【作品集】78
【作品】飛べ、酔っ払い
【作者】漆野志乃氏
【あらすじ】
アイキャンフライ。
【感想】
泥酔した人は洒落にならないことをしますよなお話。
秘封倶楽部の日常はこんなにもデンジャラスなのですね。
2人の会話が面白いお話でした。
【5段階評価】
文章★★★☆☆
構成★★★★☆
空を飛ぶ程度ののーりょく☆☆☆☆☆
総合評価★★★★☆
【作品集】78
【作品】排中律
【作者】超空気作家まるきゅー氏
【あらすじ】
ある夏の、彼女と僕のお話。
【感想】
タグで食わず嫌いをしているともったいない作品です。
読み進めていくと妹な彼女の正体が分かるのですが、
何せ妹が多い幻想郷では心当たりがありすぎです。
ちょこっと皮肉のきいたお話でした。
【5段階評価】
文章★★★☆☆
構成★★★☆☆
妹★★★★★
総合評価★★★☆☆
【作品集】78
【作者】超空気作家まるきゅー氏
【タイトル】『排中律』 ★★★★★
【内容】
非難の目で振り向くと、彼女はもっと怒っていた。
「普通、女の子に軽いは褒め言葉だと思うけど」
「人間風情が私を軽く扱うことは許されないの」
「意味が違うと思うんだけどなぁ……」
(本文より抜粋)
【感想】
人里に住む少年が森の中である"妖怪"と出会う物語。
変わらずの持って回った言い方は文章に読み応えを与えてくれる。見事な表現と、後になってなるほどとわかるタイトル。欠点の見当たらない良作だと思う。
未読の方はぜひ一読をおすすめします。注意深く読み進めてみるとさらに面白いかもしれない。
【作品集】78
【作品】レイム・サボタージュ
【作者】えび氏
【あらすじ】
のんびりとした、一日。
【感想】
のほほんとした一日の、一幕。
紫と霊夢の会話がのんびりゆったりまったりです。
少しだけ、優しい気持ちになれるお話。
【5段階評価】
文章★★★☆☆
構成★★★☆☆
睦言★★★★☆
総合評価★★★☆☆
【作品集】78
【作品】テンションがおかしいようです
【作者】みたらしいお団子氏
【あらすじ】
咲夜さんの行動がおかしい。
【感想】
実に可愛らしい咲夜さんなお話。
やはりみんなに愛されてこそメイド長です。
家族のように暖かい紅魔館でした。
【5段階評価】
文章★★★☆☆
構成★★★☆☆
美鈴★★★★☆
総合評価★★★☆☆
【作品集】78
【作品】ポテトチップスとビスケットの中間
【作者】◆ilkT4kpmRM 氏
【あらすじ】
ポテトチップスを食べる、ビスケットを食べる。
今、私達が食べているのは何?
【感想】
ショートなお話三本立てです。
タイトルを主軸に、それぞれの関係が魅力的に描かれています。
コイケヤののり塩が一番好きだなぁ。
時々は油っぽいモノを思いっきり食べたくなる、そんなお話。
【5段階評価】
文章★★★☆☆
構成★★★★☆
髭マークのポテチ★★★★★
総合評価★★★★☆
【作品集】78
【作品】彼女が着替えたワケ
【作者】やきそば。氏
【あらすじ】
輝夜の難題。
【感想】
輝夜に翻弄される永琳のお話です。
難題の内容といい、空気の読めなさといい、良い具合の姫様です。
後半の妹紅はちょっと暴走しすぎな気もしますが。面白いお話でした。
【5段階評価】
文章★★★☆☆
構成★★★☆☆
難題★★★★★
総合評価★★★☆☆
【作品集】78
【作品】天人さんの川遊び
【作者】gaoth氏
【あらすじ】
釣りに興じる天子ちゃん。
【感想】
天子と衣玖の日常なお話。
淡々と、ゆらゆらと、にぎやかに穏やかな日のお話。
日常の一場面という感じでほのぼのしました。
お茶請けにどうぞ。
【5段階評価】
文章★★★★☆
構成★★★☆☆
太公望★★☆☆☆
総合評価★★★☆☆
【作品集】78
【作者】みずあめ。氏
【タイトル】『幻想ナイトフライト』 ★★★★★
【内容】
「ねえねえ、このあと時間あるかな?」
「うん、あるよ」
ミスティアはにっこりと笑った。
「じゃあさ、これからわたしと一緒に、歌を探しにいかない?」
(本文より抜粋)
【感想】
ルーミアとミスティアが夜の幻想郷を巡る物語。
きめ細かい描写と、いかにもな住人たちのやり取り、ほのぼのと和める雰囲気。どれをとっても素晴らしいお話。
