作品集70

Last-modified: 2013-09-16 (月) 00:34:39
幻想郷が生まれた日  ほたるゆき氏

【作品集】70
【作品】幻想郷が生まれた日
【作者】ほたるゆき氏
【あらすじ】
――博麗の巫女は、三十歳になるとどこかに消える。
先代も、その前も、三十歳になると忽然と消えてしまった。
そして博麗の巫女、博麗霊夢は二十九歳最後の夜を迎える。

【感想】
読み終わってまず感じたのが、限りない母親の愛情。
こういうのも『有り』かなと思わせるのは
氏の書き込みに感情が篭っているからでしょう。
幻想郷のひとつの解釈。とても素敵でした。

【5段階評価】
文章★★★★★
構成★★★★☆
母性★★★★★
総合評価★★★★☆

同じ歴史を歩む者  酢烏賊楓氏

【作品集】70
【作品】同じ歴史を歩む者
【作者】酢烏賊楓氏
【あらすじ】
そんな! あり得ない! 博麗神社に参拝客が!
これは異変異変異変に違いない!!

【感想】
前半はコメディ路線、後半はシリアス、と思いきや、あまあまー。
各地の妖怪たちの変貌っぷりをもっと見てみたい気もしますが。
なんというか、こう……眼福!
もこーとけーねでした!!

【5段階評価】
文章★★★☆☆
構成★★★☆☆
糖度★★★★☆
総合評価★★★★☆

特攻女教師 K・K  胡椒中豆茶氏

【作品集】70
【作品】特攻女教師 K・K 
【作者】胡椒中豆茶氏
【あらすじ】
寺子屋での授業中、子供たちの質問を受け、慧音は霊夢の調査に向かうが……。

【感想】
勢いで押しつぶされる。そんなハイテンションギャグです。
思考は存外知的で理屈に満ちているように見せかけて、
その実全駄目でピンク色な思考回路を持つ慧音先生の暴走劇をご堪能ください。
個人的には終盤の空気を読んだ大人たちがかわいかったです。

さあ、全裸になりなさい  智弘氏

【作品集】70
【作品】さあ、全裸になりなさい  
【作者】智弘氏
【あらすじ】
“帰ってきたら、こいしが全裸でくつろいでいた”
つまりは、そういうお話です。

【感想】
まずは作者名を見て欲しい。……見ましたね? そして理解しましたね?
全裸です。全裸への迸る愛情とパッションがこのSSなのです。
文章は大変上手なのですが、出てくるキャラクターは主人公のさとりをはじめ悉く駄目人間。
とくに狐よ、貴様はその自らの変態性が、さも尊いものであるかの様に論理武装し、無垢な少女を洗脳した罪は重いがいいぞ、もっとやれ!
読み終わった瞬間あなたは世俗の不誠実な評価に憤り、風態など気にすることもなく衣服を脱ぎ去ることでしょう。
そして、きっと全裸という素晴らしい生き方への共感に浸るのです。

【5段階評価】
文章 ★★★★★(大変に上手)
全裸 ★★★★★(ミルク色の肌と薔薇色の唇の色彩!)
常識 ?????(そんなの忘れた)

妄想はエロスな人妖の為に 道標氏

【作品集】70
【作品】妄想はエロスな人妖の為に
【作者】道標氏
【あらすじ】
いつもの宴会はたけなわ、悪乗りした人々はいよいよ盛り上がり、
誰が一番エロスかを決める大会の火蓋が切って落とされた。

【感想】
少女と言われてへこむ紫や乙女な霊夢が見れます。見られます。
所々誰が喋ってるかわからない部分もありましたが、
酒の席なんてこんなものですよね!
いーい感じのgdgd感に包まれた作品でした。

