作品集58

Last-modified: 2013-11-16 (土) 15:51:34
シャラントン ねじ巻き式ウーパールーパー氏
主人の妹でありながらその館でメイドをする「私」が語り部となり、この話は始まる。

【作品集】58
【タイトル】シャラントン
【書いた人】ねじ巻き式ウーパールーパー氏
【あらすじ】
とある湖に浮かぶ、とある島。そこに建っている、とある館。その名は「夢幻館」。
主人の妹でありながらその館でメイドをする「私」が語り部となり、この話は始まる。
さてさて「私」はその暑い夏の日もいつものようにメイドに従事していたのだけれど、
珍しくこの館に「お客様」がやってきて……?
【感想】
作品上部に注意書きもありますが、グロ描写が結構あるのでご注意。
さて、この作品では東方旧作キャラたちが出演。キャラ名タグはついていますがここでは一応名を伏せておきます。
自分は新参なもので旧作を知らなかったもんですから、
最初読んだときは「誰?」って感じで読み進めていきましたが……
いやはや、おっそろしい。これぞカリスマ。悪の権化。こんなキャラが旧作には居たんですかい。
そしてスプラッタな大バトル。描写がうまいだけになおさら恐ろしいです。
ウーパールーパー氏お得意の世界史節もいい感じに効いております。
恐怖とはちょっと違った「畏怖」を感じてみたい方、この作品をお読みください。
【五段階評価】
文章力       ★★★★★(グロ描写が余計に怖い……)
構成力       ★★★☆☆(バトルそのものはいいんですが、ちょっと冗長さが否めないかも)
カリスマ度     ★★★★★(文句なし)
世界史勉強になる度 ★★★★★(センターまで一ヶ月切りましたね(2008年12月19日現在))
踏まれたい度    スカウター粉砕(ドMホイホイ)

夢幻館への愛がびっちり伝わって来る。

【作品集】58
【タイトル】シャラントン
【書いた人】ねじ巻き式ウーパールーパー氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1218999561&log=58
【あらすじ】
メイド・夢月は、夢幻館の毎日を過ごしながら、今の主にして友人の幽香と、姉にして元主の幻月の出会いに想いを馳せる。
彼女たちは愛しあい、尊敬しあい、友となったのだ。

【感想・ここが面白い・私的評価】
夢幻館への愛がびっちり伝わって来る。
やっていることは一言で言えばただの殴り合いなのだけれど、これこそがまさに愛しあっての性交だと思いました。
そして地味に注目すべきは影の主役夢月の心境の変化。
一言で言うならツンデレ。しかし、彼女達姉妹は今まで誰とも釣り合うことが無く、それゆえに幽香へのデレっぷりがハンパない。
百合SSの教科書とすべきSSとまで思った。
グロレベルは二人の戦闘(と書いてイチャラブと読む)をねっとりたっぷり描写しているため濃厚。無理な人は読まない方が良いレベル。

【五段階評価】★★★★★(ビンッビンに愛が伝わってくる)

旧作が絡むとどうしても強プッシュは憚られます

【作品集】58
【タイトル】シャラントン【書いた人】ねじ巻き式ウーパールーパー氏
【容量】約89kb
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1218999561&log=58
【あらすじ&感想】
湖の中央に浮かぶ島、そこに在るのは夢幻館。
今そこに暮らしているのは主を除いて4人、住民自体は5人である。
最初は幻月と夢月の姉妹だけだった所にくるみとエリー、そして幽香が後からやって来たのだ。
幽香達が来訪したその日、夢幻館で起こった戦いは凄絶で猟奇的で奇怪なものであった。

旧作は全作未プレイですが、 (←むち)
公開されている設定と絵、そして曲から入った東方幻想郷ファンに特に強くオススメしたい作品。
グロいけどグロく見せない、何かカッコイイ。あとがき通りカリスマ満点。
長編バトルで飽きない作りになっているのも良い点。
ただ血が乱れ飛ぶ濃い作品なのでそういう方面の耐性は要るでしょう。
★★★★☆(旧作が絡むとどうしても強プッシュは憚られます)

THE BOOK リペヤー氏

【作品集】58
【タイトル】THE BOOK
【書いた人】リペヤー氏
【あらすじ】
魔理沙はいつも通り、パチュリーから本を強引に借りた。その中で一冊、見覚えが無い本があった。それは飛び出す絵本。
中を開くと、1ページだけ糊でも貼られているのか、開かないページがある。魔理沙は強引に開くと中から光が発した。
【感想】
滅多に無い純粋なファンタジー系。大切な戦闘描写も、決して下手では無く、シーンが容易に想像出来る。
内容もしっかり詰まっており、面白い。
【五段階評価】
文章力★★★★☆(三点リーダーを多用、それ以外の基本文法は守られていて安定している文でした)
展開性★★★★★(ファンタジーな世界。たった一冊の本から発展していく物語は素晴らしかったです)
総合評価★★★★☆(滅多に見ない純粋なファンタジー系な物語。読んで見る価値は大いに有り!)

