件 ~ what's your name ? ~』
【書いた人】床間たろひ氏
【あらすじ&感想】
 紅魔館で起きた連続メイド殺人事件。
 その謎に挑むのは、銀の髪を靡かせ夜に咲く麗しきメイド長。
 事件の裏に潜む悲劇、荒事、そして――狂気。
 
 貴方はもう、逃れることができない。  
 

【五段階評価】

★★★☆☆(本格推理度)
★★★★★(ドラマ性)
★★★★☆(意外性)
★★★★★(さくめー度)

 コメでもあるように本格推理としては弱い。
 けれどそれを補って余りある魅力がこの作品にはある。
 すでに既読の人も多いだろうが、もし未読の人がいれば是非読んで欲しい。
 その際は後書きやコメを先に見ることなきよう――

ミステリーというジャンルを成り立たせつつ、戦慄を生み出す設定の妙。

【作品集】31
【作品】『紅魔館殺妖事件 ~ what's your name ? ~』
【作者】床間たろひさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1153445993&log=31

物語18点 キャラクター18点 ストーリー17点 構成17点 表現16点
総点86点

ミステリーというジャンルを成り立たせつつ、戦慄を生み出す設定の妙。
キャラ立ち。
そしてオチと、学ぶべきところが多い作品。
ミステリーというのは人が死ぬからミステリーではなく、心の在り様がミステリーなのだと再認識させてくれる。
犯人の害意、
それがこの作品のもっとも戦慄すべきところ。

パルプファンタジア 桐生氏
創作文芸、とりわけ創想話を題材にしたメタ的な作品(だと思う)。

【作品集】31
【タイトル】パルプファンタジア
【書いた人】桐生氏
【あらすじ】
幻想郷に創作文芸ブーム到来!
その火付け役で人気覆面作家・八里知恵子(はちりちえこ)こと
パチュリー・ノーレッジはある苦悩を抱えていた。
自分の書きたいものと読者の望むものに、隔たりを感じていたのだ。

【感想】
あらすじを見てもわかるように、創作文芸、とりわけ創想話を題材にしたメタ的な作品(だと思う)。
趣味でやっていたときは好き勝手書けていたのに、読者の目を気にするようになって筆が思うように進まなくなる
パチュ……八里知恵子先生の姿には、そそわで書いている人なら共感せずにはいられないと思う。
個人的には作品内で出された結論に全面的に同意というわけでもなかったけど、自分を見直す良い機会になった。
最近、モチベーションが低下している人は是非読んでみてほしい。
そしてなにより、そういうテーマ性を抜きにして単純にお話として面白かったのが凄いと思う。

【五段階評価】
文章★★★★☆
情熱★★★★★
テーマ性★★★★★
総合評価★★★★★

外の世界から紙が大量に幻想入りした昨今、幻想郷では一大創作ブームが巻き起こっていた。

【作品集】31
【タイトル】パルプファンタジア
【書いた人】桐生氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1152538113&log=31
【あらすじ】
 外の世界から紙が大量に幻想入りした昨今、幻想郷では一大創作ブームが巻き起こっていた。本に埋もれて過ごし、本をこよなく愛する魔女パチュリー・ノーレッジはその傾向を快く思っていないようだが…

【感想】
 テーマは「作者と読者」、そして「創作物」といったところか。読者からの素直な感想ほど時に作者を悩ませることになるのは自分も何回か経験があるけれど、その心情を改めて文章にするとその時の気持ち
 がよみがえってしまう。人によってはキャラに作者を仮託させすぎと思われるかもしれないが、それが逆に生の感情らしくて好印象を受けた。謎の覆面作家の慧極堂先生や、パチュリーを純粋に応援する小悪魔
 が個人的にお気に入り。これから先創作で迷った時、自分はこの言葉を思い浮かべずにはいられないでしょう。、

 「八里知恵子、羅漢になれ」
                ―本文より
 
【五段階評価】
 ★★★★☆(創作に携わったことのある人間なら必ず身につまされると思われるが、読んで損はない。紅魔館の図書館名がヴワルなのがちょっと残念)

純粋無垢の白昼夢  雨虎氏

【タイトル】純粋無垢の白昼夢
【書いた人】雨虎氏
【作品集】31
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1154053148&log=31
【あらすじ&感想】
暑い幻想郷の夏、その能力から妖精達に追い回されたチルノは廃屋のような小屋で避暑をすることにした。
ところがそこは里の子供達数人の秘密基地となっていたらしい。すぐに子供達と仲良くなったチルノはひたすら遊び楽しく過ごす。
しかしある日、子供達の内数人が妖怪に食べられたという知らせが入って来た。
その妖怪の特徴はある友達の妖怪と一致していて―――

 

そこから二転三転、幻想郷らしい結末を迎えます。
これもそこそこ昔の話ですが、きっとあの世界ならこんな異変がちょこちょこ起きているんだろうな、と感じさせる話です。
文章が特別綺麗とかそういうものはありませんが、すんなり読めて尚且つシリアス目で良い感じ。
子供ってのはふしぎを追いかけるものですよねえ。
タイトルにも少し話の意味が込められているそうです(後書き参照)。

