作品集51

Last-modified: 2011-06-07 (火) 21:12:08
無重力落下 -Stand By Me- みづき氏
大筋は空を飛ぶ程度の能力の一解釈

無重力落下 -Stand By Me- みづき氏
みづきさんの『無重力落下 -Stand By Me-』(作品集51)かな。
大筋は空を飛ぶ程度の能力の一解釈なんだけど、読み進めていくとどんどん不安が大きくなって、
そして、もの悲しい結末をより鮮烈にさせる構成がね。
巫女服が地面に落ちるシーンは本当に鳥肌物。
情景が浮かぶだけでなく、それが脳裏に焼きつく。そこまでインパクトのある一画面だった。

なんというか、ある意味霊夢らしいお話だなぁ、と。

【作品集】51
【タイトル】無重力落下 -Stand By Me-
【書いた人】みづき氏
【URL】 ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1205690055&log=51
【あらすじ】
霊夢の身にある異変が起こり始める。
【感想】
霊夢の能力についての新解釈でレイマリを軽く含んだシリアスもの。
なんというか、ある意味霊夢らしいお話だなぁ、と。
ハッピーエンドではないものの、読了後の切なさというか儚さが半端無い作品。

異動 秘月氏

異動 秘月氏

「一番の主は何処の誰だと思う?」という一言から始まる大騒動(の予感)
紅魔館の「レミリア=スカーレット」
マヨヒガの「八雲 紫」
白玉楼の「西行寺 幽々子」
永遠亭の「蓬莱山 輝夜」(追加)
この四名をシャッフルし、本来とは異なる従者、側近と生活する。
その際に、従者や、その下で働く者達、そして霊夢らにより主としての器を点数表記する。
振り分けは自分で確認してくれたまへ。
ここから感想。点数云々は正直どうでもいい(失礼ではあるが)
ただ、タイトルからして従者を異動させるのだろうなと思っていたため
初っ端からのミスリードや、主自体を移し変えるという発想は新しい。
また、レミリア、紫、幽々子はよく目にする普段通りの振る舞いだが
普段はカリスマ皆無の駄目NEET扱いの多い輝夜が良い感じに物腰柔らかいお姫様。
前振りからしてこれは予想通りかと思ったら、おっとこれは嬉しい誤算か?
この話は続き物であり、今回は導入編と言ったところか。
某人等はともかく、某人等は早くも波乱の予感、待て! 次回!

異動2 秘月氏

異動2 秘月氏

前作「異動」の続き。
今回から本格的に生活の様子が描かれ始める。
ルールは前述したので、さわりと感想だけを短くまとめる。
今回から監査官が導入される。通常監査官を各組に二名ずつ、そして全体を監査する特別監査官。
全部で十二名らしいが、なんか数が合わなくない?
このややこしい制度のおかげで某死神にトラブルが・・・!
さて、ここから感想。場面の切り替わりが多いので、頭の中で少し話の整理が必要かもしれない。
とりあえずぶっちゃけて言えば、咲夜は色々と間違っている。
ある意味正解は妖夢。そして正解かどうかはともかく、賢いのは藍。
永琳はこの時点では何を考えているのか、正直わかんね。とりあえず従者の印象はそんなところ。
とりあえず気になる、美鈴の含みのある発言の詳細は?
咲夜は今後どう動くのか? やっぱり続く。待て! 次回!

醜形恐怖 蟹人間コンテスト氏

醜形恐怖 蟹人間コンテスト氏

早苗のコンプレックス。恐らくは年頃の女の子なら誰もが抱くであろうもの。
確かに幻想郷は間違いなくトップクラスの逸材が揃い踏みである。
早苗はそのコンプレックスを克服しようと慣れない手段を行使するが・・・?
ここから感想。さっくり読める。最初から最後まで一本道で筋が通っているので読みやすい。
確かに自分がそんな状況の真っ只中にいたら? そう思うと早苗の行動も納得できるかもしれない。
まぁ、我々にとっては、諏訪子様の仰るとおりのものではあるのだが。
神奈子様の御言葉は必見。諏訪子様の名言も必見。
You! 割り切っちゃいなYO! しかし(35)はひどいだろ!