読み応えもたっぷりあるので、時間のあるときに読みたい一品。
幻想ナイトフライト
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1244683536&log=78
作者:みずあめ。氏
■ ルーミアとミスティアが幻想郷をナイトフライトするお話。超ファンタスティック。絵本みたい。
【作品集】78
【作者】鴨氏
【タイトル】『不死鳥の心』 ★★★★☆
【内容】
──妹紅。歴史を学ぶといい。色々な事を教えてくれるぞ。
慧音がよく口にしていたことを思い出した。
「ばか慧音。この悲しみはどうしたらいいんだ……どこにも書いてないじゃないか……」
(本文より抜粋)
【感想】
慧音と死に別れた後の妹紅の在り方を描いた物語。
とても読みやすく、話がきれいにまとまっている。また、輝夜の役割もしっかり生かされている。
読み終わった頃には、恋愛感情でもなく、ただの友情でもない、暖かな何かを感じることができると思います。
【作品集】78
【作品】魔理沙と霊夢 feat.北風と太陽
【作者】るいたん武装展開氏
【あらすじ】
教訓めいた童話を元に、魔理沙と霊夢のバトルが始まる。
【感想】
「見ろよ、これで逃げれなくなったこーりんは上着を脱ぐはずだぜ」
なにこの超展開。
終始とぼけたおバカっぽさが面白いお話です。
とばっちりを受けまくるこーりんが実に哀れ。
【5段階評価】
文章★★★☆☆
構成★★★★☆
北風★★★★☆
総合評価★★★★☆
【作品集】78
【タイトル】東方X1
【書いた人】ZRX氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1244780140&log=78
【あらすじ】
あの悲劇から一年……
彼女達の新たな戦いが始まる。
【レビュー】
前作「東方の金曜日」で色んな意味で話題になったZRX氏の作品。
今作は「東方の金曜日」のセカンドシーズンと銘打たれている。
……じわじわと文章が上手くなっているのは俺の気のせいだろうか。
前作の冒頭よりかは幾分マシだとは思う。
果たして今作ではどんな波乱を創想話に巻き起こしてくれるのだろうか。
余談だが、コメント欄も面白い。
総合評価:★★☆☆☆
【作品集】78
【作品】ガガーリン
【作者】十把ひとからげ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1244848420&log=78
【あらすじ】
ご月 いつか くもり
みんなでせいくらべをした。まけた。くやしい。
せのたかいやつはみんなちぢむといい。いますぐちぢめ。わたしより。
(本文より)
【感想】
霖之助の保護者っぷりが全開なお話。柱で背比べをする魔理沙が子供らしくて可愛いです。
結構身長は子供のトラウマになるんですよね。
身長に対して諭す時にガガーリンのお話をする霖之助のお父さんっぷりも素敵。
そんなお話。
【5段階評価】
文章★★★★☆
構成★★★★☆
宇宙★★★☆☆
総合評価★★★★☆
【作品集】78
【作品】蓬莱コスモナーフト
【作者】沙月氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1244855471&log=78
【あらすじ】
永遠亭の月は暮れる。
【感想】
蓬莱人と孤独な宇宙飛行士のお話。
前半はほのぼの家族な永遠亭の面々が微笑ましく、
後半の慧音と永琳のしっとりとした会話が切ない。
慧音の最後のモノローグが深く心に染み入りました。
氏の前作『さよならリバーサイダー』を読んでいると慧音の心情に更に補正がかかります。
どうでもいいけどコメントが言葉にできないばかりで凄い。
【5段階評価】
文章★★★★☆
構成★★★★★
永遠★★★★☆
総合評価★★★★★
【作品集】78
【作品】 Remember
【作者】西風氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1244557124&log=78
【あらすじ】
霊夢は死んだ もういない。その一言から始まるお話。
彼女を目標に走り続けていた魔理沙。その目標がなくなってしまい、思いの行き場がなくなって……。