珍しい来訪者  大埼屋平蔵氏

【作品集】58
【タイトル】珍しい来訪者
【書いた人】大崎屋平蔵氏
【あらすじ&感想】
 いつものようにのほほん、と過ごす霊夢の元に現れた、題名どおり珍しい
来訪者。その正体は……ッ!
 ってルーミアなんですが。なんだかんだで霊夢の日常にちょこんと居座る
ルーミア。そのほのぼのとした日常の中で交錯するひとつの疑問とその答え。

 優しい文体でちょっとしんみり。ルーミアが可愛いです。

幽冥境夜行  野田文七氏
全編渡って切ない。

【作品集】58、59
【タイトル】幽冥境夜行 【書いた人】野田文七さん
【あらすじ】
学生生活の終りがもう目に見える所まで来てしまっている蓮子とメリーは
それが秘封倶楽部活動の終りでもある事に薄々気付いて
(完全に気付いているが意図的に目を逸らして)いる。
そんな中、偶然西行寺幽々子に出会い
メリーの能力に目をつけた幽々子は自身の思惑のため
二人を冥界に招待するのだった。

【感想】
全編渡って切ない。
変化することを受容し(諦め?)ている蓮子と
変化を拒絶しようとするメリー。
だけど二人の望みは、ずっと一緒にいたいということで共通している。

メリーの考え方を幼いと言ってしまうのは簡単だけど、
あの感覚の切なさは誰もが味わった事があると思う。

終り方もすごくいい。
この話は二回読んだが
最後の蓮子がメリーに会いに行く場面は二回とも鳥肌が立った。
未来に拡がっていくような終り方も好きだけど
こういう内に沈み込んで行く様なのも大好きだ。
客観的には幸せかどうかは分からないが、多分二人は幸せだろう。

褒め過ぎたので難点を言うなら
会話が連続するときに稀に誰のセリフか分らなくなることか。
あと紫と幽々子の関係性が過去作品のカナリア幽明録と同じなので
読んで無いとちょっと分りにくいかも。
(読んでるともっとたのしめるよ!)

話は逸れるが、会話で
働き出しても、たまに会ったりしてまた秘封活動するのかな
みたいなのがあるんだが、結婚すれば全部解決じゃね?って思った。
たまじゃなくて毎日会えるしね!

◆◆◆

季節は梅雨のとある日、あてもなくぶらつく蓮子とメリー。

【作品集】58・59
【タイトル】幽冥境夜行(前後編構成)
【書いた人】野田文七氏
【容量】約124kb 
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1217961699&log=58
    ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1219821953&log=59
【あらすじ&感想】
季節は梅雨のとある日、あてもなくぶらつく蓮子とメリー。
どこか目的の場所があると嘘が真になることを思いながら雨中を歩き、とりあえずと休憩にバス停の待合所に潜りこんだ二人。
そこでメリーは桜の木の下に少女が横たわっているのを発見し、蓮子も感覚を共有してその少女の姿を捉える。
この少女はこの世のものではないと感じた二人は意外に結界を越えたことを知る。
負担からか突然倒れかけたメリーを案じは丁度やってきた「白髪でショートカットの女の子」
が運転するバスに乗り込もうとした蓮子は、
和服に身を包んでいる先ほど桜の木の下で見かけた少女と同じ顔の少女が既に乗り込んでいるのを目にする。
自らを亡霊と称する少女に誘われるようにバスに乗り込んで何処かへ運ばれようとする蓮子に、
メリーは制止をかけてバス停へと留める。どうもメリーの見た少女は蓮子が見たものと違うらしいが。
幽々子の背負っている死とその重い物語は、二人の少女を冥界へといざなう。

