作品集66

Last-modified: 2011-02-12 (土) 12:35:31
ドラム缶風呂  与吉氏

【作品集】66
【タイトル】ドラム缶風呂  【書いた人】与吉氏
【あらすじ&感想】
 ある冬の寒い夜。霖之助の下をルーミアが訪れた。
 妖怪のくせに風邪を引きかねない様子だったので、霖之助は彼女を
ドラム缶の風呂に入れようとするが……
 これだけ書くと物凄く地味なストーリーだが、持前の豊かな描写力、
そしてルーミアと霖之助の仲睦まじい兄妹のような会話が、するりと
読者を話の中に引き込んでしまう。むしろ、その地味さがいい。
 読んだ後には、心も体もほっかほかになっているかもしれない。
【総合評価】★★★★☆(是非とも霖之助と立場を代えていただきた

風が吹けばキスメが飛び出す  恒星氏

【作品集】66
【タイトル】風が吹けばキスメが飛び出す  【書いた人】恒星氏
【あらすじ&感想】
「……解散するなんて……嘘でしょう、チョーさん!?」
……な、なにを言ってるかわからないと思うが、本文からの引用なんだ……
まだまだ珍しいキスメのギャグSS。彼女は所属していた芸人一座の
突然の解散に戸惑い、地底での新たな生活に慣れずにいた。
何気ない一文にセンスが光る良作。思わず吹かずにはいられない。
何より雰囲気が暖かい。
萌えキャラ的キスメに癒されたいならば、どうぞ。
【総合評価】★★★★☆

反りが合わない 八重結界氏

作品名:反りが合わない
作者:八重結界氏
感想:展開の運び方は手慣れたもので、文章も万人向け。
突っかからずに読める。
キャラも立っている。
幽香のかっこよさは必見。
惜しむらくは、山とオチが弱いこと。予定調和な匂いが中盤で感じられてしまう。まあ、そこはほのぼのだと割り切れば問題ないが。あんまり言うとネタバレになるので、この辺で。

展開★★★★★
キャラ★★★★★
刺激★★★☆☆
総合★★★★☆

「無題」著者、香霖  twin氏
桜の下には死体が埋まっているという。

【作品集】66
【タイトル】「無題」著者、香霖   【書いた人】twin氏
【あらすじ&感想】
「ねえ霖之助さん。来てみて好かったでしょう」
妖艶なまでの雰囲気を醸す桜の下、博麗霊夢は言った。
神社の裏にある桜は、彼女の秘密の場所だというのだった。
桜の下には死体が埋まっているという。俗説に纏わる戯れ。
不意に彼女が漏らした言葉に、霖之助はひどく困惑させられる。
平時であれば戯れと流せるような言葉であるのに。

 

とても美しく、物悲しい愛の話。
丁寧で繊細な筆致は、見ていてもどかしくなるほどに不器用な二人をよく描き出している。
二人のやり取りが何気なく艶かしく、思わず胸を高鳴らせてしまうほど。
現在、氏の著作ではもっとも秀逸な作品だと思う。

やや古風な文体、所々近代の文豪の影響を受けたものと見られる言い回しが見られる。
それが作品の情景によく合っており、雰囲気作りの一環に貢献している。
それが不親切に感じられる読者もいるかもしれない。
しかし、それでこの作品を避けるのはあまりに勿体無い。

文章 ★★★★★
構成 ★★★★☆
総合 ★★★★★

やはり、圧倒的な文章力が印象的。

【作品集】66
【作品】「無題」著者、香霖
【作者】twinさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1230361893&log=66
【あらすじ】
タイトルとタグにある通り、森近霖之助による私小説。「桜の木の下には死体が眠っている」と彼女は言った。
【感想】
やはり、圧倒的な文章力が印象的。そして、一つの作品として完成されています。これまた、読まな
ければよかったという思いと、読んでよかったという思いがせめぎあい。ある意味、とても綺麗で
美しかったのですが、あまりに儚く、心が痛くなりました。

毒人形、竹林に学ぶのこと  漢字太郎氏

【作品集】66
【タイトル】毒人形、竹林に学ぶのこと   【書いた人】漢字太郎氏
【あらすじ&感想】
「メディスン、あなたはこの幻想郷で不自由なく暮らすことが出来ている?(意訳)」
永遠亭で様々なことを学んでいくメディスンに永琳が投げ掛けた難題。
自問自答するメディは、鈴仙の励まし、輝夜のヒント、てゐの道案内を経て妹紅と出会う。
メディが導き出した答えとは、そして、難題を出した永琳の思いとは・・・

後書きの「僕の考えた最強のメディ」とは言い得て妙だと思った。色んな意味で最強すぐる。
各キャラのメディに対する扱いがそれぞれ微妙に異なり、しかし、皆優しさに満ちていた。
作品は完結してるが、彼女達に囲まれたメディがこれからどう成長していくのか続編を期待してしまう。