【感想】
安定して作品を書いてくる西風氏。今回の話も熱い熱い。
ただ、安定して面白いのだが、いかんせん安定して(というと変な話だが)長い。今作は約50KB。
戦闘描写の多い話であるが、その中に練りこまれた魔理沙の、紫の思いに胸が熱くなる。
そして、最後の英詩は誰に贈られたものなのか。誰からのものなのか。
決してハッピーエンドとは言えないけれど、それでもどこか、温かくなれるお話だった。
【5段階評価】
★★★★☆
【作品集】78
【作品】虹の上で、貴女とダンスを
【作者】岩山更夜氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1244956960&log=78
【あらすじ】
夢みたい。私、今、空を飛んでいる。
【感想】
ふわふわ。
妙な浮遊感が幻想的な秘封倶楽部のお話です。
古きよきアニメーションを見ているような感覚に包まれました。
良作!
【5段階評価】
文章★★★☆☆
構成★★★★☆
空を飛ぶ程度の能力★★★★☆
総合評価★★★★☆
【作品集】78
【作品】ふらんふらん
【作者】幻想と空想の混ぜ人氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1244990985&log=78
【あらすじ】
フランドール
フランドール
私の見る夢は何色?
【感想】
小さ可愛いお話。
詩的で非常に短いのですが、フランの可愛さが素敵です。
あとがきは、いつもの氏なのでどこか安心しました。
【5段階評価】
文章★★★★☆
構成★★★★☆
フラン★★★★☆
総合評価★★★★☆
【作品集】78
【タイトル】東方反史抄 ~ぷれぜんと ふぉー ゆー ~
【書いた人】非共有物理対
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1244316354&log=78
【あらすじ】
ある日文の家に居候していた土部脩一は、自分の家に誰かが来ていることに気がついた。
また脩一は抹消されかけてしまうのか!?超感動巨短編!全俺が泣いた!
【感想】
コメントにもあるように、きちんとタグなり前書きなりで「オリキャラ注意」と書くべきである。
また「・・・」「……」が混ざっていて、非常に不快である。ノウハウ的なサイトできちんと調べてから書いてほしい。
コメントにもあるように、霖之助の扱いが非常に悪い。ファンにとっては不快かもしれない。
脩一というキャラで作者が何をしたいのか分からない。全く背景描写がないくせに、何故かシリアスな雰囲気になってる。
シリアスどころか、シュールなシーンにしかなっていない。
……なんとかいってこの作品が消える日って来るんでしょうか。作者としてはとても恐ろしいのですが。
【作品集】78
【作品】ネクロファンタジア2009 ~ムクロノウエ~ 「お勧め!」
【作者】ahoさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1245001236&log=78
【感想】
博麗大結界ができる前の幻想郷においての人間と妖怪の関係。それを思い起こさせる場所と相手に幽香は会った
オリ設定が相当でてきますが、とはいえ過去の幻想郷においての話なのでそれほど抵抗感はないと思います。むしろ、その描写力により、そのオリ設定に説得力を持たせていると言った方が正しいのかもしれません。結構長い文章ですが、途中でだれることなく読み切ることができます。特に、阿求が見どころ。まあ、一番の見どころは、徐々に親しくなっていく様子が丸わかりなえーりんとゆうかですが。
【作品集】78
【タイトル】人形の国のアリス 表/ 人形の国のアリス 裏
【書いた人】岩山更夜 氏
【URL】
表:ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1244620567&log=78
裏:ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1244621922&log=78
【あらすじ】
人形であり、ヒトである。