やんやにゃんにゃ

【5段階評価】
文章★★★★☆
構成★★★☆☆
エロス★★★☆☆
総合評価★★★★☆

見た夢の狂気はワーハクタクの仕業なのか?  潔白氏

【タイトル】見た夢の狂気はワーハクタクの仕業なのか?
【書いた人】潔白氏

【あらすじ】
 私は夢を見る。それは妖艶で、あまりに退廃的な世界……。
 読む者をを魅了し離さない10の幻想譚。果たしてあなたは耐え切れるか。
 あ、この作品はギャグです。
 
【感想】
 内容はタグのままである。愛が故、モラルなぞ踏み越えていくキャラクタ達の暴走を堪能できる。
 そういうの嫌いな人は読まない方がいいかも、などと言ってられない面白さ。笑えます。
 また非常に読みやすく、時間の無い御仁にもお勧め。
 言葉とリズムと、そしてめくるめく《こくまろミルク》の世界。ご覧じろ。 

【五段階評価】

文章力★★★★☆
百合度★★★★☆
構成★★★★★
総合★★★★★

 

【作品】見た夢の狂気はワーハクタクの仕業なのか?
【作者】潔白氏
【あらすじ】
こんな夢を見た。
【感想】
上記の言葉から始まる10本の短編集。
某監督のアレのオマージュなのでしょうか。それにしては……桃色過ぎる!!
殆ど全てが会話文で構成されていますが個々として見れば面白いです。
ただ逆に、もうちょっと一つ一つ煮詰めて欲しかったのがちょっと残念。
アリス(ソロ)には笑いました。
【5段階評価】
文章★★★★☆
構成★★★☆☆
桃色★★★★☆
総合評価★★★☆☆

明日本気出すから今日は寝る  愁氏

【作品集】70
【作品名】明日本気出すから今日は寝る
【作者名】愁氏
【あらすじ】
睡眠。それは幅広い脊椎動物において、自発的に生じる静的状態である。
夜行性の動物を除けば、日が沈んでから床に就き、睡魔に身を委ねて眠りに落ちるのが一般的だ。
規則正しい生活を心掛けることは、人間がバイオリズムを保つ為に最も有効で、誰にでも出来る手立てである。
そして、それは魔法使いであるアリスにとっても同じことであった。
月が玲瓏と輝く時分、アリスは自室のベッドで気持ち良く小さな寝息を立てていた。
そんな折、不意に窓ガラスを小突くような音が部屋の中に飛び込んでくる。思わずアリスは目を覚ます。
恐らく風の悪戯だろう、アリス・即・断。魔法の森ではよくあること。
ころりと寝返りを打った瞬間に聞こえる、明らかに人為的な打撃音も気の所為に決まっている。
しかしスペルカード宣言だけは勘弁な。渋々アリスは窓を開け、不躾な来訪者を大変に不本意ながらも迎え入れた。
月明かりに照らされた少女の顔はひどく見覚えがある。むしろ、確認せずともこいつ以外には考えられないわけだが。
突然真夜中に現れた白黒の魔法使い、霧雨魔理沙。彼女がアリスを訪ねた理由とは―――
【感想】
ここから感想。アリスの一人称で進むストーリーなのだが、このアリスの心象描写がとにかく面白い。
アリスらしいとでも言うべきか、冷静に結構えぐいことをさらっと言ってくれる毒舌振り。言ってはないが。
前述した通りアリスの一人称であるからして、地の文も会話文のようにすらりすらりと軽快に読み進められる。
それでなくても読み易く、最後まで飽きさせずに引っ張ってくれるテンポの良さには脱帽。見習いたいものである。
妙なテンションで出来上がった魔理沙の拍車がかかった我が侭はどこか彼女らしさを思わせる。
実際いたら迷惑この上ないのだが、画面の向こうの世界の少女であれば、その程度の我が侭は許されて然るべきなのだ。
しかし、同じ世界に在るアリスは堪ったもんじゃあなかろう。それでもぼやきつつも世話を焼くアリスはマジお母さん。
最初こそカップリングかな、なんて思いはしたが、アリスにして見れば手を焼く子供の世話をしているだけにも思える。
むしろそうあれかし。「アリスの匂いがする」の一言で、一瞬ほろりとしてしまったのは何故だろうか。
全体が比較的短いからと言うのも勿論だが、加えて話に惹き込ませる文章のおかげでさらりと読み切れてしまう。
結論として一つ。アリスは優しいは「重言」である。頭痛が痛い、馬から落馬と同義。要らぬ形容詞は不要です! あれ?