#Endregion

一生死なぬ人間と一生死ぬ人間が団子を食べる程度の話  イムス氏

【作品集】66
【タイトル】一生死なぬ人間と一生死ぬ人間が団子を食べる程度の話  
【書いた人】イムス氏
【あらすじ&感想】
峠の茶屋がたまたま席がいっぱいでたまたま相席することになった咲夜と妹紅
一応顔見知りである為他愛の無い会話をする感じで物語が始まる。

普段あまり接点のなさそうな二人という所をうまく使った物語。
チョイ役で出てくるキャラを含めそれぞれが持ち味を発揮しているのが良い感じ。
全体としてはテンポよく進んで、しかも2つのネタが仕込んであるため最後まで一気に
読ませる力がある。

【五段階評価】
文章力★★★★☆(物語を違和感無く読ませる力はあると思う。)
構成力★★★★★(ネタの切り替えもスムーズで新鮮に最後まで読める。)
空回り度★★★★★(全力で真面目に空回るのは笑えるよね)

おしゃべり魔女 yuz氏

おしゃべり魔女 yuz氏

アリスの一人称

【作品集】66
【タイトル】おしゃべり魔女
【書いた人】yuz氏
【あらすじ&感想】
博麗の巫女が代替わりし、霊夢が死んで一年が経った幻想郷
既に魔法使いになっていた魔理沙は多くの妖怪達と同様に無気力になり、家に引きこもりがちになる
そんなある日、魔理沙はいつもと変わらない様子でアリスの家を訪れて
いつもと変わらない、他愛のない世間話の中で「自殺について考えている」とアリスに告げる

アリスの一人称
ネタバレのように見えるかもしれないけど本当にあっさりと、冗談のように言う魔理沙
さらに淡々とした文章は魔理沙の真意を全く読ませず、読者は作品のアリスのように魔理沙の腹を探るうち、引き込ま

れること必至
よくある死にネタとは全く違った視点を書いた、新感覚なSSをあなたに

文章力★★★★☆(無駄が省かれた文章はとても読みやすく、この作品の世界観にもジャストフィット)
構成力★★★★☆(山も谷もほとんどない。しかし、それもこれも構成の内)
鬱度 ★★★☆☆(人によるかもしれないが、死にネタが苦手な俺でも安心ね!)
読後感★★★★★(まさに作中のアリスの言葉通りだと思う。まずは読んでくれ)

わけがわからない。いったい自分は何に感動したんだろう

【作品集】66

【タイトル】おしゃべり魔女  【書いた人】yuz氏

【あらすじ】
「うん。やはり、魔女にならずに死んでおくべきだったと思うんだよな」

霊夢が死んだ後のお話。
不死を得た魔理沙はアリスに「最近自殺について考える」
と告げる……

 
【感想】
わけがわからない。いったい自分は何に感動したんだろう。
最後の一行を読み終えたとき体が震えた。
コメントを読んで同じ感想を持った人がいることに二重におどろいた。

たった一文で凡作が良作になっている。一文でここまで変わるとは

『こんな年明けも良いかもね』  喉飴氏

【作品集】66
【タイトル】『こんな年明けも良いかもね』
【書いた人】喉飴氏
【あらすじ&感想】
上海が紅茶を持ってくる。腰掛けた木製の椅子からは小さな音。
眩しくて、でも暖かい陽射しが窓からこぼれている。
本当に幸せ、いい天気。
でもその幸せな時間も黒い来訪者によって……

ほのぼの年越しss。
短いのでさくっと読めます。
少女らしさが上手く表現されていてリズムよく、彼女らの楽しさがすごく伝わってきます。
明るく楽しく、最後はすっきり。
ほのぼのしたい人はぜひ。

もう歌にしか聞こえない KCZ氏

【作品集】66
【作者】KCZ氏
【作品】もう歌にしか聞こえない
【あらすじ】
一人の少年が「こっちへおいで……」という声の方向へ、誘われる。しかし、その少年は今までの人間と少し違っていた。
ミスティアが誘った少年は、最初から目が見えない少年だったのだ。
【感想】
ミスティアの妖怪としての行為。人生がもう嫌という、死を喜んで受け入れる少年。そしてミスティアの歌。
この三つの要素、ミスティアと少年のやりとりが重なって、不思議な雰囲気を醸し出していたのが良かった。

神は何処より来たる PNS氏

【作品集】66
【作者】PNS氏
【作品】神は何処より来たる
【あらすじ】
守矢神社は今布教活動が出来ずにいた。
理由は諏訪子の将棋熱。そして将棋の強い神奈子は、諏訪子に嫌と言う程、将棋に付き合わされていた。
しかし、どう頑張っても諏訪子は勝てない。神奈子も、弱い諏訪子との将棋に、もうげんなりとしていた。
そんな時、神奈子の言った一言で、諏訪子の様子が変わってしまう。
【感想】
将棋を知らなくても、ちゃんと楽しめる。
中盤の、将棋を通じて神奈子が過去の罪、諏訪子の笑顔を今どれだけ大切にしているかが鮮明に分かる描写。
過去話だけならベタなネタだが『将棋』を媒体にして、見せる世界は素晴らしいの一言。
【5段階評価】
構成★★★★☆
文章★★★★★
盛り上がり★★★★★(さらっと展開を運び、静かに盛り上がる様は良かった)

