作品集54

Last-modified: 2014-03-04 (火) 02:29:10
1/1000少女
文のイメージがいまいち重ならずに苦心していたんですが、このSSが、空いたピースをぴったりと埋めてくれた。

【作品集】54

【タイトル】1/1000少女【書いた人】ねじ巻き式ウーパールーパー氏

【あらすじ】
一線を引き、後は死を待つのみとなってしまった老天狗、射命丸。
若い頃は、対峙したものは命を散らすとまで言われた彼も、寄る歳波には勝てず。

そんなある日、従僕にしている大鴉が人間の赤子を拾ってきた。
赤子を食する気にもなれない彼は、その赤子を自らの子として育てることを決意する。
赤子は「文」と名付けられ、人間にして天狗をも凌駕する、天賦の才を持っていた。
文は自らを天狗と称し、天狗として成長していくが……。

【感想】
これが氏の人生初小説って、聞いた瞬間目が飛び出しました。
ないです、ここまで重厚に描写されているストーリーがはじめてだなんて、読了したあとも信じられない。
文のイメージがいまいち重ならずに苦心していたんですが、このSSが、空いたピースをぴったりと埋めてくれた。
文句なし。

【五段階評価】

文章力  ★★★★★
天狗道  ★★★★★
総合評価 ★★★★★

ウソみたいだろ。氏の初投稿なんだぜ。これで…

【作品集】54
【タイトル】1/1000少女(前後編構成)
【書いた人】ねじ巻き式ウーパールーパー氏
【容量】約180kb 
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1212318497&log=54
    ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1212318940&log=54
【あらすじ&感想】
時は日本の群雄がまだ覇権を争い戦いに明け暮れていた時代、博麗大結界が成立するより昔。
乱れた世を楽しみとして生きる天狗達の中の一人、射命丸の翁は人間の赤子を戯れに拾って育て始めた。
隠居の身となっていた翁は育児に没頭し、文と名づけた赤子は天狗社会にすら順応する才を見せ成長する。
だが人間の子は当然妖怪の社会にずっと浸れるわけもなく――
決別を余儀なくされた文の行く未来とは。

文の過去話の長編としてこれもまた有名な作品の一つ。
人間の少女だった文が別れを通して成長していく姿、そして鴉天狗へと至った経緯が印象的でした。
また高評価を得るだけのこの作品の魅力として挙げるならば文章の格好良さでしょう。
〆のバトルシーンの正に幻想郷最速の面目躍如と言わんばかりの畳み掛けるような、語感の良い語が連なった文や
正に鴉天狗となった瞬間の風を感じる部分は見物です。
少しばかりオリキャラの印象が強い感もありましたが、そういったものに対して寛容な方なら一読をオススメします。
どこか薄暗い妖怪の世界は、人の視点から見ているからこそ感じるものなのでしょうかね。
★★★★★(ウソみたいだろ。氏の初投稿なんだぜ。これで…)

おーい、でてこい 蟹人間コンテスト氏

作品集54 

作品名:おーい、でてこい 作者名:蟹人間コンテスト氏

あらすじ&感想

早苗さんとリグルの交流を書いた作品
リグルが始めた新商売『蟲に知らせサービス』を早苗さんに売り込むのだが…

オチが一品ただし苦手な人は苦手な話、注意が必要。

厄い蟲 厄い土  三文字氏

【作品集】54
【タイトル】厄い蟲  厄い土   【書いた人】三文字氏
【あらすじ&感想】
かん     かん     かん
晩春の夜、鐘鼓の音が響く中赤々と燃える松明を持ち何十、何百という里の人間が練り歩く
それはまるで人間による人魂の百鬼夜行。

幻想郷における豊饒の儀式をテーマとした作品。
非常に情感を大切にしている作品であり、自然と脳裏に光景が思い浮かぶほど丁寧に
描かれているのは圧巻の一言。
幻想郷らしい円環の儀式は、美しく少し不気味でそして少し悲しい。
会話文無し、心理描写なしと少しとっつきにくいかもしれないが、それは読者にゆだねる
という事であり、それを思い描く為の材料は十分に与えられているので是非読んで欲しい。
欲を言えば儀式のクライマックスシーンにもっと盛り上がりが欲しかったけど、セリフ無し
心理描写無しでどうすればいい?と聞かれたらおれも分からない。

【五段階評価】
文章力★★★★★(描写が素晴らしい。おせじじゃなく光景が勝手に思い浮かんだ)
構成★★★★☆(作品の入り、読後感はgood。)
幻想度★★★★★(少なくともおれの脳内儀式はすさまじく幻想的な光景になった)

風花幽夢抄  野田文七氏

【作品集】54
【作品】風花幽夢抄
【作者】野田文七
【あらすじ】
風見幽香は暗い森の中を歩いていた。頭の中から離れない泣き声を振り払いたかった。
ただそれだけだったのに体が疲弊し、腕が原形を留めるのが難しいほどの怪我を負っていた。
気づいたら視線の先に緑が茂っている、首を横に向けると金髪の人形と目が合った。
「あなた……ここの人?」
【感想】
アリスと幽香が出てくるが旧作設定は無し、オリジナル設定付きだがそれは嫌悪の対象にはならない。
百合成分は匂わせる程度、ダメな人でも大丈夫だと思う。
読んでいるときは作品の世界にどっぷり入り込んでいた。
【5段階評価】
文章★★★★★(独特の文)
百合★☆☆☆☆(前面には出ていない、妄想力を駆使すれば充分ニヤニヤできる)
構成★★★★☆(一部、人によっては蛇足に感じる部分も)
不思議度★★★★★(ほんわかしたような、暗いような・・・)
総合評価★★★★★(とても奇麗な作品、読後感もいい)