文章力   ★★★★★(巧い。アリスの一人称から、彼女のキャラクターが伝わってくる)
読み易さ  ★★★★★(感想でも書いた通り、素直な描写のおかげですらすらと読み進められる)
傍迷惑度 ★★★★☆(まぁ、魔理沙だし)
アリス度.   ★★★★☆(アリス=優しいがデフォルト。と言いたいところだけど、私にはちょっと物足りない!)
総合評価 ★★★★☆(普通に★五個つけてもなんら問題はない良作。ほのぼのを謳うだけあって、ほんわかするSS)

以津魔天。  十把ひとからげ氏

【作品集】70
【作品】『以津魔天。』
【作者】十把ひとからげ氏
【あらすじ】
成年になった日、道場に呼んだ妖夢に対し妖忌はこう告げた。
「儂には厄介な、というか少々特殊な性癖があってな」

【感想】
苦悩する妖夢の話。とてもシリアスです。
…ホントダヨ?

【5段階評価】
文章★★★★☆
構成★★★★★
SAN値★★★☆☆
総合評価★★★★★

 

【作品集】70
【作品】『以津魔天。』
【作者】十把ひとからげ氏
【あらすじ】
師父が消息を絶ってから数十年。白玉楼に来客が訪れる。
男が取り出した盃は5年前に妖忌から預かった形見の品だと言う。

【感想】
妖夢の一人語りで物語は紡がれます。
妖忌と妖夢の関係が実に自然、幽々子も実に「らしい」姿で描かれていました。
基本はシリアスですがギャグもほんのり。また、タイトルと物語の関係も秀逸。
実に「渋い」お話でした。

【5段階評価】
文章★★★★★
構成★★★★★
亡霊★★★★☆
総合評価★★★★★

地獄は良いとこ一度はおいで  三文字氏

【作品集】70
【タイトル】地獄は良いとこ一度はおいで
【書いた人】三文字氏
【あらすじ】
地底の宴会風景を軽快な文章で描いた作品。

【感想】
テンポのよさを目指したという作者の言葉通り、実に一文一文が小気味良い。
物語自体に驚きや意外性はないが、まるで絵本のような話は素直に胸に入ってくる。
なにより勇儀姐さんらしさがよく書けていると思う。
「気に入った!」

【五段階評価】
雰囲気★★★★★
テンポ★★★★☆
総合評価★★★★☆
ご褒美★(ほし)いです(^q^)

 

【作品集】70
【作品】地獄は良いとこ一度はおいで
【作者】三文字氏
【あらすじ】
地獄の酔いどれ横丁。酔いに酔って姦し騒く。
今日も今日とて酒を呷れば、懐かしき友よ、飲み比べ。

【感想】
非常にテンポの良い作品です。文節が歌っているかのよう。
難しいことは考えないでちょっと読んで飲んで酔ってみてください。

【5段階評価】
文章★★★★☆
テンポ★★★★★
酒豪★★★★☆
総合評価★★★★☆

Lovin' Forever!  完全燃焼氏

【作品集】70
【タイトル】Lovin' Forever!
【書いた人】完全燃焼氏
【あらすじ】
メディスンとアリス、二人は仲良し!というお話。

【感想】
メディスンかわいよメディスン
ただ、あとがきが誰に向けられたものなのかいまいち分からない。
この人はどこかで何かをやらかしたのかい?

動力→妖精  七々原白夜氏
自動販売機が幻想郷にやってきた!