チルノと旅立ちの日 yamamo氏

【作品集】66
【タイトル】チルノと旅立ちの日
【作者】yamamo氏
【あらすじ】
ある日、大人びた氷の妖精が博麗神社にやって来た。
なんと彼女はチルノの母親で、生き別れの娘であるチルノを迎えに来たらしい。
妹紅や慧音と共に幻想郷に残るか否か。葛藤に悩むチルノは、母親に着いていくことに決めたのだが……
【感想】
チルノ中心の中編。個人的にかなりの良作。
人や妖怪の生死の問題。それに対する妹紅だけでなくチルノの葛藤や霊夢の考え。
それらが綺麗にまとめられている。
伏線もきっちり張られており上手い。
埋もれさせてしまうのはもったいない作品だと思った。
【五段階評価】
文章力 ★★★★☆
発想 ★★★★☆
構成 ★★★★☆
総合 ★★★★☆

チルノの幸福  まりまりさ氏
清涼飲料水みたいな作品。

【作品集】66
【タイトル】チルノの幸福 【書いた人】まりまりさ氏
【あらすじ&感想】
チルノが天才になってまた元に戻るという、話にすればこれだけなのだが、いろいろ考えなくてもすっとこっちの心に届いた。
清涼飲料水みたいな作品。

短い時間でちょっと心が温かくなれました。

【作品集】66
【タイトル】チルノの幸福
【作者】まりまりさ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1230904818&log=66

【あらすじ】『もうバカにされたくない』。チルノは永琳の助けを借りて、幻想郷一の頭脳を手に入れたが……。

【感想】
まりまりさ氏の記念すべきデビュー作。
薬を飲んで、確かに頭が良くなったチルノ。しかし、彼女はそれで幸せだったのだろうか?
目先の有益な事が本当の幸せとは限らない、そんな事を気付かせてくれるお話です。
コメント欄では『デジャヴを覚える』という意見もありましたが、自分は素直に素敵なお話だと思います。
短い時間でちょっと心が温かくなれました。

呑んべぇのレミリア  ロディー氏
紅い吸血鬼と紫の魔女と門番が、ただひたすらお酒を飲むだけの話。

【作品集】66
【タイトル】呑んべぇのレミリア   【書いた人】ロディー氏
【あらすじ&感想】
紅い吸血鬼と紫の魔女と門番が、ただひたすらお酒を飲むだけの話。

タグにも書いてあるとおり、三人が酒を飲み、つまみを食べ、歌を歌い、月を見る。そんなありふれた(除く酒量)飲み会のお話。
ビールだの日本酒だのをひたすらに煽り続けながら、馬鹿話に花を咲かせる三人の姿が実にイキイキとしている。
ああ、飲み会ってこんな感じだよなぁとしみじみ思える。読んだあとに酒が飲みたくなる人も多いんじゃないでしょうか。
オチが祭りの後の静けさを思わせる。

評価 ★★★★☆
アルコール度数 ★★★★★★★★★★

「今夜は飲むよ」

【作品集】66
【タイトル】呑んべぇのレミリア
【書いた人】ロディー氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1230906851&log=66
【あらすじ&感想】
「今夜は飲むよ」
 紅魔館の呑んべぇが三人、誰憚ることなく飲み明かす、不定期開催地獄の飲み会。
 集うのは筆頭にレミリア、美鈴、そしてパチュリーである。
 とにかく呑む。ひたすら呑む。底なしに呑む。
 今夜ばかりは無礼講。陽気な呑んべぇどもの夜は更けていく。

 パチュリーが呑んべぇという珍しい話。
 三人とも、とにかく旨そうに楽しそうに飲む。紅魔館の意外な一面を無駄に丁寧に描いた一作。
 仲間と酒が飲みたくなります。

酒の肴をお求めの方々に是非お勧めしたい一品。

【作品集】66
【タイトル】呑んべぇのレミリア   
【書いた人】ロディー氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1230906851&log=66
【あらすじ】
「酒だ」
 レミリアのその一言から始まる紅魔館の酒の席。出席するのは毎度おなじみの門番と日陰少女と吸血鬼。
 さぁ、酒を呑もう。
【感想】
 酒呑みながら読んで本当によかった! と思わせてくれる話。
 私の持ちうる全妄想力を使って三人の中に混じりながら呑んでると、あら不思議。酒のうまさが増します。酒が進みます。
 酒の肴をお求めの方々に是非お勧めしたい一品。