狂おしいまでの蓮子が抱く深い想い、そして人間側から見ればどこか狂っている世界である
異界としての冥界を描いた作品です。
野田文七氏の書く文章の特徴である、妖しい美しさに満ちた文をこれでもかというほどに活かし切った
作品の内の一つであると言いたいと思います。一言で表すと「妖艶」でしょうか。
基本的に二人でいる所しかCDのブックレットでは語られていないので
片方が欠けてしまった場合、それも一旦出会った後に引き離された場合は本人たちもその状況を
どこか歪に感じてしまうのでしょうか。当人の感情への想像をかきたてる話です。
結末は人によってどう感じるのか分かれるものだと感じ、是非とも他人の感想にも目を通したくなるものでした。
★★★★☆(ちょっとばかり最後の展開が急でしょうか)

もっと評価されるべき

【書いた人】野田文七氏
【作品集】58,59
【タイトル】幽冥境夜行 前編 後編
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1217961699&log=58
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1219821953&log=59
あらすじ
心ここにあらずのメリー。夢と現が曖昧になり結界を越え現れるのは亡霊の姫君
彼女の存在と願いが秘封倶楽部を大きく、静かな境界線へと導いていく・・・

感想
ちょっと癖は強いかもしれないが、自称秘封クラスタ(笑)の俺が未来百鬼夜行に次いでお勧めする、この話は冊子化されて売られているようで、作者の自信が伺える。というか俺は本で読みました。はい。
内容は良くも悪くも王道モノ。満点でもおそらくおかしくはない盛り上がり方なのだがこの期間の作品集ではそそわの中でも豊作ぞろいであり、埋もれてしまった可能性と、文章に甘さがまだまだ残る点、そして若干の百合要素を含む点であまり評価されていないのだろうか。すべて極めて主観的要素を含むが。

もっと評価されるべき
しかし、文章の粗さを感じさせない展開力は目を見張るものである。なにより、最後の終わらせ方がなんともいえない余韻を残している。
もし、よりこの作品を味わうならば『ファーストキス』(ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1227087818&log=63)『ファントムファクトリー』(NOTそそわ)を事前に読むのを薦める。氏の秘封モノには他にも『エピクロス少女病』(ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1222809007&log=60)もあるのだがいかんせん読みにくいので一般におすすめはしないが心と時間に余裕があれば読んでいただきたい。
ちなみに、こちらのSSには百合要素は結構な量、混入している。そそわで例えるならKASA氏のを100倍に薄めたぐらいであろうか。

その数式は医者でも愛せない 八重結界氏

【作品集】58
【タイトル】その数式は医者でも愛せない
【書いた人】八重結界氏
【ジャンル】ギャグ
【Ptランク】S(9000~)
【あらすじ】
大妖精がひなたぼっこをしていると「大ちゃーん!」という聞きなれた声と共に
……紅魔館のメイド長が飛んできました。そんな馬鹿な。
【感想】
オチを見て思わず「この発想は無かったわ」と呟いてしまった作品。八重結界氏のセンスの凄さを思い知った。
文章も小ネタ満載でありつつチルノに振り回される大妖精を上手く描いていて、楽しく読める。
 あと、作品自体とは関係ないのだれど、コメントトップのイセンケユジ氏の感想に吹いてしまった。
「尻ませんでした」は誤変換……だよね?

風見幽香は変わらない  にゃおさん

【作品集】58
【作品】風見幽香は変わらない
【作者】にゃおさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1218380839&log=58
【あらすじ】
風見幽香の八雲藍に対する歪んだ愛情物語。
【感想】
シリーズもの10作目。サディスティッククイーン幽香がドSぶりを発揮しながら、ゆうかりんママとしての属性も垣間見せる幽香はやはり魅力あるキャラクターです。
しかし、このSSの中で一番印象に残ったのは、藍に対する想いを気づかれて、幽香にとことんからかわれる霊夢が可愛すぎるということだったり。

現創の九(前中後編構成)  俄雨氏

【作品集】58
【タイトル】現創の九(前中後編構成)
【書いた人】俄雨氏
【容量】約243kb 
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1217782130&log=58
    ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1217782310&log=58
    ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1217782430&log=58
【あらすじ&感想】
霧雨グループ会長の一人娘、霧雨魔理沙はこの私立東方大学付属高等学校の二年である。(抜粋)
無遅刻無欠席・頭脳明晰なパチュリーや圧倒的に制服の似合わない、どこか抜けている友人の咲夜らと共に
新しい学校での生活を楽しんでいた。町では最近神隠しのような失踪事件が多発していて、
魔理沙は自らの置かれた状況にどこか違和感を覚え始める。体調を崩しかけた魔理沙は保険室で永琳からビタミン剤を貰い、
寮での夕食後服用したところ倒れてしまう。
それを知ったパチュリーと咲夜は大妖に力を封じられてしまったという手乗りサイズの吸血鬼、
フランドールとレミリアと共に怪しい永琳の元へと調査へ乗り出すのだが。