忙しなく綴られた門番の日誌 ネコ輔氏

忙しなく綴られた門番の日誌 ネコ輔氏

会話文よりも地の文が圧倒的に多いので少し読み疲れるかもしれない

某所の日誌スレに投稿した~、とあるから恐らく、ゆかりんのスキマ日誌スレであると推測される。
その日誌をSSとしておこしたらしい。タイトルから判るように美鈴の一日が綴られた作品。
咲夜が美鈴をナイフで刺さない、中国と言う単語が一度も出ない珍しい美鈴SS。
何人たりとも図書館に入れないように、とパチュリーに頼まれた美鈴は魔理沙と対峙し
勝ち目のない戦いを強いられることになるが、ある手段を行使することに。
しかし、それは予想外の結果を招くことに・・・・?
ここから感想。会話文よりも地の文が圧倒的に多いので少し読み疲れるかもしれない。
しかし、その分、話を想像しやすいという利点はある。会話文が多い創想話でが珍しい部類か。
美鈴と魔理沙の関係も中々に珍しいかもしれない。新境地を開いた気分。著者は間違いなく美鈴好き。

この作品に限らず、この人の書く美鈴はカッコ良くて大好きなんだけど

【作品集】51
【タイトル】忙しなく綴られた門番の日誌   【書いた人】ネコ輔
【あらすじ】
ある日、紅魔館の門番である美鈴にパチュリーからある指令が下された。内容は
「今日、難しい儀式を行うから図書館の中に誰も入れないで欲しい。」
というもの。当然、あの魔理沙もどうにかして追い返さなければばならない訳で……
【感想】
この作品に限らず、この人の書く美鈴はカッコ良くて大好きなんだけど、
可愛さはこのお話の美鈴が一番だと思う。
ギャグキャラ「中国」ではなく、門番「紅美鈴」の話を読みたい人にオススメ。
星による評価は、自分のものさしじゃあ五つ星連発してばっかでなんの指標にもならなそうなので割愛。

早苗50%フィクション 詩所氏

早苗50%フィクション 詩所氏

怪談から始まる物語。最初こそ鈴仙の話から始まるが、すぐに早苗視点での怪談が始まる。
早苗がまだ外にいたときの怪談を語り聞かせる。妖夢が自身の存在を否定し始めたりと
所々で笑いを誘う要素も見えるが、正直、ちょっと背筋がぞっとする。
早苗の怪談が架橋に差し掛かるにつれ、えもいわれぬ緊張感が走る。
最後には背筋も凍る結末が・・・・?
ここから感想。怪談は正直好きではない。ホラーゲームはするんだけど、怖い話は何故か嫌い。
地元に犬鳴峠がある身としては人事だと思えないからさらに怖い。
だけどすんなりと読めてしまう、知らぬうちに早苗の話に耳を傾けてしまっているよう。
タイトルからして、多分こういうオチだろう、と思いつつ読んでいたが、ところがどっこい。
最後の最後でそういうことか! と思わせるオチを用意してくれちゃってる著者に乾杯。
しかしあとがきのあれはなんというか・・・いいぞ、もっとやれ。

 

【作品集】51

【タイトル】早苗50%フィクション   【書いた人】詩所氏
【あらすじ&感想】
怪談話をする霊夢達だが、どれもこれもグダグダで怖くない話ばかり。
そんな中順番のまわってきた早苗は外の世界であった怪談話を始める。

淡々と話し続ける早苗、感覚のベクトルが異なる霊夢、恐怖でアホの子全開の妖夢等
キャラの対比が面白い。
怪談そのものは普段本やテレビ等で見かけるタイプの話だけど、合間にキャラのリアクションが
はさまれているのでテンポよく読める。
ただオチが少し説明的過ぎるのが少し残念な所か。

四月馬鹿 大崎屋平蔵氏

四月馬鹿 大崎屋平蔵氏

御存知エイプリルフールネタ。といっても、別にかかったな阿呆め、という内容ではない。
恐らくは馬鹿がつくほどの正直者であろう慧音が、この日頑張って嘘をつこうと思慮する。
試行錯誤の上、妹紅、魔理沙らに当たり障りのない嘘をつくが・・・?
正直、ここで物語のあらましを話すと面白くないのでこれ以上は伏せる。
ここから感想。とりあえずさっくり読めるのが嬉しい作品。
短い内容に、キャラの特徴がしっかりと現れている。
とりあえずおまいらは読んでからチルノの可愛さに悶えるといい。