東方御正月・東方分裂女・東方香霖記・東方闘牌伝・東方現想郷  Jiyu氏

【作品集】66
【タイトル】東方御正月・東方分裂女・東方香霖記・東方闘牌伝・東方現想郷
【書いた人】Jiyu氏
【あらすじ&感想】
年越しを背景に、それぞれ異なる設定を用いた短編五連作。
東方御正月:「2次創作」に主題をおいたメタ話。ギャグ。
東方分裂女:いろんな2次設定の魔理沙が出る話。ギャグ。
東方香霖記:魔理沙の出生から今に至るまでのお話。真面目。
東方闘牌伝:ざわ……ざわ……。ギャグ。
東方現想郷:「2次創作」に主題をおいたメタ話。シリアス。
****
御正月で東方界隈の2次設定云々について語りながら
「2次創作とキャラクターの人権」の話を持ち出し、
分裂女・香霖記・闘牌伝で異なる2次設定を用いることで
御正月で語られたことを言外に示す。
さらに、御正月でギャグ調の魔理沙達が喜劇的に扱っていた話題を
現想郷でシリアスな魔理沙達に悲劇的に扱わせて
「2次創作とキャラクターの人権」の話を締めくくる。
それぞれの作品の関連性は薄いけれど、五作揃うことで味のある作品だった。

またタグ・画像・音楽などWEB媒体の小説でしかできない試みが多く、
それが冗長過ぎない程度に使われていることにも好感が持てた。
(闘牌伝はタグ過剰だけど腹筋がよじれるので許容)
特に現想郷での紫の台詞「史料」「世界を創った」のアドレスを見たときは鳥肌が立った。
ただ「物書きは文章で勝負するべき」って人にはハッキリ合わない作品だとも思えた。

【五段階評価】
文章力:★★★☆☆(文章自体は並)
発想力:★★★★★(御正月と現想郷の対比。タグ・BGMなどの使用)
行動力:★★★★★★★(BGMの許可云々など)

東方闘牌伝 Jiyuさん
魔理沙、霊夢、霖之助、アリスの4人で麻雀を打つことになった。

【作品集】66
【作品】東方闘牌伝
【作者】Jiyuさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1230735658&log=66
【あらすじ】
魔理沙、霊夢、霖之助、アリスの4人で麻雀を打つことになった。トップは他3人に1つだけ何でも命令ができる。
今、4人の熱い戦いの火ぶたは切っておとされた。
【感想】
とにかく、タグを使って麻雀牌が綺麗に表示されているのにびっくり。麻雀小説とかを見ているようでした。
また、ごっすんの麻雀バージョンの歌をBGMとして流せます。そういう試みが面白かったです。ざわ……も流れるようですが、どうすればよいか分かりませんでした。
麻雀の内容は、咲もかすむようなチート能力者ばかりなので大味ですが、雰囲気が楽しめます。霖之助の能力に納得。
そして、霊夢のちょっとした優しさというか気遣いの一行が個人的にはお気に入りです。

得点表は表示されるわ手配には画像がつくわの大盤振る舞い。

【作品集66】
【タイトル】東方闘牌伝
【書いた人】Jiyu 氏
【サイズ】105.32KB
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1230735658&log=66

【あらすじ】
 香霖堂でめぼしい物を探していた魔理沙と霊夢。魔理沙が偶然見つけた麻雀牌。彼女たちの激闘が今、始まる。

【感想】
 霖之助、アリス、魔理沙、霊夢の四人が麻雀をする。というだけの話。勝ったものは、負けた三人になんでも一つ命令できるというルールで勝負が進みます。

「ルールはアリアリ、ダブロン・トリロンあり、人和なし、四人リーチは続行、13翻以上が数え役満、25000点
持ちの30000点返し、半荘一回終了時でのトップ取り。トビは有りだ」

 魔理沙がこんな事を言い出した時点でなんとなく予想はついていましたが、得点表は表示されるわ手配には画像がつくわの大盤振る舞い。
 試みは確かに面白いのですが、天和やら地和やらがでまくるのに加えて引きが異常、麻雀の醍醐味である頭脳戦が全く無かったことに拍子抜けがしました。
 また、おまけの魔理沙の雀荘での皆の様子などが、少し薄っぺらいように感じました。もちろん、そこがメインでは無い事は分かっていますが、それならいっそ全編カットするか、もっと深く掘り下げるかして欲しかったというのが正直な感想です。

【五段階評価】
★★☆☆☆(小説が読みてぇんだよという方は-1.5、麻雀する同人誌とかが好きなら+2.0)

東方現創郷  Jiyu 氏

【作品集66】
【タイトル】東方現創郷
【書いた人】Jiyu 氏
【サイズ】140.25KB
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1230735676&log=66

【あらすじ】
 最近、外から流れ着くものに、自分たちをモチーフにした絵が描かれているものが多くなった。霖之助によれば「同人誌」という名のそれは、外界から隔離されているはずの幻想郷が外の人間たちにも知られていることを意味していた。しかし、もしかしたら、この世界は「創られた世界」なのではないか? そう考えた者がいた。魔理沙は、「外」が実際にあることを確かめるため、幻想郷を脱出しようとする。