それは矛盾するようであるが、その世界においては自然なこと以外の何でもなかった。
魔界神、神綺の人形、そして娘として生まれたアリス・マーガトロイド。
彼女は人形を作り始め、やがて、自立人形への興味を抱いてゆく。
アリスの姉たち、そして母親は心配げに、温かく彼女を見守る。
成長したアリスは人形の魔法使いとなり、魔界から、母の元から巣立っていった――
【感想というか考察】
構成(文章全体の進行)、文章(文章のタッチ、書き方)、物語(キャラクター感情や物語の概説)、その他(レビュー筆者がとりとめもなく感じたこと)
の4点において、感想、考察を述べます。
※以下、ネタバレを含みます。
◎構成:
この作品は表と裏の二段構成になっている。
表はアリスの一人称に進行である。アリスの誕生から、魔界パンデモニウムでの生活、成長、そして、魔界から巣立ったアリスの姿が書かれている。
裏は前半が神綺やアリスたちの一人称であり、アリスが魔界から去ると母に告げるクライマックスのシーンが神綺一人称、そして、ラストがアリスの一人称であり、ラストのラストでアリスの『娘』の視点が組み込まれている。
全体としての文章としては、あまり起伏に飛んだものではないと言える。ただ、ある存在があるべき姿に向かっていく――その穏やかな流れが淡々と柔らかなタッチで書かれている。山、谷の少ない文章ではあるが、この物語のテーマを考えるとすれば、むしろ冒険劇のような落差の激しい文章よりも、こちらのほうが相応しいのだろう。
ただ、ある文章――特にこのSSのテーマとなる文章であるが、その場所のリフレインが多すぎる感があった。
なお、タイトルの『人形の国のアリス』についてであるが、『不思議の国のアリス』にかけているのだろう。不思議の国のアリスは夢の中で大冒険をする。そして、アリス・マーガトロイドの人生もまた夢のようなものなのである。『ただ一つ、終わらない夢の話だったのだろう。私の、神綺さまに抱いた憧憬』。このアリスの独白にその答えは隠されている。
具体的な物語展開については、物語の項目で述べたいと思う。
◎文章:
優しく、愛のある文章である。
表のアリス一人称の文章では、アリスの家族への尊敬や親愛の念が読み取れる。また、幼いアリスの動きや「……ぁぅ」といった言葉から、アリスの可愛らしい姿が伝わってくる。
裏の神綺やアリスの姉達の文章についても同様である。それぞれのキャラクターが自分の確固とした考えを持ち、生き生きと動き回っている。
いずれの文章からも作者のキャラクターへの愛がこめられているように思える。
◎物語:
この物語のテーマは「人形と創造主」というより「娘と母」のほうが正しいだろう。
『夢。そう、夢だったのだ。私が、自立人形を作るというのは。私が、神綺さまの様になりたいという夢。』、『私は、母親になりたかったのだ。そのときに、こう悟った。』とアリスが独白しているように、このSSでのアリスと神綺の関係は「人形と創造主」というよりは、もはや「娘と母」である。それはアリスだけでなく、神綺も彼女との関係をそのように感じている。
だが、このSSでテーマを探っていく際に、複雑化させている要因がある。
それは、神綺の感じている孤独である。
これはむしろ、「人形と創造主」の関係においてこそ生じるものだ。
何より救いがたいのが、これを感じているのが神綺だけでなく、アリスの姉達も同様であるということである。
夢子は『私がいる。サラがいる。ルイズがいる。ユキがいる。マイがいる。アリスがいる。魔界があって、そこに暮らす人々がいる。それでも、神綺さまは一人。魔界の住人はみんな神綺さまによって作られた、いわば人形であるのだから。『本物』は、神綺さま一人しかいないのだ。』と語る。
そして、ユキのこの言葉にも注目すべきかもしれない。『ああ、占領されるのかなぁ、この楽園みたいにつまらない世界も』。ユキもまたこの人形――紛い物に溢れた世界に満足することができないのだとも考えられる。神綺の作った世界は完璧ではないのだ。
神綺とアリスの「母娘」関係の間には、「創造主と人形」という溝が横たわっているのである。つまり、この時点で神綺とアリスは完全な「母娘」関係を築けていないのではないかと考えられるのだ。アリスと神綺は、この「創造主と人形」の関係性という課題を乗り越えなければならないのである。