『書を捨てよ、海へ出よう』 まのちひろ氏

まのちひろ氏『書を捨てよ、海へ出よう』
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1212509211&log=54
『――そうだな、それでいいんじゃないか。』(本文より抜粋)
失礼ながら、点数が思ったより低い。
素敵な雰囲気、難しくないのに、上品に感じる文章。
……と書いてみたものの、最近気づきました。
この作品は、一作でも書き上げた人に勧めてあげたい。
物書きになって初めて、この作品のすごさがわかるはずです。

キスして欲しいの!  にゃおさん

【作品集】54
【作品】キスして欲しいの! 「お勧め!」
【作者】にゃおさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1211053816&log=54
【あらすじ】
藍がまだ幼い頃、紫の頬にキスをしてくれた。最近そういう愛情表現をまったくしてくれないことに紫は不満を持っている。
そんな中、幽々子は、藍が紫以外にキスをするかどうか試してみようと提案。その実験に選ばれたのは、橙、妖夢、霊夢の3人だった。
【感想】
シリーズもの6作目。2作目に引き続き、紫のダメっぷりが面白いです。そして、ストーリーの根幹として、八雲ファミリーの絆の強さがこれでもかと描かれてお腹いっぱいになります。
また、藍が幼い頃を知っている萃香が八雲ファミリーの友人としていい仕事をしています。そして、霊夢の可愛さが異常。これは意外でした。それはそれとして、序盤で紫が藍にする説教が某閻魔っぽかったです。

#Endregion

信仰は儚き人間の為に、恋愛は愛しき同性の為に?  にゃおさん

【作品集】54
【作品】信仰は儚き人間の為に、恋愛は愛しき同性の為に?
【作者】にゃおさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1212153818&log=54
【あらすじ】
幻想郷の知り合いの様子を見るに、幻想郷では同性愛が与党らしい。これは異変だ。そう早苗は先走りました。
【感想】
シリーズもの7作目。早苗は、この空気の読めなさと、一人でどこまでも突っ走る様子がよく似合います。東方SSの場合、百合カップリングが当たり前のようにされていることが多いから、この早苗の疑問も当然のことかと思ったり。特に、このシリーズはカップリングが1作目から徐々に増えてきているので。
話の内容そのものとしては早苗の一人相撲といった感が強いので、作品単体として見ると若干弱いのですが、過去作を見ていると、各キャラクターのストーリーが進展していることにニヤニヤできます。

暇人のススメ ~逃亡編~  詩所 氏

【作品集】そそわ54
【タイトル】 暇人のススメ ~逃亡編~
【書いた人】 詩所 氏
【URL】
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1211890127&log=54
【あらすじ】
天界に馴染めずに居た天子は他の天人から絶対に言ってはいけないと言われる場所へと向かう。
そこで下界の事を知った天子は次第に期待に胸を膨らませ、とうとう異変を起こす事を決意した。
【感想】
異変後の話は良く見るがこれはどうして異変を起こすようになったかという珍しいもの。
自分本位な理由で異変を起こすが不憫に思えて仕方がない天子を愛でて下さい。
しかしテニスはいつからこんな危険な競技になったんだ・・・。

手を込んで作った大異変がマル○メ合わせ味噌出汁入り(特価198円)に負けたことを知り、
一晩中大いに泣いた。
【五段階評価】
★★★☆(3.5) (ギャグの元ネタを知っているなら+1)

紅魔館七不思議  粒状斑氏

【作品集】54
【タイトル】紅魔館七不思議 【書いた人】粒状斑氏
【分類タグ】ホラー 七不思議 レミリア 紅魔館
【URL】ttp://coolier.sytes.net/sosowa/ssw_l/54/1210963960
【POINT】約9700 (2014/03/03時点) 【容量】10.14KB
【あらすじ&感想】
 基本的にはカリスマブレイクなレミリアのギャグ物として読んだ。軽く読んで楽しむ分には問題はない。ただ、ホラーを期待した場合はどうか。特にそそわ界のホラーの大御所の作として読んだ場合は……。
 落ちをいくつかある童話に根拠を持たせるのは面白かったが、怖さを感じるには頭に浮かんだクエスチョンマークが邪魔をしてしまった。
 感想を見ると、なるほど「咲夜」の名は地の文にさえ出てこない。そこもなかなかニクい演出ではある。しかし、意外性や驚きなどは特に感じない。最後の美鈴の言葉の途切れに違和感があって、そこでまず引っかかってしまったからかもしれない。咲夜でなかったモノが、「美鈴」を美鈴と呼んでいた意味もわからないままだった。自分の読解力不足だろうか。読み返してももやもやが残る。
 繰り返しになるが、軽いギャグ物として読む分には楽しめるSSだ。
 ところで、個人的にやたら気になることがあって……
 いや、このSS、検索文字列「キノコ タケノコ」で検索したら出てきたんだけども、何度読み返してもそんな単語は出てこない。キノコもタケノコも、どちらも、一つも。
 え? どういうこと? わけがわからないよ。
 それが一番のホラー。