【感想】
 霖之助視点の過去話・霖之助視点の現在・魔理沙視点の現在が交錯して、だんだんと真実に近づいていく過程が良かった。各所に張り巡らされた伏線が隠された真実に収束していく様はもう見事の一言でした。
 内容ですが、他のキャラクターの内面はしっかりと描写されていた割に、魔理沙の決心に至るまでの過程が少々物足りないと感じました。十数年生きてきた幻想郷を、外に出たら己のたった一つの武器である魔法まで使えなくなることを分かっていてなお出ようとするには、もっと葛藤とか苦悩とかがあっても良いんじゃないか。
そう思いました。
 web媒体であることの特徴を活かした、数々の工夫には感心しました。それに関係して。firefoxを使っている方は、この作品だけは他のブラウザで読むことをお勧めします。なんかラストの仕掛けが作動しないので。

【五段階評価】
★★★☆☆(小説が読みてぇんだよという方は-1.0、(中身が)かっこいい霖之助が気になるなら+1.5)

とある人間が死なない理由  KEI氏
高得点を記録しているが、まだまだ評価されてもいいと思う作品

【作品集】66
【タイトル】とある人間が死なない理由
【書いた人】KEI
【あらすじ&感想】
辛い過去を背負いながら、幻想郷へたどり着いた咲夜。そこへ運命が見えたというレミリア達が咲夜を連れて帰る。
そして教育&世話係として任命された美鈴が咲夜に課題を出す。その課題の答とは……

高得点を記録しているが、まだまだ評価されてもいいと思う作品
涙腺崩壊仕掛けてやばかった。電車の中で読んでたせいで思わず涙腺崩壊的な意味で読むのをやめたくらい
親子な咲夜&めーりんに拒否反応がなければ絶対に損はない作品。むしろ読まなきゃ損

……っていうかあとがきマジですかこれ

咲夜さんが人間らしさを取り戻し、メイド長になっていくまでの物語。

【作品集】66
【ポイント】9230
【レート】12.18
※2009/08/21時点
【タイトル】とある人間が死なない理由
【書いた人】KEI 氏
【あらすじ】
 その性格が故に周囲の妖怪たちを丸くする美鈴。
これではいけないと思ったレミリアは己の能力で最高の従者を捕える。
咲夜と名付けられた少女は美鈴に預けられ、メイドとしての教育を受ける。
【感想】
 KEI氏の処女作にして、現在唯一の作品。
その文章は東方を知って半年、SS執筆は初などと思えないほど完成度が高い。
 咲夜さんが人間らしさを取り戻し、メイド長になっていくまでの物語。
母性あふれる美鈴と不器用ながら必死に考え成長していく咲夜の関係が非常に心温まる。終盤の美鈴の腕で思いっきり泣く咲夜は必見。
美鈴と咲夜さんの親子としてのお話。作者の美鈴と咲夜に対する愛がひしひしと伝わってくる。

まさに秀逸。素晴らしいの一言につきる物語である。

【作品集】66
【タイトル】とある人間が死なない理由  
【書いた人】KEI氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1231106493&log=66
【あらすじ】
 レミリアに迎えられた最高の従者の原石。
 しかしその子供は人間として、感情を持つ生き物としての全てが欠落していた。
 教育係としての役を受けた美鈴はその子供へありったけの愛情をそそいでいく。
 そそがれた愛情をその子供はいかにしてうけとっていくのだろうか。
【感想】
 まさに秀逸。素晴らしいの一言につきる物語である。
 咲夜さんの過去物語は数あれど、己の中で一等輝き続けている名作だ。
 成長していく咲夜と暖かく包み込む美鈴。
 そして物語がタイトルの意味へと通じた時の感動で、手が震えた事を覚えている。
 作品集も大分昔なので、美鈴と咲夜が好きで見逃している方がいたら是非ともお勧めしたい作品。
【五段階評価】
 ★★★★★(親子設定が少しでも許容できるなら、読んでいただきたい。)

メディスンが人を毒殺した話(前編) ahoさん

【作品集】66
【作品】メディスンが人を毒殺した話(前編) 「お勧め!」
【作者】ahoさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1230965962&log=66
【感想】
メディスンはまだ自分の力を制御しきることができないでいた。そんなメディスンを心配そうに見守る幽香の前に紫が現れるタイトルがまず強烈ですね。覚悟して読み始めると、まずはメディスンと幽香の微笑ましいやり取りに頬が緩みます。
というか、幽香の母親ぶりに色々なものが溢れ出ます。しかし、最後の方で状況が急転直下変わり、タイトルから不吉な内容を色々想像しつつ、紫が何を考えているのか非常に気になる状況で「続く」はうまいですね。発表した直後のときは、本当に早く続きが読みたい状況になっていた人が多いと思われます。

メディスンが人を毒殺した話(後編) ahoさん

【作品集】66
【作品】メディスンが人を毒殺した話(後編) 「お勧め!」
【作者】ahoさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1231089942&log=66
【感想】
上の作品の続き。はたして、幽香とメディスンは最善の未来を選択できるか
とにかく、非常に丁寧に描かれている作品。メディスンが毒殺する予定の老人と交流する様子、幽香の苦悩、そして紫の想い、どれも一歩間違えれば悲劇に転落しかねないものを、十分な描写力によって、薄氷の上を踏んでいることを感じさせない、ごく当然の流れを自然に作り出しているのが凄いです。読後感が非常によかったです。