それを解決させられるのは、アリスが神綺に人間界へと出て行くと告げるシーンだろう。
娘に自分と同じ、創造主の孤独を味合わせないために止めようとする神綺。神綺はどうして自立人形を創りたいのか、と尋ねる。母親のようになりたい、と幼かったころのアリスの言葉を聞いていた神綺は、その答えを予想していたようだが、アリスから返ってきた答えは予想外であった。アリスは『……よく、わかりません』と答えたのである。アリスの話を聞いていくうちに神綺は娘を止めることはできないと悟り、アリスが間違った方向に進まないことを願って忠告を与える。そして、神綺は忠告を旅立つ娘に語りながら、泣き出してしまうのである。『……アリスちゃん……行っちゃヤダぁ……』、『ぅ……うぅ……いてよ……ずっと魔界にいてよ……』、『どこにもいかないでぇ……!』と。
アリスと神綺が真の意味で母娘になれたのは、このときではないだろうか。創造主と人形の関係、さらに言えば、創造主と新しい創造主になろうとしている人形の関係ではなく、ただ娘が自分の下から巣立っていくのを悲しんで泣く神綺の姿こそ、母娘の関係を強く象徴しているのではないかと思う。アリスの神綺に対する呼称が、『神綺様』から『お母様』に変わっているのもそれを顕しているのだろう。
そして、人間界へと旅立ったアリスは成長し、孤独になることもなく、完全な自立人形を創り出すことに成功する。
さて、問題となるのは、この『孤独になることもなく』という部分である。この部分こそ神綺が最も気にかけていた部分であるが、詳しくは語られていない。アリスの幸福について考えるならば、SSとして力を入れなければならない部分はここだろう。だが、それほど詳しく書かれておらず、おまけ程度の文量しかない。
それは、『裏』の主人公が真の意味で神綺であるからだろう。
魔界にいる神綺はアリスの姿が見えない。精々、手紙でやりとりをするくらいである。
この姿は我々が経験する一般的な親子像と同じなのだ。
子供は親の知らないうちに成長しているものなのである。
アリスは神綺の知らない間に魔法使いになっていた。「わからない」という返答ではあったが、アリスは自分の心でちゃんと物事を考えていた。
アリスが孤独を克服していく過程がそれほど詳細に書かれていないのも、子供が親の知らない間に育っているということの象徴なのだ。
◎その他
――と、物語の項目で、レビュー筆者はこのSSに対する見解――すなわち、神綺は「創造主と人間」の関係性から抜け出ることができていなかったということを述べたが、実際には神綺は一人称でアリスに対して母親として接している。『母親として』という言葉が非常にたくさん出てくる。とはいえ、文章の構成を考えると、私はそれでも神綺は無意識のうちでは「創造主と人間」の関係性に縛られていたのではないかとも思う。
それはこの部分に現れているのではないだろうか。
『そして、最も大切なことを』。
『娘が、私と同じ轍を踏まないように。』
『「自立人形を、完成させたとしても。それは、誰かの代わりにはならない。それだけは、覚えておいて」』
神綺の創った魔界人はその『誰か』の代わりにはならないかったのだろう。そして、神綺の孤独が完全に癒えていないという点で、やはり、アリスは完全には娘にはなれていなかったのだと思う。
あと、気になることだが、『表』の一番最初、『ただ一つ、下らない夢の話だ。』とあるが、これはミスと考えるべきだろうか。このSSはアリスにとっても、神綺にとっても、下らない話ではないだろう。だから、不適切にも見える。だが、また、以下のような解釈も考えられる。
これは神綺がアリス、そして彼女の姉妹である魔界人を生み出す前の言葉であると。
もし、そうだとするなら、これは神綺の寂しさや絶望を表した一文だったのかもしれない。
だが、アリスもまた自ら進んで自立人形の創造に着手するのである。
この意味で、アリスは神綺の娘として、そして、一人の母親として成長するのだ。
そのとき、このSSは神綺にとって素晴らしい夢へと変わっているのではないか。