このあらすじだとただのトンデモ話なのですが、中後編とそれこそ世界を変える勢いで話は急転していきます。
冒頭の突飛で強引な設定が最後の結末にしっかり合っているところが俄雨氏の特に物語を造る技量を感じさせます。
ただ途中はどこか賛同・共感できない所がある設定であり、キャラの反応も「ちょっと想像と違う」という感想も少なからず付いている通り
結末に向けて少しキャラや展開が強引に歪んでしまった…と思うところもありました。
ただそれを塗りつぶすほどキャラの想いや愛(恋愛的な意味でなく)に満ちていて心に響きます。
★★★☆☆(とにかく俄雨氏の幻想郷への未来感が強く鮮明に伝わってきました)

夜雀の歌が聞こえる  プラシーボ吹嘘氏

【作品集】58
【タイトル】夜雀の歌が聞こえる【書いた人】プラシーボ吹嘘氏
【容量】約78kb
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1219200190&log=58
【あらすじ&感想】
人里に住む「れい」と「るい」という姉妹がいた。
妹のるいは盲目であり、れいはそんな二人の暮らしを一手に支える良き姉であった。
とある日に、夜雀の歌を聴いていたるいはその声に導かれるようにして
その磨かれた聴覚を頼りに、谷川で倒れていたとある少女を助けることになった。
しかし同時にその少女は男達によって殺されようとしていたことも知ってしまう。
そのことからるいは数奇な運命へと巻き込まれていく。

創想話の中でも(ジェネリック含)屈指の東方分の薄さを誇るこの作品、
タグのトラジコメディという単語の意味は悲喜劇ということらしいです。
夜雀の歌をバックに姉妹の秘密が解き明かされていくのは幻想的です。
どこに悲劇が詰まっているのかは是非とも読んで確かめて下さい。
ちょっと否定的な感想になりますが、東方キャラの活躍や暗躍を求めている方にとっては
読む気も起こらないでしょう。スレで言われるこんぺ的な面白さが魅力。
★★☆☆☆(プラシーボ吹嘘氏の幻想郷観が色濃く見える作品)

たまにはゆっくりすべきである。  幻想と空想の混ぜ人氏
後半に進むにつれて徐々に神の領域に踏み込んでゆく霖之助のカルトっぽさが面白い

幻想と空想の混ぜ人氏の「たまにはゆっくりすべきである。」は貴重なゆっくり作品
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1219567698&log=58

いやぁ創想話におけるゆっくりの登場頻度の低さは軽く穣子を上回るんだから凄い
ゆっくりはSSで書けないキャラなんだろうか……と思っていたけれどコレを見る限り単に不人気なだけなんだろう
後半に進むにつれて徐々に神の領域に踏み込んでゆく霖之助のカルトっぽさが面白い

ちなみに、なにげに霖アリ。

【作品集】58
【タイトル】たまにはゆっくりすべきである。 【書いた人】幻想と空想の混ぜ人氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net/sosowa/ssw_l/58/1219567698
【POINT】12910 (2013/11/11時点) 【容量】17.2KB
【あらすじ&感想】
「一日だけのゆっくり。」を書いた作者が手がけたSS。こちらの方は動く生首ではなく、ぬいぐるみを扱っている。そして、シリアスでなくギャグで展開される。
適当に作ったものが一大ブームになってしまうのは、実際の「ゆっくりしていってね!」でもあったもの。霖之助の戸惑いは、aaを作った作者のそれかもしれない。
ちなみに、なにげに霖アリ。

サクヤの奇妙な恋愛  卯月由羽氏

卯月由羽氏の「サクヤの奇妙な恋愛」は愛すべき作品
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1218767391&log=58

まぁ間違いなく誰かやってるだろうなと思って検索してみたらやっぱりあった作品
なんてことないクロスなんだけど何がアレかってネタが本当にしつこい。パロにしてもしつこすぎる
このしつこさによってジョジョファンの期待も東方ファンの期待も結構潔く裏切った感じは逆にイイ
後半、意味もなく差し込まれるフランドールとレミリアの微妙な関係もなかなか絶品