厄るんです みやこのにしき氏
雛と言えば厄。『厄』って何だかタダゴトでは無さそうなイメージの言葉ですよね。

【作品集】66
【タイトル】厄るんです
【作者】みやこのにしき氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1230995187&log=66
【あらすじ】ある朝雛が目覚めると、厄が綺麗さっぱり無くなってました。

【感想】
雛と言えば厄。『厄』って何だかタダゴトでは無さそうなイメージの言葉ですよね。
ですが、この作品ではそういった厄のおどろおどろしさとか、そういった云々が一切感じられません。
厄を無くしたなんて一大事と、雛が霊夢に相談する所から始まるのですが、二人のかけあいがとても『それらしい』。
この作者、実際の二人の会話をどこかで聞いてたんじゃ……なんて思わせます。
魔理沙も交えた縁側での掛け合いが、雛の一人称視点と相まってとても和やかで素敵。
大きな山は無いけど何だか温かい、最初から最後までのんびりできる作品です。読後感が最高に良い。
読めばきっと雛が好きになります。

雛が主人公の場合は厄神ゆえにシリアスな話が他キャラより多い気がします。

【作品集】66
【タイトル】厄るんです【書いた人】みやこのにしき氏
【容量】約55kb
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1230995187&log=66
【あらすじ&感想】
起きたら雛の周りに漂っているはずの厄がどっか行っていた。大変なことである。これは一大事。
とりあえず博麗神社に向かった雛だったが、一応そこは神社なのである。当然厄などない。
しかしそこに現れた魔理沙は今にも自殺を試みそうな雰囲気を漂わせていた。
神社には今日も沢山の人妖神が訪れる。飛び散った厄と共に。

雛が主人公の場合は厄神ゆえにシリアスな話が他キャラより多い気がします。(この感想は個人のものであり実際のなんとかとは異なります)
しかしこの話は歯を見せてニカッと笑うような、そんな方面の雛の魅力を前面に押し出しています。
あらたげっしょーで雛が出てきたらこんな話になっていたのかもしれません。
気負わず読めるので、ちょっと興味が湧いたならさらっと読んでみてほしい作品の一つ。
★★★☆☆(ぐるぐるー)

人と妖怪と混沌コンパと  にゃおさん

【作品集】66
【作品】人と妖怪と混沌コンパと
【作者】にゃおさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1231042057&log=66
【あらすじ】
日々守矢神社のために粉骨砕身努力をしている早苗。そんな早苗の心身の負担を減らすために、共に生きていく恋人が必要では
ないかと考えた神奈子と諏訪子は文に知恵を借りることにする。そして、早苗のためにコンパが開かれることになった。
【感想】
シリーズもの11作目。序盤の盛り上がり方に対して、中盤以降から尻すぼみになったという印象です。男女問わず、早苗のいい人を見つけるためのコンパだというのに、選ばれたメンバーのほとんどがカップリング固定されている面子なので、その時点で早苗の話が脇にいくことが予想できてしまいます。
その予想の斜め上の方向をいく展開を期待したのですが……。文章の読みやすさや、全体の構成は間違いなく良いのですが、いかんせんこれまでの作品のレベルを見てしまうと、メタネタの多さといい若干違和感を感じてしまうのは目の肥えた読者の我儘かもしれません。結局、早苗が話のメインになっていなかったことが最大の難点かと。

風神葬祭 ~食欲と亡霊の秋  野田文七氏
情景描写がとにかく美しく、登場人物がとにかく魅力的な話。

【作品集】66
【作品】風神葬祭 ~食欲と亡霊の秋
【作者】野田文七氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1230565649&log=66

【あらすじ】
亡霊になったばかりの自分の体に、まだ順応していなかった頃、
空腹感はあるのに食事が喉を通らなかった。
亡霊になってから、初めて食べる事ができた物は……
ある日の朝、幽々子は妖夢を連れて山に出かけた。

【感想】
情景描写がとにかく美しく、登場人物がとにかく魅力的な話。

幻想的な光景を臨場感あふれる表現で描いてます。
例えば、穣子が踊りながら力を行使して
食材がひとりでに調理されていくシーンや、
幽々子が木と同化していくシーンなどでは、
作者の想像力の豊かさがよくわかると思います。
他にも気に入ったシーンは沢山ありますがここでは伏せます。

また、登場人物がみんな活き活きと動いていて魅力的。
幽々子には優雅なようで底の知れない妖しさと強欲さがあり、
神奈子には山を掌握するのも当然だと納得せざるを得ないカリスマがあり、
諏訪子には祭と弾幕をこよなく愛する心意気があります。
特に幽々子が良いです。
最後の幽々子の問いかけには、妖夢でなくても「はい」と即答せざるを得ない。