なお、個人的には、夢子の『物を生み出すことが出来るがために、抱えてしまった孤独。そして、私たちに対する責任感と、優しさと、愛情を抱いてしまったがために、神綺さまは一人になってしまった。私たちを捨てて、他者に混じることができなくなってしまった』の語りが心に残った。
【総合評価】
★構成:それほど大きな山もなく谷もない構成だが、人生という大きな物語を表すには最適かもしれません。ただ静かに物語が進んでいきます。
★文章:優しい文体です。作者のキャラクターへの愛が感じ取れる文体だと思います。
★物語:アリスの神綺の娘として、そして一人の母親として成長していく物語です。穏やかながらも辛い人生を進んでいくアリスの姿に心動かされるSSといえるでしょう。
★総合評価:良作だと思います。人形の意味、そして、子供の意味。切ないけれどもどうしようもなく大切なテーマを優しいタッチで描いた作品だと思います。
こうして母から娘へと、想いが受け継がれていくのでしょう。
【作品集】78
【ポイント】4730(後編)
【レート】12.68(後編)
※2009/08/18時点
【タイトル】ボクモ、アタイモ、ムービースター☆ (前・後編)
【書いた人】ネコロビヤオキ 氏
【あらすじ】
香霖堂で見た映画の衝撃が忘れられないチルノ、
ある日、博麗神社の祭りの出し物で、映画を出そうと提案する。
そして映画撮影が始まった。
【感想】
「みんなで何かを創作することの楽しさ」を目一杯詰め込んだ作品。
素人ながら必死に映画を作る少女たちの夏、非常に絵になる光景、
話の展開はほぼ一本道な作品だけど、そこに作者の東方と創作への愛が詰まっていて、非常に心が温まる。
東方版ジュブナイル小説。ワクワクしながら最後まで読み進んでしまう作品。
【作品集】78
【作品】河童もたまには滝から落ちる。
【作者】非共有物理対さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1244858660&log=78
【あらすじ】
最近妖怪の山にやってきた緑の巫女が釣りをしているのを発見した光学迷彩装備にとり。親切心で釣りに干渉するが……。
【感想】
にとりと早苗が知り合い、友情を築くきっかけとなる話。よかれと思ってやったことが裏目になることってよくありますよね。
それに対するにとりの後ろめたさがうまく描写されています。全体的にやわらかい雰囲気のあるSSです。
【作品集】78
【タイトル】スクール水着姿が可愛かった、早苗の昔話。
【書いた人】反魂氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1244736997&log=78
【あらすじ&感想】
スクール水着に対する神奈子の考察。
神奈子の語りで構成されている短編。
すらすら読める文章で、神奈子様の高尚なお話を読むことができます。
スク水好きなあなたにお勧め。
【五段階評価】
★★★★☆
【作品集】78
【タイトル】自称私立探偵○○○ 最後の事件 前編・後編
【書いた人】胡椒中豆茶氏
【URL】
(前編)ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1244661295&log=78
(後編)ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1244661304&log=78
【あらすじ・感想】
(冒頭引用)
「俺の名前は○○○、危険と女をこよなく愛する白狼天狗の探偵だ。
ちなみに危険はあまり愛さない。愛する割合としては女200%で危険は-100%と言ったところか。」
(あらすじ)
主人公○○○はちょっとした行き違いから生き別れになった姉(^_^;)を探しに旅に出る。
そして、地霊殿へ……。
(感想等)
ソフトボイルドで、灰汁の強い作品。
冒頭からその面白さに引っ張られて、一気に読まされました。
オリキャラも東方キャラもそれぞれ魅力的に描かれており、好感が持てます。
【作品集】78
【タイトル】自称私立探偵○○○ 最後の事件(前後編構成)
【書いた人】胡椒中豆茶氏
【容量】約170kb
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1244661295&log=78