Childhood's end  歪な夜の星空観察倶楽部 氏

【作品集】31,32
【タイトル】Childhood's end【1】、【2】、【2.5】、【3】、【BGN】、【4】、【5】、【終】
【書いた人】歪な夜の星空観察倶楽部 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1153274190&log=31
    ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1153528235&log=31
    ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1153679448&log=31
    ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1153844630&log=31
    ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1153955342&log=31
    ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1154311404&log=31
    ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1154521089&log=31
    ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1154733877&log=32
【あらすじ&感想】

Childhood's end(全ての言葉はさようなら)

自分にはこの作品のあらすじを紹介することは難しすぎました。
なくなったピースが埋まっていくような、絡まっていた糸がほどけていくような、
文の組立てとしては謎だらけのそれらがぴったりとはまっていく感覚は素晴らしい。
作品全体の浮いているかのような雰囲気と、登場人物の心情が噛み合っているようで、
その実酷くずれているのではないか。そんな不思議な感覚を感じました。

さようなら臆病な自分、こんにちは素直な心  暁スバル 氏

【作品集34】
【タイトル】さようなら臆病な自分、こんにちは素直な心
【書いた人】暁スバル 氏
【サイズ】190.40KB
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1160798153&log=34

【あらすじ】
いつもさぼってばかりいる小町に、映姫は言った。
「がっかりです、こんなことなら別の死神を雇うべきでした」と。
小町は、いつもより重く冷たいその言葉を受け止めきれず、映姫の元から去ってしまう。

【感想】
 べったべたなえーこまです。テンプレートな展開に、初めからわかりきったオチ。たったこれだけの内容にどうしてこんな長さが必要になるのか分かりません。はっきり言って嫌いな話でした。
 「好きになる過程」のようなものが書かれているのならそれは納得できるし評価できますが、最初から好き合っていて、喧嘩しただけってのはただの痴話喧嘩にしか見えません。

【五段階評価】
★☆☆☆☆(百合百合してるのが好きなら+1.5)

氷精と祟り神  万葉氏

【作品集】31

【タイトル】氷精と祟り神
【書いた人】万葉氏

【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_p/?mode=read&key=1220674613&log=31

【メイン】魅魔 チルノ
【あらすじ】
霊夢に弾幕ごっこを仕掛けに来たチルノ。しかし生憎も神社に霊夢は不在。
チルノが霊夢を探してる声に答えたのは、縁側でのんびりとお茶を飲んでる謎の幽霊だった。
「アンタ誰さ?」

【感想】
終始ほのぼの。読んでいて癒されます。
魅魔とチルノの親子のような会話。落ち着いた魅魔様と無邪気なチルノは良いコンビだと思います。
内容は少なめ。ほのぼので気軽に読めるものを探してるときにどうぞ

【五段階評価】
★★★☆☆(ほのぼの好きには+1)

春告げの翼  上泉 涼氏

【作品集】31
【タイトル】春告げの翼
【書いた人】上泉 涼氏
【容量】約83kb 
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1152658512&log=31
【あらすじ&感想】
春を迎えた幻想郷に、ミスティアの春の歌が響き渡っていた。
射命丸文はその歌声の中、リリーホワイトを追って幻想郷を飛び回る。
桜に惹かれる吸血鬼、人を見て春を感じる蓬莱人、季節の境に忙しい従者達、
そして出会いと別れなどなど。この郷の春の伝え方、迎え方を描く。

物語だけ見れば単純ですが、春に対する感情の描写がお見事です。
季節ものながら人物にスポットを当てた構成で、単なる雰囲気系として片付けてしまうにはとても惜しいと思います。
歌詞の引用はちょっと卑怯と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
昔から四季を愛するこの国っぽさをよく表しているのではないのでしょうか。特に幽々子の部分。
文章の綺麗さではなくキャラを通して描かれた春の美しさが感動と暖かい読後感をもたらしてくれる、
そんな作品を、今読んでみてはいかがでしょうか。
★★★★★(強いオチとか猛烈なシリアスとかそういうのは無し)

Sea of Kouma  らくがん屋 氏

【作品集】31  【タイトル】Sea of Kouma
【書いた人】らくがん屋 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net/sosowa/ssw_l/31/1153698392
【あらすじ&感想】
 2006年、風神録の発売よりも前の作品。内容はレミリアの我が侭から幻想郷に
 海ができるというもの。レミリアが発端となり、紫の能力がフル活用されるという
 クラシカルなドタバタ劇が10KBの枠内で描かれる。ポイントは4600点、コメ数は10件。
 後書きとコメントの内容を見るに、創想話スレの書き込みを元に一晩で作成されたようだ。
 幻想郷に海ができる作品は数多いが、この作品はその中でも最古参に近い。
 模索期らしいチャレンジ精神に満ちたお話だ。

 作品集31には、他にも桐生氏の『パルプファンタジア』やYDS氏の『従者達の夏休み』がある。