お茶を飲みながら ネコ輔氏

【作品集】51

【タイトル】お茶を飲みながら   【書いた人】ネコ輔氏
【あらすじ&感想】
勝手に魔理沙を通した事に文句を言う咲夜を、屁理屈で逃れようとする美鈴。
そこへ妖鳥の大群が来るが、強力な団結力で見事に撃退。
統率された部隊を見て自分の部下の不甲斐無さに悩む咲夜は美鈴に相談する。

咲夜と美鈴の年の差がよくわかる作品。
いろんな意味で若々しい咲夜と、落ち着いた美鈴の対比が面白かった

【五段階評価】
文章力 ★★★☆☆(悪くない)
構成力 ★★★☆☆(短く纏まっててGood)
統率力 ★★★★★(復唱せよ! 我々は門番隊! 紅魔館の盾なり!)
恥じらい★☆☆☆☆(バスタオル一枚でストレッチする描写が――)

「レミリアる」八重結界氏

作品集51。

「レミリアる」八重結界氏

・あらすじ&感想

モニターを見ながらレミリアは歯噛みした。
そこには見たこともない笑顔の妹の姿が……

とある流行語を風刺した快作。
短く、登場人物も多くない。
しかし、きちんと綺麗に纏められている技量は圧巻。
この手の時事ネタには時機を逸すと逃す面白さはあるものの、後に触れるとある種のノスタルジーを感じる。

神奈子と諏訪子の交わした約束  暇人KZ氏
「お前が、洩矢の神か?」

【作品集】51
【作品】神奈子と諏訪子の交わした約束
【作者】暇人KZ氏
【あらすじ】
「お前が、洩矢の神か?」八坂の神の言葉に、洩矢の神は全く興味がなさそうに、それを肯定した。
八坂の神は、洩矢の神に喧嘩を売りに来たそうだ。そして、二柱がその戦いを終えた後に交わした約束は――
【感想】
神奈子と諏訪子の出会い、約束を描いたもの。神奈子が自分に足りないものに気付いていくまでの心情が面白かった。
【5段階評価】
文章★★★★☆
構成★★★★☆
総合評価★★★★☆

幻想郷入り以前の守矢一家の話は数あれど、自分はこれが一番心に染みた

暇人KZ氏の「神奈子と諏訪子の交わした約束」がよかった
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1206141390&log=51

幻想郷入り以前の守矢一家の話は数あれど、自分はこれが一番心に染みた
それは話の中心が早苗や諏訪子じゃなくて、あえて神奈子の意識の変化に焦点を当てたためだと思う
ただの荒ぶる神、荒んだ神様であった神奈子がどのように守矢神社に溶けこんでいったかの描写が秀逸だと思う

何度読んでもいい話

暇人KZ氏の「神奈子と諏訪子の交わした約束」は何度読んでもいい話
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1206141390&log=51
これは正直、もうちょっと得点しててもよかったんじゃないかと常々思う
だってホントいい話なんだもの。いろいろ細かいところに文句はあるけれどそれを補って有り余る魅力がある
イヤ本当にこれは隠れた名作だと思うんだけど、みんなの琴線にはいまいち触れなかったのかも

彼女が羨ましく感じた事 EXAM氏

【作品集】51
【作品名】彼女が羨ましく感じた事
【作者名】EXAM氏
【あらすじ】
里の広場で遊び、日暮れと共に帰る親子。
それを喰らおうと背後から襲い掛かるルーミアだが、紫に阻まれ…。

【感想】
一見無邪気なルーミアが抱えている寂しさに母性本能をくすぐられる。
母親のような紫との遣り取りに思わずほのぼの。

【五段階評価】
★★★☆☆

八雲藍~従者、その愛~  にゃおさん

【作品集】51
【作品】八雲藍~従者、その愛~ 「お勧め!」
【作者】にゃおさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1206382838&log=51
【あらすじ】
最近、藍が冷たく厳しい。そう感じた紫は、藍に幻想郷の従者たちに会って従者たる者の在り方を学ぶように命じる。
【感想】
シリーズもの2作目。紫のダメっぷりと、藍の厳しく主を指導する従者っぷりのテンポがいいです。そして、2人の絆がとても強いものであることがよく分かる話の構成もうまいと思います。
そんな中、妖夢の青い乙女心が出てきたり、前作から引き続いての変態紅魔館、慧音のその後などが描写されていて、続き物の利点をうまく使っています。