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1244661304&log=78
【あらすじ&感想】
俺の名前は○○○、危険と女をこよなく愛する白狼天狗の探偵だ。
(以上冒頭の1行より抜粋)
二人の弟の名は『。。。』と『・・・』、姉は『(^_^;)』で、妹は『:)rz』。
名前のせいで悲しい経験をした(^_^;)はほぼ○○○としか関わらないようになってしまった。
(^_^;)は全ての物に対して名前を付けるという行動に出だすがそれはこんな名前を付けられたことに対する
世界への復讐であった。当時の○○○は気づかない。
その後(^_^;)は失踪、やり残したことにケリを付けるべく○○○は(^_^;)を追って世界を巡る旅に出る。
大まかなあらすじを並べても話が見えてこない。なんてこったい。
しかもその内東方に関わっている要素は白狼天狗のみという凄まじさ。
地霊殿組や文は出演するのですが…割合として話の半分程度はオリキャラの回想に費やされ
特に初見時その序盤の状況確認でブラウザバックした方も多いのではないのでしょうか。
舞台は結局幻想郷へと移っていくのですが濃い上に完全オリキャラがメインの話なので
胡椒中豆茶氏の二次創作が見たいんだぜ!という方以外にはあまり薦めにくいですが・・・
氏の高得点作品の「B境界の突破者」や「11%ハクレイガール」「ラストプリンセス娘の挑戦」等
気に入ったものがあるならば氏の作品は全部その人にとって当たりとなることでしょう。
★★☆☆☆(是非ともスキマのある心で読みたい)
【作品集】78
【タイトル】酒と妖と其の名の力
【書いた人】ネコん氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1244540787&log=78
【あらすじ】
いつものように香霖堂に来た魔理沙はふと霖之助に質問する。
「なんで妖怪は、私みたいな女の子が多いんだ?」
【感想】
東方に出てくる妖怪たちは何故少女の外見のものが多いのか。
中盤からは霊夢も加わり、「何故妖怪たちはあんなに酒を飲むのか」についても語る。
霖之助らしく言葉遊びのような事実かどうか怪しい薀蓄。
実にらしい。しかし何故か説得力がある。
薀蓄語りですが難しい話でもなく、長さも読みやすい。
お酒でも飲みながら読んでみてはいかがでしょうか?
【作品集】78
【作品名】キズイロ
【作者名】
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1244303385&log=78
【あらすじ】
ある朝、早苗は調子が悪いようで、諏訪子や神奈子に心配されていた。
その昼、霊夢と会い、彼女から表面上だけの励ましを受けた。改めて自分がだれからも本当の自分を見てもらえていないという事実を把握する。
夜、彼女は自らを傷つける。
【感想考察】
早苗にもし自傷癖があったなら、の幻想入り。
生々しい絶望の一人称と、美しい家族愛の対比は、見る者の心を打つ。
孤独から逃げ、絶望を肉で削ぎ、惰性で骨を削る。
そんな幾重にも紡がれた螺旋は、より強固な愛でしか打ち砕けないだろう。
このSSは始まりにすぎない。本当の戦いはこれからだ。
[HE力]★★★★☆(早苗は人類にとっては小さな一歩だが、人間にとっては大きな一歩を踏み出した)
[欝力]★★★★☆(序盤は延々と陰鬱な雰囲気が続く)
[グロ]★★★☆☆(エグい自傷。注意)
【評価】★★★☆☆(自傷に興味が在る方は+★1.5)
【作品集78】
【タイトル】最強の氷精
【書いた人】翔鶴 氏
【サイズ】116.00KB
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1244257716&log=78
【あらすじ】
去りし日の紅魔館。働かない妖精メイドの罰にナイフやらを用いていることを聞きつけたチルノが、紅魔館へ闘いを仕掛けた。「たかが妖精」そう甘く見ていたレミリアだったが、部屋を一歩出たとたん、そこには氷付けにされた住人たちの姿があった。