一方、ストーリーの方は複数のテーマが並んでいて
まとまりを欠いている印象があります。
ただ、ストーリー展開だけでみれば冗長なシーンやキャラでも、
上記のように魅力的だから「いらない」と切り捨てにくいのが困る。

長さを気にせずに読めました。

【作品集66】
【タイトル】風神葬祭 ~食欲と亡霊の秋
【書いた人】野田文七 氏
【サイズ】144.05KB
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1230565649&log=66

【あらすじ】
  ひもじくて仕方がなかった。
  生前口に入っていたものが、何も受け付けなかった。
               (本文冒頭より)

 幽々子が、突然妖怪の山へ向かうと言い出した。妖夢は、何も聞かず、それに同行した。傍から見れば、それはただの散歩だった。だが、一人だけその意図を把握し、その危険を認識していたものがいた。その名も四季映姫。幽々子の目的を看破した彼女は、部下の小町を連れて妖怪の山へ向かう。

【感想】
 「彼女」との出会いの過去編と、「彼女」との再開の現在編が、巧みに組み合わさっていて、読んでいて楽しい。山の住人たちとのエピソードも、非常に「らしく」て良いと思いました。
 しかし、素晴らしいと思ったのはそこではなく、弾幕による戦闘のシーン。本当に情景が浮かぶような描写に、観戦者を巻き込んだお祭り騒ぎ。かと思えば、なんだかぞわっとするようなラストシーン。
 長さを気にせずに読めました。

【五段階評価】
★★★★☆

絶対に笑ってはいけない茶会 in 紅魔館  二俣氏

【作品集】66
【タイトル】絶対に笑ってはいけない茶会 in 紅魔館
【書いた人】二俣氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1230708337&log=66
【あらすじ&感想】
絶対に笑ってはいけないのだ。たとえ、咲夜がお笑い鼻めがねをかけていようとも……。

タイトルどおりのあの大晦日番組のパロディです。
笑ってはいけません。

【五段階評価】
★★★★★

師走の十三  鳥頭氏

【作品集】66
【タイトル】師走の十三
【書いた人】鳥頭氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1230399421&log=66
【あらすじ】
年末の博麗神社。縁側でくつろぐ古明地こいしは、今日こそ神社にずっと居ようと考えていた。

【感想】
博麗神社のほのぼのとした日常を書いた作品。
面倒見がいい霊夢に可愛らしいこいし、そして二人の会話に癒されます。

友達のつくりかたとQED  無在 氏
彼女の手には白い札。語られる事の無かった紅霧異変前夜の物語。

【作品集】66~67
【タイトル】友達のつくりかたとQED (全5話)
【書いた人】無在 氏
【ポイント】6500
【レート】12.55
(2010/05/17時点)
【あらすじ】
 地下室に閉じ込められた悪魔の妹、フランドール・スカーレット。
ある日、姉のレミリアはフランドールの元を訪れ、こう切りだす
「さあ、友達百人つくりましょう」
彼女の手には白い札。語られる事の無かった紅霧異変前夜の物語。
【感想】
 優しい思いに包まれた紅魔館のお話。妹思いのレミリア、親友であるが故にレミリアを思うパチュリー、
そしてフランドールに対する、紅魔館メンバーの考えと苦悩が交り合い、紅魔郷EXへと進んでいく。
 独自設定と原作台詞との混ぜ方が絶妙で、公式だと言われても違和感のない遣り取りは見事。
 初めてのスペルカードを使った異変という事を巧みに解釈し、
スペルカード制初導入の裏にあった目的や苦労を、互いを思う紅魔館メンバーにより描いた心温まる作品。
【総合評価】★★★★☆(紅魔館好きなら必読)

「さあ、友達百人つくりましょう」

(二訂版)
【作品集】66~67  【タイトル】友達のつくりかたとQED (全5話)  【書いた人】無在 氏
【長さ】■■■■□(145KB 長編)
【あらすじ】
 地下室に閉じ込められた悪魔の妹、フランドール・スカーレット。
ある日、姉のレミリアはフランドールの元を訪れ、こう切りだす。
「さあ、友達百人つくりましょう」
彼女の手には白い札。語られる事の無かった紅霧異変前夜の物語。
【感想】
 凄く大人で愛にに溢れた紅魔館の物語。妹思いのレミリア、親友であるが故にレミリアを思うパチュリー、
紅魔館メンバーのフランドールに対する考え方と苦悩が交り合いながら、物語は紅霧異変、紅魔郷EXへと進んでいく。
 独自設定と原作台詞との混ぜ方が絶妙で、公式だと言われても違和感のない遣り取りは見事。
紅霧異変が初めてのスペルカードルールを使った異変という事を巧みに解釈し、
スペルカード制初導入の裏にあった目的や苦労を、互いを思う紅魔館メンバーにより描いた心温まる作品。
【展開】       ★★★★☆ (ほのぼのあり、緊迫ありの目が離せない展開。)
【文章】       ★★★★☆ (ボリュームある作品だけれど読み易かった。)
【温かさ】       ★★★★☆ (どのキャラも熱くはないけど、とっても温かい。)
【総合評価】   ★★★★☆ (紅魔館好きなら★5。)