【作品集】70
【作品】動力→妖精
【作者】七々原白夜氏
【あらすじ】
自動販売機が幻想郷にやってきた!

【感想】
「仕事中よ」と切り返すオフィスレディーなチルノで爆沈しました。
懐かしいコーラ専門の自動販売機、風情があって良いですね。
コーラが飲みたくなる、テンポの良いギャグ作品でした。

【5段階評価】
文章★★★★☆
テンポ★★★★★
炭酸★★★★★
総合評価★★★★☆

この話の一番の「味」はその素朴さにあるだろう

【作品集】70
【作品】動力→妖精
【作者】七々原白夜氏
【あらすじ】

「仕事中よ」

魔理沙が好奇心で「箱」を開けてみると、その中で体育座りをした氷精に真面目な顔で開口一番そう言われた
数秒間見つめあった後、魔理沙は「そいつは悪かった」と謝って箱を閉じる

モノを冷やすカラクリへの道のりはまだまだ遠そうだ

【感想】
霖之助が実に原作らしい。とても合理的でない道具を嬉々として語ってくれるのは東方キャラの中でも彼の専売特許である
5分もせずに読み終える素朴な話。だがこの話の一番の「味」はその素朴さにあるだろう
何か霖之助が恋愛どーたら議論になってるけどこの作品には皆無なので気軽にどうぞ

幸せな少女の話  瀬の岩紀由氏

【作品集】70
【作品】幸せな少女の話
【作者】瀬の岩紀由氏
【あらすじ】
吸血鬼の少女が語るのはとるに足らない昔話。
昔あった、幸せな少女のお話。

【感想】
妹を愛する健気なレミリアが見られます。
ただ、昔話ということもあって少しばかり今と状況は違いますが。
フラン以外の肉親の居るレミリア嬢も新鮮で面白かったです。

【5段階評価】
文章★★★☆☆
構成★★★★☆
姉妹★★★★★
総合評価★★★★☆

蓬莱人が死んだとさ  キロリ氏

【作品集】70
【作品】蓬莱人が死んだとさ
【作者】キロリ氏
【あらすじ】
同じような毎日、同じような繰り返し。
同じような殺し合いを続ける二人。
同じ繰り返しだったはずなのに。
なぜか 輝夜が 生き返らない

【感想】
妹紅の動揺と成長を楽しむ物語かと。
永遠亭の人たちが実にそれらしい振る舞いをしているのが印象的でした。
すこしばかり物足りないのが残念ではありますが面白いお話しでした。

【5段階評価】
文章★★★★☆
構成★★★★★
殺人★☆☆☆☆
総合評価★★★★☆

夜輝月  沙月氏

【作品集】70
【作品】夜輝月
【作者】沙月氏
【あらすじ】
秘封倶楽部の活動前の打ち合わせ、カフェでのんびり会話するほんの一時、
蓮子は『蓬莱沙』と呼ばれる本を取り出した。

【感想】
蓬莱の薬と永遠に対する二人の見解。
氏の描くもこけねは相変わらずほのぼのしてて良いなと思いつつ、
最後の場面で出てきた人物に納得と驚き、新しい切り口の作品。
続きが読んでみたくなるお話でした。

タイトルが夜神月に見えたよ!

【5段階評価】
文章★★★★☆
構成★★★★★
秘封★★★★★
総合評価★★★★☆

虹色有頂天  深山咲氏

【作品集】70
【作品】虹色有頂天
【作者】深山咲氏
【あらすじ】
ある日突然耳元で天子は「悪い子」と囁かれた。
ささやかな出会いの、始まり。

【感想】
表題だけで、ああギャグなんだなと思った私を罵って欲しい。
かといってシリアスと言うわけでもなく、在るかも知れない、一風景。
天子とこいしが出会ったら、本当にこんな会話をしそうですね。
丁寧な言葉運びの綺麗な作品でした。