レミリア・スカーレット~誇り高き吸血姫が守った未来~  にゃおさん

【作品集】51
【作品】レミリア・スカーレット~誇り高き吸血姫が守った未来~ 「お勧め!」
【作者】にゃおさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1206938852&log=51
【あらすじ】
レミリアたちが幻想郷に来たばかりの頃。スカーレット家の当主であるレミリア父は、非道の限りをつくしてついに幻想郷管理者から最後通牒を突きつけられる。その父の非道は娘であるフランドールにも向けられ、レミリアはある決断をするのであった。
【感想】
シリーズもの3作目。打って変わってシリアスストーリーです。ここのレミリアのカリスマっぷりは半端じゃないです。前2作のレミリアからは信じられないぐらい。
しかし、そのシリアスが変に浮いているわけでなく、きちんと地に足がついていて、必要な描写を積み重ねて最後のカタルシスへと導いていました。

ツキのつかぬもの  拓ドング権 氏

作品集51, ツキのつかぬもの (拓ドング権 氏)
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1206747996&log=51
多分前後編の前編。
朝日もびっくりの新聞の裏にはこういう理由がって話。
前編だけど、進め方はともかく展開がちょっと。
後編はまだ見てないけども、後編次第で評価が分かれるかな。

懺悔  皇束篠秋氏

【作品集】51
【タイトル】懺悔
【書いた人】皇束篠秋氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1206050045&log=51
【あらすじ】
霊夢は死んだ。片目だったり、切り傷だらけだったり、不可解なまでに痛めつけられた死体。
しかし、死因の判定は自殺。どういうことだろうか?
鈴仙は教会で自らの罪を悔いる。

【感想・ここが面白い・私的評価】
短い。だが、あまりにもあっさりとした殺し愛は、妙な印象を我々に与えてくれる。
読んでいるうちに、ああ、これこそが愛しあうということなんだな、と思わせるような、そんな作品である。
個人的に霊夢鈴仙のカップリングはそもそも思いつくつかないのレベルだったので、何故この組み合わせなのかと言う疑問は残る。
まぁ確かに逃避するほど精神が幼く、しかし妖艶であることを考えると妖怪のほうがそれっぽい。
グロはまぁあるね程度。期待をして見ても興奮はできないかも

【五段階評価】★★★★☆(サクッと読めるヤンデレもの)

桜の下のクリスマスキャロル  レグルス氏

【作品集】51
【タイトル】桜の下のクリスマスキャロル【書いた人】レグルス氏
【容量】約60kb
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1205864192&log=51
【あらすじ&感想】
どうしても春の花見の宴会で「we wish you a merry chiristmas」を演奏したいと言って聞かないリリカ。
もう一人いた妹の好きな曲なので誕生日にこれを演奏したいと思っての提案であるのに、
姉二人はそのことを言われないと気付くことも無くさらにはそのことを忘れている様子にも見えた。
リリカはいつものわがまま発動としか見られていないことに失望し悲しみ、家を飛び出した。
そこで遭遇したのは仕事中の藍。行くあてもないリリカは逡巡したものの、結界の割れ目からも飛び出した。
未知の外の世界――聞こえるのは、現代でも愛される「we wish you a merry chiristmas」のつたない旋律。

結界の外なら割と何でもありじゃないかとかのツッコミが入る方もいるかもしれませんが、
しっかり話の説得力を持たせてあってすんなりと読み終えられました。
その辺りは作者の力量が色濃く出るだけに見事の一言。
神主の作る音楽が多くのファンを呼ぶ東方(某投票調べ)、これを題材にしたSSが名作揃いなのも
頷けるのです…かね?
ちなみに姉二人の出番がほぼ無いという珍しい作品でもあります。
★★★☆☆(またSSも書いて欲しいですねえ|同作者「silhouette:α → φ」のレビューはちと後回し)