巫女神楽(掌編)  反魂 氏

【作品集】66
【タイトル】巫女神楽 (掌編)
【書いた人】反魂 氏
【ポイント】1550
【レート】10.86
(2010/05/18時点)
【あらすじ】
 新年を控えた大晦日の夜、篝火が燃える祭殿で巫女と風祝が舞を奉納する。
【感想】
 化粧をし、真面目に舞う霊夢と早苗は非常に新鮮。
それに冬の静かな境内の静かで美しい描写が加わり、非常に幻想的な作品となっている。
タイトルに掌編とあるように、長さはとても短く、さらっと読めてしまう。
【総合評価】★★★★☆(もっと評価されるべき)

こいしたい  あか。氏

【作品集】66
【タイトル】こいしたい
【書いた人】あか。氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_p/?mode=read&key=1275552317&log=66

【あらすじ】
 こいしはお星様に、空に、夜に恋をしました。
 こいしはお星様に嫁ぐことにしました。
 さとりは。さとりは――

【感想】
 序盤からガツンとくる言葉。そのはずなのにさらっと読み流してしまう不思議さ。
 終盤にかけてこいしの心理描写、こころ。さとりに足りないもの、充分すぎるもの。
 ひとつひとつの台詞回しに光る才能が見える。
 関係ないけど一周年おめでとうございます。

【五段階評価】
さとこい ★★★☆☆(ちゅっちゅじゃないと受け入れられない人にはお勧めしない)
シリアス ★★★★☆(古明地はシリアスが似合う)
総合評価 ★★★☆☆(物足りない部分もあったかもしれない。長編に期待)

正しくない友達との大晦日の過ごし方  福袋 氏

【作品集66】
【タイトル】正しくない友達との大晦日の過ごし方
【書いた人】福袋 氏
【サイズ】112.99KB
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1230744126&log=66

【あらすじ】
 「キャノ子」呼ばわりにショックを受け、鬱病になってしまった神奈子。冬眠と称し、炬燵に引きこもってしまった諏訪子。二柱がこの調子では信仰など得られるはずも無く、守矢神社の生活は困窮し始めていた。
 仕方なく、白玉楼の雇われ散髪師として就職した早苗。はじめは幽々子や亡霊などの髪を切るだけだったが、その噂を聞きつけた人妖が白玉楼に殺到し、早苗は一躍、幻想郷のカリスマ理容師として有名になる。
 そんな折、何匹かの妖怪が白玉楼を訪ねてきた。そのうちの一人、金髪の少女の髪を切ろうとした早苗は、その髪に御札が結び付けられているのに気付き、何の考えも無くそれを取り外してしまう。

【感想】
 もうお気づきとは思いますが、解き放たれたのは古の大妖怪、ルーミア。付近をめちゃめちゃにしたルーミアは、目覚めたばかりで何がなんだかも分からないまま、空腹を満たすために暴れまわります。
 スペルカードも知らない、ただ強大な力を振るうルーミアになすすべも無く倒される霊夢。幻想郷を救うことが出来るのは、残された早苗と、神奈子と文と椛。あと、何とか姉妹。あれ? 結構居る……?
 友情努力勝利の三原則のもと、ぼろぼろになった守矢神社境内で最後の激闘が始まる。
 記憶が戻っていくのか、段々独白の内容が高度になっていくルーミアや、予想外ながら安心感をもたらすオチ
にも注目です。
 スペルカード戦ではないため、わりと痛そうな描写が続きます。

【五段階評価】
★★★☆☆(友情努力勝利の三原則こそが宇宙の摂理! って方には+1.5、そう都合よくいくわけ無いじゃん! って方には-1.0)

宿借り  与吉氏

【作品集】66
【タイトル】宿借り【書いた人】与吉氏
【容量】約57kb
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1230830238&log=66
【あらすじ&感想】
香霖堂に来店したレミリアとフランドールだったが、仲裁役もツッコミ役も不在だったがために喧嘩が始まり、
当然香霖堂は倒壊してしまった。その代償として紅魔館へと招かれた霖之助だったのだが、
責任を感じずに不遜な態度で接してくるレミリアや当事者ではない故に自由な態度で接する
紅魔館住民と煽り合う状態になった。口で戦うといえば当然魔女のパチュリーの得意分野である。
互いに自分を上に見て譲らない両者の口論は留まる所を知らない。

東方香霖堂、単行本発売おめでとう記念として過去作品を一つ。
原作っぽい原作っぽいとか言われてもわかんねーよという方でも、発売によって過去作を楽しめたり
脳内幻想郷の幅が広がったりと創想話にとっても待望の発売です。
題名通り宿を借りに来た霖之助とパチュリーの論戦がメインとなっていますが、
その雰囲気の再現は数多くの賞賛も納得の出来です。
書籍はちょっと手が…という方にもオススメをしたい物語でした。
★★★★★(後書きの気迫が凄いです…それだけの思い入れがしっかりと詰まっています)