【5段階評価】
文章★★★★★
構成★★★★☆
虹色★★★★★
総合評価★★★★★

暴走猫車橙号  yuz氏
誤解から始まる暴走

『暴走猫車橙号』
作者:yuz氏
平和な食卓に突如訪れた気まずい空気。そこで生まれた誤解から始まる暴走。
……なんだけど、暴走というほどには暴走してないかも。
オチではちょっと笑ったけど、もうひと暴走できたと思う。

そうだね。インランだね。

【作品集】70
【作品】『暴走猫車橙号』
【作者】yuz 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1235671335&log=70
【あらすじ】
八雲一家の穏やかな食卓。談笑の中で橙はある疑問を問いかける。

「インランって何ですか?」

その瞬間、空気が凍った。

【感想】
そうだね。インランだね。
ここまで一作品でインランという文字を使った作品はないのではなかろうか。
淡々と挙げられるインランがジワジワと笑いを呼び、
オチが強烈なインパクトを持って腹筋を粉砕しにくる。

【5段階評価】
文章★★★★☆
オチ★★★★★
総合評価★★★★☆

インランとは何か。

【作品集】70
【タイトル】暴走猫車橙号 【書いた人】yuz氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net/sosowa/ssw_l/70/1235671335
【POINT】14950(2013/09/15時点) 【容量】9.12KB
【あらすじ&感想】
インランとは何か。畳みかけるインラン。そしてルーミア。
感想は、天丼って美味しいなあということ。それから、シンプルで秀逸なオチは破壊力があるなあということ。何だと。

最速理論  八重結界氏

『最速理論』
作者:八重結界氏
スピードとプライドをかけた二人の勝負。
ただの追いかけっこにここまで熱いドラマ性を持たせられるのはすごい。ギャグだけど。
あと早苗さんが強さ的な意味で活躍する点も新鮮でよかった。ギャグだけど。

藤原懐石  毛玉おにぎり氏

【作品集】70

【タイトル】藤原懐石
【書いた人】毛玉おにぎり
【あらすじ&感想】
散歩をしていたら、地蔵を見つけた妹紅。
カイロにするべく地蔵をお持ち返りすることに。

妹紅の行動が奇妙奇天烈。違和感ばりばり。
まるっきり犯罪者。罰あたりもいいところ。
ほのぼのらしいです。

【五段階評価】
妹紅の犯罪者度★★★★★(このとき神が降臨した。そして1000年先まで語り継がれることとなる)

墓参る  プラシーボ吹嘘氏
幻想郷オールスター(含む旧作&秘封倶楽部)による墓参りが、今始まる。

作品集番号【70】
タイトル【墓参る】
職人【プラシーボ吹嘘】
あらすじ
今日は○○○の一周忌(○の数に意味はありません)
幻想郷オールスター(含む旧作&秘封倶楽部)による墓参りが、今始まる。

 

感想
かなり長い作品ではあるものの、内容に関しては粗筋の二行で全てと言えば全て。
しかし軽妙な会話は東方らしく(一部口調、一部キャラに違和感を感じるかもしれないけど)
巧みな文体で下らないやり取りを描写する様も、
独特の雰囲気を造り上げている。文章力は非常に高い。
ストーリーは、各グループが墓に向かう場面が次々と繰り出されるのみなので、
かったるいと思う方は自分のお気に入り集団以外は読み飛ばしても問題ないだろうが、
個人的には、それこそお酒でも飲みながら、だらだら読むのが最適と感じた。
祭りの準備と始まりの間と、祭りの終わりの風情をない交ぜにしたような、
不思議な読後感を味わえる逸品。

ちなみに「墓の下に眠る者については、特定の人妖を意図しておりません。」とのこと。
決して誰かさんのことではないらしいので、あまり深く考えないように。

永遠亭勢、紅魔館、そして湖の妖精たちまで……皆がその、一人の墓に向かいます。

【作品集70】
【タイトル】墓参る
【書いた人】プラシーボ吹嘘 氏
【サイズ】121.22KB
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1235824288&log=70