スペルカードルールが導入される以前の話。最強の怪異である吸血鬼と、最弱の存在妖精の壮絶な戦闘が幕を開ける。
【感想】
レミリア視点、つまり、絶対的強者の視点で描かれる訳ですから、何が起こるのかは言わずもがなでしょうが、とりあえずはネタバレ無しの方向で。でもそうすると書くことがなくなってしまうので、終わります。
二転三転する熱い展開から目が離せなくなる良作です。とだけ。
【五段階評価】
★★★☆☆(3.5。肉体的に痛い描写が苦手なら-1.0、バトルが好きなら+1.5)
【作品集】78
【タイトル】博麗霊夢が見た無何有
【書いた人】詩所氏
【容量】約86kb
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1244291468&log=78
【あらすじ&感想】
慧音が神社を訪れてみると、なんと霊夢が幽霊になっていた。てか死んでいた。毒キノコで。
霊体でいると間違いなく消滅してしまうため、霊夢は慧音の中へと入り込み解決策を模索することになる。
霊夢に対して悪戯を企んでいた魔理沙を慧音の体を借りて成敗したり、
妹紅や幽香と戯れている間に、文に霊夢が死んでしまったことが露見してしまい、
幻想郷中の人妖や更には死と霊に縁深い映姫や幽々子が神社へと集まってくる。
博麗の巫女が急死したとなれば幻想郷の一大事となるため何とか解決法を模索する一同だったのだが……
序盤はサラっと出来事が流されていますが、中盤から一気に雰囲気が変わってきます。
博麗の巫女が死んでしまったというよりも一人の少女として霊夢が死んでしまったというもしもが
描かれていますが、どこか楽観的に見えるのは霊夢の人格の性でしょうか。
幻想郷の死はおらは死んじまっただ的な感じを受けるんですが、
この作品はだからこそ軽い感じでなお受け入れやすいのかもしれませんね。
★★★☆☆(人妖が集う場面は、真に愛されいむ)
【作品集】78
【タイトル】紫香花―散りに散るとて其の花盛り【書いた人】実里川果実氏
【容量】約107kb
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1244306927&log=78
【あらすじ&感想】
向日葵を見たい、手に取りたいというレミリアの要望に、
花に詳しいだろうという理由で咲夜は美鈴に花畑へと赴くよう頼む。
そこで幽香に遭遇した美鈴であったが、紅魔館の者であるのに特に獰猛さも感じさせなかった等の理由により
衝突は起こらず、更には植物に詳しい者同士として、話し込み親交を深めることとなった。
博麗神社では花の咲き乱れる異変によって咲いた桜が散り始めていた。
映姫に説教をもらい、六十年の廻りを想って感傷的になっていた紫は夜中に霊夢を夜酒に誘う。
すっかり深寝入りしてしまった霊夢が起きたところに、観桜に美鈴と幽香が神社へと訪れる。
時間が時間なので霊夢、美鈴と幽香で昼食をとることになり、そこに紫も合流する。
あらすじだけ書くと盛り上がりに欠ける話に見えてしまうのですが、
これもまた今回特にオススメしたい物語です。
キャラの可愛い所を描きつつ幻想郷の香りと薀蓄を微妙に混ぜる、
例えるなら三月精の前後編のようなお話です。特に紫の思案と昼食の各場面のキャラの萌えポイントの組み合わせは
紫が三月精に初登場した回の雰囲気であるような感じを受けました。
俺の脳内幻想郷は三月精のようにふわふわしてるぜという方には特にオススメの作品。
★★★★★(東方紫香花を既に読んでいる方の更なるレビューに期待)
【作品集】78
【タイトル】testament
【書いた人】ふじいつき 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1244370870&log=78
【あらすじ&感想】
咲夜が風邪をひいた。レミリアは、彼女の部屋へ彼女を見舞う。
10kbに満たない短い作品の中に漂うレミリアの心情。
ベッドに横たわる弱った咲夜に戸惑いを覚えながら浮かんでは消えていくレミリアの思いに、ぐっと来る。
そして彼女の口から零れた言葉は、数ある紅魔館主従の一つの形の一つなのだろう。
これぞ雰囲気ssというべき作品の一つではなかろうか。
★★★★☆