【あらすじ】
 今日はあいつの一回忌。住人たちは、こぞって墓参りへ向かう。手に手に、酒瓶と料理を持って。

【感想】
 短編集のような話でした。永遠亭勢、紅魔館、そして湖の妖精たちまで……皆がその、一人の墓に向かいます。それはもう、にぎやかに。たったそれだけの作品です。ヤマもなく、オチも無い。
 ですが、読み終わってみると、得体の知れない喪失感に胸が締め付けられました。言葉で説明するのは無粋だと思いますので、とりあえず読んできてください。一度に読むことを勧めます。

【五段階評価】
★★★★★(起承転結があってはじめて作品と呼べるという思想の方は-1.0)

紅月の夜に吼えろ  ちょんまげ氏

【作品集】70
【作品】紅月の夜に吼えろ
【作者】ちょんまげ氏
【あらすじ】
「・・・ぐっ!『また』だわ・・・また疼き始めたわ・・・」
お嬢様が何かに疼きます。

【感想】
この題材で物語を書こうとした氏に敬礼。
そしてまともな物語になっていることに感動。
皆さん。忘れたくても忘れられない黒歴史が幻想郷にやってきましたよ。

【5段階評価】
文章★★★☆☆
構成★★★☆☆
邪気眼★★★★
総合評価★★★☆☆

鈴の鳴る夜  狗月氏

【作品集】70
【作品】鈴の鳴る夜
【作者】狗月氏
【あらすじ】
美鈴は子犬にお風呂を貸してあげました。

【感想】
しっとり。この言葉が良く似合う作品です。
美鈴の妖怪らしからぬ優しさの押し付けがなんとも心地良い。
美鈴が美鈴らしいお話でした。
あとなんかお風呂の描写がえっちい気がします!

【5段階評価】
文章★★★★☆
構成★★★☆☆
浴室★★★★☆
総合評価★★★☆☆

縁側には三人で座りましょう  yamamo氏

【作品】縁側には三人で座りましょう
【作品集】前編70 後編71
【作者】yamamo 氏

【導入】
秋も深い頃、紫は遠い外の世界を見るようで、しかしここ幻想郷を眺めていた。
脳裏には黒いキノコ雲が浮かんでいた。
外の世界の俗事など楽園のようなここにいれば忘れてしまいそう……

【感想】
ネタバレになるから具体的には書きませんが、少々突飛な設定が出て来ます。
しかし、違和感を感じさせず上手く話を展開させ綺麗に締めます。
いろいろ感想はあるのですが、平和なだけでなく、暗いだけでなく。
全て引っ括めて、優しく良い話でした。

【五段階評価】
文章★★★★★
構成★★★★☆
総合★★★★★

どえむてんこ  のっとふぁうんず氏

【作品】『どえむてんこ』
【作品集】70
【作者】のっとふぁうんず氏

【あらすじ】
「あんたの集めてるその厄、私に寄越しなさい!」
初対面の少女は、鍵山雛に向かって突然そう言った。つい反射的に手を出してしまった
雛だが、攻撃を受けた少女は苦痛に顔を歪ませながらも悦びに悶えている。
何か引っ掛かるものを感じた雛は少女のことを調査し、彼女が天人であることを知る。

【感想】
『東方緋想天』公開後に流行った二次設定「ドMな天子」が話の主軸。
それに関連する、『厄』についての作者の独自解釈が面白い。
地上の厄は厄神である雛が処理している。地下では「焼く」ことで厄を浄化している。
では天界の厄は? というのが恐らく発想の原点。
ネタバレになるのでこれ以上は書かないが、「ああ、なるほどな」と思った。
読後の個人的な感想は「やっぱり天子はこうでなくっちゃ」。

【五段階評価】
発想★★★★☆
文章★★★☆☆
総合★★★★☆

奇跡戦隊☆フルーツレンジャー  隠れ沢庵氏

【作品集】70
【タイトル】『奇跡戦隊☆フルーツレンジャー 』
【書いた人】隠れ沢庵氏
【備考】続編、続々編が作品集71に投稿済

【あらすじ】
「フランドール・スカーレットさんですね? 私は東風谷早苗といいます。
あなたを『奇跡戦隊☆フルーツレンジャー』にスカウトしに来ました」
こうして早苗とフランの珍妙な活動が始まった。

【感想】
タイトルから戦隊モノのパロディと思われるかもしれませんが、少なくとも3作目までは、
そういう要素はありません。困っている人間や妖怪を救うため、軽快に暴走する早苗に
フランが突っ込みを入れるのが基本的なパターンです。
元ネタ(ジャンルは雑多)を知らないと楽しめないタイプの、少々独りよがりなギャグが
多いのが難点。でも笑えるかどうかに関わらず、物語はテンポよく進むのでストレスは
感じないでしょう。
あちこち暴走しているのに何故か「ちょっといい話」で締められる、独特の緩い雰囲気が
このシリーズの魅力なのです。

【五段階評価】
戦隊☆☆☆☆☆
文章★★★☆☆
総合★★★★☆

亡霊奇譚 与吉氏
童話の調子で語られる、幻想的で優しいお話です。

【作品集】70
【タイトル】亡霊奇譚
【書いた人】与吉氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1235894810&log=70
【あらすじ&感想】
霧の深い夜のこと、朧月を眺めながら酒を愉しもうと決めた霖之助は、湖
の淵にてある女性の声を聞く。それは我が身を儚んで湖に身を投げた、不幸
な少女の亡霊の声だった。
 霖之助は突如割り込んできたチルノと共に、この少女を成仏させるため、
とある遊びをしようと提案する……

 童話の調子で語られる、幻想的で優しいお話です。霖之助の不器用な優しさ
と、チルノのちょっとだけ高慢ちきに構えた可愛らしい言動がとても魅力的。
オリキャラの少女も存在感があって、この三人の掛け合いを見ているだけで
心が和みます。途中で出てくるカルメ焼きや綿菓子作りなどの描写も楽しげで、
この輪の中に混ざりたい気分にさせてくれました。
 悲しいお話だけれど、読後感はとても清々しい。まだ読んでいない方がいれば
、ぜひにお勧めしたい作品です。

チルノはとにかく親性(母性に限らない)を見せることが多いと思う。

【作品集】70
【タイトル】亡霊奇譚
【書いた人】与吉氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1235894810&log=70
【あらすじ】
森近霖之助は朧月を見ながら酒盛りするのを楽しみに、紅魔館の湖のほとりに夜中に遊びに来ていた。
そこで亡霊の少女と出会う。さあ、通りすがりのチルノと共に、記憶すら失った彼女を成仏させてあげよう。
【感想・考察】
基本的にグロである故に埋れた良作を発掘するためにこのレビューを行っているわけだけど
これはちょっと例外的にレビューしたくなった。
夢のなかの出来事、淡々と少女を救うため霖之助、そして親になるチルノ。
馬鹿の墓だったり、はじめてのおかあさんであったり、こんにちは文ちゃんであったり
チルノはとにかく親性(母性に限らない)を見せることが多いと思う。
それは多分愚かに見えて包容力があったときのギャップが強烈であるからで
そしてそれは俺がばかキャラのことを好む理由でもある。
[HE力]★★★★★(多分奇跡起きる)
[鬱力]☆☆☆☆☆(二人がぶち壊してくれる)
[グロ]★☆☆☆☆(亡霊の少女の遺体の描写のみ。ほぼ無いに等しい)
【総合評価】★★★★★(霖之助アレルギーがなければ是非)

アルバイト輝夜4  久我拓人氏

【作品集】70
【タイトル】アルバイト輝夜4
【書いた人】久我拓人氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1234971901&log=70
【あらすじ】
お燐に誘われ、ミスティアの屋台に行く事になった霖之助。

【感想】
猫ってのは不思議なもんですね。作中の会話に「ああ、なるほど」と思わず頷いてしまう説得力。
小粋な会話に違和感を持たせない雰囲気作りの技術、実は相当な物なんじゃないでしょうか。

アルバイト輝夜5  久我拓人氏

【作品集】70
【タイトル】アルバイト輝夜5 
【書いた人】久我拓人氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1235569544&log=70
【あらすじ】
『なかなかどうして、僕はあの屋台が気に入っている様だ。』(原文より)
今回のゲストはアリス。

【感想】
メインは霖之助+輝夜+ゲスト一人、ってのが定着しているような。
中の人に変化があったようですが、ウィットに富んだ会話を楽しむ基本スタンスは変わらず。
顔を赤らめて抗議する輝夜は可愛いと思います。凄く可愛いと思います。

永遠に夢の中に  TNK氏
霊夢は赤い空を見上げ布団を敷いた。

【作品集】70
【タイトル】永遠に夢の中に
【書いた人】TNK氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1235152036&log=70
【あらすじ】
霊夢は赤い空を見上げ布団を敷いた。
遊びに来た、体がぐちょぐちょになった魔理沙を見た。
紫が私と一緒に来て、と誘った。
【感想・考察】
告白させてもらうと、俺は簡単に点数が取れるメジャーカップリング百合が大嫌いだった。
特に、マリアリ、紫霊夢、などはそれの極みである。とりあえず紫を神社において、イチャイチャ。
これだけで5000点だ。いくら需要と供給の関係があるとは言え、俺はそのことが嫌だった。
だがこの作品は、きっちりと、句点の多い特色のある文体で
幻想郷が滅びた後の二人のカップリングをきっちり描ききっている。
こういう雰囲気は大好きだ。
鬱パートの後に、意図的に挿入しているらしき、紫のコミカルな立ち振る舞いとか。
やがて生まれる。
霊夢と紫により、生まれるのだ。
やがて彼女たちは、コンティニューするだろう。新たな未来を。
幻想郷が滅びた原因を特に描写しないのは意図的であろうが、そういうところからも作者のこだわりを感じられる。
この人と一度語り合ってみたい。名前読みしたいなと思った作家は初めてだ。
[HE力]★★★★★(幻想郷であると感心はするがどこもおかしくはない)
[鬱力]★★★★☆(鬱パートが少なかった……もっと欲しい……幻想郷の各勢力全部描写とかして欲しかった)
[グロ]★★★☆☆(魔理沙死亡)
【総合評価】★★★★★(退廃系への手引き。ハッピーエンドだし、ゆかれいむ好きは鬱無理でも余裕でいける)

世界の終わりに興味があれば是非

TNK氏の「永遠に夢の中に」
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1235152036&log=70
ゆかれいむ
世界の終わりに興味があれば是非

パチェットモンスター!  喉飴氏
スライムの断末魔の悲鳴やパッション美鈴、パチモン図鑑のいい加減さが好き

喉飴氏の「パチェットモンスター!」が今読み返しても面白い
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1235093278&log=70

フランとパチェという組み合わせがなかなか面白いし、ただのクロスに終わってないところがいい
スライムの断末魔の悲鳴やパッション美鈴、パチモン図鑑のいい加減さが好き
読んだことがある人も多かろうが、今読み返してもやっぱり面白い

比類なき傑作

喉飴氏の「パチェットモンスター!」は比類なき傑作
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1235093278&log=70

結構コンスタントに点取ってたのにいまいち影が薄い感じがしてた喉飴氏の作品
創想話スレではいまだに「パッション美鈴」の話が出たりするので知ってる方も多かろう
最後は物凄い尻垂れ気味だけど前半の怒涛の展開は出色の出来